TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024027251
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2022129894
出願日2022-08-17
発明の名称調理パン用油脂組成物および調理パン用穀粉生地
出願人日油株式会社
代理人弁理士法人雄渾
主分類A23D 9/00 20060101AFI20240222BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明は、調理パンに使用することで、パン生地への分散性に優れ、ライン適性が向上し、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けが良好であり、風味良好な調理パンが得られる調理パン用油脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、(A)食用油脂中に、(B)マルトース生成αアミラーゼ、(C)レシチン、(D)モノグリセリン脂肪酸エステル、(E)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油脂組成物であって、(A)食用油脂が50.0~90.0質量%、(C)レシチンが2.0~10.0質量%、(D)モノグリセリン脂肪酸エステルが5.0~40.0質量%、(E)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが0.1~10.0質量%を含有する調理パン用油脂組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)食用油脂中に、(B)マルトース生成αアミラーゼ、(C)レシチン、(D)モノグリセリン脂肪酸エステル、(E)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油脂組成物であって、
(A)食用油脂が50.0~90.0質量%、(C)レシチンが2.0~10.0質量%、(D)モノグリセリン脂肪酸エステルが5.0~40.0質量%、(E)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが0.1~10.0質量%を含有する調理パン用油脂組成物。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
請求項1に記載の調理パン用油脂組成物、及び、穀粉を含有する調理パン用穀粉生地であって、前記穀粉100gに対して、前記(B)マルトース生成αアミラーゼを1.5~150.0u含有する調理パン用穀粉生地。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、調理パンに使用することで、パン生地への分散性に優れ、ライン適性が向上し、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けが良好であり、風味良好な調理パンが得られる調理パン用油脂組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、食品ロス低減への取り組みが活発化しており、パンにおいても賞味期限延長が望まれている。パンの賞味期限を延長するためには、様々な方法があるが、そのうちの一つとしてチルド流通、保管することで賞味期限延長したパン製品が注目されている。チルドにて流通、保管されたパンは喫食する際、電子レンジ加熱するため、温めることで美味しく食すことのできる具材とパンを組み合わせたウィンナードッグやカレーパンなどの調理パンが対象となる。
調理パンは具材の美味しさを味わうため、レンジ加熱後のパンは歯切れ、口溶けがよく、風味良好なパンが望まれる。
調理パンの歯切れ向上には酵素であるアミラーゼが一般的に使用されるが、アミラーゼを使用するとパン生地にべたつきが生じることで、パン生地が製造ラインに付着しライン洗浄により作業時間が増加すること、パン生地の成型不良が発生し歩留まりが低下することが課題とされる。
また、調理パンはレンジ加熱されると、パンに含まれるグルテンが収縮することでパンの歯切れ、口溶けが低下する。このレンジ加熱によるグルテンの変化を抑制するため、酵素であるプロテアーゼを使用する方法やパン生地を作成する段階で多量の水を配合する方法もあるが、いずれの方法も、パン生地にべたつきを生じ、作業時間の増加、歩留まりの低下を招く。べたつきのあるパン生地はライン適正が低下した生地であると考えられ、べたつきのないパン生地がライン適正の向上した生地であると考えられる。
一方、調理パンのレンジ加熱後の歯切れ向上を目的として乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステルが使用されるが、具材をしっかりと温める必要のある調理パンにおいては十分な歯切れ向上効果を得ることはできない。また、乳化剤の効果を多く得ようと、融点の高い乳化剤を多量に油脂中に分散させると、油脂のパン生地への分散性が低下し、ミキシング時間が長くなることで作業時間が増加する。一方、融点の低い乳化剤を多量に油脂中に分散させると、油脂のパン生地への分散性は向上するが、焼成した調理パンの風味が低下する。
すなわち、パン生地への分散性に優れ、ライン適性が向上し、レンジ加熱後も歯切れ口溶けがよく、風味良好な調理パンが得られる油脂が望まれている。
【0003】
上記課題を解決するために、パン生地への分散性が良好で、パンの食感を向上する方法として、特定の油脂とモノグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、増粘多糖類を含有する油脂組成物(特許文献1)、小麦麺生地への分散性が良好で機器への生地の付着を低下させる方法として、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルおよびレシチンまたはリゾレシチンを含有する油中水型乳化油脂組成物(特許文献2)、パン生地のべたつきを低減する方法として、リン脂質を含む脂質蛋白質複合体を含有するベーカリー用油中水型乳化油脂組成物(特許文献3)、電子レンジ加熱に適するパンの製造方法としてパン生地に多くの水と卵を配合する方法(文献4)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-82986号公報
特開平7-289193号公報
特開2019-149982号公報
特開2016-49061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らは、特許文献1~4に記載の油脂組成物には、以下の技術的課題があることを新たに知見した。特許文献1(特開2015-82986号公報)に記載の技術では、増粘多糖類を配合することで、パン生地のべたつきを抑制し作業性を向上させることはできるが、増粘多糖類がパン生地中の水分を保持するため、パン製造時のグルテン形成を阻害し、レンジ加熱後の歯切れ、口溶けが低下する。特許文献2(特開平7-289193号公報)に記載の技術では、レシチンの効果により小麦麺生地のべたつきを抑制する効果は得られるが、パン生地は小麦麺生地よりも水分量が多く、パン生地において効果を発揮するためにはより多くのレシチンを含有する必要があり、必要量のレシチンを配合した油脂を使用した場合、焼成後のパンにレシチン特有の好ましくない味や香りが感じられ、パンとしての商品価値が低下してしまう。特許文献3(特開2019-149982号公報)に記載の技術では、リン脂質を含む脂質蛋白質複合体を含有することでパン生地のべたつきは抑制されるが、焼成後のパンにリン脂質特有の好ましくない味や香りが感じられ、また焼成後のパンをレンジ加熱した場合、歯切れ、口溶けという点で満足のいく効果は得られない。特許文献4(特開2016-49061号公報)に記載の技術では、レンジ加熱を行っても良好な食感を維持できるパンが製造できるが、パン生地の流動性が高く、通常の製パン方法で行う分割や丸めといった工程を行うことができず、パン生地のべたつきによるライン適性が著しく低下する。
【0006】
本発明は、パン生地への分散性に優れ、ライン適性が向上し、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けが良好であり、風味良好な調理パンが得られる調理パン用油脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は鋭意検討を重ねた結果、マルトース生成αアミラーゼと高含有量のレシチンを組み合わせることで、レシチンによる風味悪化を抑制し、ライン適性を向上させること、さらにマルトース生成αアミラーゼ単独もしくは少量のレシチンでは得られなかったレンジ加熱後も歯切れ、口溶けが良好となることを見出した。また、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとレシチンを組み合わせることで、レシチンの作用を強め、さらに油脂のパン生地への分散性を向上させること、モノグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせることで、歯切れ向上効果をさらに強める効果を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は下記の〔1〕~〔2〕である。
〔1〕(A)食用油脂中に、(B)マルトース生成αアミラーゼ、(C)レシチン、(D)モノグリセリン脂肪酸エステル、(E)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油脂組成物であって、(A)食用油脂が50.0~90.0質量%、(C)レシチンが2.0~10.0質量%、(D)モノグリセリン脂肪酸エステルが5.0~40.0質量%、(E)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが0.1~10.0質量%を含有する調理パン用油脂組成物。
〔2〕〔1〕記載の調理パン用油脂組成物、及び、穀粉を含有する調理パン用穀粉生地であって、前記穀粉100gに対して、前記(B)マルトース生成αアミラーゼを1.5~150.0u含有する調理パン用穀粉生地。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、パン生地への分散性に優れ、ライン適性が向上し、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けが良好であり、風味良好な調理パンが得られる調理パン用油脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の調理パン用油脂組成物は、(A)食用油脂中に、(B)マルトース生成αアミラーゼ、(C)レシチン、(D)モノグリセリン脂肪酸エステル、(E)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有することを特徴とする。なお、本発明の調理パン用油脂組成物はショートニング、油中水型乳化物、水中油型乳化物いずれの形態においてもその効果を発揮することができるが、特に水を含まない形態が好ましい。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日油株式会社
乳化化粧料
29日前
日油株式会社
手指消毒剤
今日
日油株式会社
身体用洗浄剤組成物
8日前
株式会社トクヤマ
光学材料用化合物
14日前
日油株式会社
たんぱく質凝集剤を含む口腔用組成物
23日前
日油株式会社
口腔・咽頭粘膜保護剤および抗炎症剤
1か月前
日油株式会社
低光沢性付与樹脂及び低光沢性樹脂組成物
23日前
日油株式会社
冷凍生地に使用する製パン用油脂組成物、冷凍生地
28日前
日油株式会社
核酸増幅用の反応組成物およびそれを用いる核酸増幅法
24日前
学校法人千葉工業大学
ハイブリッドロケット
29日前
日油株式会社
たん白質含有レトルト食品用水中油型乳化油脂組成物及び該組成物を配合したたん白質含有レトルト食品
28日前
株式会社TWO
肉様加工食品および肉様加工食品の製造方法
14日前
個人
無塩美味しょうゆ
1か月前
個人
ドッグフード
2か月前
個人
甘草抽出物
23日前
池田食研株式会社
風味付与剤
23日前
株式会社金虎
燻製装置
29日前
個人
発酵食品の製造方法
3か月前
曽田香料株式会社
果実感増強剤
2日前
昭和産業株式会社
小麦粉
28日前
池田食研株式会社
風味付与増強剤
9日前
個人
柿・桃の葉、抹茶十薬飲料。
23日前
北勝商事株式会社
ヘルスビタミン
29日前
不二製油株式会社
チョコレート類
23日前
森永製菓株式会社
ゼリー食品
1か月前
森永製菓株式会社
ゼリー食品
1か月前
池田食研株式会社
甘草臭の低減方法
1か月前
オリザ油化株式会社
感冒症状抑制剤
3か月前
森永製菓株式会社
油脂性菓子
28日前
亀田製菓株式会社
食品組成物
3か月前
長谷川香料株式会社
香味付与組成物
1か月前
北勝商事株式会社
北勝ハーブミックス
1か月前
株式会社オーツボ
海苔製造装置
28日前
個人
グミキャンディの製造方法
1か月前
個人
体内を還元させる味噌の製造方法
3か月前
株式会社和田機械
ペースト絞り出し機
1か月前
続きを見る