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公開番号2024042950
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022147888
出願日2022-09-16
発明の名称水力機械およびその運転モード切替方法
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F03B 15/04 20060101AFI20240322BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】運転モードを短時間で切り替えられる水力機械およびその運転モード切替方法を提供することである。
【解決手段】実施形態の水力機械は、鉄管を開閉する入口弁と、ドラフトチューブを開閉するドラフトゲートと、前記ドラフトチューブに設けられるドラフトゲート側路を開閉するドラフトゲート側路弁と、前記入口弁、前記ドラフトゲート、および前記ドラフトゲート側路弁の開閉を制御する制御装置と、を備える水力機械であって、ランナを大気圧空気で空転させる調相運転から通常運転へ運転モードを切り替える場合に、前記制御装置は、前記ドラフトゲート側路弁が開いたと判定した場合に、前記ドラフトゲートを開く制御信号を前記ドラフトゲートに送信し、前記ドラフトゲートが全開したと判定した場合に、ガイドベーンを開く制御信号を前記ガイドベーンに送信し、前記通常運転を開始するよう制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上池に接続する鉄管を開閉する入口弁と、
ランナが配置されるランナ室の下方に接続するドラフトチューブを開閉するドラフトゲートと、
前記ドラフトチューブに設けられて前記ドラフトゲートをバイパスするドラフトゲート側路を開閉するドラフトゲート側路弁と、
前記入口弁、前記ドラフトゲート、および前記ドラフトゲート側路弁の開閉を制御する制御装置と、を備える水力機械であって、
前記ランナを大気圧空気で空転させる調相運転から水車運転またはポンプ運転である通常運転へ運転モードを切り替える場合に、前記制御装置は、
前記ドラフトゲート側路弁が開いたことを判定し、
前記ドラフトゲート側路弁が開いたと判定した場合に、前記ドラフトゲートを開く制御信号を前記ドラフトゲートに送信し、
前記ドラフトゲートを開く制御信号の前記送信後、前記ドラフトゲートが全開したと判定した場合に、ガイドベーンを開く制御信号を前記ガイドベーンに送信し、
前記ガイドベーンを開く制御信号を前記ガイドベーンに送信後、前記入口弁が全開し、かつ前記ガイドベーンが開いたと判定した場合に前記通常運転を開始するよう制御する水力機械。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記水力機械は、前記ドラフトチューブに設けられる給気管を開閉する給気弁と、
前記ドラフトチューブに設けられる排水管を開閉する排水弁と、をさらに備え、
前記制御装置は、
前記ドラフトゲート側路弁が開いたことを判定する前に、前記ガイドベーン、前記給気弁、および前記排水弁が全閉したことを判定し、
前記ガイドベーン、前記給気弁、および前記排水弁が全閉したことを判定した場合に、前記ドラフトゲート側路弁を開く制御信号を前記ドラフトゲート側路弁に送信する請求項1に記載の水力機械。
【請求項3】
前記制御装置は、前記給気弁および前記排水弁が全閉したことを判定する前に、前記給気弁および前記排水弁を閉じる制御信号を前記給気弁および前記排水弁に送信する請求項2に記載の水力機械。
【請求項4】
前記制御装置は、前記入口弁が開いたことを判定する前に、前記ガイドベーンが全閉したことを判定し、
前記ガイドベーンが全閉したことを判定した場合に、前記入口弁を開く制御信号を前記入口弁に送信する請求項1から3いずれかに記載の水力機械。
【請求項5】
前記制御装置は、前記ガイドベーンが全閉したことを判定する前に、前記ガイドベーンを閉じる制御信号を前記ガイドベーンに送信する請求項4に記載の水力機械。
【請求項6】
前記水力機械は、プライミング圧力を計測する水圧計をさらに備え、
前記制御装置は、前記ドラフトゲートを開く制御信号の送信後、前記ドラフトゲートが全開し、さらには前記プライミング圧力が所定以上であることを判定した場合に、前記ガイドベーンを開く制御信号を前記ガイドベーンに送信する請求項1に記載の水力機械。
【請求項7】
上池に接続する鉄管を開閉する入口弁と、ランナが配置されるランナ室の下方に接続するドラフトチューブを開閉するドラフトゲートと、前記ドラフトチューブに設けられて前記ドラフトゲートをバイパスするドラフトゲート側路を開閉するドラフトゲート側路弁と、前記入口弁、前記ドラフトゲート、および前記ドラフトゲート側路弁の開閉を制御する制御装置とを備え、水車運転またはポンプ運転である通常運転および前記ランナを大気圧空気で空転させる調相運転を行う水力機械に関する前記調相運転から前記通常運転への運転モード切替方法であって、
前記ドラフトゲート側路弁が開いたことを前記制御装置が判定した場合に、前記制御装置が前記ドラフトゲートを開く制御信号を前記ドラフトゲートに送信するステップと、
前記制御装置が前記ドラフトゲートを開く制御信号の前記送信するステップの後に前記ドラフトゲートが全開したことを前記制御装置が判定した場合に、前記制御装置がガイドベーンを開く制御信号を前記ガイドベーンに送信するステップと、
前記制御装置が前記ガイドベーンを開く制御信号を前記ガイドベーンに送信するステップの後、前記入口弁が全開し、かつ前記ガイドベーンが開いたと判定した場合に前記通常運転を開始するステップと、
を備える水力機械の運転モード切替方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水力機械およびその運転モード切替方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電力系統の需給調整へのニーズが高まっており、ポンプ水車などの水力機械の運転モードを切り替えて需給調整に対応する方法が知られている。一般的な水力機械の運転モードには、水車運転と、ポンプ運転と、調相運転とがあり、需給調整のために電力系統からの電力を吸収する際には調相運転で水力機械を運転する。高速な需給調整に対応するためには、水力機械の運転モードを水車運転やポンプ運転といった通常時の運転モードから、調相運転に早く切り替える必要がある。
【0003】
一般的な水力機械は、上池に接続する鉄管と、ケーシングと、ランナ室に収容されるランナと、発電機と、下池に接続するドラフトチューブとを備える。水車運転における水力機械は、上池からの水が鉄管とケーシングとを経てランナに流入して、水の仕事によりランナが回転する。ランナの回転によって生じた回転エネルギーは、主軸を介してランナと接続する発電機に伝達され、発電機が回転エネルギーを電気エネルギーに変換することで発電する。ランナで仕事を終えた水はドラフトチューブを流れ下池へ流出する。ポンプ運転では、系統から発電機に電気エネルギーを供給し、発電運転とは逆方向にランナを回転させ、下池の水を上池に汲み上げる。つまり、水車運転およびポンプ運転では、ランナを収容するランナ室内を水が満たしている。
【0004】
ところで、調相運転においては、ランナのトルクを低減するために、ランナ室内の水を排出してランナを空転させる。したがって、水車運転およびポンプ運転から調相運転に切り替える際は、ランナ室内に空気を給気して水を排水することで、ランナ室内の水面をランナよりも低く下げる必要がある。それとは反対に、調相運転から水車運転およびポンプ運転に切り替える際は、ランナ室内の空気を排気して水で満たす必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-92759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、水車運転およびポンプ運転から調相運転に切り替える際は、ランナ室内に高圧空気を給気することで排水し、ランナ室内の水面を押し下げていた。したがって、調相運転から水車運転およびポンプ運転に切り替える際には、この高圧空気が急激に膨張しないように、ランナ室内の高圧空気を排気してからランナ室内に水を満たす必要があり、運転モードの切り替えに時間がかかっていた。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、運転モードを短時間で切り替えられる水力機械およびその運転モード切替方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、実施形態の水力機械は、上池に接続する鉄管を開閉する入口弁と、ランナが配置されるランナ室の下方に接続するドラフトチューブを開閉するドラフトゲートと、前記ドラフトチューブに設けられて前記ドラフトゲートをバイパスするドラフトゲート側路を開閉するドラフトゲート側路弁と、前記入口弁、前記ドラフトゲート、および前記ドラフトゲート側路弁の開閉を制御する制御装置と、を備える水力機械であって、前記ランナを大気圧空気で空転させる調相運転から水車運転またはポンプ運転である通常運転へ運転モードを切り替える場合に、前記制御装置は、前記ドラフトゲート側路弁が開いたことを判定し、前記ドラフトゲート側路弁が開いたと判定した場合に、前記ドラフトゲートを開く制御信号を前記ドラフトゲートに送信し、前記ドラフトゲートを開く制御信号の前記送信後、前記ドラフトゲートが全開したと判定した場合に、ガイドベーンを開く制御信号を前記ガイドベーンに送信し、前記ガイドベーンを開く制御信号を前記ガイドベーンに送信後、前記入口弁が全開し、かつ前記ガイドベーンが開いたと判定した場合に前記通常運転を開始するよう制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態に係る水力機械の構成を示す断面図。
第1実施形態に係る水力機械のガイドベーンが全閉状態の場合の運転モード切替の処理例を示すフローチャート。
第1実施形態に係る水力機械のガイドベーンが開状態の場合の運転モード切替の処理例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態について、図1から図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る水力機械の子午面断面図である。ここでは、水力機械としてフランシス水車を一例に説明する。フランシス水車1は、鉄管10と、入口弁12と、ケーシング14と、ガイドベーン16と、上カバー18と、下カバー20と、ランナ22と、主軸24と、発電機26と、ドラフトチューブ28と、制御装置40と、を備える。なお、以降の説明において発電機26側を回転軸線C上方向、ドラフトチューブ28側を回転軸線C下方向とする。
(【0011】以降は省略されています)

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