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公開番号2024033778
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022137594
出願日2022-08-31
発明の名称酸化グラフェンの保存方法
出願人三和油化工業株式会社,トヨタ自動車株式会社,国立大学法人信州大学
代理人個人,個人
主分類C01B 32/198 20170101AFI20240306BHJP(無機化学)
要約【課題】液状の分散媒中にて分散状態で存在する酸化グラフェンについて、還元反応の進行を抑制して有利に保存することが出来る方法を提供すること。
【解決手段】酸化グラフェンの分散液にペルオキソ二硫酸塩を添加することにより、酸化グラフェンの還元等による変質を抑制する。分散液に添加されるペルオキソ二硫酸塩としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム及びペルオキソ二硫酸カリウムからなる群より選ばれる一種又は二種以上のものが好ましく、より好ましくはペルオキソ二硫酸アンモニウムが用いられる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸化グラフェンの分散液に、ペルオキソ二硫酸塩を添加することを特徴とする酸化グラフェンの保存方法。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
前記ペルオキソ二硫酸塩が、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム及びペルオキソ二硫酸カリウムからなる群より選ばれる一種又は二種以上である請求項1に記載の酸化グラフェンの保存方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化グラフェンの保存方法に係り、特に、液中にて分散状態で存在する酸化グラフェンについて、還元反応の進行を抑制して有利に保存することが出来る方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
酸化グラフェン(Graphene oxide:GO)は、sp
2
結合で炭素原子が平面的に並んだ層状構造を有するグラフェンに、水酸基やカルボキシル基等の酸素を有する官能基(酸素官能基)が導入された構造を呈している。そのような酸化グラフェンの特異な構造や物性等に着目して、近年では、その利用・活用に関する研究が様々な技術分野において進められているのであり、例えば、触媒材料、電池の電極活物質、キャパシタの電極材料、熱電変換材料、発光材料や潤滑材料等として、酸化グラフェンを利用・活用することが期待されている。
【0003】
そのように種々の技術分野において利用が期待されている酸化グラフェンについて、その製造方法としては、酸化剤として過マンガン酸カリウムを反応系内に氷冷下で添加してグラフェンを酸化することにより製造する方法、所謂「ハマーズ法」が、従来より広く知られている(非特許文献1を参照)。また、近年では、製造時の安全性の向上や得られる酸化グラフェンの高品質化を図るべく、上記の如きハマーズ法を改良した酸化グラフェンの製造方法も種々、提案されている(特許文献1、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-148701号公報
特開2002-53313号公報
【非特許文献】
【0005】
William S. Hummers, et.al, Journal of American Chemical Society, 1958, 80, 1339
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、酸化グラフェンは、粉末状のものや、液状の分散媒中に分散せしめた状態のもの(酸化グラフェンの分散液)が一般的に市販されているところ、酸化グラフェンの分散液を長期間、放置しておくと、分散液の呈する色が変化し、その変色した分散液を確認したところ、そこに含まれる酸化グラフェンにおいて還元反応が進行していることを、本発明者等は知得した。即ち、本発明は、かかる知得した事項に基づき、本発明者等による鋭意、検討の末に為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、液状の分散媒中にて分散状態で存在する酸化グラフェンについて、還元反応の進行を抑制して、有利に保存することが出来る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、本発明は、上記した課題を解決すべく、酸化グラフェンの分散液に、ペルオキソ二硫酸塩を添加することを特徴とする酸化グラフェンの保存方法を、その要旨とするものである。
【0008】
また、そのような本発明に従う酸化グラフェンの保存方法にあっては、前記ペルオキソ二硫酸塩が、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム及びペルオキソ二硫酸カリウムからなる群より選ばれる一種又は二種以上であることを、好ましい態様とする。
【発明の効果】
【0009】
このように、本発明に従う酸化グラフェンの保存方法にあっては、酸化グラフェンの分散液にペルオキソ二硫酸塩を添加するものであるところから、分散液中に存在するペルオキソ二硫酸塩により、酸化グラフェンにおいて還元反応の進行が有利に抑制され、以て、分散液中にて酸化グラフェンが有利に保存され得ることとなるのである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ところで、本発明に係る保存方法は、酸化グラフェンの分散液、換言すれば、液状の分散媒中にて、酸化グラフェンを分散状態で含有するものであれば、市販品であっても、独自に調製したものであっても、何れにも適用することが可能である。酸化グラフェンの分散液(以下、単にGO分散液とも言う。)の市販品としては、富士フイルム和光純薬株式会社が販売している、Stream Chemicals, Inc.製の「Graphene oxide(water dispersion) 」(製品名)を例示することが出来る。また、酸化グラフェンの製造方法や酸化グラフェンの分散液の調製方法についても、特に限定されるものではなく、例えば、特許第6618777号公報の実施例欄に記載の手法に従い、酸化グラフェンを製造し、酸化グラフェンの分散液を調製することが可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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