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公開番号2024022232
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2022125662
出願日2022-08-05
発明の名称ダイヤモンドの加工方法及びその装置
出願人国立大学法人大阪大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B23K 26/361 20140101AFI20240208BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板に有するうねり成分を除去して平坦化し、事後の表面粗さを改善する平滑化工程における高効率化と高品位化を実現することが可能なダイヤモンドの加工方法及びその装置を提供する。
【解決手段】除去量分布データに基づいて、ダイヤモンド基板の加工面をレーザ光で走査し、レーザアブレーション作用によって該加工面のうねりを除去して平坦化するレーザトリミング工程を行う前に、加工面の全面に金等のレーザ光吸収材を均一に成膜し、それからレーザ光吸収材にレーザ光を照射して加工面の表面にグラファイト層を形成する。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
ダイヤモンドの加工面の三次元形状を計測する形状計測工程と、
前記形状計測工程で取得した前記加工面の三次元形状に基づき、レーザアブレーション作用における除去量分布データを作成する加工データ作成工程と、
前記レーザアブレーション作用のレーザ光を吸収して前記加工面の表層をグラファイト化温度以上に昇温する作用を備えたレーザ光吸収材を、前記加工面に均一に成膜する成膜工程と、
前記レーザ光吸収材に前記レーザ光を照射し、前記加工面の表層をグラファイト化するグラファイト層形成工程と、
前記加工データ作成工程によって得られた除去量分布データに基づいて、前記加工面を前記レーザ光で走査し、レーザアブレーション作用によって該加工面のうねりを除去して平坦化するレーザトリミング工程と、
を含むダイヤモンドの加工方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記レーザ光吸収材が、金、銅又はアルミニウムのうちから選ばれた一種である、
請求項1記載のダイヤモンドの加工方法。
【請求項3】
前記レーザ光吸収材が、金である、
請求項2記載のダイヤモンドの加工方法。
【請求項4】
前記ダイヤモンドが、人工的に合成された単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板である、
請求項1記載のダイヤモンドの加工方法。
【請求項5】
前記レーザトリミング工程によって平坦化されたダイヤモンドの加工面の残存グラファイト層と、加工面の微細凸部を選択的に除去して平滑化する平滑化工程を更に含む、
請求項1記載のダイヤモンドの加工方法。
【請求項6】
前記平滑化工程により得られる加工面の表面粗さSqが0.5nm以下である、
請求項5記載のダイヤモンドの加工方法。
【請求項7】
ダイヤモンドの加工面の三次元形状を計測する形状計測手段と、
前記形状計測手段で取得した前記加工面の三次元形状に基づき、レーザアブレーション作用における除去量分布データを作成する加工データ作成手段と、
前記レーザアブレーション作用のレーザ光を吸収して前記加工面の表層をグラファイト化温度以上に昇温する作用を備えたレーザ光吸収材を、前記加工面に均一に成膜する成膜手段と、
前記レーザ光吸収材に前記レーザ光を照射し、前記加工面の表層をグラファイト化するグラファイト層形成手段と、
前記加工データ作成工程によって得られた除去量分布データに基づいて、前記加工面を前記レーザ光で走査し、レーザアブレーション作用によって該加工面のうねりを除去して平坦化するレーザトリミング手段と、
を含むダイヤモンドの加工装置。
【請求項8】
前記レーザ光吸収材が、金、銅又はアルミニウムのうちから選ばれた一種であり、前記成膜手段が蒸着装置である、
請求項7記載のダイヤモンドの加工装置。
【請求項9】
前記レーザ光吸収材が、金である、
請求項8記載のダイヤモンドの加工装置。
【請求項10】
前記ダイヤモンドが、人工的に合成された単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板である、
請求項1記載のダイヤモンドの加工装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンドの加工方法及びその装置に係わり、更に詳しくは単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板を平坦化するための加工方法及びその装置に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来からダイヤモンド基板の研磨は、ダイヤモンド砥粒が埋め込まれた回転定盤に研磨対象のダイヤモンド基板を押し付けて研磨するスカイフ研磨が一般的に用いられているが、研磨レートは大きいものの基板の破損や加工変質層の導入が問題となっている。一方、スラリーと呼ばれる薬液と砥粒の混合液を用いる化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing: CMP)は、基板表面に加工変質層は導入されないが、研磨レートが小さい、スラリーは環境負荷が大きく廃液処理が高コスト、という問題を有する。
【0003】
特許文献1には、SiC、GaN又は超硬合金からなる難加工材料を、スクラッチや加工変質層を導入せずに高能率で加工する難加工材料の精密加工方法であって、不活性ガスと、H

OとH



の一方又は双方を含む雰囲気中に高周波電力を投入して発生させた大気圧プラズマによってOHラジカルを生成し、この反応性の高いOHラジカルを難加工材料の表面に作用させて酸化し、難加工材料の表面に該難加工材料よりも軟質な酸化物層からなる表面改質層を形成する表面改質プロセスと、モース硬度が前記難加工材料と表面改質層の中間硬度を有する研磨材料を用いた研磨プロセスとを繰り返す加工方法が開示されている。特許文献1に記載の発明は、ダイヤモンドが対象材料になっておらず、また研磨方式も研磨対象材料の表面にプラズマを照射して表面改質を行なった後、機械的研磨するものである。
【0004】
特許文献2には、機械的加工部において、被加工物の表面の少なくとも一部に、機械的作用によって加工変質層を形成する工程と、プラズマ発生部において、前記機械的加工部で形成された前記加工変質層の少なくとも一部の表面にプラズマを化学的に作用させ、前記加工変質層の少なくとも一部を除去する工程を含み、該両工程を交互に、相互に異なる場所で行い、SiC、GaN若しくはダイヤモンドを加工できる方法が開示されている。引用文献2に記載の発明は、最終的な除去工程がプラズマエッチングであるので、加工面の平坦化、平滑化には限界がある。
【0005】
CVD成長等によって作製された単結晶若しくは多結晶のダイヤモンド基板又はダイヤモンドライクカーボン基板は成膜時のムラによって生じた大きなうねり成分を有する。これらのダイヤモンド基板をパワーデバイス用の放熱基板として用いるには、高熱伝導率を有する接合を実現するための平坦化と平滑化が不可欠である。しかしながら、研磨レートが小さな研磨工程のみで取り代の大きなうねり成分を除去する場合、最終仕上げに至るまでに多大な加工時間を要してしまう。したがって、最終研磨工程の前に何らかの手段で高能率に平坦化することが求められている。
【0006】
非特許文献1には、UVパルスレーザをCVDダイヤモンドに照射してポリッシングする技術が記載されているが、ダイヤモンドの製造過程で内部に取り込まれた窒素等の不純物があると、その欠陥にレーザ光が優先的に吸収されて粗い面となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5614677号公報
特許第6301157号公報
【非特許文献】
【0008】
Adv.Optical Mater.2021,2100537
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板に有するうねり成分を除去して平坦化し、事後の表面粗さを改善する平滑化工程における高効率化と高品位化を実現することが可能なダイヤモンドの加工方法及びその装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述の課題解決のために、以下に構成するダイヤモンドの加工方法及びその装置を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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