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公開番号2024050072
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156668
出願日2022-09-29
発明の名称弁開閉時期制御装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類F01L 1/352 20060101AFI20240403BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】内燃機関の運転中にノイズや振動を低減することが可能な弁開閉時期制御装置を提供する。
【解決手段】弁開閉時期制御装置100は、内燃機関Eのクランクシャフト1と同期回転する駆動側回転体A、内燃機関Eのカムシャフト2と一体回転する従動側回転体B、及び、駆動側回転体A及び従動側回転体Bの相対回転位相を設定する位相調節機構Cを備え、従動側回転体Bは、カムシャフト2の端部に連結される支持壁部21を有し、当該支持壁部21は外部から従動側回転体Bの内部に潤滑油を供給可能な供給油路21aを有し、駆動側回転体Aが回転している際に、供給油路21aから従動側回転体Bの内部に供給された潤滑油の供給量に対して駆動側回転体Aの内部から排出される潤滑油の排出量を少なくする油溜まり構造Zを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸芯を中心に内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体、
前記回転軸芯と同軸芯、かつ、前記駆動側回転体の内側に配置され、前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転体、及び、
前記駆動側回転体及び前記従動側回転体の相対回転位相を設定する位相調節機構、を備え、
前記位相調節機構は、
前記回転軸芯と同軸芯で前記従動側回転体に設けられた出力ギヤと、
前記回転軸芯と平行姿勢の偏心軸芯を中心に回転し、前記駆動側回転体に連結される入力ギヤと、
支持軸受を介して前記入力ギヤを内周側から支持し、前記入力ギヤを回転させる筒状の偏心部材と、を含み、
前記偏心部材の回転で前記偏心軸芯を公転させて前記出力ギヤと前記入力ギヤとの噛み合い部分の位置を変化させるように構成され、
前記従動側回転体は、前記回転軸芯に直交する姿勢で前記カムシャフトの端部に連結される支持壁部を有し、
当該支持壁部は外部から前記従動側回転体の内部に潤滑油を供給可能な供給油路を有し、
前記駆動側回転体は、前記回転軸芯に沿う方向で前記偏心部材に対して前記カムシャフトと反対側にフロントプレートを有し、
前記駆動側回転体が回転している際に、前記供給油路から前記従動側回転体の内部に供給された前記潤滑油の供給量に対して前記駆動側回転体の内部から排出される前記潤滑油の排出量を少なくする油溜まり構造を有する弁開閉時期制御装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記支持軸受は、前記偏心部材の外周面に接触する内輪と、前記入力ギヤの内周面に接触する外輪とを有するボールベアリングで構成されており、
前記偏心部材の軸方向一方側が前記フロントプレートの径方向中央部の開口に挿通され、
前記駆動側回転体が回転している際に、前記従動側回転体の内部に供給される前記潤滑油が、前記従動側回転体の内周面と前記偏心部材の外周面との間と、前記偏心部材の内部とに流通し、
前記フロントプレートは、前記支持軸受を前記回転軸芯に沿う方向から見たとき、前記従動側回転体の内周面と前記偏心部材の外周面との間において前記潤滑油が流通する領域を覆っている請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
【請求項3】
前記位相調節機構は、環状部と当該環状部から互いに対向する方向に沿って径方向外方に突出する一対の外部係合アームとを有するオルダム継手が更に設けられ、
前記駆動側回転体は、前記フロントプレートが当接する開口縁部に、当該駆動側回転体の内部から外部に亘って、互いに対向する方向に沿って径方向外方に延びる一対の案内溝部が貫通溝状に形成され、
前記一対の外部係合アームの夫々は、前記一対の案内溝部の夫々に係合され、
前記一対の案内溝部の夫々において、前記駆動側回転体の内部から外部に亘って切欠き形成された排出流路を有し、
前記油溜まり構造として、前記駆動側回転体が回転している際の前記供給油路を流通する前記潤滑油の油量に対して、前記排出流路から排出される前記潤滑油の油量が少なく構成されている請求項1又は2に記載の弁開閉時期制御装置。
【請求項4】
前記排出流路から排出される前記潤滑油の油量は、前記供給油路を流通する前記潤滑油の油量から前記偏心部材の内部に流通する前記潤滑油の油量を減じた油量よりも少なく構成されている請求項3に記載の弁開閉時期制御装置。
【請求項5】
前記偏心部材の軸方向一方側が前記フロントプレートの径方向中央部の開口に挿通され、
前記フロントプレートは、前記回転軸芯を中心として、前記偏心部材が前記回転軸芯に対する前記偏心軸芯の差異が最も大きくなる状態における、前記挿通された径方向外側端部の位置まで開口している請求項1又は2に記載の弁開閉時期制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、弁開閉時期制御装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関においてクランクシャフトからのトルク伝達によりカムシャフトのカム部によるバルブの開閉時期を制御する弁開閉時期制御装置が利用されている。このような弁開閉時期制御装置として、例えば下記に出典を示す特許文献1に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には、弁開閉時期制御装置が記載されている。この弁開閉時期制御装置は、駆動側回転体と、従動側回転体と、駆動側回転体及び従動側回転体の相対回転位相を設定する位相調節機構とを備えている。位相調節機構は、回転軸芯と同軸芯で従動側回転体に設けられた出力ギヤ、回転軸芯と平行姿勢の偏心軸芯を中心に回転し、駆動側回転体に連結される入力ギヤ、第一軸受、第二軸受、及び、第二軸受を介して入力ギヤを内周側から支持し、入力ギヤを回転させる筒状の偏心部材等を備えて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-087564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
弁開閉時期制御装置は、一般的に、内燃機関の運転中に従動側回転体の内部に潤滑油が供給される。特許文献1に記載の弁開閉時期制御装置では、駆動側回転体は、回転軸芯に沿う方向で偏芯部材に対してカムシャフトと反対側にフロントプレートを有する。このフロントプレートは、回転軸芯に沿う方向視において円形状であって、中央に円形の開口を有する。この開口は、偏心部材の内部空間の潤滑油を外部に排出するために設けられている。しかしながら、内燃機関の運転中に、潤滑油が外部に排出され過ぎると、弁開閉時期制御装置を構成する部品同士が接触し(衝突し)、接触音(衝突音)が生じ、弁開閉時期制御装置から生じるノイズや振動が大きくなる可能性がある。
【0006】
そこで、内燃機関の運転中にノイズや振動を低減することが可能な弁開閉時期制御装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る弁開閉時期制御装置の特徴構成は、回転軸芯を中心に内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体、前記回転軸芯と同軸芯、かつ、前記駆動側回転体の内側に配置され、前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転体、及び、前記駆動側回転体及び前記従動側回転体の相対回転位相を設定する位相調節機構、を備え、前記位相調節機構は、前記回転軸芯と同軸芯で前記従動側回転体に設けられた出力ギヤと、前記回転軸芯と平行姿勢の偏心軸芯を中心に回転し、前記駆動側回転体に連結される入力ギヤと、支持軸受を介して前記入力ギヤを内周側から支持し、前記入力ギヤを回転させる筒状の偏心部材と、を含み、前記偏心部材の回転で前記偏心軸芯を公転させて前記出力ギヤと前記入力ギヤとの噛み合い部分の位置を変化させるように構成され、前記従動側回転体は、前記回転軸芯に直交する姿勢で前記カムシャフトの端部に連結される支持壁部を有し、当該支持壁部は外部から前記従動側回転体の内部に潤滑油を供給可能な供給油路を有し、前記駆動側回転体は、前記回転軸芯に沿う方向で前記偏心部材に対して前記カムシャフトと反対側にフロントプレートを有し、前記駆動側回転体が回転している際に、前記供給油路から前記従動側回転体の内部に供給された前記潤滑油の供給量に対して前記駆動側回転体の内部から排出される前記潤滑油の排出量を少なくする油溜まり構造を有する点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、駆動側回転体が回転している際は、供給油路から従動側回転体の内部に供給された潤滑油を、駆動側回転体の内部から排出され難くすることができるので、駆動側回転体の内部に油(潤滑油)を溜めることが可能となる。このように駆動側回転体の内部に潤滑油を溜めることで、油のダンピング効果により、各部の接触や衝突に起因した音の大きさを低減することが可能となる。したがって、弁開閉時期制御装置から生じるノイズや振動を抑制することが可能となる。
【0009】
また、前記支持軸受は、前記偏心部材の外周面に接触する内輪と、前記入力ギヤの内周面に接触する外輪とを有するボールベアリングで構成されており、前記偏心部材の軸方向一方側が前記フロントプレートの径方向中央部の開口に挿通され、前記駆動側回転体が回転している際に、前記従動側回転体の内部に供給される前記潤滑油が、前記従動側回転体の内周面と前記偏心部材の外周面との間と、前記偏心部材の内部とに流通し、前記フロントプレートは、前記支持軸受を前記回転軸芯に沿う方向から見たとき、前記従動側回転体の内周面と前記偏心部材の外周面との間において前記潤滑油が流通する領域を覆っていると好適である。
【0010】
このような構成とすれば、駆動側回転体が回転している際は、従動側回転体の内部に供給される潤滑油の量を、駆動側回転体の内部から排出される潤滑油の量よりも低減することができる。したがって、駆動側回転体が回転している際は、従動側回転体の内部に供給される潤滑油が、従動側回転体の内周面側から、フロントプレートにおける開口に達するまで溜めることが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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