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公開番号2024058454
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165821
出願日2022-10-14
発明の名称ポリアミド組成物及び成形品
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 77/00 20060101AFI20240418BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低比誘電率を有し、耐衝撃性を良好に保ちながら、良好な機械的剛性及び強度、成形性及び表面外観性に優れた成形品を形成可能なポリアミド組成物及び前記ポリアミド組成物を成形してなる成形品を提供する。
【解決手段】ポリアミド組成物は、(A)脂肪族ポリアミドと、(B)ジカルボン酸単位とジアミン単位とを含有する半芳香族ポリアミドと、(C)JIS-K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで昇温したときに得られるガラス転移温度が80℃以上250℃以下の非晶性樹脂(但し、ポリアミドを除く)と、(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体と、(E)少なくとも1種のガラス充填剤を含有し、前記(B)半芳香族ポリアミドの含有量、前記(C)非晶性樹脂の含有量、及び前記(E)ガラス充填材の周波数1GHzにおける比誘電率が、所定範囲内である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)脂肪族ポリアミドと、
(B)ジカルボン酸単位とジアミン単位を含有する半芳香族ポリアミドと、
(C)JIS-K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで昇温したときに得られるガラス転移温度が80℃以上250℃以下の非晶性樹脂(但し、ポリアミドを除く)と、
(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体と、
(E)少なくとも1種のガラス充填材
とを含有し、
前記(A)脂肪族ポリアミドと前記(B)半芳香族ポリアミドとの合計含有量に対する、前記(B)半芳香族ポリアミドの含有量〔(B)/((A)+(B))〕が、5質量%以上60質量%以下であり、
前記(A)脂肪族ポリアミドと前記(B)半芳香族ポリアミドと前記(C)非晶性樹脂と前記(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物との合計含有量に対する、前記(C)非晶性樹脂の含有量〔(C)/((A)+(B)+(C)+(D))〕が、5質量%以上50質量%以下であり、
前記(E)ガラス充填材の周波数1GHzにおける比誘電率が、6.0以下である、
ポリアミド組成物。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記(A)脂肪族ポリアミドが、炭素数4以上10以下の脂肪族ジカルボン酸単位と炭素数4以上10以下の脂肪族ジアミン単位とを含有する、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項3】
前記(A)脂肪族ポリアミドが、ポリアミド66である、請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
【請求項4】
前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を50モル%以上含有し、且つ、前記ジアミン単位として、炭素数4以上10以下のジアミン単位を含有する、請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
【請求項5】
前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を80モル%以上含有する、請求項4に記載のポリアミド組成物。
【請求項6】
前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を100モル%含有する、請求項5に記載のポリアミド組成物。
【請求項7】
前記(B)半芳香族ポリアミドが、ポリアミド6Iである、請求項5に記載のポリアミド組成物。
【請求項8】
前記ポリアミド組成物を構成する全ポリアミド中の窒素原子数Nに対する、アミド結合を形成する炭素原子以外の炭素原子数Cの比(C/N)が、5.0以上6.0未満である、請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
【請求項9】
前記(A)脂肪族ポリアミドと前記(B)半芳香族ポリアミドと前記(C)非晶性樹脂と前記(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物との合計含有量に対する、前記(C)非晶性樹脂の含有量〔(C)/((A)+(B)+(C)+(D))〕が、20質量%以上50質量%以下である、請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
【請求項10】
前記(C)非晶性樹脂が、ポリスチレン系樹脂である、請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、低比誘電率、良好な機械強度を有し、成形性及び表面外観性に優れた成形品を成型可能なポリアミド組成物及び前記ポリアミド組成物を成形して得られる成形品に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアミドは耐熱性、機械物性、耐薬品性の点において優れていているため、繊維、複合材料、電気・電子部品等の幅広い分野で用いられている。特に、電気・電子部品分野においては、携帯用電子デバイスの軽量化及び小型化が求められており、より誘電率が低いポリアミドの需要が高まっている。
【0003】
ポリアミド組成物及び成形品の低比誘電率により、0.3~300GHzの周波数で電磁波を介して通信を行う装置の送信特性及び受信特性に対して重大な障害をもたらすことなく、前記装置のハウジング、ハウジング部品又は他の構成部品にポリアミド成形化合物を用いることができる。このような電磁波を介して通信を行う装置は、様々な領域、例えば、電気通信又は過程において、送受信装置、携帯電話、タブレット、ラップトップ、ナビゲーション装置、監視カメラ、写真撮影用カメラ、センサー、ダイビングコンピュータ、オーディオユニット、リモコン、スピーカー、ヘッドホン、ラジオ、テレビ、キッチン機器、キーレス自動車キー等に用いられている。
【0004】
特許第6985908号公報には、低比誘電率に加えて、射出成形によって得られた成形品の成形収縮挙動に優れるポリアミドが開示されている。
これらのポリアミドは、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド1016等に代表される長鎖の部分結晶性脂肪族ポリアミド及び/又は、ポリアミドMACM12等に代表される長鎖の非晶性ポリアミドを含む。
【0005】
特開2010-168502号公報には、低比誘電率、低吸水性、溶剤への溶解性に優れているポリアミドが開示されている。これらのポリアミドは、特別な二官能性フェニレンエーテルオリゴマーの両末端に芳香族アミノ基を有するジアミンとジカルボン酸又はジカルボン酸ハロゲン化物との反応から得られるポリアミドの繰り返し単位を有するポリマーを含むか、あるいは、特別な二官能性フェニレンエーテルオリゴマーの両末端に芳香族アミノ基を有するジアミン又はさらなるジアミンとジカルボン酸又はジカルボン酸ハロゲン化物との反応から得られるポリアミドの繰り返し単位を有するコポリマーを含む。
【0006】
特開平05-274914号公報には、低比誘電率のポリアミド樹脂からなる絶縁材料に関する。これらの材料は、パッチボードやマルチチップモジュール等の電子部品に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6985908号公報
特開2010-168502号公報
特開平05-274914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した用途のためのポリアミド材料は、通常、射出成形法により処理される。低比誘電率に加えて、ポリアミド組成物の成形収縮挙動及び表面外観性は、重要な特性を表す。低比誘電率は、極性の低いポリマーをポリアミド組成物に組み込むことによって実現できるが、ポリアミドとの相溶性の悪さから、成形収縮挙動及び表面外観性に悪影響が及ぶ。さらに、例えば、電気通信装置の分野において用いられるポリアミド成形化合物は、防汚性であること、表面外観が良好であること、機械的強度に優れることが要求される。優れた機械的強度はガラスファイバー等の補強材料をポリアミド組成物に組み込むことによって実現できるが、これにより、ポリアミド組成物の比誘電率に悪影響が及ぶ。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、低比誘電率を有し、耐衝撃性を良好に保ちながら、良好な機械的剛性及び強度、成形性及び表面外観性に優れた成形品を形成可能なポリアミド組成物及び前記ポリアミド組成物を成形してなる成形品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明に係るポリアミド組成物は、(A)脂肪族ポリアミドと、(B)ジカルボン酸単位とジアミン単位とを含有する半芳香族ポリアミドと、(C)JIS-K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで昇温したときに得られるガラス転移温度が80℃以上250℃以下の非晶性樹脂(但し、ポリアミドを除く)と、(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体と、(E)少なくとも1種のガラス充填材とを含有し、前記(A)脂肪族ポリアミドと前記(B)半芳香族ポリアミドとの合計含有量に対する、前記(B)半芳香族ポリアミドの含有量〔(B)/((A)+(B))〕が、5質量%以上60質量%以下であり、前記(A)脂肪族ポリアミドと前記(B)半芳香族ポリアミドと前記(C)非晶性樹脂と前記(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物との合計含有量に対する、前記(C)非晶性樹脂の含有量〔(C)/((A)+(B)+(C)+(D))〕が、5質量%以上50質量%以下であり、前記(E)ガラス充填材の周波数1GHzにおける比誘電率が6.0以下である。
前記(A)脂肪族ポリアミドが、直鎖状脂肪族ジカルボン酸単位と直鎖状脂肪族ジアミン単位とを含有してもよい。
前記(A)脂肪族ポリアミドが、炭素数4以上10以下の脂肪族ジカルボン酸単位と炭素数4以上10以下の脂肪族ジアミン単位とを含有してもよい。
前記(A)脂肪族ポリアミドが、ポリアミド66であってもよい。
前記(A)脂肪族ポリアミドの重量平均分子量Mwが、10,000以上100,000以下であってもよい。
前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を50モル%以上含有し、且つ、前記ジアミン単位として、炭素数4以上10以下のジアミン単位を含有してもよい。
前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を80モル%以上含有し、且つ、前記ジアミン単位として、炭素数4以上10以下のジアミン単位を含有してもよい。
前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を100モル%含有し、且つ、前記ジアミン単位として、炭素数4以上10以下のジアミン単位を含有してもよい。
前記(B)半芳香族ポリアミドが、ポリアミド6Iであってもよい。
前記ポリアミド組成物を構成する全ポリアミド中の窒素原子数Nに対する、アミド結合を形成する炭素原子以外の炭素原子数Cの比(C/N)が、5.0以上6.0未満であってもよい。
前記(A)脂肪族ポリアミドと前記(B)半芳香族ポリアミドと前記(C)非晶性樹脂と前記(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物との合計含有量に対する、前記(C)非晶性樹脂の含有量〔(C)/((A)+(B)+(C)+(D))〕が、20質量%以上50質量%以下であってもよい。
前記(C)非晶性樹脂が、ポリスチレン系樹脂であってもよい。
前記ポリスチレン系樹脂に含まれるオレフィン成分の割合が、5質量%以下であってもよい。
前記(C)非晶性樹脂が、ポリスチレン系樹脂であり、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが、200,500以上であってもよい。
前記(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体の含有量が、前記ポリアミド組成物の総質量に対して、1質量%以上8質量%以下であってもよい。
前記(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体が、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルであってもよい。
前記(E)ガラス充填剤がガラス繊維であり、前記ガラス繊維の比誘電率(Dk)が、1.0GHzで5.0以下であってもよい。
前記(E)ガラス充填剤がガラス繊維であり、誘電正接(Df)が、1.0GHzで0.010以下であってもよい。
前記(E)ガラス充填剤がガラス繊維であり、前記ガラス繊維の含有量が、前記ポリアミド組成物の総質量に対して、40質量%以上60質量%以下であってもよい。
本発明に係るポリアミド組成物は、前記(A)~(E)以外の添加剤を、前記ポリアミド組成物の総質量に対して、5質量%以下含有してもよい。
本発明に係る成形体は、本発明に係るポリアミド組成物を含む。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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