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公開番号2024030905
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022134132
出願日2022-08-25
発明の名称計測装置
出願人株式会社小野測器
代理人個人
主分類G01S 17/34 20200101AFI20240229BHJP(測定;試験)
要約【課題】光の強度変調を適用したFMCW法による計測を高精度化する。
【解決手段】LN変調器103はレーザ光源101から出射された光を強度の変動の周波数が線形に変化する強度変調光Lmodに強度変調し、タップカプラ105は強度変調光Lmodを参照光Lrefと測定光Lprbに分割する。参照光Lrefは第1光電変換素子111で参照信号RSに変換され、測定光Lprbは光サーキュレータ107、レンズ109を通って被測定物Aに出射され、被測定物Aで反射された測定光Lprbはレンズ109、光サーキュレータ107を通って第2光電変換素子113に至り検出信号DSに変換される。混合器114は参照信号RSと検出信号DSを乗算し、周波数f(RS)と周波数f(DS)の周波数差に一致する周波数f(IF)を持つ計測信号IFを計測部115に出力する。計測部115は、周波数f(IF)から、被測定物Aまでの距離Dを算定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光を用いて計測を行う計測装置であって、
所定の時間長の期間中に強度の変動の周波数が変化する光である強度変調光を生成する強度変調光生成部と、
前記強度変調光を参照光と測定光の2つの光に分割する光分割デバイスと、
前記参照光を電気信号に変換し参照信号として出力する第1光電変換部と、
前記測定光を被測定物に出射し、被測定物で反射した前記測定光を集光する光学系と、
前記光学系が集光した測定光を電気信号に変換し検出信号として出力する第2光電変換部と、
前記参照信号の周波数と前記検出信号の周波数の差によって表される周波数の信号を計測信号として生成する混合器と、
前記計測信号の周波数から被測定物の距離と速度のうちの少なくとも一方を算定する算定部とを有することを特徴とする計測装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
請求項1記載の計測装置であって、
前記強度変調光生成部は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光の強度を変調して前記強度変調光を出力するLN変調器とを有することを特徴とする計測装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の計測装置であって、
前記強度変調光生成部は、前記所定の時間長の期間中に強度の変動の周波数が線形に変化する光を前記強度変調光として生成することを特徴とする計測装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の計測装置であって、
前記強度変調光生成部は、前記所定の時間長の期間が、前記強度変調光の強度の変動の周波数が線形に高くなっていく第1の期間部分と、前記強度変調光の強度の変動の周波数が線形に低くなっていく第2の期間部分とを含むように、前記強度変調光を生成し、
前記算定部は、前記第1の期間部分に生成された前記計測信号の周波数と、前記第2の期間部分に生成された前記計測信号の周波数とから、被測定物の距離と速度の双方を算定することを特徴とする計測装置。
【請求項5】
光を用いて計測を行う計測装置であって、
強度の変動の周波数が一定の光である強度変調光を生成する強度変調光生成部と、
前記強度変調光を参照光と測定光の2つの光に分割する光分割デバイスと、
前記参照光を電気信号に変換し参照信号として出力する第1光電変換部と、
前記測定光を被測定物に出射し、被測定物で反射した前記測定光を集光する光学系と、
前記光学系が集光した測定光を電気信号に変換し検出信号として出力する第2光電変換部と、
前記参照信号の周波数と前記検出信号の周波数の差によって表される周波数の信号を計測信号として生成する混合器と、
前記計測信号の周波数から被測定物の速度を算定する算定部とを有することを特徴とする計測装置。
【請求項6】
請求項5記載の計測装置であって、
前記強度変調光生成部は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光の強度を変調して前記強度変調光を出力するLN変調器とを有することを特徴とする計測装置。
【請求項7】
請求項1、2、5または6記載の計測装置であって、
前記光分割デバイスは、前記強度変調光生成部から第1の光ファイバを介して入射する前記強度変調光を分割して、前記測定光を第2の光ファイバに出射すると共に前記参照光を第3の光ファイバに出射するタップカプラであり、
前記第1光電変換部は、前記第3の光ファイバを介して入射する前記参照光を前記電気信号に変換し参照信号として出力し、
前記光学系は、光サーキュレータとレンズとを備え、
前記光サーキュレータは、前記第2の光ファイバを介して入射する前記測定光を第4の光ファイバに出射し、
前記レンズは、前記第4の光ファイバを介して入射する前記測定光を前記被測定物に出射すると共に、前記被測定物で反射した前記測定光を前記第4の光ファイバに出射し、
前記光サーキュレータは、前記第4の光ファイバを介して入射する、被測定物で反射した前記測定光を第5の光ファイバに出射し、
前記第2光電変換部は、前記第5の光ファイバを介して入射する前記測定光を前記電気信号に変換し前記検出信号として出力することを特徴とする計測装置。
【請求項8】
請求項1、2、5または6記載の計測装置であって、
前記光分割デバイスは、前記強度変調光生成部から入射する前記強度変調光を分割して、前記測定光を第1の光路に出射すると共に前記参照光を第2の光路に出射する第1の偏光ビームスプリッタであり、
前記第1光電変換部は、前記第2の光路から入射する前記参照光を前記電気信号に変換し参照信号として出力し、
前記光学系は、第2の偏光ビームスプリッタとレンズと1/4波長板とを備え、
前記第2の偏光ビームスプリッタは、前記第1の光路から入射する前記測定光を第3の光路に出射し、
前記レンズは、前記第3の光路から入射する前記測定光を前記1/4波長板を介して前記被測定物に出射すると共に、前記1/4波長板を介して入射する前記被測定物で反射した前記測定光を前記第3の光路に出射し、
前記第2の偏光ビームスプリッタは、前記第3の光路から入射する前記測定光を第4の光路に出射し、
前記第2光電変換部は、前記第4の光路から入射する前記測定光を前記電気信号に変換し前記検出信号として出力することを特徴とする計測装置。
【請求項9】
光を用いて計測を行う計測装置であって、
レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光の強度を変調した光である強度変調光を生成するLN変調器と、
前記強度変調光の少なくとも一部を測定光として被測定物に出射し、被測定物で反射した前記測定光の反射光を集光する光学系と、
前記強度変調光と前記反射光の周波数差を検出し、検出した周波数差から被測定物の距離と速度のうちの少なくとも一方を算定する測定部とを有することを特徴とする計測装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光を用いて計測を行う技術に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
光を用いて計測を行う技術としては、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)法に光の強度変調を適用して距離の計測を行う計測装置が知られている(たとえば、特許文献1、2)。
この計測装置の基本構成を図7aに示す。
図示するように、計測装置は、制御部701、駆動信号VSを出力するVCO702(電圧制御発信器702)、駆動信号VSの大きさに比例した強度で発光することにより生成した測定光Lを被測定物Aに出射するレーザ光源703、測定光Lの被測定物Aからの反射光を電気信号である検出信号DSに変換する光電変換素子704、駆動信号VSと検出信号DSを乗算し、駆動信号VSと検出信号DSの周波数差に等しい周波数の計測信号IFを生成する混合器705を備えている。
【0003】
制御部701の制御に従って、VCO702は、図7b1に示すように、その周波数f(VS)が線形に高くなっていく期間が繰り返し表れる信号を駆動信号VSとして生成する。
したがって、レーザ光源703が出射する測定光Lや、測定光Lの反射光は、図7b2に示すように、その強度変動の周波数f(T)が線形に高くなっていく期間が繰り返し表れる光となる。
また、光電変換素子704が出力する検出信号DSには、駆動信号VSに対する遅延として、レーザ光源703-被測定物A-光電変換素子704の光路長に応じた遅延τ、すなわち、被測定物Aまでの距離に応じた遅延τが生じる。
したがって、図7cに示すように、駆動信号VSの周波数f(VS)と検出信号DSの周波数f(DS)の差Δf=f(DS)-f(VS)は、遅延τに依存する。
したがって、Δfと等しい計測信号IFの周波数f(IF)から、被測定物Aまでの距離を算定することができる。
また、本発明に関する技術としては、ポッケルス効果を利用して光強度の変調を行う、LN変調器(LiNbO
3
変調器)などのマッハツェンダー型の光変調器が知られている(たとえば、特許文献3、4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許出願公開第2004/0100626号
特開2022-084185号公報
特開2014- 10189号公報
特開2014-145898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図7aに基本構成を示した計測装置では、VCO702が出力する駆動信号VSと、光電変換素子704が出力する検出信号DSを混合し計測信号IFを生成しているため、次のような問題が生じる。
まず、検出信号DSは、測定光Lの光路のみならず、レーザ光源703や光電変換素子704を辿る経路を経て生成されるため、検出信号DSに、測定光Lの光路長によらない駆動信号VSに対する遅延が発生する。
また、レーザ光源703や光電変換素子704の伝達関数や、レーザ光源703や光電変換素子704による波形歪みの影響により、検出信号DSの波形に、駆動信号VSの波形に対する比較的大きな差異が生じ、良質な計測信号IFが得られない。
また、駆動信号VSによりレーザ光源703の発光強度を制御することにより強度変調した測定光Lを生成しているため、レーザ光源703の緩和振動周波数による制約により、一般的なレーザ光源をレーザ光源703として用いた場合、測定光Lの強度変動の周波数の上限が、1GHz程度の比較的低い周波数に制限されてしまう。そして、他の条件が同じ場合、測定光Lの強度変動の周波数の変化幅が大きいほど、計測装置の測定分解能を高めることができるが、この周波数の変化幅も、強度変動の周波数の上限によって制限されてしまう。
【0006】
そして、これらが、高精度な計測を妨げる要因となっていた。
そこで、本発明は、FMCW法に光の強度変調を適用して計測を行う計測装置の計測の精度を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、光を用いて計測を行う計測装置に、所定の時間長の期間中に強度の変動の周波数が変化する光である強度変調光を生成する強度変調光生成部と、前記強度変調光を参照光と測定光の2つの光に分割する光分割デバイスと、前記参照光を電気信号に変換し参照信号として出力する第1光電変換部と、前記測定光を被測定物に出射し、被測定物で反射した前記測定光を集光する光学系と、前記光学系が集光した測定光を電気信号に変換し検出信号として出力する第2光電変換部と、前記参照信号の周波数と前記検出信号の周波数の差によって表される周波数の信号を計測信号として生成する混合器と、前記計測信号の周波数から被測定物の距離と速度のうちの少なくとも一方を算定する算定部とを備えたものである。
【0008】
ここで、この計測装置において、前記強度変調光生成部は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光の強度を変調して前記強度変調光を出力するLN変調器とを用いて構成することが好ましい。
また、以上の計測装置は、前記強度変調光生成部において、前記所定の時間長の期間中に強度の変動の周波数が線形に変化する光を前記強度変調光として生成してよい。
または、以上の計測装置は、前記強度変調光生成部において、前記所定の時間長の期間が、前記強度変調光の強度の変動の周波数が線形に高くなっていく第1の期間部分と、前記強度変調光の強度の変動の周波数が線形に低くなっていく第2の期間部分とを含むように、前記強度変調光を生成し、前記算定部において、前記第1の期間部分に生成された前記計測信号の周波数と、前記第2の期間部分に生成された前記計測信号の周波数とから、被測定物の距離と速度の双方を算定してもよい。
【0009】
これらの計測装置によれば、参照光と測定光は同じ強度変調光を分割して生成した光であるので、第1光電変換部から出力される参照信号と第2光電変換部から出力される検出信号の相違は、基本的には、参照光と測定光が分割されてから、参照光が第1光電変換部に至るまでの光路である参照光光路と、測定光が第2光電変換部に至るまでの光路である測定光光路との違いのみとなる。
【0010】
よって、検出信号の参照信号に対する遅延は、測定光の光路長、したがって、被測定物の距離のみに依存して変化する。また、レーザや光電変換素子といった光との間の変換を行うデバイスが、参照光光路と測定光光路に存在しないので、当該デバイスが一方の光路中もしくは双方の光路中に存在することによって生じる、検出信号の参照信号に対する波形の歪みが生じることもない。
(【0011】以降は省略されています)

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