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公開番号2024049922
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156439
出願日2022-09-29
発明の名称建設機械の制御装置及びこれを備えた建設機械
出願人コベルコ建機株式会社
代理人個人,個人
主分類F01N 3/18 20060101AFI20240403BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】エンジンの停止が許容されることをオペレータに知らせるための報知を再生処理の有無に応じて適切に行う。
【解決手段】コントローラ250は、再生処理が行われていない場合には予め設定された非再生処理用条件が満たされた場合に停止許容報知が行われるように報知装置280を制御し、再生処理が行われている場合には、再生処理が終了又は中断し、予め設定された再生処理用条件が満たされた場合に停止許容報知が行われるように報知装置280を制御する。非再生処理用条件は、第1温度検出器131により検出される排ガスの温度T1が予め設定された非再生処理用基準値以下であることを含む。再生処理用条件は、第1温度検出器131により検出される排ガスの温度T1が予め設定された基準値であって非再生処理用基準値よりも低い再生処理用基準値以下であることを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンと、前記エンジンから排出される排ガス中の窒素酸化物を還元剤を用いて還元する排ガス浄化装置と、前記排ガス浄化装置に前記還元剤を供給する供給装置と、前記エンジンにより駆動され、前記供給装置を冷却するための冷却装置と、を備える建設機械の制御装置であって、
前記排ガスの温度を検出する第1温度検出器と、
前記エンジンの停止を許容することを知らせるための停止許容報知を行う報知装置と、
前記排ガス浄化装置による前記排ガスの浄化効率を回復させる再生処理のための制御を行うコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記再生処理が行われていない場合には予め設定された非再生処理用条件が満たされた場合に前記停止許容報知が行われるように前記報知装置を制御し、前記再生処理が行われている場合には、前記再生処理が終了又は中断し、予め設定された再生処理用条件が満たされた場合に前記停止許容報知が行われるように前記報知装置を制御し、
前記非再生処理用条件は、前記第1温度検出器により検出される前記排ガスの温度が予め設定された基準値である非再生処理用基準値以下であることを含み、
前記再生処理用条件は、前記第1温度検出器により検出される前記排ガスの温度が予め設定された基準値であって前記非再生処理用基準値よりも低い再生処理用基準値以下であることを含む、建設機械の制御装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の制御装置であって、
前記コントローラは、前記再生処理が終了又は中断し、予め設定された第1待機時間が経過した後に、前記再生処理用条件が満たされているか否かの判定を行う、建設機械の制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の建設機械の制御装置であって、
前記コントローラは、前記再生処理が終了又は中断し、予め設定された第1待機時間が経過した後に、前記再生処理用条件が満たされているか否かの判定を行い、前記再生処理用条件が満たされていない場合には、予め設定された第2待機時間が経過した後に、前記非再生処理用条件が満たされた場合に前記停止許容報知が行われるように前記報知装置を制御する、建設機械の制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の建設機械の制御装置であって、
前記非再生処理用条件は、前記第1温度検出器により検出される前記排ガスの温度が前記非再生処理用基準値以下であることと、前記排ガスの温度が前記非再生処理用基準値以下である状態が所定時間以上継続することと、を含む、建設機械の制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の建設機械の制御装置であって、
前記排ガス浄化装置は、前記再生処理において前記浄化効率が回復する特性を有する浄化要素を含む第1処理部と、前記第1処理部よりも前記排ガスの流れの下流に配置され、前記還元剤を用いて還元反応を行うための第2処理部と、を含み、
前記供給装置は、前記第1処理部と前記第2処理部との間に配置され、
前記第1温度検出器は、前記第1処理部と前記供給装置との間に配置されている、建設機械の制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の建設機械の制御装置であって、
前記排ガスの温度を検出する第2温度検出器をさらに備え、
前記第2温度検出器は、前記供給装置と前記第2処理部との間に配置され、
前記コントローラは、前記第1温度検出器が故障している場合には、前記第2温度検出器により検出される前記排ガスの温度が予め設定された基準値であって前記再生処理用基準値よりも低い第2再生処理用基準値以下である場合に前記停止許容報知が行われるように前記報知装置を制御する、建設機械の制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の建設機械の制御装置であって、
前記コントローラは、前記第1温度検出器及び前記第2温度検出器が故障している場合には、予め設定された第3待機時間が経過した後に、前記停止許容報知が行われるように前記報知装置を制御する、建設機械の制御装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載の制御装置を備える建設機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、排ガス浄化装置を備えた建設機械に用いられる制御装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、クレーンなどの建設機械にはエンジンが搭載され、当該エンジンの出力によって建設機械に含まれる駆動対象要素の駆動が行われる。この建設機械は、エンジンから排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化装置を備える。この排ガス浄化装置としては、例えば、尿素水を還元剤として排ガス中の窒素酸化物の選択式還元触媒(SCR:Selective Catalytic Reduction)の反応を行うための還元装置と、尿素水を供給するための噴射器と、を備えたものが知られている。また、排ガス浄化装置として、前記還元装置とともに、例えば、DPF(Diesel Particle Filter)を用いた装置、又はDOC(Diesel Oxidation Catalyst)を用いた装置を備えたものも知られている。DPFは、エンジンの排ガスにおける有害物質を含む微粒子を捕集するフィルタである。DOCは、排ガス中の未燃焼ガスを酸化除去するための酸化触媒である。
【0003】
エンジンの駆動中には、排ガスの温度が比較的高くなるので、冷却配管を循環する冷却水によって噴射器は冷却されているが、エンジンが停止すると、冷却水を循環させる冷却ポンプの駆動も停止するので、冷却水による冷却効果が得られない。従って、排ガスの温度が高い状態でイグニションキーオフ等によりエンジンが停止されると、排ガス管内の残留排ガスにより噴射器の温度が高くなり、噴射器内で尿素水が変質するという課題がある。特許文献1は、このような課題を解決するための技術を開示している。この特許文献1では、クーリング時間演算部が、温度検出部により検出された温度に基づいて、エンジンから排出される排気ガスの温度が一定値以下になるクーリング時間を演算し、報知部が、クーリング時間演算部により演算されたクーリング時間の間、エンジンの停止前に、クーリングの必要性をオペレータに報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6365513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、DOCは、排ガスが当該DOCを通過する過程において排ガスを浄化するものであるため、DOCに排ガス中の異物が堆積するとDOCによる排ガスの浄化効率(浄化性能)は低下する。また、DPFは、当該DPFに対する粒子状物質の捕捉量の増加に応じて粒子状物質の捕捉性能、つまり、排ガスの浄化効率が低下する。従って、排ガス浄化装置がDOC又はDPFを用いた装置を含む場合には、定期的に再生処理が行われる。再生処理では、排ガスの温度を上昇させることにより、DOCに堆積された異物又はDPFに捕捉された粒子状物質を燃焼させる。これにより、DOC又はDPFによる排ガスの浄化効率は回復する。すなわち、DOC又はDPFは再生される。
【0006】
上記のような再生処理が行われているときと再生処理が行われていないときでは、排ガスの温度は大きく異なる。具体的には、再生処理が行われていないときの通常の稼働状態における排ガスの温度は、例えば200~300℃程度であるのに対し、再生処理が行われているときの排ガスの温度は、例えば600℃程度まで上昇する。そして、再生処理が終了すると、排ガスの温度は、再生処理時の高温状態から通常の稼働状態まで急激に低下する。一方で、噴射器及びこれに付随するコネクタなどの部品の温度が低下する挙動は、排ガスの温度低下の挙動と大きく異なる。しかし、特許文献1の技術では、再生処理の有無については何ら考慮されておらず、また、排ガスの温度低下の挙動と噴射器及びこれに付随するコネクタなどの部品の温度低下の挙動についても何ら考慮されていない。
【0007】
本開示は、エンジンの停止が許容されることをオペレータに知らせるための報知を再生処理の有無に応じて適切に行うことができる建設機械の制御装置及びこれを備えた建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
提供されるのは、エンジンと、前記エンジンから排出される排ガス中の窒素酸化物を還元剤を用いて還元する排ガス浄化装置と、前記排ガス浄化装置に前記還元剤を供給する供給装置と、前記エンジンにより駆動され、前記供給装置を冷却するための冷却装置と、を備える建設機械の制御装置であって、前記排ガスの温度を検出する第1温度検出器と、前記エンジンの停止を許容することを知らせるための停止許容報知を行う報知装置と、前記排ガス浄化装置による前記排ガスの浄化効率を回復させる再生処理のための制御を行うコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記再生処理が行われていない場合には予め設定された非再生処理用条件が満たされた場合に前記停止許容報知が行われるように前記報知装置を制御し、前記再生処理が行われている場合には、前記再生処理が終了又は中断し、予め設定された再生処理用条件が満たされた場合に前記停止許容報知が行われるように前記報知装置を制御し、前記非再生処理用条件は、前記第1温度検出器により検出される前記排ガスの温度が予め設定された基準値である非再生処理用基準値以下であることを含み、前記再生処理用条件は、前記第1温度検出器により検出される前記排ガスの温度が予め設定された基準値であって前記非再生処理用基準値よりも低い再生処理用基準値以下であることを含む。
【0009】
この建設機械の制御装置では、再生処理用条件及び非再生処理用条件のそれぞれが予め設定されており、再生処理が行われていない場合には、停止許容報知を行うか否かの判定が非再生処理用条件を用いて行われ、再生処理が行われている場合には、停止許容報知を行うか否かの判定が再生処理用条件を用いて行われる。そして、供給装置及びこれに付随する部品の熱容量が排ガスの熱容量よりも大きいことが考慮されて、再生処理用条件における再生処理用基準値は、非再生処理用条件における非再生処理用基準値よりも低く設定されている。すなわち、この再生処理用条件における再生処理用基準値は、第1温度検出器により検出される排ガスの温度が当該再生処理用基準値以下である場合にはその時点でエンジンが停止されて供給装置の冷却が停止されたとしても供給装置の故障のリスクが低いことを示すような値である。従って、この制御装置は、エンジンの停止が許容されることをオペレータに知らせるための報知(停止許容報知)を再生処理の有無に応じて適切に行うことができる。これにより、再生処理の有無にかかわらず、供給装置が適切に冷却された状態でエンジンが停止されるので、供給装置が故障するリスクを低減できる。
【0010】
なお、再生処理用基準値は、再生処理が行われているときの排ガスの温度、再生処理が終了した後における排ガスの温度低下の挙動、再生処理が終了した後における供給装置及びこれに付随する部品の温度低下の挙動、などを考慮したシミュレーション、実験などにより予め設定される。同様に、非再生処理用基準値は、再生処理が行われていないときの排ガスの温度と供給装置及びこれに付随する部品の温度などを考慮したシミュレーション、実験などにより予め設定される。
(【0011】以降は省略されています)

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