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公開番号2024057726
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164576
出願日2022-10-13
発明の名称エンジンシステム
出願人株式会社豊田自動織機,株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F01M 13/00 20060101AFI20240418BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】クランクケース内に残存しているアンモニアのブローバイガスが大気中へ流出することを抑制することができるエンジンシステムを提供する。
【解決手段】エンジンシステム1は、第1酸素供給流路3におけるメインスロットルバルブ6よりも上流側とクランクケース21とを接続し、クランクケース21内に空気を供給する第2酸素供給流路30と、クランクケース21と第1酸素供給流路3におけるメインスロットルバルブ6よりも下流側とを接続し、クランクケース21内に残留するアンモニアのブローバイガスを第1酸素供給流路3に還流させるブローバイガス流路31と、クランクシャフト20を回転させるスタータ59と、スタータ59によってクランクシャフト20が回転している時に、第1酸素供給流路3にブローバイガスが還流するようにメインスロットルバルブ6の開度を制御するコントローラ60とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アンモニアを燃焼させる燃焼室を往復動可能なピストンと、前記ピストンと連結されたクランクシャフトと、前記クランクシャフトを収容するクランクケースと、を有するエンジンを備えるエンジンシステムであって、
前記エンジンと接続され、前記燃焼室に供給される酸素含有ガスが流れる第1酸素供給流路と、
前記第1酸素供給流路に配設され、前記燃焼室に供給される前記酸素含有ガスの流量を制御する流量制御弁と、
前記エンジンと接続され、前記燃焼室から発生する排気ガスが流れる排気流路と、
前記排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、
前記第1酸素供給流路における前記流量制御弁よりも上流側の箇所と前記クランクケースとを接続し、前記クランクケース内に前記酸素含有ガスを供給する第2酸素供給流路と、
前記クランクケースと前記第1酸素供給流路における前記流量制御弁よりも下流側の箇所とを接続し、前記クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスを前記第1酸素供給流路に還流させるブローバイガス流路と、
前記ブローバイガス流路に配設され、前記第1酸素供給流路に還流する前記アンモニアのブローバイガスの流量を調整するブローバイガス還流バルブと、
前記クランクシャフトを回転させるスタータと、
前記スタータによって前記クランクシャフトが回転している時に、前記第1酸素供給流路に前記ブローバイガスが還流するように前記流量制御弁の開度を制御する制御部とを備えるエンジンシステム。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
アンモニアを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、
前記改質器に前記酸素含有ガスを供給する改質用酸素供給流路と、
前記改質用酸素供給流路に配設され、前記改質器に供給される前記酸素含有ガスの流量を制御する改質用流量制御弁と、
前記改質器により生成された前記改質ガスを前記燃焼室に供給する改質ガス流路とを更に備え、
前記制御部は、前記スタータによって前記クランクシャフトが回転している時に、前記第1酸素供給流路に前記ブローバイガスが還流するように前記改質用流量制御弁の開度を制御する請求項1記載のエンジンシステム。
【請求項3】
前記排気触媒を加熱する加熱部を更に備える請求項1記載のエンジンシステム。
【請求項4】
エンジンオイルまたはエンジン冷却水の温度を検出する温度検出部を更に備え、
前記制御部は、前記温度検出部により検出された前記エンジンオイルまたは前記エンジン冷却水の温度に基づいて、前記流量制御弁の開度を制御する請求項1記載のエンジンシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンシステムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来のエンジンシステムとしては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載のエンジンシステムは、エンジンブロックと、このエンジンブロックの吸気ポートに接続された吸気通路と、この吸気通路内に設けられたスロットルバルブと、このスロットルバルブより上流側の吸気通路とエンジンブロック内のクランク室とを接続し、吸気通路内の吸気(新気)をクランク室へ導入するための新気導入通路と、スロットルバルブより下流側の吸気通路とクランク室とを接続し、クランク室に残留するブローバイガスを吸気通路に戻すための還元通路と、この還元通路内に設けられたPCVバルブとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-145057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、アンモニアを燃料として使用するアンモニアエンジンがあるが、クランクケース内にはアンモニアのブローバイガスが残存するため、例えばメンテナンス時にアンモニアのブローバイガスが大気に流出することを抑制することが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、クランクケース内に残存しているアンモニアのブローバイガスが大気中へ流出することを抑制することができるエンジンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、アンモニアを燃焼させる燃焼室を往復動可能なピストンと、ピストンと連結されたクランクシャフトと、クランクシャフトを収容するクランクケースとを有するエンジンを備えるエンジンシステムであって、エンジンと接続され、燃焼室に供給される酸素含有ガスが流れる第1酸素供給流路と、第1酸素供給流路に配設され、燃焼室に供給される酸素含有ガスの流量を制御する流量制御弁と、エンジンと接続され、燃焼室から発生する排気ガスが流れる排気流路と、排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、第1酸素供給流路における流量制御弁よりも上流側の箇所とクランクケースとを接続し、クランクケース内に酸素含有ガスを供給する第2酸素供給流路と、クランクケースと第1酸素供給流路における流量制御弁よりも下流側の箇所とを接続し、クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスを第1酸素供給流路に還流させるブローバイガス流路と、ブローバイガス流路に配設され、第1酸素供給流路に還流するアンモニアのブローバイガスの流量を調整するブローバイガス還流バルブと、クランクシャフトを回転させるスタータと、スタータによってクランクシャフトが回転している時に、第1酸素供給流路にブローバイガスが還流するように流量制御弁の開度を制御する制御部とを備える。
【0007】
このようなエンジンシステムにおいては、エンジンの燃焼室内でアンモニアの燃焼が終了することによってクランクシャフトの回転が停止してから燃焼室内で再びアンモニアの燃焼が起こるまでの間の任意の期間に、第1酸素供給流路にアンモニアのブローバイガスが還流するように、流量制御弁の開度が制御されると共に、スタータによってクランクシャフトを回転させる。すると、第1酸素供給流路の燃焼室側の部分が負圧となるため、酸素含有ガスが第2酸素供給流路を流れてクランクケース内に導入されると共に、ブローバイガス還流バルブが開弁することで、クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスが酸素含有ガスと一緒にブローバイガス流路を流れて第1酸素供給流路に還流する。そして、アンモニアのブローバイガスは、酸素含有ガスと一緒に第1酸素供給流路、エンジンの燃焼室及び排気流路を流れて排気触媒に供給され、排気触媒に吸着及び酸化される。その結果、クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスが除去される。これにより、例えば、メンテナンス時にクランクケースを開けた際に、クランクケース内に残存しているアンモニアが大気中に流出することが抑制される。また、クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスを定期的に除去しておけば、例えば、メンテナンス時にクランクケースを開けた際に、大量のアンモニアが大気中に流出することが抑制される。
【0008】
(2)上記(1)において、エンジンシステムは、アンモニアを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、改質器に酸素含有ガスを供給する改質用酸素供給流路と、改質用酸素供給流路に配設され、改質器に供給される酸素含有ガスの流量を制御する改質用流量制御弁と、改質器により生成された改質ガスを燃焼室に供給する改質ガス流路とを更に備え、制御部は、スタータによってクランクシャフトが回転している時に、第1酸素供給流路にブローバイガスが還流するように改質用流量制御弁の開度を制御してもよい。このような構成では、水素を含有した改質ガスがエンジンの燃焼室に供給されるため、燃焼室内でアンモニアが燃焼されやすくなる。
【0009】
(3)上記(1)または(2)において、エンジンシステムは、排気触媒を加熱する加熱部を更に備えてもよい。このような構成では、排気触媒がアンモニアを酸化させることが可能な温度まで排気触媒を加熱することで、アンモニアが排気触媒に迅速に酸化される。従って、エンジンの冷間状態でも、排気触媒によりアンモニアを効果的に浄化することができる。
【0010】
(4)上記(1)~(3)の何れかにおいて、エンジンシステムは、エンジンオイルまたはエンジン冷却水の温度を検出する温度検出部を更に備え、制御部は、温度検出部により検出されたエンジンオイルまたはエンジン冷却水の温度に基づいて、流量制御弁の開度を制御してもよい。このような構成では、エンジンの温度によって第1酸素供給流路に発生する負圧が変動する場合でも、流量制御弁をエンジンの温度に応じた適切な開度に調整することができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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