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公開番号2024035562
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-14
出願番号2022140114
出願日2022-09-02
発明の名称顕微鏡用保温装置
出願人株式会社東海ヒット
代理人個人,個人
主分類G02B 21/30 20060101AFI20240307BHJP(光学)
要約【課題】顕微鏡のステージには開口部が有り、そこから検体を入れた培養容器の底部がステージの下側に向けて露出している。そのため、検体が室温の影響を受け易い。特に、倒立顕微鏡では、室温で冷やされた対物レンズにより熱がより奪われ易くなっている。
【解決手段】カバー9は、ステージBの開口部b1と対物レンズCをその根元に位置するレボルバーD毎囲んでおり、ステージBの開口部b1はステージBに載置されたウエルプレート等の培養容器Eの底部e1で閉塞されるので、底部e1と共に閉鎖空間51を作り上げている。この閉鎖空間51は、温風送風機構19から送風された温風により全体が温められるが、温風は横方向から開口部b1と対物レンズCの下側のレボルバーDの周辺部に向けて吹き出される。従って、レボルバーDやそこに取り付けた対物レンズCが温ガスで包み込まれるように、開口部b1の下側空間が集中的に温められる。従って、培養容器Eの底部e1はもとより光学部品が温度ムラなくじんわりと温められる。
【選択図】 図11
特許請求の範囲【請求項1】
顕微鏡のステージの開口部からその下側に位置するレンズに連なる空間を囲んで、前記ステージに載置して前記開口部を閉塞した容器の底部と共に閉鎖空間を作り上げるカバーと、
前記閉鎖空間の温度を検知する温度センサと、
前記閉鎖空間に向けて温風を送風する循環式の温風送風機構を備え、
前記温度センサからのセンサ情報に基づいて前記温風送風機構から送風された温風により、前記閉鎖空間が温められることで、前記容器の底部を介して、容器内の検体が保温状態に維持されることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載した顕微鏡用保温装置において、
ステージの板面方向を囲むプレート状被取付け部を有しており、
前記被取付け部に対して、カバーと温風送風機構のケースが互いに横方向で連通しながら、下側から取付けられていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
【請求項3】
請求項2に記載した顕微鏡用保温装置において、
温風送風機構は、ケースの内部に、空気循環用のブロアと、前記ブロアの吸引側に設けられ、フィンの間を流通経路とする空気に対して放熱するフィン型ヒートシンクと、前記ブロアと前記ヒートシンクとの間に介装されたバッファ室を備えたもので構成されており、前記ブロアが送風手段だけでなく前記バッファ室に陰圧を付与する陰圧付与手段にもなっていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
【請求項4】
請求項3に記載した顕微鏡用保温装置において、
ブロアは被取付け部に対して防振連結されていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
【請求項5】
請求項4に記載した顕微鏡用保温装置において、
ケース内で立設された防振材のブロックにより、ブロアと、バッファ室を画定すると共にヒートシンクを囲う隔壁部が上下方向で積み重なり一体化した状態で持ち上げ支持されていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
【請求項6】
請求項5に記載した顕微鏡用保温装置において、
一対のヒートシンクが加発熱体を挟んで背面合わせになって、空気の流通経路が蛇行していることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
【請求項7】
請求項2から6のいずれかに記載した顕微鏡用保温装置において、
被取付け部を底面部とし、ステージを含む顕微鏡の上部を囲む保温箱を更に備えることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
【請求項8】
請求項7に記載した顕微鏡用保温装置において、
保温箱の底面部および側面部の内面にヒータパネルが接合されて、前記ヒータの上面が平らな載置面になっていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
【請求項9】
請求項8に記載した顕微鏡用保温装置において、
保温箱の側面部および天面部は、発泡ポリエチレン樹脂シートをアルミ薄板でサンドしたアルミ複合材で形成されていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
【請求項10】
請求項7に記載した顕微鏡用保温装置において、
倒立顕微鏡に組付け、カバーがレボルバーまで含めて閉鎖空間を作り上げることを特徴とする顕微鏡用保温装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞等の検体を入れた培養容器を顕微鏡のステージに載置したときに検体を適正な保温状態に維持するのに適した顕微鏡用保温装置に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
細胞等の検体を培養容器内で培養しながら顕微鏡観察を可能とするためには、従来は、ステージより上側の空間に着目し、ステージ上に載置された培養容器を上側から所謂保温箱で囲い、その保温箱の内部の空間を温めるという考え方が主流であり、特許文献1、非特許文献1では、外の空気をヒータで加熱した後、ファンやダクトを使用してその箱内に温風として吹き込むことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実公平03-025598号公報
特開2003-107364号公報
【非特許文献】
【0004】
Incubator NL Ti2 BLACK 2000,PECon GmbH - Specialist for Cell and Tissue Culture Systems on the Microscope[令和4年7月13日検索],インターネット <https://www.pecon.biz/products/product/?pid=5390|incubator_NL_Ti2_BLACK_2000>
Objective Heater S,PeCon GmbH - Specialist for Cell and Tissue Culture Systems on the Microscope [令和4年7月13日検索],インターネット <https://www.pecon.biz/products/product/?pid=5354%7CObjective_Heater_S>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、ステージには開口部(透過窓)が有り、そこから検体を入れた培養容器の底部がステージの下側に向けて露出している。そのため、特許文献1、非特許文献1に記載のような保温の仕方では、培養容器の内底面に置かれている検体が室温の影響を受け易くなっており、室温が低い場合には培養容器側の保温が不十分になってしまう。
また、簡易タイプでは、保温箱の代わりに、特許文献2に記載のように、培養容器を収容した培養器を閉鎖系にすると共に、ヒータ機能を持たせて保温状態を確保したものがある。培養器毎ステージ上に設置するコンパクトなものになっており、用途に応じて保温箱タイプと使い分けられているが、このタイプでも、検体を入れた培養容器の底部がステージの下側に向けて露出している。そのため、上記と同様に、培養容器の内底面に置かれている検体が室温の影響を受け易くなっている。
【0006】
特に、倒立顕微鏡では、高倍率で検体を観察する場合や油浸または水浸を用いる場合に、 対物レンズがステージの開口部で露出した培養容器の底部の下面に極端に接近したり、接触したりするため、室温が低い場合には、冷やされた対物レンズにより熱がより奪われ易くなる。
これに対して、非特許文献2では、対物レンズに外嵌式のレンズヒータを取り付けて対物レンズを直接温めることが提案されている。しかしながら、レンズヒータに接触した側から熱が直接に伝わるので、対物レンズに温度差ができ易く、室温が急激に下がると、その差が大きくなるため、温度の変化に繊細なレンズは破損するリスクがある。また、対物レンズのレンズ径に対応したものを外嵌するので、汎用性が乏しい。更に、観察の便宜を考慮して、通常はレボルバーに少なくとも高倍率・低倍率の2種類の対物レンズを装着しており、それぞれの対物レンズにレンズヒータを取り付けた状態でレボルバーを回転させると、レンズヒータのコードが絡まる恐れがある。加えて、補正環付き対物レンズの場合には、レンズヒータを取り付けると、補正環の操作がし難い。
【0007】
顕微鏡観察における精度に対する要求は年々高まっており、本発明は、上記の課題をクリアして、細胞等の検体を入れた培養容器を顕微鏡のステージに載置したときに検体を適正な保温状態に維持するのに適した顕微鏡用保温装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、顕微鏡のステージの開口部からその下側に位置するレンズに連なる空間を囲んで、前記ステージに載置して前記開口部を閉塞した容器の底部と共に閉鎖空間を作り上げるカバーと、前記閉鎖空間の温度を検知する温度センサと、前記閉鎖空間に向けて温風を送風する循環式の温風送風機構を備え、 前記温度センサからのセンサ情報に基づいて前記温風送風機構から送風された温風により、前記閉鎖空間が温められることで、前記容器の底部を介して、容器内の検体が保温状態に維持されることを特徴とする顕微鏡用保温装置である。
【0009】
好ましくは、ステージの板面方向を囲むプレート状被取付け部を有しており、前記被取付け部に対して、カバーと温風送風機構のケースが互いに横方向で連通しながら、下側から取付けられている。
より好ましくは、温風送風機構は、ケースの内部に、空気循環用のブロアと、前記ブロアの吸引側に設けられ、フィンの間を流通経路とする空気に対して放熱するフィン型ヒートシンクと、前記ブロアと前記ヒートシンクとの間に介装されたバッファ室を備えたもので構成されており、前記ブロアが送風手段だけでなく前記バッファ室に陰圧を付与する陰圧付与手段にもなっている。
より好ましくは、ブロアは被取付け部に対して防振連結されている。
更により好ましくは、ケース内で立設された防振材のブロックにより、ブロアと、バッファ室を画定すると共にヒートシンクを囲う隔壁部が上下方向で積み重なり一体化した状態で持ち上げ支持されている。
より好ましくは、一対のヒートシンクが加発熱体を挟んで背面合わせになって、空気の流通経路が蛇行している。
【0010】
顕微鏡用保温装置は、被取付け部を底面部とし、ステージを含む顕微鏡の上部を囲む保温箱を更に備える構成にできる。
好ましくは、保温箱の底面部および側面部の内面にヒータパネルが接合されて、前記ヒータの上面が平らな載置面になっている。
好ましくは、保温箱の側面部および天面部は、発泡ポリエチレン樹脂シートをアルミ薄板でサンドしたアルミ複合材で形成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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