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公開番号2024059593
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2023178566
出願日2023-10-17
発明の名称抗C1s抗体の使用
出願人中外製薬株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 39/395 20060101AFI20240423BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】補体介在性の疾患または状態の治療における使用のための薬学的製剤を提供する。
【解決手段】本発明は、補体介在性の疾患もしくは状態の治療における使用のための、抗C1s抗体を含む薬学的製剤を提供する。本発明はまた、補体介在性の疾患または状態を治療するための薬学的製剤の製造における、抗C1s抗体の使用を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
補体介在性の疾患または状態の治療における使用のための、抗C1s抗体を含む薬学的製剤であって、
該抗体が、以下の1)~6)からなる群より選択されるHVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3の組み合わせを含む、薬学的製剤:
1)それぞれ配列番号25、26、27、60、61、および62からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、
2)それぞれ配列番号37、38、39、56、57、および58からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、
3)それぞれ配列番号25、26、27、56、57、および58からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、
4)それぞれ配列番号25、26、27、48、49、および50からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、
5)それぞれ配列番号29、30、31、52、53、および54からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、ならびに
6)それぞれ配列番号33、34、35、56、57、および58からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記抗体が、以下の1)~6)からなる群より選択される重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含む、請求項1に記載の薬学的製剤:
1)それぞれ配列番号24および59からなるアミノ酸配列を含む、VHおよびVL、
2)それぞれ配列番号36および55からなるアミノ酸配列を含む、VHおよびVL、
3)それぞれ配列番号24および55からなるアミノ酸配列を含む、VHおよびVL、
4)それぞれ配列番号24および47からなるアミノ酸配列を含む、VHおよびVL、
5)それぞれ配列番号28および51からなるアミノ酸配列を含む、VHおよびVL、ならびに
6)それぞれ配列番号32および55からなるアミノ酸配列を含む、VHおよびVL。
【請求項3】
前記抗体が、中性pH領域でのKD値に対する酸性pH領域でのKD値の比である酸性KD/中性KD比が107以上である、請求項1または2に記載の薬学的製剤。
【請求項4】
前記抗体が、ヒトC1sのCUB1-EGF-CUB2ドメインに特異的に結合し得る、請求項1~3のいずれか一項に記載の薬学的製剤。
【請求項5】
前記抗体が、Fcγ受容体に対する結合活性を低下させる少なくとも1つのアミノ酸改変を含む変異定常領域を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の薬学的製剤。
【請求項6】
前記抗体が少なくとも1つのアミノ酸改変を含む変異定常領域を有し、
該アミノ酸改変が、変異定常領域の等電点(pI)を親定常領域のそれと比較して低下させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬学的製剤。
【請求項7】
前記抗体が、配列番号45からなるアミノ酸配列を含む重鎖定常領域および配列番号23からなるアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む定常領域を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬学的製剤。
【請求項8】
補体介在性の疾患または状態を治療するための薬学的製剤の製造における、抗C1s抗体の使用であって、
該抗体が、以下の1)~6)からなる群より選択されるHVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3の組み合わせを含む、使用:
1)それぞれ配列番号25、26、27、60、61、および62からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、
2)それぞれ配列番号37、38、39、56、57、および58からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、
3)それぞれ配列番号25、26、27、56、57、および58からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、
4)それぞれ配列番号25、26、27、48、49、および50からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、
5)それぞれ配列番号29、30、31、52、53、および54からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3、ならびに
6)それぞれ配列番号33、34、35、56、57、および58からなるアミノ酸配列を含む、HVR-H1、HVR-H2、HVR-H3、HVR-L1、HVR-L2、およびHVR-L3。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抗C1s抗体等の抗体およびその使用方法に関する。本発明はまた、補体介在性の疾患または状態の治療における使用のための抗C1s抗体を含む薬学的製剤、および補体介在性の疾患または状態を治療するための薬学的製剤の製造における抗C1s抗体の使用に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
C1複合体は、古典経路カスケードの主要な開始因子として機能する大型のタンパク質複合体である。C1複合体は、モル比がそれぞれ1:2:2のC1q、C1r、およびC1sの3つの成分から構成される(非特許文献1)。古典経路は、抗体と結合した標的にC1複合体が結合すると開始される。6つの球状頭部を有するC1qは、Fc領域とのアビディティ型相互作用によってC1複合体が抗体に結合するのを媒介する。標的に緊密に結合すると、C1複合体内のC1rは自己活性化し、酵素的に活性となる。活性化したC1rはその後、C1複合体内のプロ酵素C1sを切断して活性化させる(非特許文献2)。その後、活性化したC1sは、その基質である補体成分C2およびC4を切断し、それぞれC2a/C2bおよびC4a/C4bフラグメントにする。これにより、C3コンバターゼであるC4b2aの集合体が標的の表面上にあらわれ、C3を切断してC3bを形成させる。C3bはその後、C5を切断して、C5b、C6、C7、C8、およびC9の終末膜侵襲複合体の形成を開始させ、これが孔形成を通じて標的を溶解させる。
【0003】
C1sおよびC1rの両タンパク質は、CUB1-EGF-CUB2-CCP1-CCP2-セリンプロテアーゼという同一のドメイン構成を有する(非特許文献3)。CUB1-EGF-CUB2ドメインは、C1r2s2四量体を形成するためのC1rとC1sの間の相互作用を媒介し(非特許文献4)、またC1r2s2とC1qの間の相互作用も媒介する(非特許文献5)。これに対して、C1rおよびC1sのCCP1-CCP2-セリンプロテアーゼドメインは、それらの各々の基質のタンパク質分解切断を担う(非特許文献6、非特許文献7)。C1r2s2四量体は、この四量体のCUB1-EGF-CUB2ドメイン内の6つの結合部位を通じて、C1qの6つのステム部と相互作用する(非特許文献5)。
【0004】
適切に機能する補体系は宿主を病原体から防御するが、古典経路の異常調節または不適切な活性化は、様々な補体介在性の疾患または状態、例えば、非限定的に、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡(BP)、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)等を引き起こす。したがって、古典経路の過剰なまたは制御されない活性化の阻害は、そのような疾患または状態を有する患者に臨床的利益を提供し得る。
【0005】
C1sのベータドメインに結合する抗体であるHI532はC1r2s2とC1qの相互作用を阻害できることが報告された(非特許文献8)。しかし、この抗体は、ヒト血清の溶血活性を完全には中和することができず、血清をこの抗体と共に24時間インキュベートした後でさえも30%の活性が残存した。
【0006】
抗体は、血漿中で安定性があり、それらの標的に対して高度に特異的であり、一般に優れた薬物動態プロファイルを示すことから、非常に魅力的な医薬品である。しかし、それらの大きな分子サイズのために、治療用抗体の用量は通常、多い。標的が多量に存在する場合は、必要とされる抗体の治療用量はさらに多くなる。その結果、抗体の薬物動態、薬力学、および抗原結合特性を改善する方法は、治療用抗体に伴う用量および高い製造費を減少させる魅力的な方法である。
【0007】
pH依存的に抗原に結合する抗体(以降、本明細書で「pH依存的抗体」または「pH依存的結合抗体」とも称される)は、単一の抗体分子による複数の抗原分子の中和を可能にすることが報告されている(非特許文献9、特許文献1)。pH依存的抗体は、血漿中の中性pH条件下でその抗原に強く結合するが、細胞のエンドソーム内の酸性pH条件下で抗原から解離する。抗原から解離すると、抗体はFcRn受容体により血漿中にリサイクルされ、解離した抗原は、細胞のリソソーム内で分解される。リサイクルされた抗体はその後、再び自由に抗原分子に結合してそれを中和し、このプロセスは抗体が血中にとどまる限り繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
WO2009/125825
【非特許文献】
【0009】
Wang et. al. Mol Cell. 2016 Jul 7;63(1):135-45
Mortensen et. al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2017 Jan 31;114(5):986-991
Gal et. al. Mol Immunol. 2009 Sep;46(14):2745-52
Almitairi et. al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2018 Jan 23;115(4):768-773
Bally et. al. J Biol Chem. 2009 Jul 17;284(29):19340-8
Rossi et. al. 1998 J Biol Chem. 1998 Jan 9;273(2):1232-9
Lacroix et. al. J Biol Chem. 2001 Sep 28;276(39):36233-40
Tseng et. al. Mol Immunol. 1997 Jun;34(8-9):671-9
Igawa et. al. Nat Biotechnol. 2010 Nov;28(11):1203-7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、抗C1s抗体等の抗補体成分抗体、それを含む薬学的製剤(薬学的組成物)、およびそれらの使用方法を提供する。本発明はまた、補体介在性の疾患または状態の治療における使用のための抗C1s抗体を含む薬学的製剤、および補体介在性の疾患または状態を治療するための薬学的製剤の製造における抗C1s抗体の使用を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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