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公開番号2024042659
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2023140198
出願日2023-08-30
発明の名称構造化有機フィルムからのアニオン交換膜及びその方法
出願人ゼロックス コーポレイション,XEROX CORPORATION
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08J 5/22 20060101AFI20240321BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】燃料電池、レドックスフロー電池、電解槽、逆電気透析セル、及び微生物燃料電池などの種々の用途で使用できる、高度に秩序化されたパターン化網状組織系から合成されたイオン交換膜用の自立型構造化有機フィルムを提供する。
【解決手段】構造化有機フィルム(SOF)は、複数のセグメントと、複数のリンカーと、任意選択的に、複数のキャッピングセグメントと、を含み、少なくとも1つ以上のキャッピングセグメントは、少なくとも1つのカチオン性種を含む。SOFの実装形態は、複数のリンカーのうちの全てが複数のセグメントに結合している場合を含む。SOF中のイオン性キャッピングセグメントの濃度は、SOF中の非イオン性セグメントの濃度に対して、約0.1~約5.0モル当量のイオン性キャッピングセグメントである。イオン交換膜は、SOFを含んでもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
構造化有機フィルム(SOF)であって、
複数のセグメントと、
複数のリンカーと、
任意選択的に、複数のキャッピングセグメントと、を含み、
前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つ以上及び/又は前記複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つ以上が、少なくとも1つのカチオン性種を含む、構造化有機フィルム(SOF)。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
複数のキャッピングセグメントを含む、請求項1に記載の構造化有機フィルム(SOF)。
【請求項3】
前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つが、以下を含む、請求項1に記載の構造化有機フィルム(SOF)。
JPEG
2024042659000009.jpg
54
170
【請求項4】
前記SOF中のカチオン性キャッピングセグメントの濃度が、前記SOF中の非イオン性セグメントの濃度に対して、約0.1~約5.0モル当量のカチオン性キャッピングセグメントである、請求項1に記載の構造化有機フィルム(SOF)。
【請求項5】
前記SOFの厚さが、約100nm~約500μmである、請求項1に記載の構造化有機フィルム(SOF)。
【請求項6】
前記複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つが、四級アンモニウム化合物を含む、請求項1に記載の構造化有機フィルム(SOF)。
【請求項7】
前記複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つが、N-メチル-N,N,N-トリス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム(MTEAH)を含む、請求項1に記載の構造化有機フィルム(SOF)。
【請求項8】
前記複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つが、N-2-ヒドロキシルエチル-N,N,N-トリメチルアンモニウム、N-3-ヒドロキシプロピル-N,N-ジメチル-N-エチルアンモニウム、N-メトキシエチル-N,N-ジメチル-N-エチルアンモニウム、N-エチル-N-メチル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の構造化有機フィルム(SOF)。
【請求項9】
前記構造化有機フィルム(SOF)が、約0.25mEq/g~約5.00mEq/gのイオン交換容量(IEC)を有する、請求項1に記載の構造化有機フィルム(SOF)。
【請求項10】
請求項1に記載の構造化有機フィルム(SOF)を含む、イオン交換膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本教示は、概して、自立型構造化有機フィルムに関し、より具体的には、自立型構造化有機フィルムから形成されるアニオン性交換膜用の組成物に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
イオン交換膜は、燃料電池、レドックスフロー電池、電解槽、逆電気透析セル、及び微生物燃料電池などの生物電気化学システム(bioelectrochemical system、BES)などの多くの電気化学デバイスにおいて使用することができる。電気化学エネルギー変換及び貯蔵システムに関連する2つのイオン性膜カテゴリーは、カチオン交換膜(cation-exchange membrane、CEM)及びアニオン交換膜(anion-exchange membrane、AEM)である。CEMは、透過性膜を横切ってカチオン(正に荷電したイオン)を選択的に輸送する。CEMは、Na+カチオンを含有するものなどの非酸性、又はH+カチオンを特異的に輸送するプロトン交換膜(proton-exchange membrane、PEM)の場合には酸性であり得る。AEMは、アニオンを選択的に輸送し、非アルカリ性アニオン形態(例えば、Cl-アニオンを含有する)並びにAAEMと称されるアルカリ性アニオン、例えば、HO

、CO

2-
及びHCO


で利用可能である。
【0003】
AEMは、通常、ポリマー骨格に共有結合した正に荷電した/カチオン性基(例えば、-NR


)を含有するポリマー電解質の形態である。そのように変性されたポリマーは、これらのカチオン性官能基によってCl

及びHO

などのアニオンを伝導する。一般に使用されるポリマークラスのいくつかとしては、ポリスルホン、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルイミド)、過フッ素化種などが挙げられる。荷電種は、側鎖として付加され得るか、又はポリマーの骨格上にグラフトされ得、Nベースの基(例えば、四級アンモニウム化合物、イミダゾリウム、ピリジニウム及びグアニジニウム系)を含有し得る。他のカチオン性非窒素基としては、ホスホニウム、スルホニウム及び金属ベースの系が挙げられる。
【0004】
既知のAEMの欠点としては、低いアニオン伝導性、高アルカリ性環境に対する低い耐性などの低い化学的安定性及び寸法安定性が挙げられる。例えば、既知のAEM化学は、これらの膜の機械的特性及び寸法安定性の両方を改善するために架橋剤として使用することができる、三級アミン基などの2つの官能基を含有する試薬又は成分を含むことができる。窒素含有共役分子に基づく他のポリマー、例えば、グアニジンベースのポリマーは、高い塩基性度を示し、かつ高いアニオン伝導性及びアルカリ耐性を提供し、これらのポリマーの架橋設計又は側鎖含有バリアントの分野において、適切なAEM組成物を提供するために更なる作業がなお必要とされる。イミダゾリウム環を用いて合成された既知のポリマーは、かさ高いtert-ブチル又はフェニル基などの置換基が環上に存在しない場合、不安定であり得、それらは、強アルカリ環境において開環又は分解を受けやすい。イミダゾリウムの第2の炭素上に存在するかさ高い置換基を有する材料を含む他の既知のAEMSは、イミダゾリウムカチオンが置換基による立体障害を介して保護されていても、同様に不十分なアルカリ耐性を引き起こす可能性がある。
【0005】
イオン交換膜に使用される材料は、典型的にはポリマー及び架橋ポリマーであるが、ほとんどの既知のポリマー化学合成プロセスは、ほとんどがランダムにパターン化されているので、形成された材料の分子レベル構造に対する正確な制御を提供しない。ほとんどのポリマーは、効率的に一緒に充填されて結晶特性を有する高密度をもたらすことができるいくつかのクラスの直鎖ポリマーを除いて、非晶質又は部分的に非晶質である。
【0006】
したがって、燃料電池、レドックスフロー電池、電解槽、逆電気透析セル、及び微生物燃料電池などの種々の用途で使用することができる、高度に秩序化されたパターン化網状組織系から合成されたイオン交換膜を製作することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
以下は、本教示の1つ以上の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。この概要は、広範な概略ではなく、本教示の主要又は重要な要素を特定することも、本開示の範囲を明示することも意図していない。むしろ、その主な目的は、単に、後に提示される詳細な説明の前置きとして、1つ以上の概念を簡略化された形式で提示することにすぎない。
【0008】
構造化有機フィルム(structured organic film、SOF)が開示される。構造化有機フィルムはまた、複数のセグメントと、複数のリンカーと、任意選択的に、複数のキャッピングセグメントと、を含み、少なくとも1つ以上のキャッピングセグメントは、少なくとも1つのカチオン性種を含んでもよい。構造化有機フィルム(SOF)の実装形態は、複数のリンカーのうちの全てが複数のセグメントに結合している場合を含む。SOF中のイオン性キャッピングセグメントの濃度は、SOF中の非イオン性セグメントの濃度に対して、約0.1~約5.0モル当量のイオン性キャッピングセグメントである。SOFの厚さは、約100nm~約500μmである。複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つは、四級アンモニウム化合物を含んでもよい。複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つは、n-メチル-n,n,n-トリス(2-ヒドロキシルエチル)アンモニウム(MTEAH)を含んでもよい。複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つは、n-2-ヒドロキシルエチル-n,n,n-トリメチルアンモニウム、n-3-ヒドロキシプロピル-n,n-ジメチル-n-エチルアンモニウム、n-メトキシエチル-n,n-ジメチル-n-エチルアンモニウム、n-エチル-n-メチル-n,n-ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。構造化有機フィルム(SOF)は、約0.25meq/g~約5.00meq/gのイオン交換容量(ion exchange capacity、IEC)を有する。イオン交換膜は、構造化有機フィルム(SOF)を含んでもよい。
【0009】
別の構造化有機フィルム(SOF)が開示される。構造化有機フィルムはまた、複数のセグメントと、複数のリンカーと、複数のキャッピングセグメントと、を含み、少なくとも1つ以上のキャッピングセグメントは、四級アンモニウム化合物を含み得る少なくとも1つのカチオン性種を含んでもよい。キャッピングセグメントのうちの少なくとも1つが、四級アンモニウム化合物を含み得る構造化有機フィルム(SOF)の実装形態。複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つは、n-メチル-n,n,n-トリス(2-ヒドロキシルエチル)アンモニウム(MTEAH)を含んでもよい。SOF中のイオン性キャッピングセグメントの濃度は、SOF中の非イオン性セグメントの濃度に対して、約0.1~約5.0モル当量のイオン性キャッピングセグメントである。SOFの厚さは、約100nm~約500μmである。構造化有機フィルム(SOF)は、約0.25meq/g~約5.00meq/gのイオン交換容量(IEC)を有する。
【0010】
別の構造化有機フィルム(SOF)が開示される。構造化有機フィルムはまた、複数のセグメントと、複数のリンカーと、を含む。フィルムはまた、複数のキャッピングセグメントを含み、この場合、複数のセグメントのうちの少なくとも1つは、以下を含んでもよく、少なくとも1つ以上のキャッピングセグメントは、四級アンモニウム化合物を含み得る少なくとも1つのカチオン性種を含んでもよい。構造化有機フィルム(SOF)の実装形態は、複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つがn-メチル-n,n,n-トリス(2-ヒドロキシルエチル)アンモニウム(MTEAH)を含んでもよい場合を含む。複数のキャッピングセグメントのうちの少なくとも1つは、n-2-ヒドロキシルエチル-n,n,n-トリメチルアンモニウム、n-3-ヒドロキシプロピル-n,n-ジメチル-n-エチルアンモニウム、n-メトキシエチル-n,n-ジメチル-n-エチルアンモニウム、n-エチル-n-メチル-n,n-ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。構造化有機フィルム(SOF)は、約0.25meq/g~約5.00meq/gのイオン交換容量(IEC)を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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