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公開番号2024040046
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-25
出願番号2022144867
出願日2022-09-12
発明の名称擦弦楽器用人工弓毛及びこれを有する擦弦楽器用弓
出願人国立大学法人東京工業大学,株式会社アデランス
代理人個人,個人
主分類G10D 3/22 20200101AFI20240315BHJP(楽器;音響)
要約【課題】十分な耐湿性及び耐久性を有し、表面の摩擦力が高く、松脂が付着し易く、表面に塗った松脂が剥がれ難い擦弦楽器用人工弓毛を提供すること。
【解決手段】合成繊維からなる擦弦楽器用人工弓毛であって、該合成繊維は、マトリックスである第1の熱可塑性ポリマーと該第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる第2の熱可塑性ポリマーとから形成され、表面に凹凸形状を有し、該凹凸形状の凸部が第1の熱可塑性ポリマーで形成され、第1の熱可塑性ポリマー/第2の熱可塑性ポリマーが重量比で70/30~95/5の範囲であり、0.060~0.180の平均摩擦係数(MIU)と、0.0020~0.0100の摩擦係数の平均偏差(MMD)と、100~500μmの直径とを、有するものである、擦弦楽器用人工弓毛。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
合成繊維からなる擦弦楽器用人工弓毛であって、
該合成繊維は、
マトリックスである第1の熱可塑性ポリマーと該第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる第2の熱可塑性ポリマーとから形成され、表面に凹凸形状を有し、該凹凸形状の凸部が第1の熱可塑性ポリマーで形成され、
第1の熱可塑性ポリマー/第2の熱可塑性ポリマーが重量比で70/30~95/5の範囲であり、
0.060~0.180の平均摩擦係数(MIU)と、
0.0020~0.0100の摩擦係数の平均偏差(MMD)と、
100~500μmの直径とを、有するものである、擦弦楽器用人工弓毛。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記合成繊維は、
2~10GPaの弾性率と、
5~50Nの引張強度とを、有するものである、請求項1に記載の擦弦楽器用人工弓毛。
【請求項3】
該合成繊維は、松脂を塗った後に、
0.080~0.200のMIUと、
0.0030~0.0130のMMDとを、有するものである、請求項1又は2に記載の擦弦楽器用人工弓毛。
【請求項4】
第1の熱可塑性ポリマーがポリアミド樹脂であり、前記第2の熱可塑性ポリマーがポリエステル樹脂である、請求項1又は2に記載の擦弦楽器用人工弓毛。
【請求項5】
第2の熱可塑性ポリマーは第1の熱可塑性ポリマーより高い溶融点を有し、
第1の熱可塑性ポリマーと第2の熱可塑性ポリマーとからなる混合ポリマーを上記第2
の熱可塑性ポリマーの溶融点以上の溶融温度で溶融混合し、
上記溶融混合された混合ポリマーを上記第2の熱可塑性ポリマーの溶融点以下の吐出温
度で押し出し、繊維状に成形することにより製造されたものである、請求項1又は2に記載の擦弦楽器用人工弓毛。
【請求項6】
棹と、棹に張られた請求項1又は2に記載の人工弓毛とを、有する擦弦楽器用弓。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は擦弦楽器用弓に関し、詳しくは人工弓毛を使用した擦弦楽器用弓に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
擦弦楽器用弓毛(以下、「弓毛」ということがある。)としては、一般に、馬の尾の毛が使用される。弓毛には、演奏する前に、松脂が塗られる。松脂は粘着性であり、弓毛の表面に松脂が存在することで、弓毛の摩擦力が向上する。その結果、弦が正常に摩擦されて、擦弦楽器が演奏できるようになる。
【0003】
馬毛は天然繊維であり、湿度が変化した場合の寸法安定性に劣る。そのため、演奏環境に応じて最適な張り具合を実現することが困難である。また、天然繊維であるために動物愛護の観点から将来入手が困難になる可能性がある。
【0004】
特許文献1には、棹と、前記棹に張られたポリフッ化ビニリデンからなる弓毛と、を備える擦弦楽器用弓が記載されている。ポリフッ化ビニリデンからなる弓毛は馬毛と比較して湿度変化の程度が小さく、耐久性が高いという特徴を有している。
【0005】
特許文献2には、マトリックスである第1の熱可塑性ポリマーと該第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる第2の熱可塑性ポリマーとから形成され、表面に凹凸形状を有する繊維であって、該繊維の凸部が上記第1の熱可塑性ポリマーで形成されている、人工毛髪用繊維が記載されている。特許文献2の人工毛髪用繊維は、マトリックスの持つ強度等の物性値を損なうことなく、かつ天然毛髪の艶感を保持しながら光沢を抑制することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2017/163469
WO2010/134561
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂は、ぬれ性及び付着性が低い特性を有する。ポリフッ化ビニリデンからなる特許文献1の弓毛は、表面の摩擦力が低く、松脂も付着し難い。つまり、特許文献1の弓毛は、擦弦楽器の弦に対する摩擦力が不十分であり、表面に塗った松脂が剥がれ易いという問題を有している。
【0008】
特許文献2には、人工毛髪表面の摩擦力、及び松脂の付着性に関する記載は存在しない。
【0009】
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、十分な耐湿性及び耐久性を有し、表面の摩擦力が高く、松脂が付着し易く、表面に塗った松脂が剥がれ難い擦弦楽器用人工弓毛を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態を以下に記載する。
[形態1]
合成繊維からなる擦弦楽器用人工弓毛であって、
該合成繊維は、
マトリックスである第1の熱可塑性ポリマーと該第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる第2の熱可塑性ポリマーとから形成され、表面に凹凸形状を有し、該凹凸形状の凸部が第1の熱可塑性ポリマーで形成され、
第1の熱可塑性ポリマー/第2の熱可塑性ポリマーが重量比で70/30~95/5の範囲であり、
0.060~0.180の平均摩擦係数(MIU)と、
0.0020~0.0100の摩擦係数の平均偏差(MMD)と、
100~500μmの直径とを、有するものである、擦弦楽器用人工弓毛。
(【0011】以降は省略されています)

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