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公開番号2024057745
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164607
出願日2022-10-13
発明の名称エンジンシステム
出願人株式会社豊田自動織機,株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F01N 3/20 20060101AFI20240418BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】大気中への亜酸化窒素の漏洩を抑制することができるエンジンシステムを提供する。
【解決手段】エンジンシステム1は、アンモニアエンジン2と接続され、燃焼室14から発生する排気ガスが流れる排気流路4と、排気流路4に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する三元触媒8と、排気流路4を流れるアンモニアを除害する除害装置65と、排気流路4におけるアンモニアエンジン2と三元触媒8との間の箇所と除害装置65とを接続する除害流路66と、除害流路66に配設され、開弁することで除害装置65にアンモニアが供給されることを許容する第1開閉弁67とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アンモニアを燃焼させる燃焼室を往復動可能なピストンと、前記ピストンと連結されたクランクシャフトと、前記クランクシャフトを収容するクランクケースと、を有するエンジンを備えるエンジンシステムであって、
前記エンジンと接続され、前記燃焼室に供給される酸素含有ガスが流れる第1酸素供給流路と、
前記第1酸素供給流路に配設され、前記燃焼室に供給される前記酸素含有ガスの流量を制御する流量制御弁と、
前記エンジンと接続され、前記燃焼室から発生する排気ガスが流れる排気流路と、
前記排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、
前記第1酸素供給流路における前記流量制御弁よりも上流側の箇所と前記クランクケースとを接続し、前記クランクケース内に前記酸素含有ガスを供給する第2酸素供給流路と、
前記クランクケースと前記第1酸素供給流路における前記流量制御弁よりも下流側の箇所とを接続し、前記クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスを前記第1酸素供給流路に還流させるブローバイガス流路と、
前記ブローバイガス流路に配設され、前記第1酸素供給流路に還流する前記アンモニアのブローバイガスの流量を調整するブローバイガス還流バルブと、
前記クランクシャフトを回転させるスタータと、
前記排気流路を流れるアンモニアを除害する除害装置と、
前記排気流路における前記エンジンと前記排気触媒との間の箇所と前記除害装置とを接続する除害流路と、
前記除害流路に配設され、開弁することで前記除害装置にアンモニアが供給されることを許容する開閉弁と、
前記スタータによって前記クランクシャフトが回転している時に、前記第1酸素供給流路に前記ブローバイガスが還流するように前記流量制御弁の開度を制御すると共に、前記開閉弁が開弁するように前記開閉弁の開度を制御する制御部とを備えるエンジンシステム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
アンモニアを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、
前記改質器に前記酸素含有ガスを供給する改質用酸素供給流路と、
前記改質用酸素供給流路に配設され、前記改質器に供給される前記酸素含有ガスの流量を制御する改質用流量制御弁と、
前記改質器により生成された前記改質ガスを前記燃焼室に供給する改質ガス流路とを更に備え、
前記制御部は、前記スタータによって前記クランクシャフトが回転している時に、前記第1酸素供給流路に前記ブローバイガスが還流するように前記改質用流量制御弁の開度を制御する請求項1記載のエンジンシステム。
【請求項3】
アンモニア量調整部からアンモニアが供給されるエンジンと、
アンモニアを貯留するアンモニアタンクと、
前記アンモニアタンクと前記アンモニア量調整部との間を接続するアンモニア供給流路と、
前記エンジンと接続されると共に前記エンジンからの排気ガスが流入する排気流路と、
前記排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、
前記排気流路を流れるアンモニアを除害する除害装置と、
前記排気流路における前記エンジンと前記排気触媒との間の箇所と前記除害装置とを接続する除害流路と、
前記除害流路に配設され、開弁することで前記除害装置にアンモニアが供給されることを許容する第1開閉弁と、
前記アンモニア供給流路に配設され、閉弁することで前記アンモニアタンク内のアンモニアが前記アンモニア量調整部に供給されることを遮断する第2開閉弁と、
前記アンモニア供給流路における前記第2開閉弁よりも下流側の箇所に接続され、当該アンモニア供給流路に酸素含有ガスを供給する酸素供給経路と、当該酸素供給経路に配設され、前記第2開閉弁が開弁しているときに閉弁されると共に前記第2開閉弁が閉弁してから開弁される第3開閉弁とを有する酸素供給部と、
前記アンモニア供給流路における前記酸素供給経路が接続される箇所よりも下流側の箇所に接続されると共に、内部のアンモニアを前記排気触媒に供給可能に設けられる追出し経路と、
前記追出し経路に配設され、前記第2開閉弁が閉弁してから開弁される第4開閉弁とを備えるエンジンシステム。
【請求項4】
前記排気触媒は、三元触媒であり、
前記排気流路における前記三元触媒よりも下流の箇所に一端が接続され、他端が前記アンモニア供給流路に接続される温度調整経路と、当該温度調整経路に配設される温度調整開閉弁とを有する温度調整部と、
前記アンモニア供給流路の一部分、前記追出し経路、前記排気流路の一部分、前記三元触媒、及び前記温度調整経路によって形成される閉回路に設けられるポンプとを更に備える請求項3記載のエンジンシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンシステムに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来のエンジンシステムとしては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載のエンジンシステムは、エンジンブロックと、このエンジンブロックの吸気ポートに接続された吸気通路と、エンジンブロックの排気ポートに接続された排気通路と、エンジンブロック内に燃料を供給する燃料供給手段と、吸気通路内に設けられたスロットルバルブと、このスロットルバルブより上流側の吸気通路とエンジンブロック内のクランク室とを接続し、吸気通路内の吸気(新気)をクランク室へ導入するための新気導入通路と、スロットルバルブより下流側の吸気通路とクランク室とを接続し、クランク室に残留するブローバイガスを吸気通路に戻すための還元通路と、この還元通路内に設けられたPCVバルブとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-145057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、アンモニアを燃料として使用するアンモニアエンジンがあるが、クランクケース内にはアンモニアのブローバイガスが残存するため、例えばメンテナンス時においてクランクケース本体、クランクケースと空間的に繋がっている部材または配管を取り外す際に、アンモニアのブローバイガスが大気に流出することを抑制することが望まれている。また、アンモニアが流れる燃料配管を外す際には、燃料配管内に残存しているアンモニアが大気に流出することを抑制することが望まれている。そこで、クランクケース本体、クランクケースと空間的に繋がっている部材または配管を取り外す際や燃料配管を外す際にアンモニアが大気中へ流出されないように、クランクケース内または燃料配管内に残存しているアンモニアを排気触媒で浄化することが考えられる。しかし、排気触媒の温度によっては、アンモニアが排気触媒と反応することで、環境負荷が高い亜酸化窒素(N

O)が生成される可能性がある。この場合には、N

Oが排気通路を流れて大気中へ漏洩する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、大気中への亜酸化窒素の漏洩を抑制することができるエンジンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、アンモニアを燃焼させる燃焼室を往復動可能なピストンと、ピストンと連結されたクランクシャフトと、クランクシャフトを収容するクランクケースと、を有するエンジンを備えるエンジンシステムであって、エンジンと接続され、燃焼室に供給される酸素含有ガスが流れる第1酸素供給流路と、第1酸素供給流路に配設され、燃焼室に供給される酸素含有ガスの流量を制御する流量制御弁と、エンジンと接続され、燃焼室から発生する排気ガスが流れる排気流路と、排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、第1酸素供給流路における流量制御弁よりも上流側の箇所とクランクケースとを接続し、クランクケース内に酸素含有ガスを供給する第2酸素供給流路と、クランクケースと第1酸素供給流路における流量制御弁よりも下流側の箇所とを接続し、クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスを第1酸素供給流路に還流させるブローバイガス流路と、ブローバイガス流路に配設され、第1酸素供給流路に還流するアンモニアのブローバイガスの流量を調整するブローバイガス還流バルブと、クランクシャフトを回転させるスタータと、排気流路を流れるアンモニアを除害する除害装置と、排気流路におけるエンジンと排気触媒との間の箇所と除害装置とを接続する除害流路と、除害流路に配設され、開弁することで除害装置にアンモニアが供給されることを許容する開閉弁と、スタータによってクランクシャフトが回転している時に、第1酸素供給流路にブローバイガスが還流するように流量制御弁の開度を制御すると共に、開閉弁が開弁するように開閉弁の開度を制御する制御部とを備える。
【0007】
このようなエンジンシステムにおいては、エンジンの燃焼室内でアンモニアの燃焼が終了することによってクランクシャフトの回転が停止してから燃焼室内で再びアンモニアの燃焼が起こるまでの間の任意の期間に、第1酸素供給流路にアンモニアのブローバイガスが還流するように、流量制御弁の開度が制御されると共に、スタータによってクランクシャフトを回転させる。すると、第1酸素供給流路の燃焼室側の部分が負圧となるため、酸素含有ガスが第2酸素供給流路を流れてクランクケース内に導入されると共に、ブローバイガス還流バルブが開弁することで、クランクケース内に残留するアンモニアのブローバイガスが酸素含有ガスと一緒にブローバイガス流路を流れて第1酸素供給流路に還流する。そして、アンモニアのブローバイガスは、酸素含有ガスと一緒に第1酸素供給流路及びエンジンの燃焼室を通って排気流路に流入される。ここで、開閉弁を開弁すると共に、排気流路を閉塞することにより、アンモニアが除害流路を流れて除害装置に供給される。そして、除害装置においてアンモニアが除害される。このとき、アンモニアが排気触媒に流通しないため、排気触媒において環境負荷が高い亜酸化窒素(N

O)が生成されることが抑制される。これにより、大気中への亜酸化窒素の漏洩が抑制される。
【0008】
(2)上記の(1)において、エンジンシステムは、アンモニアを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、改質器に酸素含有ガスを供給する改質用酸素供給流路と、改質用酸素供給流路に配設され、改質器に供給される酸素含有ガスの流量を制御する改質用流量制御弁と、改質器により生成された改質ガスを燃焼室に供給する改質ガス流路とを更に備え、制御部は、スタータによってクランクシャフトが回転している時に、第1酸素供給流路にブローバイガスが還流するように改質用流量制御弁の開度を制御してもよい。このような構成では、水素を含有した改質ガスがエンジンの燃焼室に供給されるため、エンジンの燃焼室内でアンモニアが燃焼されやすくなる。
【0009】
(3)本発明の他の態様に係るエンジンシステムは、アンモニア量調整部からアンモニアが供給されるエンジンと、アンモニアを貯留するアンモニアタンクと、アンモニアタンクとアンモニア量調整部との間を接続するアンモニア供給流路と、エンジンと接続されると共にエンジンからの排気ガスが流入する排気流路と、排気流路に配設され、アンモニアを吸着及び酸化する排気触媒と、排気流路を流れるアンモニアを除害する除害装置と、排気流路におけるエンジンと排気触媒との間の箇所と除害装置とを接続する除害流路と、除害流路に配設され、開弁することで除害装置にアンモニアが供給されることを許容する第1開閉弁と、アンモニア供給流路に配設され、閉弁することでアンモニアタンク内のアンモニアがアンモニア量調整部に供給されることを遮断する第2開閉弁と、アンモニア供給流路における第2開閉弁よりも下流側の箇所に接続され、当該アンモニア供給流路に酸素含有ガスを供給する酸素供給経路と、当該酸素供給経路に配設され、前記第2開閉弁が開弁しているときに閉弁されると共に第2開閉弁が閉弁してから開弁される第3開閉弁とを有する酸素供給部と、アンモニア供給流路における酸素供給経路が接続される箇所よりも下流側の箇所に接続されると共に、内部のアンモニアを排気触媒に供給可能に設けられる追出し経路と、追出し経路に配設され、第2開閉弁が閉弁してから開弁される第4開閉弁とを備える。
【0010】
このようなエンジンシステムにおいては、エンジンの運転中において第2開閉弁を開弁させており、アンモニアタンク内のアンモニアがアンモニア供給流路を介してアンモニア量調整部に供給される。運転していたエンジンが停止したとき、アンモニア供給流路にはアンモニアが残存している。そこで、エンジンの運転停止後において第2開閉弁を閉弁させることで、アンモニアタンク内のアンモニアがアンモニア量調整部に供給されることが遮断される。第2開閉弁を閉弁させてから第3開閉弁及び第4開閉弁を開弁させることで、アンモニア供給流路に酸素含有ガスが供給される。これにより、アンモニア供給流路の内部に残存しているアンモニアは、酸素含有ガスと一緒に追出し経路を通って排気流路に流入される。ここで、第1開閉弁を開弁すると共に、排気流路を閉塞することにより、アンモニアが除害流路を流れて除害装置に供給される。そして、除害装置においてアンモニアが除害される。このとき、アンモニアが排気触媒に流通しないため、排気触媒において環境負荷が高い亜酸化窒素(N

O)が生成されることが抑制される。これにより、大気中への亜酸化窒素の漏洩が抑制される。
(【0011】以降は省略されています)

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