TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024056428
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163293
出願日2022-10-11
発明の名称磁気傾度計
出願人笹田磁気計測研究所株式会社
代理人個人
主分類G01R 33/04 20060101AFI20240416BHJP(測定;試験)
要約【課題】グラディオメータにマグネトメータを一体的に組み込み、磁気傾度計の感度非平衡に起因する地磁気成分を補正し、必要に応じて、センサヘッドの一部を磁気シールドで被覆し、感度軸に直角方向の感度を極めて小さくする磁気傾度計を提供する。
【解決手段】磁気コア11,21を共通としてグラディオメータ2とマグネトメータ3とを一体化した磁気傾度計1において、検出感度の違いに応じた補正係数をマグネトメータ3の第2の検出回路40で検出された第2の磁界検出電圧に対して乗算し、乗算された値をグラディオメータ2の第1の検出回路30で検出された第1の磁界検出電圧を加算又は減算してグラディオメータ2が検出する偽信号を補正する補正回路とを備える。また、必要に応じて、磁気傾度計1は、センサヘッド10,20が配設される直線上の感度軸を中心軸とする円筒状の複数の磁性体で形成される磁気シールドを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
磁気コアを共通としてグラディオメータとマグネトメータとを一体化した磁気傾度計において、
第1の磁気コアと、当該第1の磁気コアに巻回される第1の検出コイルと、前記第1の磁気コアと間隔を空けて直線上に配設される第2の磁気コアと、当該第2の磁気コアに巻回され、前記第1の検出コイルの一端と誘起電圧が相殺される方向に接続される第2の検出コイルと、前記第1の検出コイル及び前記第2の検出コイルの出力を検出する第1の検出回路と、を有するグラディオメータと、
前記第1の磁気コアと、当該第1の磁気コアに巻回される第3の検出コイルと、前記第2の磁気コアと、当該第2の磁気コアに巻回され、前記第3の検出コイルの一端と誘起電圧が加算される方向に接続される第4の検出コイルと、前記第3の検出コイル及び前記第4の検出コイルの出力を検出する第2の検出回路と、を有するマグネトメータと、
前記第1の磁気コア、前記第1の検出コイル及び前記第3の検出コイルからなる第1のセンサヘッドの検出感度と、前記第2の磁気コア、前記第2の検出コイル及び前記第4の検出コイルからなる第2のセンサヘッドの検出感度との違いに応じた補正係数を前記第2の検出回路で検出された第2の磁界検出電圧に乗算し、前記第1の検出回路で検出された第1の磁界検出電圧に対して前記乗算された値を加算又は減算して前記第1の磁界検出電圧に含まれる偽信号を補正する補正手段とを備えることを特徴とする磁気傾度計。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
請求項1に記載の磁気傾度計において、
前記第1のセンサヘッド及び前記第2のセンサヘッドの一部を被覆する磁気シールドを備えることを特徴とする磁気傾度計。
【請求項3】
請求項2に記載の磁気傾度計において、
前記磁気シールドは、前記第1のセンサヘッド及び前記第2のセンサヘッドが配設される直線上の感度軸を中心軸とする円筒状の複数の磁性体で形成されていることを特徴とする磁気傾度計。
【請求項4】
請求項3に記載の磁気傾度計において、
前記磁気シールドは、前記第1のセンサヘッド及び前記第2のセンサヘッドの両端部近傍に少なくとも配設され、各検出コイルが巻回されるコイル領域よりも外側の領域が被覆されるように配設されることを特徴とする磁気傾度計。
【請求項5】
第1の磁気コアに第1の検出コイルが巻回された第1のセンサヘッドと、
前記第1の磁気コアと間隔を空けて直線上に配設される第2の磁気コアに、前記第1の検出コイルの一端と誘起電圧が相殺される方向に接続される第2の検出コイルが巻回された第2のセンサヘッドと、
前記第1の検出コイル及び前記第2の検出コイルの出力を検出する第1の検出回路と、
前記第1のセンサヘッド及び前記第2のセンサヘッドが配設される直線上の感度軸を中心軸とする円筒状の複数の磁性体で形成される磁気シールドとを備えること特徴とする磁気傾度計。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2地点間での磁界の大きさの差を極めて高感度に検出する磁気傾度計に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
磁気傾度計は特定方向の磁界成分について、2地点間での大きさの差を計測する装置である。磁界の差を2点間の距離で割れば、磁界の傾き(勾配)を知ることができる。磁気傾度計は、2地点間の磁界の大きさの差にのみ反応し、地磁気のような一様分布した磁界には反応しないことが理想である。そのため、磁気傾度計には特性が極めて良く揃った一対の一軸性の(特定の軸方向に大きな感度を持つ)磁界センサが必要である。
【0003】
磁気傾度計はグラディオメータの一例であり、磁界を計測する2地点の距離をベースライン長と呼ぶ。一様磁界中に埋もれている局所磁界分布異常は、例えば地中の帯磁物体の存在を示すことができ、地中の不発弾の探査などに利用することができる。グラディオメータの探査深度や探査空間の大きさはベースライン長で規定されるので、ベースライン長を適切に設定することで近傍の探査物からの信号のみを受信し、遠方起因の磁気雑音を排除することが可能となる。地中埋設物の探査には、通常ベースライン長が1m程度と大きい磁気傾度計が使用されている。
【0004】
従来の埋設物探査用の磁気傾度計は、磁気コアに数万ターン巻線を施した誘導型センサ(ピックアップコイル)を2個、1mから1.5m程離隔して直線上に配置し、一様分布した変動磁界が両者に印加されたときに出力が生じないよう、逆極性に接続されたものを基本としている(図17を参照)。図17において積分器は無くても良いが、その場合は磁界変動率(周波数)に比例して出力電圧は増大する。また、これ以外にも例えば、発明者が開発した特許文献1に示す勾配磁界センサが知られている。これらの磁界センサは、埋設物の磁化が発する磁界を一様に分布している地磁気に対して局所磁気分布異常として捉え、磁気探査では地表面にて歩行によりスキャンを行うことでこれを特定したり、地面に垂直に穿けられた穴に磁気傾度計を挿入して地下を深さ方向にスキャンすることも行われる。
【0005】
また、上記勾配磁界センサを応用した技術として、例えば特許文献2に示す技術が開示されている。特許文献2に示す技術は、グラディオメータとマグネトメータとでセンサヘッドを共通化することで、同一箇所における一様磁界と勾配磁界とを分離検出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2015/060344号
特許第6421379号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような磁気傾度計で局所磁気異常を検出する場合の問題点として、相対的に大きな地磁気の中で、磁気ダイポールから発せられた磁界として見える地磁気の強度の1/100又は1/1000以下の検出対象磁界を検出する場合に、磁気傾度計の感度軸方向が揺動(例えば、磁気探査時の歩行による揺動や地中挿入時に生じる揺動等)すると大きな誤出力(信号のような時間波形をした信号であり、以下、偽信号という)が発生することである。
【0008】
この原因を考えるために、まず次の点に注意する。磁気傾度計に用いられるセンサは一軸性で、その検出出力はセンサの個体の感度軸と磁界の方向とのなす角によって変化する。その依存性は、なす角をαとすればcosαに従って変化する。つまり、感度軸ベクトルと磁界ベクトルとの内積を通して計測される。このことから、磁気傾度計の感度軸が地磁気方向に対して相対的に揺動することで生じる偽信号の発生理由は次のように理解できる。すなわち、磁気傾度計の2つのセンサ間で、それらの感度と感度軸の少なくともいずれかにずれがあることで、相対的に大きな地磁気のごくわずかな部分を感度軸の揺動時に出力してしまう。
【0009】
この揺動に伴う偽信号出力の問題を解決するためには、2つのセンサの感度及び感度軸を極めて高精度に整合を取ることが重要である。2つのセンサの感度軸が2つのセンサをつなぐ線上(以下、磁気傾度計の感度軸という)から僅かでもずれると、そのセンサは磁気傾度計の感度軸に対して垂直方向の磁界成分に対して感度を持つ。そのセンサの感度軸が傾度計の感度軸から角βずれたとすると、垂直方向の感度はセンサの本来の感度×sinβで表される。これに伴い、磁気傾度計の感度軸方向の実効的感度は、センサの本来の感度×cosβに減少する。
【0010】
この感度軸のずれは、センサを固定するときの感度軸の調整の不完全や、センサに使用される磁気コアが完全な一軸対称性を持っていない、又は検出コイルと一緒に組み上げられたセンサ個体の特性が回転対称性を持っていないことなどから発生する。これらのことを磁気傾度計のモデルを用いて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
健康状態検査材
19日前
株式会社CCT
表示装置
18日前
株式会社SUBARU
車両
26日前
株式会社チノー
放射温度計
11日前
株式会社トプコン
測量装置
24日前
株式会社トプコン
測定装置
25日前
株式会社SUBARU
車両
26日前
株式会社トプコン
測量装置
24日前
日本精機株式会社
センサユニット
10日前
ニデック株式会社
検出装置
25日前
日本精機株式会社
車両用表示装置
25日前
個人
コンベックスルール用測定部品
17日前
株式会社テイエルブイ
処理装置
4日前
株式会社XMAT
点検システム
26日前
トヨタ自動車株式会社
給水治具
16日前
本多電子株式会社
水中探知装置
25日前
大和製衡株式会社
組合せ計量装置
9日前
東将精工株式会社
測定器具補助具
18日前
大和製衡株式会社
組合せ計量装置
9日前
大和製衡株式会社
組合せ計量装置
9日前
TDK株式会社
ガスセンサ
2日前
中部電力株式会社
スミヤ濾紙
24日前
株式会社ミツトヨ
光学式エンコーダ
19日前
東レエンジニアリング株式会社
衝撃試験機
19日前
三菱マテリアル株式会社
温度センサ
16日前
太陽誘電株式会社
匂いセンサシステム
2日前
古野電気株式会社
魚種識別システム及び方法
1か月前
日立建機株式会社
作業機械
23日前
株式会社 システムスクエア
検査装置
18日前
東レ株式会社
センサー素子及びガスセンサー
23日前
トヨタ自動車株式会社
表示装置
10日前
住友金属鉱山株式会社
セレン評価方法
9日前
住友金属鉱山株式会社
検査装置
9日前
豊田合成株式会社
重量測定装置
16日前
株式会社ティアンドデイ
温度測定装置
16日前
ニシム電子工業株式会社
液位検出装置
10日前
続きを見る