TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024032112
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022135575
出願日2022-08-29
発明の名称偏光フィルム及びその製造方法
出願人株式会社クラレ
代理人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240305BHJP(光学)
要約【課題】長期にわたって高温耐久性に優れる偏光フィルム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】架橋されたポリビニルアルコールを含む偏光フィルムであり、前記偏光フィルムの表面の水接触角が60°以上である、偏光フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
架橋されたポリビニルアルコールを含む偏光フィルムであり、前記偏光フィルムの表面の水接触角が60°以上である、偏光フィルム。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記架橋されたポリビニルアルコールが側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリビニルアルコールに由来するポリビニルアルコールである、請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項3】
前記エチレン性不飽和基が下記一般式(I)で表される、請求項2に記載の偏光フィルム。
TIFF
2024032112000005.tif
38
146
(式(I)中、R

、R

およびR

は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、及びカルボキシメチル基からなる群より選ばれるいずれかであり、Xは酸素原子またはN(R

)であり、R

は水素原子または炭素数1~3の炭化水素基である。*は主鎖との結合位置を表す。)
【請求項4】
前記側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリビニルアルコールの重合度が1,000~10,000であり、前記ポリビニルアルコールの全構造単位を100モル%として、前記式(I)で表されるエチレン性不飽和基を0.05~8モル%含有し、前記ポリビニルアルコールの含有量が30~100重量%であるポリビニルアルコールフィルムからなる、請求項2に記載の偏光フィルム。
【請求項5】
前記偏光フィルム表面の紫外線照射処理前後の水接触角の差が3°以上である、請求項1~4のいずれかに記載の偏光フィルム。
【請求項6】
光重合開始剤を含有する水溶液に前記ポリビニルアルコールからなるフィルムを含浸して紫外線を照射する処理を含む、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は偏光フィルム及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
光の透過及び遮蔽機能を有する偏光板は、光の偏光状態を変化させる液晶と共に液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。多くの偏光板は、偏光フィルムの表面に三酢酸セルロース(TAC)フィルムなどの保護フィルムが貼り合わされた構造を有している。偏光板を構成する偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコールフィルム(以下、「ポリビニルアルコール」を「PVA」と略記することがある)を一軸延伸して配向させた延伸フィルムにヨウ素系色素(I


やI


等)や二色性有機染料といった二色性色素が吸着しているものが主流となっている。このような偏光フィルムは、二色性色素を予め含有させたPVAフィルムを一軸延伸させる、PVAフィルムの一軸延伸と同時に二色性色素を吸着させる、又はPVAフィルムを一軸延伸した後に二色性色素を吸着させることにより製造される。
【0003】
LCDは、電卓及び腕時計などの小型機器、ノートパソコン、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステム、携帯電話、タブレット端末、屋内外で用いられる計測機器などに用いられる。近年、車載用の画像表示装置や屋外で使用される用途が拡大し、従来品以上に耐久性、特に高温環境下における耐熱性に優れた偏光フィルムが求められている。
【0004】
偏光フィルムは、熱や紫外線等に長期間晒されると、脱水反応によりポリエン化が進行し、変色することが知られている。これは偏光フィルムの保護層として一般的に使用されるトリアセチルセルロース(TAC)から生じる酢酸が、脱水反応の触媒として作用するためである。
【0005】
偏光フィルムのポリエン化を抑制する対策には種々の提案がある。特許文献1には、偏光フィルムの厚みと粘着剤層の総厚みとの比率を一定の範囲内で調整することが開示されている。また、特許文献2には、酸性を示さない粘着性化合物にカルボジイミド化合物を配合した粘着剤組成物を使用することが開示されている。さらに、特許文献3には、PVAフィルムに酸を捕捉する機能を付与することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-025764号公報
特開2020-180229号公報
国際公開第2020/184587号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1~3に記載の方法では、ポリエン化が抑制される傾向にはあるものの、近年必要とされている105℃以上の高温環境下での耐久試験では、十分なポリエン化抑制効果がないという問題があった。また、これらの対策では、PVAそのものの改良によりポリエン化を抑制するものではなかった。
【0008】
以上の事情を鑑み、本発明の課題は長期にわたって高温耐久性に優れる偏光フィルム及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは前記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、架橋されたポリビニルアルコールを含み、特定の水接触角を有する偏光フィルムはポリエン化が抑制されることを見出し、当該知見に基づいて、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]である。
[1]架橋されたポリビニルアルコールを含む偏光フィルムであり、前記偏光フィルムの表面の水接触角が60°以上である、偏光フィルム。
[2]前記架橋されたポリビニルアルコールが側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリビニルアルコールに由来するポリビニルアルコールである、[1]に記載の偏光フィルム。
[3]前記エチレン性不飽和基が下記一般式(I)で表される、[2]に記載の偏光フィルム。
[4]前記側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリビニルアルコールの重合度が1,000~10,000であり、前記ポリビニルアルコールの全構造単位を100モル%として、前記式(I)で表されるエチレン性不飽和基を0.05~8モル%含有し、前記ポリビニルアルコールの含有量が30~100重量%であるポリビニルアルコールフィルムからなる、[2]に記載の偏光フィルム。
[5]前記偏光フィルム表面の紫外線照射処理前後の水接触角の差が3°以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の偏光フィルム。
[6]光重合開始剤を含有する水溶液に前記ポリビニルアルコールからなるフィルムを含浸して紫外線を照射する処理を含む、[1]に記載の偏光フィルムの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
試験片固定具
11日前
個人
両眼光軸測定器
19日前
個人
メガネフレーム
11日前
東レ株式会社
積層フィルム
10日前
東レ株式会社
積層フィルム
10日前
古河電子株式会社
光学部品
3日前
三菱ケミカル株式会社
反射フィルム
10日前
日東電工株式会社
光学積層体
3日前
個人
ヒンジレス一体フレームメガネ
5日前
日東電工株式会社
光学積層体
3日前
東レ株式会社
シート、及び樹脂組成物
3日前
日東電工株式会社
情報コード付シート
3日前
日精テクノロジー株式会社
投射光学系
11日前
日東電工株式会社
光学積層体の製造方法
3日前
日本製紙株式会社
ハードコートフィルム
20日前
株式会社トプコン
変倍光学系及び眼科装置
18日前
キヤノン株式会社
カメラ装置
3日前
日本精機株式会社
ヘッドアップディスプレイ装置
19日前
日亜化学工業株式会社
発光モジュール
18日前
住友ベークライト株式会社
眼鏡
3日前
住友電気工業株式会社
スポットサイズ変換器
13日前
大阪瓦斯株式会社
放射冷却装置
10日前
住友ベークライト株式会社
眼鏡
3日前
住友ベークライト株式会社
眼鏡
3日前
住友ベークライト株式会社
眼鏡
3日前
株式会社トプコン
光源装置及び眼科撮影装置
19日前
株式会社デンソー
虚像表示装置
3日前
日東電工株式会社
高分子分散型液晶フィルム
19日前
日東電工株式会社
積層体および画像表示装置
12日前
株式会社タムロン
ズームレンズ及び撮像装置
10日前
住友化学株式会社
光学積層体
18日前
住友ベークライト株式会社
光学シート
17日前
株式会社ディスコ
光学素子
10日前
日東電工株式会社
マーク付フィルムチップの製造方法
3日前
日本精機株式会社
ミラー及びヘッドアップディスプレイ装置
12日前
フェニックス電機株式会社
露光装置、および露光方法
20日前
続きを見る