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公開番号2024043650
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022148753
出願日2022-09-20
発明の名称石英ガラスルツボ及びその製造方法及び石英ガラスルツボ用石英粉
出願人株式会社SUMCO
代理人個人,個人
主分類C03B 20/00 20060101AFI20240326BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】原料石英粉に対する特別な前処理や強加熱を行うことなく、ルツボの内側の透明層の気泡含有率を低減することが可能な石英ガラスルツボの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による石英ガラスルツボの製造方法は、回転するモールド14の内面14iに石英粉を堆積させるステップと、石英粉の堆積層16をモールド14の内側から加熱して石英粉を溶融するステップとを有し、容器内にタップ充填された前記石英粉の1300℃での熱伝導率は0.4W/(m・K)以上1.0W/(m・K)以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転するモールドの内面に石英粉を堆積させるステップと、前記石英粉の堆積層を前記モールドの内側から加熱して前記石英粉を溶融するステップとを有し、容器内にタップ充填された前記石英粉の1300℃での熱伝導率が0.4W/(m・K)以上1.0W/(m・K)以下であることを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記石英粉の堆積層は、前記モールドの内面に形成された天然石英粉の堆積層と、前記天然石英粉の堆積層の内面に形成された合成石英粉の堆積層とを有し、
前記天然石英粉の堆積層の厚さは前記合成石英粉の堆積層の厚さの2倍以上であり、少なくとも前記天然石英粉の1300℃での熱伝導率が0.4W/(m・K)以上1.0W/(m・K)以下である、請求項1に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
【請求項3】
前記天然石英粉の1300℃での熱伝導率が0.5W/(m・K)以上0.8W/(m・K)以下である、請求項2に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
【請求項4】
25℃の水に対する前記合成石英粉の浸漬熱が250J/g以上450J/g以下である、請求項2に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
【請求項5】
前記石英粉の堆積層を加熱して溶融するステップは、前記モールドの内面側から前記石英粉の堆積層を真空引きしながら溶融することにより、気泡を含まないシリカガラスからなる透明層を形成する透明層形成ステップと、前記モールドの内面側からの前記真空引きの吸引力を弱めるかまたは停止することにより、多数の気泡を含むシリカガラスからなる気泡層を形成する気泡層形成ステップとを含む、請求項1に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
【請求項6】
回転するモールドの内面に天然石英粉の堆積層を形成するステップと、前記天然石英粉の堆積層の内面に合成石英粉の堆積層を形成するステップと、前記天然石英粉及び前記合成石英粉の堆積層を前記モールドの内側から加熱して前記石英粉を溶融するステップとを有し、25℃の水に対する前記合成石英粉の浸漬熱が250J/g以上450J/g以下であることを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
【請求項7】
石英ガラスルツボの原料となる石英粉であって、天然石英からなり、
容器内にタップ充填された状態での1300℃での熱伝導率が0.4W/(m・K)以上1.0W/(m・K)以下であることを特徴とする石英粉。
【請求項8】
石英ガラスルツボの原料となる石英粉であって、合成石英からなり、
25℃の水に対する浸漬熱が250J/g以上450J/g以下であることを特徴とする石英粉。
【請求項9】
天然石英粉を加熱し溶解して形成された多数の気泡を含む石英ガラスからなる気泡層と、
合成石英粉を加熱し溶解して形成された気泡を含まない石英ガラスからなる透明層を有し、
前記天然石英粉は、容器内にタップ充填された状態での1300℃での熱伝導率が0.4W/(m・K)以上1.0W/(m・K)以下であり、
深さ2mm以内の前記透明層の表層部の平均気泡含有率が0.05vol%以下であることを特徴とする石英ガラスルツボ。
【請求項10】
25℃の水に対する前記合成石英粉の浸漬熱が250J/g以上450J/g以下である、請求項9に記載の石英ガラスルツボ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、石英ガラスルツボ及びその製造方法に関し、特に、チョクラルスキー法(CZ法)によるシリコン単結晶の製造に用いられる石英ガラスルツボの製造方法に関する。また本発明は、そのような石英ガラスルツボの原料として用いられる石英粉に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
CZ法によるシリコン単結晶の製造では石英ガラスルツボが用いられている。CZ法では、シリコン原料を石英ガラスルツボ内で加熱して融解し、このシリコン融液に種結晶を浸漬し、ルツボを回転させながら種結晶を徐々に引き上げて単結晶を成長させる。CZ法によれば、半導体デバイス用の大口径で高品質なシリコン単結晶を高い歩留まりで製造することが可能である。
【0003】
石英ガラスルツボの内表面近傍には気泡が存在しないことが望ましい。シリコン融液と接触するルツボの内表面近傍の気泡が熱膨張により破裂した場合、ルツボから微小なシリカ片が剥離してシリコン融液中に混入し、育成中の単結晶に取り込まれることで単結晶の有転位化の原因となるからである。そのため、石英ガラスルツボの内表面近傍には気泡が排除された透明層が設けられている。
【0004】
石英ガラスルツボの内側の透明層の品質向上を図るため、例えば特許文献1には、溶融モールドを遮熱材で覆い、遮熱材のガス入口を通して溶融モールド内に軽ガスを供給し、軽ガスを含有する雰囲気中の溶融モールド内でSiO

内層顆粒をガラス化して透明内層を得ることにより、エネルギー及び材料に関する努力を可能な限り低く抑えながら気泡の少ない内層を有する石英ガラスルツボを製造する方法が記載されている。
【0005】
特許文献2には、直接法又はスート法により合成石英ガラス材を作製する工程と、合成石英ガラス材を粉砕することなくルツボ形状に加工する工程と、ルツボ形状に加工された合成石英ガラス材の外壁にシリカ粉末を溶着させる工程とを含む石英ガラスルツボの製造方法が記載されている。直接法又はスート法により作製された合成石英ガラス材を粉砕することなくルツボ形状に加工することにより、実質的に気泡を含まない合成石英ガラス材とすることができる。
【0006】
特許文献3には、石英原料粉末を成形型内に供給して直胴部、コーナー部および底部を有するシリカ粉成形体を形成し、このシリカ粉成形体を酸素雰囲気中でアーク溶融して石英ガラスルツボを製造する際、シリカ粉成形体の開口端部に接するようにカーボン部材を配置することが記載されている。開口端部からシリカ粉成形体内へ侵入する酸素をカーボン部材との反応、燃焼などによって防止することにより、得られるシリカガラスルツボの透明層における酸素過剰欠陥の増加を抑制し、シリコン単結晶引上げ中における透明層内の気泡膨張を抑制することができる。また、特許文献4には、ルツボ内表面に沿って水素を供給することにより酸素過剰欠陥を抑制することが記載されている。
【0007】
特許文献5には、溶融炉内へ石英原料粉を充填する充填工程と、溶融炉内に充填された石英原料粉に対して水分及びガス除去のための前熱処理を施す前熱処理工程と、前熱処理された石英原料粉を加熱溶融する溶融工程と、溶融炉内で溶融された石英ガラス融体を冷却し石英ガラスブロックとする冷却工程とを含み、充填工程において、溶融炉に充填された石英原料粉の充填密度を1.4g/cm

以上1.6g/cm

以下の範囲の密充填とし、かつ前熱処理工程において、真空引き及び希ガス又はH

ガス導入処理を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2011-521882号公報
特開2012-218980号公報
特開2014-065621号公報
特開2014-065622号公報
特開2009-096674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の石英ガラスルツボの製造方法においては、ルツボの内表面近傍の気泡を極力排除するため、原料石英粉を前処理する方法や、原料石英粉の溶融時に強加熱する方法が採用されている。
【0010】
しかしながら、原料石英粉を前処理する方法は、そのような前処理を行うことによるルツボの製造コストの増加が問題となる。また、原料石英粉の溶融時の強加熱する方法では電力消費量の増加や製造設備の改善/増強による製造コストの増加の問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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