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公開番号2024053079
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-12
出願番号2024035747,2023018253
出願日2024-03-08,2012-11-20
発明の名称表面保護フィルム
出願人藤森工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09J 7/38 20180101AFI20240405BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】優れた帯電防止性能を備え、低速度領域、及び高速度領域の剥離速度において、粘着力のバランスが優れ、さらに、耐久性能、及びリワーク性能にも優れた表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】炭素数が4~10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを85~98.5重量部と、ヒドロキシル基含有の共重合性モノマーを0.5~9.5重量部と、カルボキシル基含有の共重合性モノマーを0.5~1.5重量部と、を共重合させた共重合体からなり、アクリル系ポリマーの酸価が0.01~8.0であり、架橋剤が、3官能以上のイソシアネート化合物であり、アクリル系ポリマー中に、アクリロイル基含有の4級アンモニウム塩型イオン性化合物が共重合され、表面抵抗率が5.0×10+11Ω/□以下であり、剥離帯電圧が±0~0.5kVである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アクリル系ポリマーと、架橋剤とを含有する粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、樹脂フィルムの片面に形成してなる表面保護フィルムであって、
前記アクリル系ポリマーが、
前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、炭素数が4~10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも1種以上の合計を85~98.5重量部と、ヒドロキシル基含有の共重合性モノマーの少なくとも1種以上の合計を0.5~9.5重量部(但し、前記炭素数が4~10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも1種以上の合計100重量部に対して、前記ヒドロキシル基含有の共重合性モノマーの少なくとも1種以上の合計が0.1~5.0重量部含まれる場合を除く)と、カルボキシル基含有の共重合性モノマーの少なくとも1種以上の合計を0.5~1.5重量部と、を共重合させた共重合体からなり、
前記アクリル系ポリマーの酸価が0.01~8.0であり、
前記架橋剤が、3官能以上のイソシアネート化合物であり、
前記アクリル系ポリマー中に、アクリロイル基含有の4級アンモニウム塩型イオン性化合物が共重合され、
表面抵抗率が5.0×10
+11
Ω/□以下であり、剥離帯電圧が±0~0.5kVであることを特徴とする表面保護フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電防止性能を有する粘着剤組成物、及びその粘着剤組成物を用いて、樹脂フィルムの少なくとも片面に帯電防止性能を有する粘着剤層を形成した粘着フィルム、及び表面保護フィルムを提供することに関する。
また、本発明は、液晶ディスプレイの製造工程に利用される表面保護フィルムに関するものである。さらに詳しくは、液晶ディスプレイを構成する偏光板、位相差板、反射防止フィルムなどの光学部材の表面に貼着することにより、偏光板、位相差板、反射防止フィルムなどの光学部材の表面を保護するために使用される表面保護フィルム用の粘着剤組成物、及びそれを用いた表面保護フィルムに関するものである。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、液晶ディスプレイを構成する部材である偏光板、位相差板、反射防止フィルムなどの光学部材の製造工程においては、光学部材の表面を一時的に保護するための表面保護フィルムが貼着される。このような表面保護フィルムは、光学部材を製造する工程のみに使用され、光学部材を液晶ディスプレイに組み込む時点で、光学部材から剥離して除去される。このような光学部材の表面を保護するための表面保護フィルムは、製造工程においてのみに使用されるため、一般には、工程フィルムと呼ばれることもある。
【0003】
このように、光学部材を製造する工程において使用される表面保護フィルムは、光学的に透明性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの片面に粘着剤層が形成されているが、光学部材に貼り合わせるまで、その粘着剤層を保護するための剥離処理された剥離フィルムが、粘着剤層の上に貼り合わされている。
また、偏光板、位相差板、反射防止フィルムなどの光学部材は、表面保護フィルムを貼り合わされた状態で、液晶表示板の表示能力、色相、コントラスト、異物混入などの光学的評価を伴う製品検査を行うため、表面保護フィルムに対する要求性能としては、粘着剤層に気泡や異物が付着していないことが求められている。
また、近年では、偏光板、位相差板、反射防止フィルムなどの光学部材から表面保護フィルムを剥がすときに、粘着剤層を被着体が剥がす時に発生する静電気に伴って生じる剥離帯電が、液晶ディスプレイの電気制御回路の故障に影響することが懸念され、粘着剤層に対して優れた帯電防止性能が求められている。
また、偏光板、位相差板、反射防止フィルムなどの光学部材に表面保護フィルムを貼り合わせるときには、各種の理由により、一旦、表面保護フィルムを剥がして、再度、表面保護フィルムを貼り直すことがあり、そのときに被着体の光学部材から剥がし易いこと(リワーク性)が求められている。
また、このとき、被着体を汚染しないこと、いわゆる糊残りが起こらないことが求められている。
また、最終的に偏光板、位相差板、反射防止フィルムなどの光学部材から表面保護フィルムを剥がすときには、速やかに剥離できることが求められている。いわゆる、高速度での剥離によっても、速やかに剥離できるように、粘着力が剥離速度によっても変化が少ないことが求められている。
【0004】
このように、近年においては、表面保護フィルムを構成する粘着剤層に対する要求性能として、(1)低速度領域、及び高速度領域の剥離速度において、粘着力のバランスを取ること、(2)糊残りの発生を防止すること、(3)優れた帯電防止性能を有すること、及び(4)リワーク性能を有することが、表面保護フィルムを使用するに当たっての使い易さの点から求められている。
しかし、表面保護フィルムを構成する粘着剤層に対する要求性能である、これら(1)~(4)のそれぞれ、個々の要求性能を満たすことは出来ても、表面保護フィルムの粘着剤層に求められる(1)~(4)の全ての要求性能を、同時に満たすことは非常に困難な課題であった。
本明細書において、「低速度領域」とは、剥離速度が0.3m/min付近のことを指し、「高速度領域」とは、剥離速度が30m/min付近のことを指す。
【0005】
例えば、(1)低速度領域、及び高速度領域の剥離速度において、粘着力のバランスを取ること、及び(2)糊残りの発生を防止することについては、次のような提案が知られている。
【0006】
炭素数が7以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有の共重合性化合物との共重合体を主成分とし、これを架橋剤で架橋処理してなるアクリル系の粘着剤層では、長期間に渡り接着した場合に、粘着剤が被着体側へ移着し、また被着体に対する接着力が経時に大きく上昇するという問題があった。これを回避するため、炭素数が8~10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとアルコ―ル性水酸基を有する共重合性化合物との共重合体を用い、これを架橋剤で架橋処理した粘着剤層を設けたものが知られている(特許文献1)。
また、上記と同様の共重合体に(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有の共重合性化合物との共重合体を少量配合し、これを架橋剤で架橋処理した粘着剤層を設けたものなどが提案されている。しかし、これらは、表面張力が低くて表面が平滑なプラスチック板などの表面保護に使用すると、加工時や保存時の加熱により浮きなどの剥離現象を生じるという問題や、手作業領域である高速度で剥離した時に、再剥離性が劣るという問題もあった。
【0007】
これらの問題を解決するため、a)炭素数が8~10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする(メタ)アクリル酸アルキルエステル100重量部に、b)カルボキシル基含有の共重合性化合物1~15重量部と、c)炭素数が1~5の脂肪族カルボン酸のビニルエステル3~100重量部とを加えてなる単量体混合物の共重合体に、上記のb)成分のカルボキシル基に対して当量以上の架橋剤を配合した粘着剤組成物が提案されている(特許文献2)。
特許文献2に記載の粘着剤組成物では、加工時や保存時において、浮きなどの剥離現象を生じることがなく、その上、接着力が経時に大きく上昇しないで、再剥離性に優れているとしている。また、長期保存、特に高温雰囲気下で長期保存しても小さな力で再剥離でき、その際、被着体上に糊残りを生じず、また高速度で剥離を行ったときでも小さな力で再剥離できるとしている。
【0008】
また、(3)優れた帯電防止性能については、表面保護フィルムに帯電防止性を付与させるための方法として、基材フィルムに帯電防止剤を練り込む方法などが示されている。帯電防止剤としては、例えば、(a)第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1~3級アミノ基などのカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、(b)スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性帯電防止剤、(c)アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性帯電防止剤、(d)アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性帯電防止剤、(e)上記の様な帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤、などが開示されている(特許文献3)。
また、近年では、このような帯電防止剤を基材フィルムに含有させたり、あるいは基材フィルムの表面に塗布するのではなく、直接に粘着剤層に含有させたりすることが提案されている。
【0009】
また、(4)リワーク性能については、例えば、アクリル樹脂中に、イソシアネート系化合物の硬化剤と、特定のシリケートオリゴマーをアクリル系樹脂100重量部に対して0.0001~10重量部で配合した粘着剤組成物が提案されている(特許文献4)。
特許文献4では、アルキル基の炭素数が2~12程度のアクリル酸アルキルエステルやアルキル基の炭素数が4~12程度のメタクリル酸アルキルエステル等を主モノマー成分とし、例えば、カルボキシル基含有モノマーなどの他の官能基含有モノマー成分を含むことができるとしている。一般的には、上記主モノマーを50重量%以上含有させることが好ましい、又、官能基含有モノマー成分の含有量は0.001~50重量%であって、好ましくは0.001~25重量%、更に好ましくは0.01~25重量%であることが望まれる、としている。このような特許文献4に記載の粘着剤組成物は、高温下又は高温高湿下でも凝集力及び接着力の経時変化が小さく、かつ、曲面に対する接着力にも優れた効果を示すことから、リワーク性を有するとしている。
一般に、粘着剤層を柔らかい性状のものにすると、糊残りが発生し易くなり、リワーク性が低下しやすい。すなわち、誤って貼合したときに剥離し難く、貼り直しが困難となり易い。このことから、カルボキシル基などの官能基を有するモノマーを主剤に架橋させて、粘着剤層を一定の硬さにすることが、リワーク性を持たせるためには必要と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開昭63-225677号公報
特開平11-256111号公報
特開平11-070629号公報
特開平8-199130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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