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公開番号2024052583
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2023159332
出願日2023-09-25
発明の名称アンモニアスリップを低減するように構成された大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃機関、およびそのような機関のアンモニアスリップを低減する方法
出願人エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・エスイー・ティスクランド
代理人個人
主分類F01N 3/08 20060101AFI20240404BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃機関、及びそのような機関のアンモニアスリップを低減する方法を提供する。
【解決手段】a)アンモニアを主燃料として機関を運転し、それによってNOx及びNH3を含む排気ガス流を生成することと、b)制御されたNOx流を前記排気ガスに添加することにより、前記排気ガスの流れの中のアンモニアとNOxとの間の比率を調整することと、c)その後、前記排気ガスの流れをSCRに送ることと、を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
主燃料がアンモニアである運転モードを少なくとも1つ有する大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃機関であって、
・ シリンダライナ及び前記シリンダライナ内の往復ピストンを有する少なくとも1つのシリンダと、前記シリンダを覆うシリンダカバーと;
・ 前記シリンダ内において、前記往復ピストンと前記シリンダカバーとの間に形成される燃焼室と;
・ 前記燃焼室に掃気を供給する吸気系と;
・ 前記燃焼室におけるアンモニアの燃焼により生じた排気流を排出する排気系と;
・ 掃気を圧縮するための少なくとも1つのコンプレッサであって前記吸気系に存在するコンプレッサと、前記コンプレッサを駆動するための少なくとも1つの排気駆動タービンであって前記排気系に存在する排気駆動タービンとを有するターボ過給システムと;
・ 好ましくは前記排気駆動タービンの上流において前記排気系に配されるSCR触媒と;
を備え、前記SCR触媒内又はその上流で前記排気流にNOx含有ガス流を加える手段を備えることを特徴とする、機関。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記排気流に加えられる前記NOx含有ガス流の大きさを制御するように構成されるコントローラを備える、請求項1に記載の機関。
【請求項3】
前記排気流中のアンモニアとNOxとの間のモル比を測定及び/又は推定する手段を備える、請求項2に記載の機関。
【請求項4】
前記コントローラが、測定及び/又は推定した前記モル比の関数として、前記NOx含有ガス流の大きさを調整するように構成される、請求項3に記載の機関。
【請求項5】
前記コントローラは、前記SCR触媒に流入する排気流の大きさが、アンモニアとNOxとの間のモル比が1未満、好ましくは1をわずかに下回るように、NOx流の大きさを調整するように構成され、すなわち、アンモニアのモル濃度がNOxのモル濃度と等しいかそれ未満、好ましくはわずかにそれを下回る大きさとなるように、NOx流の大きさを調整するように構成される、請求項4に記載の機関。
【請求項6】
請求項1に記載の機関であって、
前記NOx含有ガス流はNOxとしてNOとNO

とを含み、
前記機関は、前記NOx含有ガス流中のNOとNO

との間の比率を調整する手段を備える、
機関。
【請求項7】
前記コントローラは、前記排気中のアンモニアとNOxのモル比を決定するための1つ又は複数の信号を提供するセンサシステムを有する、請求項2に記載の機関。
【請求項8】
前記NOx含有ガス流を生成するためのNOx生成システムを備え、前記NOx生成システムは、好ましくはNH

流を供給するための供給源を有し、
前記NOx含有ガス流を得るために、前記供給源からのNH

は、好ましくは触媒的に酸化されてNO、NO

及びH

Oになる、
請求項1に記載の機関。
【請求項9】
請求項8に記載の機関であって、
酸化触媒を備え、前記酸化触媒は好ましくは白金-ロジウム触媒であり、
前記機関は、好ましくは更に、前記酸化触媒への加圧アンモニアガスの供給源と、前記酸化触媒への加圧空気の供給源とを備え、前記加圧空気の供給源は、好ましくは前記吸気系からの掃気である、
機関。
【請求項10】
前記NOx生成システムは、NOxを含むガス中のNOとNO

との間の比率を制御するように構成される、請求項8に記載の機関。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される事項は、大型2ストローク内燃機関、特に大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃機関に関し、少なくとも1つの運転モードにおいて、機関内で燃焼させる主燃料としてアンモニア(NH

)を使用して運転される、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃機関に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景】
【0002】
大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃機関は、典型的には、大型船舶の推進システムや、発電プラントの原動機として用いられる。その大きさや重量、出力は、大型2ストロークターボ過給式圧縮着火内燃機関を他の燃焼機関からかけ離れたものとしており、このタイプの圧縮内燃機関を独特の分類に位置づけている。
【0003】
内燃機関はこれまで、ディーゼル油のような燃料油や、天然ガス又は石油ガスのような燃料ガスといった、炭化水素燃料によって主に運転されてきた。炭化水素燃料の燃焼は、二酸化炭素(CO

)等の温室効果ガスの発生を伴うが、これらは大気汚染や気候変動の原因になり得る。副生成物の排出を生じる石油燃料の不純物と違って、CO

の発生は、炭化水素の燃焼に不可避である。特定の燃料のエネルギー密度やCO

排出量は、炭化水素鎖の長さと炭化水素分子の複雑さに依存する。このためガス状炭化水素燃料は、液体の炭化水素燃料よりもCO

排出量が少ない。しかし、ガス状炭化水素燃料は、取り扱いや貯蔵が難しく、コストもかかる。CO

排出量を削減するために、炭化水素以外の燃料の開発が進められている。
【0004】
アンモニア(NH

)は、石油やバイオマス、再生可能又は持続可能エネルギー源(風力、太陽光、水力、原子力、地熱)によって得られる合成物である。再生可能又は持続可能エネルギー源を用いて生成したNH

は、燃焼させたときのカーボン排出量は事実上ゼロであり、CO

やSOx、粒子状物質、未燃焼炭化水素を排出することはない。
【0005】
NH

は、自動車などの小型内燃機関では小規模ながら試験・使用されているが、大型2ストローク内燃機関ではまだ使用されていない。
【0006】
大型2ストローク内燃機関において、アンモニア(NH

)の燃焼により発生する燃焼ガスは、NOxとNH

の両方を含む可能性がある。NOxは、国際海事機関(IMO)二次規制(Tier II)及び三次規制(Tier III)などの国際規制によって制限されている。NH

については正式な規制はまだ存在しないが、現実的な許容レベルはかなり低い。排気ガス中に許容されるNH

スリップは、機関の排気系にNH

除去システム(後処理システム)がなければ達成することが困難である。対策なしでは、許容できない量のNH

を含む排気ガスが大気中に排出される可能性がある。
【0007】
排気ガスからNH

を除去する既知のシステムは、アンモニアスリップ触媒(ASC又はAMOX)を使用する。NOxは、選択触媒還元(SCR)触媒を用いて低減される。排気ガス中のNH

スリップは、アンモニアスリップ触媒(ASC)を用いて制御される。ASC触媒はSCR触媒の下流に配置される。SCR触媒においては、NOxとNH

が反応してNOxを除去している。何らかの理由でSCR触媒の後にNH

が存在する場合、これは、NH

を除去するASCで酸化される。ASCは、SCRと同様にガス全量を処理する。このため、ASCを大型の2ストローク内燃機関に搭載する場合、排気ガスの全量を処理する必要があるため、ASCのサイズはSCR触媒と同様となる。SCR触媒は非常に体積の大きい装置である。体積が著しくかさばる装置をもう一つ追加することは問題である。もう一つの欠点は、亜酸化窒素(N2O)がASCでのNH

酸化の副生成物となりうることである。亜酸化窒素の除去システムは知られているが、効果を発揮するには400℃を超える温度が必要である。これは、高効率の船舶用機関では容易に達成できない排ガス温度である。
【0008】
別の既知の技術として、ウェットスクラバーを使って排ガスからNH

を除去する方法がある。しかしこれは非常に大きく、嵩張るコンポーネントを導入することになる。また、船上での排水は簡単には捨てることができない。
【0009】
DK202170273は、請求項1の前文に従った大型2ストローク内燃機関を開示している。
【摘要】
【0010】
目的の1つは、上述の問題を解決するか又は少なくとも緩和する、大型2ストローク内燃機関を提供することである。別の目的は、大型2ストローク内燃機関からのアンモニアスリップを低減する方法を提供することである。
(【0011】以降は省略されています)

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