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公開番号2024041424
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2022146243
出願日2022-09-14
発明の名称透明ポリイミドフィルムおよびその製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20240319BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】黄色度が小さく、面内の複屈折の異方性(面内位相差)による着色(虹ムラ)が小さく、ガラス代替材料のプラスチック材料として有用な透明ポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供することである。
【解決手段】延伸方向の複屈折(面内位相差)が、1,000nm~8,000nmであり、弾性率が7.0~15.0GPaであり、動的屈曲性が50万回以上である透明ポリイミドフィルムであり、前記透明ポリイミドフィルムの製造方法は、第一処理用液体により膨潤させる工程と、ポリイミドフィルムを延伸する工程(延伸工程)を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
面内位相差が1,000nm~8,000nmであり、全光線透過度が85%以上、配向方向の弾性率が、7GPa~15GPaである透明ポリイミドフィルム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
配向方向の動的屈曲が50万回以上である請求項1に記載の透明ポリイミドフィルム。
【請求項3】
前記透明ポリイミドフィルムは、一般式(IIa)で表されるジアミン由来構造、および一般式(IIIa)で表されるテトラカルボン酸二無水物由来構造を有し、
Yは2価の有機基であるジアミン残基であり、Xは4価の有機基であるテトラカルボン酸二無水物残基であり、前記ジアミン由来構造がフルオロアルキル基を有するジアミンを全ジアミン中50モル%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の透明ポリイミドフィルム。
TIFF
2024041424000008.tif
83
167
【請求項4】
前記透明ポリイミドフィルムが、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドから選ばれる溶媒に、3重量%以上溶解することを特徴とする請求項3に記載の透明ポリイミドフィルム。
【請求項5】
前記フルオロアルキル基を有するジアミンが、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンである、請求項3に記載の透明ポリイミドフィルム。
【請求項6】
前記テトラカルボン酸二無水物残基が、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(H-PMDA)、ビス(無水トリメリット酸)エステル、ビス(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-5-イソベンゾフランカルボン酸)-(2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイル)エステル(TMPBP-TME)から選ばれる1種以上の酸二無水物を含むことを特徴とする請求項3に記載の透明ポリイミドフィルム。
【請求項7】
前記ポリイミドが、さらに、一般式(Va)で表されるジカルボン酸由来構造を含み、
Zは2価の有機基であるジカルボン酸残基である、請求項3に記載の透明ポリイミドフィルム。
TIFF
2024041424000009.tif
43
78
【請求項8】
透明ポリイミドフィルムの製造方法であって、
透明ポリイミドフィルムを、第一処理用液体により膨潤させる工程と、
ポリイミドフィルムを延伸する工程(延伸工程)を有し、前記第一処理用液体が、引火点が50℃以上、もしくは引火点を示さず、かつHansen溶解度パラメータ(HSP値)が15~35MPa0.5である、請求項1から7のいずれか1項に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項9】
前記第一処理用液体が、グリコールエーテル類、ジアルキルグリコールエーテル類、およびグリコールエーテルアセテート類からなる群から選択される1種以上のグリコールエーテル系溶媒、1種類以上のアルコールを含むアルコール-水混合溶媒、および有機ハロゲン溶媒から選ばれることを特徴とする請求項8に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項10】
延伸する工程でのポリイミドフィルムの膨潤度が10~200%であることを特徴とする請求項8に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。(但し、膨潤度(%)={(透明ポリイミドフィルムを構成するポリイミド樹脂)-(第一処理用液体を含む溶媒)}÷(透明ポリイミドフィルムを構成するポリイミド樹脂)×100である。)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、透明ポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
ディスプレイ、太陽電池、タッチパネル等のエレクトロニクスデバイスの急速な進歩に伴い、デバイスの薄型化や軽量化、フレキシブル化が要求されている。これらの要求に対して、基板やカバーウインドウ等に用いられているガラス材料からプラスチック材料への置き換えが検討されている。特に、高い耐熱性、高温での寸法安定性、高機械強度が求められる用途では、ガラス代替材料としてポリイミドフィルムの適用が検討されている。
【0003】
ポリイミドフィルムに光学異方性を与える検討として、可溶性かつ透明のポリイミド樹脂を溶媒に溶解して光学フィルムを製造する方法も提案されている。特許文献1では、可溶性かつ透明のポリイミド樹脂を溶媒に溶解し、TACフィルム(支持体)上に流延し、TACフィルムごと延伸して、光学特性を調査する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、支持体とともに延伸する方法では、支持体の延伸可能な条件に限定され、さらに支持体と剥離した部分がでれば、剥離していない部分との延伸状態が変わるため、支持体と剥離しない範囲での延伸条件となるため、延伸条件(延伸倍率)が限られてしまうため、面内位相差が大きなフィルムを製造することは困難である。
【0005】
また、ガラス代替材料としてポリイミドフィルムには、低い黄色度であることが求められ、(特許文献2)、また、面内の複屈折の異方性(面内位相差)による着色(虹ムラ)が小さいことが求められている。(特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2017/169306号公報
特開2022-120808号公報
WO2022/085751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
黄色度が小さく、面内の複屈折の異方性(面内位相差)による着色(虹ムラ)が小さく、ガラス代替材料のプラスチック材料とし有用な透明ポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者等が鋭意検討した結果、高温処理等とは異なる方法で、革新的な延伸技術の開発を検討したところ、フィルムを所定の溶液に浸しながら、膨潤延伸することで、低温で延伸することができるため黄色度が小さく、面内の複屈折の異方性(面内位相差)による着色(虹ムラ)が発生する干渉領域をはるかに超えた位相差(超複屈折)を有する透明ポリイミドフィルムおよびその製造方法を見出した。すなわち、は以下の構成をなす。
【0009】
1).面内位相差が1,000nm~8,000nmであり、全光線透過度が85%以上、配向方向の弾性率が、7GPa~15GPaである透明ポリイミドフィルム。
【0010】
2).配向方向の動的屈曲が50万回以上である1)に記載の透明ポリイミドフィルム。
(【0011】以降は省略されています)

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