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公開番号2024059986
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2024033851,2021545314
出願日2024-03-06,2019-10-10
発明の名称有機廃棄物の処理
出願人グラスポート バイオ リミテッド,GLASPORT BIO LIMITED
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類B09B 3/60 20220101AFI20240423BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】本発明は、有機廃棄物を処理するための方法を提供する。
【解決手段】本発明は、有機廃棄物(特に、ウシの排泄物などの動物の排泄物)を処理するための方法、及び有機廃棄物の処理において、有機廃棄物の生物学的分解を低減する方法における、反応性種を作製させることができる組成物の使用、また、本方法によって処理された有機廃棄物、及びこの処理された有機廃棄物の使用、また、有機廃棄物の嫌気性消化(AD)中の揮発性脂肪酸(VFA)及び中鎖カルボン酸(MCCA)の産生を改善するための方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機廃棄物を処理するための方法であって、
有機廃棄物を、反応性種を作製させることができる組成物と接触させるステップを含み、前記組成物が酸化剤を含み、
前記反応性種が、ヨウ化物(I

)源と前記酸化剤とから作製する、前記方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機廃棄物(特に、ウシからの有機廃棄物などの動物の排泄物)を処理するための方法、及び有機廃棄物の処理において、有機廃棄物の生物学的分解を低減する方法における、反応性種を作製させることができる組成物の使用を提供する。本発明はまた、本発明の方法によって処理された有機廃棄物、及び下流の用途(downstream applications)における、この処理された有機廃棄物の使用を提供する。本発明はまた、有機廃棄物
の嫌気性消化(AD,anaerobic digestion)中の揮発性脂肪酸(VFA,volatile fatty acids)及び中鎖カルボン酸(MCCA,medium-chaincarboxylic acids)の産生を改善するための方法を提供する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
伝統的な家畜保有において、有機廃棄物が経時的に分解することは公知の問題である。有機廃棄物が分解するにつれて、廃棄物の潜在的な下流での実用性が減少し、その結果、廃棄物の価値が低下することも公知である。廃棄物分解の速度を減速する処理方法は公知であるが、処理が下流での実用性(例えば、肥料、産業供給原料、又はバイオマス燃料としての使用/再販売)について、廃棄物に付与する価値に対する、処理の初期費用を秤にかけることによって、任意の処理の費用対効果を常に考慮しなければならない。本発明は、反応性種を作製させることができる組成物を用いることによって、有機廃棄物を処理するための費用対効果の高い方法を提供する。
【0003】
有機廃棄物の生物学的分解は、多くの形態を取りうる。本質的に、有機廃棄物の生物学的分解は、微生物(例えば、細菌、真菌等)が、価値のある有用な大きな有機化合物を、より有用でなく、より価値のない小さな有機化合物に細分化することであり、最終的には、さらに分解されて、ガス(例えば、CH

、NH

、CO

、N

等)として廃棄物から失われる。分解されていない有機廃棄物中の大きな有機化合物は、例えば、肥料化合物の緩効性供給源として、並びに土壌の条件、生物多様性、及び機能を改善するための繊維供給源としても作用することができるため、有用であり、価値がある。そのため、有機廃棄物の生物学的分解を低減する、有機廃棄物を処理するための方法を提供する必要がある。
【0004】
有機廃棄物は、肥料化合物(例えば、アミノ酸、アンモニウム(NH


)塩、硝酸(NO


)塩、又は亜硝酸(NO


)塩などの、炭素又は窒素含有肥料化合物)を含む。これらの肥料化合物は、下流で用いられた場合、有機廃棄物が土壌を肥沃化する能力に寄与する。脱窒などのプロセスを通じた有機廃棄物の分解は、ある一定の肥料化合物を大気中に失わせ、したがって、下流の用途における肥料としての廃棄物の価値を低減する。そのため、下流の用途における有機廃棄物の価値を維持するために、これらの肥料化合物が、有機廃棄物から失われることを低減する必要がある。
【0005】
有機廃棄物はまた、メタン産生によっても分解することがあり、メタン産生とはメタン(CH

)の生物学的産生である。メタン産生は通常、有機廃棄物(又はバイオマス)の生物学的変質における最終ステップであり、通常、一般にメタン産生菌と呼ばれる、古細菌ドメインの微生物によって媒介される。メタン産生のための経路としては、(1)二酸化炭素の還元、(2)アセテートの発酵、並びに(3)メタノール又はメチルアミンの不均化(同時に起こる分子の酸化及び還元)が挙げられる。生物学的に産生されるメタンの大部分(約70%)は、アセテートのメチル基のメタンへの変換に端を発する。メタン産生に関連して、少なくとも次の2つの問題がある。
【0006】
第1に、メタンは温室効果ガスであり、そのため、ヒトに関係する地球温暖化及び気候変動に寄与する。事実、同じ重量で比較すると、メタンは二酸化炭素のおよそ25倍、温室効果ガスとして強力であり、家畜及び動物の廃棄物貯蔵産業は、ヒトに関連するメタン排出の主な供給源である(US Environmental ProtectionAgency-https://www.epa.gov/ghgemissions/overview-greenhouse-gases#methaneによる)。実際に、いくつかの国は、
メタン排出が十分に多い場合、家畜を保有する所有者に金銭的な罰則を科している。そのため、家畜保有からの温室効果ガス排出を低減するために、有機廃棄物を処理してメタン産生を低減する必要がある。
【0007】
第2に、有機廃棄物からメタンガスの形態で炭素を失うことによって、少なくとも2つの問題が生じる。1つ目は、例えば嫌気性消化又は熱分解により、バイオ燃料として、又はバイオ燃料産生のための供給原料としての潜在的な用途を廃棄物が有する場合、炭素を失うことによって、潜在的なエネルギー出力の低減を生じる。言い換えれば、メタンとして廃棄物から炭素を失うことは、残存する廃棄物中の可燃性又は反応性炭素がより少なくなることを意味する。2つ目は、メタン産生によるガス状形態への変質を受けやすい炭素含有有機化合物は、肥料化合物でもありうる-すなわち、有機廃棄物が土壌と混合された場合、土壌を肥沃化する。詳細には、土壌の有機炭素及び繊維の含有量を増加させることは、土壌の条件、生物多様性、及び機能を維持するために重要である。そのため、メタン産生を低減することによって、有機廃棄物からの炭素含有肥料化合物の損失も低減し、これによって、肥料又は土壌改良としての廃棄物の潜在的実用性が上昇する。そのため、(i)バイオ燃料として、又は産業供給原料として用いる場合、廃棄物の潜在的なエネルギー出力を最大化するため、並びに(ii)炭素含有肥料化合物の損失を低減して、肥料及び土壌調節剤としての有機廃棄物の潜在的実用性を最大化するために、有機廃棄物を処理して、メタン産生を低減する必要がある。
【0008】
有機廃棄物の生物学的分解に関連する別の問題は、いわゆる「クラスト化」である。有機廃棄物が生分解されるにつれて、有機廃棄物は乾燥し、表面に厚いクラストを形成することがある。クラスト化は、取扱いが困難となり、特に、土壌の上に散布するのが容易でなくなるため、下流の有機廃棄物の使用者には煩わしい。そのため、有機廃棄物が生分解されるにつれてクラスト化することを低減するために、有機廃棄物の生物学的分解を低減する必要がある。
【0009】
有機廃棄物を処理する従前の方法として、有機廃棄物を酸性化することが挙げられる。典型的には、「酸性化」は、有機廃棄物のpHレベルを、通常レベル(典型的にはpH7前後)からpH6未満、通常はpH5前後未満のレベルに低下させることを意味する。pHレベルを低下させるために用いる酸性化剤は、典型的には、強酸、例えば、塩酸、硫酸、又は硝酸などである。ギ酸又はリン酸なども用いられうる。しかしながら、強酸の使用は問題を生じる。例えば、強酸はしばしば腐食性であり、ヒトと家畜との両方に有害である。これは、(i)用いる前の酸のため、及び(ii)酸性化した廃棄物のための特殊な貯蔵設備が必要であり、加えて、酸の専門取扱者も必要でありうることを意味する。これによって、プロセスの費用及び複雑さが加わり、したがって、上に論じたように、処理の全体的な費用対効果が低減する。
【0010】
有機廃棄物の酸性化に伴う別の問題は、肥料としての下流での実用性が、非酸性化廃棄物と比較して妨げられることである。これは、酸性化廃棄物が土壌の酸性化を生じるためであり、農作物に損害を与えることがあるため、望ましくない。いずれかの不要な土壌の酸性化を相殺するためには、追加のアルカリ剤(例えば石灰)を用いる必要がありうるが、これもまた処理の全体的な費用を増加させる。
(【0011】以降は省略されています)

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