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公開番号2024051437
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157611
出願日2022-09-30
発明の名称たん白質含有レトルト食品用水中油型乳化油脂組成物及び該組成物を配合したたん白質含有レトルト食品
出願人日油株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A23D 7/01 20060101AFI20240404BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】(加圧)加熱殺菌(レトルト殺菌)後も風味に優れ、食感のざらつきが抑制され、かつ褐色変化が抑制された、たん白質含有レトルト食品を提供することである。
【解決手段】以下の成分(A)~(C)を含む水中油型乳化油脂組成物を含む、たん白質含有レトルト食品が、上記課題を解決できることを確認して、本発明を完成した。
(A)デカグリセリン飽和脂肪酸モノエステル
(B)モノグリセリン飽和脂肪酸モノエステル
(C)ジグリセリン飽和脂肪酸モノエステル
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の成分(A)~(C)を含む、たん白質含有レトルト食品用水中油型乳化油脂組成物。
(A)デカグリセリン飽和脂肪酸モノエステル
(B)モノグリセリン飽和脂肪酸モノエステル
(C)ジグリセリン飽和脂肪酸モノエステル
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
さらに、食用油脂を20.0~70.0質量%を含み、及び、
前記(A)デカグリセリン飽和脂肪酸モノエステルが0.1~3.0質量%であり、前記(B)モノグリセリン飽和脂肪酸モノエステルが0.05~1.0質量%であり、かつ(C)ジグリセリン飽和脂肪酸モノエステルが0.05~1.0質量%である、請求項1に記載の水中油型乳化油脂組成物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の水中油型乳化油脂組成物を含む、たん白質含有レトルト食品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、たん白質含有レトルト食品用水中油型乳化油脂組成物及び該組成物を配合したたん白質含有レトルト食品に関する。より詳しくは、本発明は、たん白質含有レトルト食品の風味を損なわず、食感のざらつき及び褐色変化を抑制することができる水中油型乳化油脂組成物を配合したたん白質含有レトルト食品に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、様々な加工食品において、保存性の向上のために、食品を袋、ビン、缶などに密封し、レトルト殺菌機などを用いて(加圧)加熱殺菌処理されることは多々あり、これにより食品の保存性が良好となり、常温での流通が可能となる。
しかし、乳・小麦・卵・大豆のたん白質を含むホワイトソースやカルボナーラソース等の食品では、レトルト殺菌等の加熱処理によって、たん白質の変性が起こり、凝集物が生じる。このような凝集物はソースのざらつきの原因となり、滑らかさを低下させる。
また、凝集物により滑らかさが低下すると、食品中で局所的に加過熱される部分が生じことで、レトルト加熱時に不快な調理臭(いわゆるレトルト臭)を生成し、また、(加圧)加熱殺菌処理に伴い色調変化(褐色変化)を顕著に引き起こしてしまうため、レトルト袋を開封した際に不快な調理臭を感じるともに、たん白質含有レトルト食品の色合いが褐色になってしまうことで商品価値が低下してしまう。
【0003】
特許文献1には、レトルト殺菌等過酷な条件下でも風味、性状に優れた食品を得る方法として、無脂乳固形分含有水中油型乳化物にマグネシウム塩およびカリウム塩を使用する方法が記載されている。
特許文献2には、風味に優れたレトルト食品を得る方法として、水相部に風味素材を添加した油中水型乳化油脂組成物を使用する方法が開示されている。
特許文献3には、レトルトホワイトソース製造時に、乳化破壊や、メイラード反応による褐変を防止する方法として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライドからなる群から選ばれる少なくとも1種の飽和系乳化剤と、レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の不飽和系乳化剤とを含有する水中油型乳化油脂組成物を使用する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-170415号公報
特開2002-300868号公報
特開2003-24017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行文献に記載のいずれの方法は、乳化油脂組成物自体の風味、物性劣化を抑制するものであり、たん白質含有レトルト食品に含まれる乳・小麦・卵・大豆に由来するたん白質の凝集を抑制し、レトルト臭及び褐色変化を抑制することはできなかった。
本発明の目的は、(加圧)加熱殺菌(レトルト殺菌)後も風味に優れ、食感のざらつきが抑制され、かつ褐色変化が抑制された、たん白質含有レトルト食品を提供することであり、また、このようなたん白質含有レトルト食品を得るためのたん白質含有レトルト食品用水中油型乳化油脂組成物を提供することである。
すなわち、本発明のたん白質含有レトルト食品用水中油型乳化油脂組成物をたん白質含有レトルト食品に配合することで、(加圧)加熱殺菌(レトルト殺菌)後のたん白質含有レトルト食品の風味を損なわず、食感のざらつきの抑制及び褐色変化を抑制することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、所定の原料を配合した水中油型乳化油脂組成物をたん白質含有レトルト食品に配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下の[1]~[3]である。
[1]以下の成分(A)~(C)を含む、たん白質含有レトルト食品用水中油型乳化油脂組成物。
(A)デカグリセリン飽和脂肪酸モノエステル
(B)モノグリセリン飽和脂肪酸モノエステル
(C)ジグリセリン飽和脂肪酸モノエステル
[2]さらに、食用油脂を20.0~70.0質量%を含み、及び、
前記(A)デカグリセリン飽和脂肪酸モノエステルが0.1~3.0質量%であり、前記(B)モノグリセリン飽和脂肪酸モノエステルが0.05~1.0質量%であり、かつ(C)ジグリセリン飽和脂肪酸モノエステルが0.05~1.0質量%である、[1]に記載の水中油型乳化油脂組成物。
[3][1]または[2]に記載の水中油型乳化油脂組成物を含む、たん白質含有レトルト食品。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、(加圧)加熱殺菌(レトルト殺菌)後も風味を損なわず、食感のざらつきの抑制及び褐色変化が抑制された、たん白質含有レトルト食品を提供することができる。
また、このようなたん白質含有レトルト食品を得るためのたん白質含有レトルト食品用水中油型乳化油脂組成物を提供することができる。
【0008】
本発明では、乳化剤として(A)デカグリセリン飽和脂肪酸モノエステル、(B)モノグリセリン飽和脂肪酸モノエステル、(C)ジグリセリン飽和脂肪酸モノエステルを含む水中油型乳化油脂組成物を、乳・小麦・卵・大豆のいずれか1以上の由来のたん白質を含むレトルト食品に配合することで、(加圧)加熱殺菌(レトルト殺菌)後の風味を損なわず、食感のざらつきの抑制及び褐色変化を抑制することができる。
一般に、乳・小麦・卵・大豆のいずれか1以上の由来のたん白質を含むホワイトソースやカルボナーラソース等の食品は、(加圧)加熱殺菌(レトルト殺菌)等の加熱処理により、乳・小麦・卵・大豆由来のたん白質が変性し、凝集物を生じる。たん白質は、加熱によって立体構造を失うと、内部の疎水性領域が露出し、分子間で会合しやすくなる。これにより、食品中に分散していたたん白質分子が多数集合し、凝集物を生じてしまう。このようなたん白質の凝集物は、しばしば食品の粘度を部分的にあるいは全体的に上昇させ、ざらつきやねとつきなど不快な食感を摂取者に与える。また、粘性が上昇すると、加熱処理中の食品の対流が起こりにくくなり、局所的に加過熱される部分が生じる。これに伴って、不快な調理臭(いわゆるレトルト臭)が発生するだけでなく、褐色変化が著しく起こり、商品価値が低下してしまう。
一方、微細に乳化された油脂が食品中に存在すると、加熱処理された際に、たん白質の分子間に油滴が入り込むことで、たん白質の分子同士の会合が抑制され、凝集を低減することができる。
【0009】
本発明によれば、水中油型乳化油脂組成物を製造する際に(A)デカグリセリン飽和脂肪酸モノエステル、(B)モノグリセリン飽和脂肪酸モノエステル、(C)ジグリセリン飽和脂肪酸モノエステルが配合されていることで、これらの乳化剤が水中油型乳化油脂組成物の乳化界面に配向して強固な膜を形成する。これにより、(加圧)加熱殺菌(レトルト殺菌)中も油脂が微細に乳化された状態を保つことが可能となり、たん白質の分子間に効率よく作用すると考えられる。
更に、水中油型乳化油脂組成物に(C)ジグリセリン飽和脂肪酸モノエステルが配合されていることで、微細な乳化状態を保つだけでなく、油滴の表面に配向された(C)ジグリセリン飽和脂肪酸モノエステルがたん白質に作用することによりたん白質の凝集抑制効果がより一層高まり、ざらつき、レトルト臭、褐色変化を抑制することが可能と考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、濃度の範囲など)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組合せることができる。例えば、「好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは90以下」という記載において、「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組合せて、「10以上90以下」とする事ができる。さらに、「好ましくは10~100、より好ましくは20~90」という記載においても、同様に「10~90」とすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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