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公開番号2024051674
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157960
出願日2022-09-30
発明の名称腱再生促進装置
出願人公立大学法人大阪
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A61B 18/18 20060101AFI20240404BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】生体組織に直接照射可能な大気圧低温プラズマを用いて、腱または靭帯の損傷部位の再生効率を高めることができる腱再生促進装置を提供する。
【解決手段】腱または靭帯の損傷部位に向けて大気圧下で放電ガスを供給するガス供給部と、放電ガスの供給路においてプラズマを生成するプラズマ生成部と、を備え、ガス供給部は、ガス供給管11と、ガス供給管11のガス吐出側に接続されるガス照射管12と、を有し、ガス照射管12は、供給路15と連通し、活性ガスを吐出する吐出口16を有し、供給路15は、ガス供給管11内の空間11Aとガス照射管12内の空間12Aによって形成され、プラズマ生成部は、ガス供給管11に沿って設けられた電極13を有し、電極13は、ガス供給管11の後端に設けられた第1電極13Aと、吐出口16の周辺に設けられた第2電極13Bと、を有する、腱再生促進装置1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
腱または靭帯の損傷部位に向けて大気圧下で放電ガスを供給するガス供給部と、前記放電ガスの供給路においてプラズマを生成するプラズマ生成部と、を備え、
前記ガス供給部は、ガス供給管と、前記ガス供給管のガス吐出側に接続されるガス照射管と、を有し、
前記ガス照射管は、前記供給路と連通し、活性ガスを吐出する吐出口を有し、
前記供給路は、前記ガス供給管内の空間と前記ガス照射管内の空間によって形成され、
前記プラズマ生成部は、前記ガス供給管に沿って設けられた電極を有し、
前記電極は、前記ガス供給管の後端に設けられた第1電極と、前記吐出口の周辺に設けられた第2電極と、を有する、腱再生促進装置。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記第2電極は、前記ガス供給管の先端部において、前記吐出口の周辺に埋め込まれている、請求項1に記載の腱再生促進装置。
【請求項3】
前記ガス照射管は、前記ガス供給管と着脱可能な着脱機構を有する、請求項1に記載の腱再生促進装置。
【請求項4】
前記吐出口は、前記ガス照射管の先端において長手方向に延びる1または2以上の細孔部で構成される細孔部列を1以上有する、請求項1に記載の腱再生促進装置。
【請求項5】
前記吐出口の口径は、前記ガス供給管の口径よりも小さい、請求項1に記載の腱再生促進装置。
【請求項6】
プラズマ生成部の通電制御およびガス供給部の駆動制御を行う制御部を備える、請求項1に記載の腱再生促進装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、腱再生促進装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
アキレス腱損傷や肩腱板断裂、膝や肘関節の靭帯損傷等が生じた場合、保存治療であれば装具等により損傷部位を固定し、手術加療であれば損傷部位に縫合術や再建術を行う。損傷部位に手術を施行したとしても、損傷部位の回復までに要する期間は、腱や靭帯に内在する再生能力に依存し、3週間~8週間の安静期間や、3ヶ月間~6ヶ月間のリハビリテーション期間を要する。
【0003】
上述のように、腱や靭帯損傷等に対する従来の治療法では、損傷の程度が軽度であれば、装具を用いて損傷部位(局所)を固定する。また、損傷の程度が重度であれば、縫合術や再建術等を行う。縫合術や再建術は、より確実に損傷部位を修復できる。アキレス腱断裂を例にとると、縫合術や再建術を施した患者のスポーツへの復帰率は、60%~80%であり、患者のスポーツへの復帰には平均6ヶ月を要する。さらに、縫合術や再建術を施した損傷部位の再断裂率は、1.7%~5.4%である。そのため、腱断裂や靭帯損傷の分野では、より確実に、より早くスポーツへの復帰ができる補助療法の開発が多方面で行われている。国内外で承認されているアキレス腱修復促進治療としては、例えば、多血小板血漿療法(Platelet rich plasma)、自家多血小板血漿(Plasma rich in growth factors)、多血小板血漿クロット(Platelet-rich clot releasate)等の組織再生促進因子(Tissue repair factors)、骨髄穿刺濃縮細胞液(Bone marrow aspirate concentrate)、間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cells)、脂肪由来再生細胞(Adipose-derived stem cells)、ポリヒドロキシアルカノエート(Polyhydroxyalkanoates)等の培養細胞移植(Tissue regeneration)、他家無細胞性真皮移植材料(Acellular human dermal allograft)、豚小腸粘膜下組織(Porcine small intestinal submucosa)等の足場材料(Scaffolds)が挙げられる(例えば、非特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Evan Shapiro & Daniel Grande & Mark Drakos、“Biologics in Achilles tendon healing and repair: a review”、Curr Rev Musculoskelet Med (2015) 8:9-17
Francesca Veronesi、Veronica Borsari、Deyanira Contartese、Jie Xian、Nicola Baldini、Milena Fini1、“The clinical strategies for tendon repair with biomaterials:A review on rotator cuff and Achilles tendons”、J Biomed Mater Res. 2020;108B:1826-1843.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多血小板血漿療法(PRP)は、簡便かつ安全、安価な治療として期待されているが、効果について一定の見解が統一されていない。見解が統一されていない理由の1つとしては、PRPの内容物の血小板、サイトカイン、成長因子の濃度の再現性が乏しいことが挙げられる。サイトカインの濃度が不十分であることは、PRP治療の根幹にかかわる問題となる。また、サイトカインの量についても問題を抱えており、断裂部に充填できる量に限りがあることや、創外に流出せず創部に留まり続けることが困難な場合がある。
【0006】
培養細胞移植は、培養するための時間、設備、装置が必要であり、安全性(感染面)の担保にも留意する必要がある。足場材料を使用した治療法では、同種組織や異種組織を用いた場合には肝炎やエイズなどのウイルス感染症、拒絶反応のリスクやアレルギー反応が生じることが課題として挙げられる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、生体組織に直接照射可能な大気圧低温プラズマを用いて、腱または靭帯の損傷部位の再生効率を高めることができる腱再生促進装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]腱または靭帯の損傷部位に向けて大気圧下で放電ガスを供給するガス供給部と、前記放電ガスの供給路においてプラズマを生成するプラズマ生成部と、を備え、
前記ガス供給部は、ガス供給管と、前記ガス供給管のガス吐出側に接続されるガス照射管と、を有し、
前記ガス照射管は、前記供給路と連通し、活性ガスを吐出する吐出口を有し、
前記供給路は、前記ガス供給管内の空間と前記ガス照射管内の空間によって形成され、
前記プラズマ生成部は、前記ガス供給管に沿って設けられた電極を有し、
前記電極は、前記ガス供給管の後端に設けられた第1電極と、前記吐出口の周辺に設けられた第2電極と、を有する、腱再生促進装置。
[2]前記第2電極は、前記ガス供給管の先端部において、前記吐出口の周辺に埋め込まれている、[1]に記載の腱再生促進装置。
[3]前記ガス照射管は、前記ガス供給管と着脱可能な着脱機構を有する、[1]に記載の腱再生促進装置。
[4]前記吐出口の口径は、前記ガス照射管の先端において長手方向に延びる1または2以上の細孔部で構成される細孔部列を1以上有する、[1]に記載の腱再生促進装置。
[5]前記吐出口の口径は、前記ガス供給管の口径よりも小さい、[1]に記載の腱再生促進装置。
[6]プラズマ生成部の通電制御およびガス供給部の駆動制御を行う制御部を備える、[1]に記載の腱再生促進装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、生体組織に直接照射可能な大気圧低温プラズマを用いて、腱や靭帯の損傷部位の再生効率を高めることができる腱再生促進装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る腱再生促進装置の概略構成を模式的に示す図である。
本発明の一実施形態に係る腱再生促進装置を構成するガス照射管の先端面を示す平面図である。
本発明の一実施形態に係る腱再生促進装置の変形例の概略構成を模式的に示す図である。
本発明の一実施形態に係る腱再生促進装置を構成するガス照射管の変形例の先端面を示す平面図である。
Sprague-Dawley ratのアキレス腱を切離した状態を示す写真である。
Sprague-Dawley ratのアキレス腱を縫合した状態を示す写真である。
腱再生促進装置を用いて、アキレス腱修復部へ低温大気圧プラズマを照射する状態を示す写真である。
低温大気圧プラズマを照射した後のアキレス腱修復部を示す写真である。
プラズマ照射から2週間後における組織評価の結果を示す図である。
プラズマ照射から6週間後における組織評価の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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