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公開番号2024039937
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-25
出願番号2022144698
出願日2022-09-12
発明の名称残留農薬の分析用試料調製方法
出願人三浦工業株式会社
代理人個人
主分類G01N 1/10 20060101AFI20240315BHJP(測定;試験)
要約【課題】質量分析計を用いた食品の残留農薬の一斉分析に当たり、質量分析計の汚染を抑えた分析用試料を簡単に調製できるようにする。
【解決手段】茶等のカフェインを含む食品の残留農薬の分析用試料の調製では、有機系の水溶性抽出溶媒を用いて食品から残留農薬を抽出し、抽出液を得る工程と、粉末状塩基性炭素材含有シリカゲルを含む処理剤、抽出液および残留農薬を溶解可能な有機系の精製溶媒の混合物を得る工程と、混合物から液分の一部を分取する工程とを含む。粉末状塩基性炭素材含有シリカゲルは、通常、炭素材を添加したケイ酸ナトリウム水溶液に塩酸を加えてゲル化させる工程を含み、塩酸の添加量を反応系のpHが9以上のアルカリ性領域に止まるよう制御する方法により調製されるものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
質量分析計を用いて食品の残留農薬を一斉分析するための試料の調製方法であって、
有機系の水溶性抽出溶媒を用いて前記食品から前記残留農薬を抽出し、抽出液を得る工程と、
粉末状塩基性炭素材含有シリカゲルを含む処理剤、前記抽出液および前記残留農薬を溶解可能な有機系の精製溶媒の混合物を得る工程と、
前記混合物から液分の一部を分取する工程と、
を含む残留農薬の分析用試料調製方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記粉末状塩基性炭素材含有シリカゲルは、炭素材を添加したケイ酸ナトリウム水溶液に塩酸を加えてゲル化させる工程を含み、前記塩酸の添加量を反応系のpHが9以上のアルカリ性領域に止まるよう制御することで調製されるものである、請求項1に記載の残留農薬の分析用試料調製方法。
【請求項3】
前記粉末状塩基性炭素材含有シリカゲルは、比表面積が700~1,700m

/gの炭素材を含有し、かつ、比表面積が50~500m

/gであってその1gを5mLの精製水に添加したときに前記精製水のpHをアルカリ性領域へ変動させるものである、請求項1に記載の残留農薬の分析用試料調製方法。
【請求項4】
前記粉末状塩基性炭素材含有シリカゲルは前記炭素材の含有割合が0.5~10質量%である、請求項3に記載の残留農薬の分析用試料調製方法。
【請求項5】
前記食品がカフェイン含有食品のときは前記精製溶媒としてアセトンとヘキサンとの混合溶媒を用い、前記食品が前記カフェイン含有食品以外のときは前記精製溶媒としてトルエンとアセトニトリルとの混合溶媒またはアセトニトリルを用いる、請求項1から3のいずれかに記載の残留農薬の分析用試料調製方法。
【請求項6】
前記水溶性抽出溶媒がアセトニトリルである、請求項5に記載の残留農薬の分析用試料調製方法。
【請求項7】
食品から抽出した残留農薬を含む有機系の水溶性溶媒を精製するための処理剤であって、
粉末状塩基性炭素材含有シリカゲルを含む、
残留農薬含有有機溶媒の精製処理剤。
【請求項8】
前記粉末状塩基性炭素材含有シリカゲルは、比表面積が700~1,700m

/gの炭素材を含有し、かつ、比表面積が50~500m

/gであってその1gを5mLの精製水に添加したときに前記精製水のpHをアルカリ性領域へ変動させるものである、請求項7に記載の残留農薬含有有機溶媒の精製処理剤。
【請求項9】
前記粉末状塩基性炭素材含有シリカゲルは前記炭素材の含有割合が0.5~10質量%である、請求項8に記載の残留農薬含有有機溶媒の精製処理剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、残留農薬の分析用試料調製方法、特に、質量分析計を用いて食品の残留農薬を一斉分析するための試料の調製方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
農薬等が規定量を超えて残留する食品の販売を原則禁止するいわゆるポジティブリスト制度が日本国において2006年に施行され、多数の農薬のうち、人の健康を損なうおそれのないことが明らかな一部の農薬を除く約800種類の農薬の全てについて残留基準値が設定されるに至っている。そこで、販売される食品については約800種類の農薬の一斉分析が求められ、厚生労働省はそのための試験法を通知している(非特許文献1)。
【0003】
厚生労働省が通知する一斉試験法(以下、「通知法」と称する。)は、基本的に、食品試料を粉砕することで均一化するための試料調製工程、調製された試料から残留農薬を抽出するための抽出工程、抽出工程で得られた抽出液から夾雑物質を除去するための精製工程および精製工程により得られた試験溶液を分析するための測定・解析工程からなる。抽出工程では、試料調製工程において均一化された試料に溶媒(アセトニトリル)を加えてホモジナイズした後に吸引ろ過する。そして、このろ液を塩析した後に溶媒を除去することで得られた残留物を溶媒(アセトニトリル)に溶解し、抽出液を調製する。精製工程では、グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル積層ミニカラムに対して抽出工程で得られた抽出液およびアセトニトリルとトルエンとの混合溶媒をこの順に注入し、ミニカラムからの溶出液を得る。そして、この溶出液から溶媒を除去して得られた残留物を所定の溶媒に溶解することで所定量の試験溶液を調製する。測定・解析工程では、調製された試験溶液を質量分析計、具体的にはGC-MS若しくはGC-MS/MSまたはLC-MS若しくはLC-MS/MSにより分析することで食品試料に含まれる農薬を一斉に評価する。
【0004】
しかし、通知法は、GC-MSおよびLC-MSの両方に対応可能な汎用性を有する試験溶液を調製することから、精製工程での操作が多く複雑である。例えば、ミニカラムを用いることから多量の有機溶媒を必要とし、溶媒の除去操作も繰り返し必要になる。特に、精製工程での操作が煩雑であることから、所要の試験溶液を調製するために長時間を要するばかりではなく、試験溶液の信頼性が操作者の熟度や技量により変動し得る。
【0005】
そこで、簡単な操作により比較的短時間で一斉試験用の分析用の試料を得る方法として、QuEChERS法(キャッチャーズ法)と分散固相抽出法とを組み合わせた改良法(以下、「改良法」という。)が提案されている(非特許文献2)。この改良法は、EU規格においても採用されており(非特許文献3)、通知法に替わる残留農薬の一斉試験法として本邦でも食品事業者等において採用されつつある。
【0006】
改良法は、食品試料から残留農薬を抽出するための抽出工程、抽出工程で得られた抽出液の精製工程および精製工程を経た抽出液を分析するための測定・解析工程からなる。抽出工程では、食品試料にアセトニトリルを加えて残留農薬を振とう抽出し、それにより得られた抽出液に塩を加えて振とうすることで水とアセトニトリルとを分離させ、抽出液に含まれている残留農薬をアセトニトリル層へ移行させるとともに、高極性の夾雑物質を水層へ移行させる。精製工程では、抽出工程において取得されかつ処理された抽出液に含まれる夾雑物質を吸着可能なエチレンジアミン-N-プロピルシリル化シリカゲルおよびグラファイトカーボン並びに硫酸マグネシウムを含む粉末状または粒状の固相に抽出液を添加・分散して振とうした後に遠心分離する。そして、測定・解析工程では、精製工程での遠心分離により得られた上澄み溶液を通知法と同様に質量分析計を用いて分析し、食品試料に含まれる農薬を一斉に評価する。
【0007】
改良法は、固相に抽出液を添加・分散することで抽出液に含まれる夾雑物質を除去していることから、ミニカラムを用いる通知法に比べて操作が簡単であり、短時間で分析用の試料(試験溶液)を調製することができる。しかし、その精製工程は、分散固相抽出であることから、試験溶液中に食品マトリックス等の夾雑物質、特に、茶に含まれるカフェインやカテキンが残留しやすく、得られた試験溶液は、夾雑物質によって質量分析計のカラムや検出器を著しく汚染してしまうことがある。このため、改良法によれば、質量分析計の洗浄等の頻繁な保守作業が必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
平成17年1月24日付け食安発第0124001号 厚生労働省医薬食品食品局食品安全部長通知「食品に残留する農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法」
【0009】
一般財団法人 食品分析開発センターSUNATEC、「QuEChERS法について」、[2022年8月19日検索]、インターネット(URL:http://www.mac.or.jp/mail/140401/03.shtml)
【0010】
European standard EN 15662,Foods of Plant Origin - Multimethod for the determination of pesticide residues using GC- and LC-based analysis following acetonitrile extraction/partitioning and clean-up by dispersive SPE - Modular QuEChERS-method
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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