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公開番号2024047734
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2022153393
出願日2022-09-27
発明の名称内燃機関の燃焼室構造
出願人いすゞ自動車株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類F02B 23/06 20060101AFI20240401BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】段差部を設けた燃焼室構造において、噴霧の広がりとシリンダヘッドとの干渉度合いを低減させ、空気と燃料の混合を促進させる。
【解決手段】内燃機関の燃焼室構造は、ピストン中心軸A1に対して所定の角度に傾斜してシリンダヘッドに設けられた燃料噴射弁と、ピストン6の頂面6aに、ピストン中心軸A1に対してオフセットして凹設されたキャビティ10と、キャビティ10の底面から立ち上がる側壁の周方向に沿って環状に設けられ、キャビティ10の中心に向かって突起したリップ部23a,23bと、リップ部23a,23bからキャビティ10の外周方向に向けて設けられ、頂面6aから所定の深さ窪んでいる段差部21a,21bと、を備える。段差部中心軸C1は、キャビティ中心軸D1に対してピストン中心軸A1側にオフセットされている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ピストン、シリンダ、及びシリンダヘッドにより画成される燃焼室を備えた内燃機関の燃焼室構造であって、
ピストン中心軸に対して所定の角度に傾斜して前記シリンダヘッドに設けられた燃料噴射弁と、
前記ピストンの頂面に、ピストン中心軸に対してオフセットして凹設されたキャビティと、
前記キャビティの底面から立ち上がる側壁の周方向に沿って環状に設けられ、キャビティの中心に向かって突起したリップ部と、
前記リップ部から前記キャビティの外周方向に向けて設けられ、前記頂面から所定の深さ窪んでいる段差部と、を備え、
段差部中心軸は、キャビティ中心軸に対して前記ピストン中心軸側にオフセットされている、
内燃機関の燃焼室構造。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記段差部中心軸がオフセットされる距離は、前記キャビティ中心軸と前記ピストン中心軸の距離の2倍以下である
請求項1に記載の内燃機関の燃焼室構造。
【請求項3】
前記段差部中心軸は、前記ピストン中心軸に位置するようオフセットされている、
請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の燃焼室構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、内燃機関の燃焼室構造に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
燃料をキャビティに向けて直接噴射する直噴型の内燃機関のうち、1気筒当たりの吸気バルブと排気バルブの数が1つずつの内燃機関では、ポンピングロス増加を避けるため、できるだけバルブ径を大きくすることが望ましい。このような内燃機関として、特許文献1には、キャビティの中心をシリンダの中心からオフセットし、燃料噴射弁をキャビティ中央からオフセットしてピストン軸に対して所定の角度ずらして取り付けた直噴ディーゼルエンジンが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、低速運転時におけるスキッシュエリアへの燃料噴霧の拡散状況を改善すること等を目的とした提案がなされている。特許文献2にて提案されている燃焼室構造は、キャビティの開口の外周部にピストン頂面に対し所要深さ窪んで段差を成し且つ半径方向外側へ向かうにつれ徐々に上昇して凹面状に立ち上がるガイド面を備えた抉り部と、該抉り部の底面の内周部とキャビティの底面から立ち上がる燃焼室壁面部とによりピストン頂面から一段下がった位置に形成されたリップ部とを、含んでいる。
【0004】
図5は、特許文献1及び2に記載されているような構造を備えた、従来例の内燃機関の燃焼室構造の一例を示す模式図である。図5の例では、ピストン106の頂面6aから下方向に窪むキャビティ110が設けられている。キャビティ110の中心は、ピストン中心軸A1から紙面右方向にオフセットされている。
【0005】
また、キャビティ110には、キャビティの開口の外周部に頂面6aに対し所定の深さ窪んで段差を成し且つ半径方向外側へ向かうにつれ徐々に上昇して凹面状に立ち上がるガイド面122を備えた段差部121と、段差部121の底面の内周部とキャビティ110の底面から立ち上がる燃焼室壁面部とにより頂面6aから一段下がった位置に形成されたリップ部123が形成されている。また、リップ部123とキャビティ110の底面との間の燃焼室壁面には、断面が円弧状になるボール部111が形成されている。
【0006】
図5には、吸気弁3と燃料噴射弁5も示されている。燃料噴射弁5の噴霧口は、キャビティ中心軸から紙面右方向にオフセットされた軸B1上にある。また、燃料噴射弁5の軸B2は、ピストン中心軸A1に平行な軸B1に対して斜めに傾いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-199431号公報
特開2014-238011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図6は、従来例に係る燃焼室構造における燃料噴霧の一例を示す模式図である。図6に示した従来例のように、リップ部123及び段差部121を有する形状の燃焼室では、燃料と空気が混ざりやすくするために、リップ部123を狙って燃料を噴霧することが一般的である。リップ部123に衝突した燃料は、段差部121に沿ってピストン6の頂面6aへ向かうものと、ボール部111へ向かうものに分断されて広がっていき、空気と混合され、燃焼する。
【0009】
ここで、キャビティ中心軸からオフセットされ、さらに斜めに傾いて配置されている燃料噴射弁5では、ノズルの角度と噴霧の角度が緩やかな方向F1側において、ノズルの角度と噴霧の角度が直角に近くなる方向F2側よりも多くの燃料が噴霧される。よって、方向F1側では、方向F2側と比べて、空気との混合を果たせない燃料が生じやすくなる。例えば、方向F1側において段差部121に沿ってピストン106の頂面6aへ向かった燃料は、シリンダヘッド2の下面2aとの干渉により拡散がせき止められ、噴霧の広がりと空気との混合が阻害されやすくなる。
【0010】
図7は、従来例に係る燃焼室構造に向けて噴霧された燃料の拡散状況を示す模式図である。図7に示すように、図6で方向F1側に噴霧され、シリンダヘッド2の下面2aとの干渉により拡散がせき止められた燃料は、領域X11で局所的に過濃となる。そして、スート(煤)を多く排出する原因となるおそれがある。一方で、ピストン106の頂面6aとシリンダヘッド2の下面2aとの間のスキッシュエリアには、燃料との混合を果たせなかった空気が残ってしまう。
(【0011】以降は省略されています)

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