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公開番号2024079041
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022191737
出願日2022-11-30
発明の名称光信号受信システム、光信号受信方法およびプログラム
出願人国立大学法人大阪大学
代理人個人
主分類H04B 10/60 20130101AFI20240604BHJP(電気通信技術)
要約【課題】時間計算量を削減することができる光信号受信システム、光信号受信方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】光信号受信システム1は、光パルスを含む光信号を受信する光信号受信システムであって、受信した光信号をアナログデジタル変換するアナログデジタル変換部20と、アナログデジタル変換部20が変換したデジタル信号を光パルスごとにパルス分割し、パルス分割されたそれぞれの光パルスを複素数の行列に変換し、複数の行列のそれぞれに対してSS(Sakurai-Sugiura)法を用いて複素数平面上で複数の閉曲線を既定し、既定した複数の閉曲線を、複素数平面における実部の大きい順でソートされた複数のグループに分類し、分類した複数のグループの並び順で、複数の閉曲線の内部に存在する固有値に基づく送信固有値を判定する演算部30とを備える。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
光パルスを含む光信号を受信する光信号受信システムであって、
受信した光信号をアナログデジタル変換するアナログデジタル変換部と、
前記アナログデジタル変換部が変換したデジタル信号を前記光パルスごとにパルス分割し、パルス分割されたそれぞれの前記光パルスを複素数の行列に変換し、複数の前記行列のそれぞれに対してSS(Sakurai-Sugiura)法を用いて複素数平面上で複数の閉曲線を既定し、既定した前記複数の閉曲線を、前記複素数平面における実部の大きい順でソートされた複数のグループに分類し、分類した複数の前記グループの並び順で、前記複数の閉曲線の内部に存在する固有値に基づく送信固有値を判定する演算部とを備える
光信号受信システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記演算部は、前記複数の閉曲線の内部に存在する前記固有値に基づく固有値の数を推定し、分類した複数の前記グループの並び順で、推定した前記固有値の数に基づく送信固有値を判定する
請求項1に記載の光信号受信システム。
【請求項3】
前記演算部は、前記グループごとに、前記固有値に含まれる実部の大きい順で並ぶように前記固有値をソートする
請求項1又は2に記載の光信号受信システム。
【請求項4】
前記演算部は、複数の前記行列のそれぞれから前記固有値を算出するために、前記SS法を用いて複素数平面上で前記複数の閉曲線を既定し、既定した前記複数の閉曲線の内部に存在する前記固有値を抽出し、既定した前記複数の閉曲線を、前記複素数平面における実部の大きい順でソートされた複数の前記グループに分類し、分類した複数の前記グループの並び順で、抽出した前記固有値に基づく送信固有値を判定する
請求項2に記載の光信号受信システム。
【請求項5】
前記演算部は、複数の前記グループ内において重複した前記固有値を削除し、前記固有値が削除した複数の前記グループを出力する
請求項3に記載の光信号受信システム。
【請求項6】
前記演算部は、予め設定された機械学習モデルを含み、前記固有値が削除された前記グループを前記機械学習モデルに入力することで、前記送信固有値を判定する
請求項5に記載の光信号受信システム。
【請求項7】
光パルスを含む光信号を受信する光信号受信方法であって、
受信した光信号をアナログデジタル変換することと、
変換されたデジタル信号を前記光パルスごとにパルス分割し、パルス分割されたそれぞれの前記光パルスを複素数の行列に変換し、複数の前記行列のそれぞれに対してSS(Sakurai-Sugiura)法を用いて複素数平面上で複数の閉曲線を既定し、既定した前記複数の閉曲線を、前記複素数平面における実部の大きい順でソートされた複数のグループに分類し、分類した複数の前記グループの並び順で、前記複数の閉曲線の内部に存在する固有値に基づく送信固有値を判定することとを含む
光信号受信方法。
【請求項8】
請求項7に記載の光信号受信方法をコンピュータに実行させる
プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、光信号受信システム、光信号受信方法およびプログラムに関する。特に、本開示は、光固有値と呼ばれる光ファイバ伝送特有の情報キャリアの光固有値変調方式を用いた光信号受信システム、光信号受信方法およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、光固有値変調方式として、光ファイバ中の波長分散および非線形光学効果の影響を受けない理想的な変調方式が開示されている。光固有値は、複素固有値であり、非線形シュレディンガー方程式を逆散乱変換(IST:Inverse Scattering Transform)によって解く際に得られる随伴固有値方程式を行列の固有値問題へと帰着させることによって得られる。固有値問題は、QZ分解を用いたQZ法によって求解され、光信号から光固有値を抽出する。抽出された光固有値は、ニューラルネットワークに入力され、送信機で生成された光固有値の種類を判別する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
A. Hasegawa and T. Nyu, “Eigenvalue Communication,” Journal of lightwave technology, vol.11, no. 3, pp. 395-399, 1993.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1では、得られた行列にQZ法を適用することで光固有値を抽出する。この際、抽出された光固有値が絶対値の大きい順に並んでいるため、非特許文献1では、光固有値の実部の大きい順に並び替えるという処理を行っている。この場合、抽出する固有値の数がnのとき、QZ法では時間計算量O(n
3
)が必要となり、並び替え処理では平均時間計算量O(nlogn)、最大時間計算量O(n
2
)が必要となってしまい、固有値の数nが大きいほど膨大な時間を要してしまうという課題がある。
【0005】
そこで、本開示では、時間計算量を削減することができる光信号受信システム、光信号受信方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る光信号受信システムは、光パルスを含む光信号を受信する光信号受信システムであって、受信した光信号をアナログデジタル変換するアナログデジタル変換部と、前記アナログデジタル変換部が変換したデジタル信号を前記光パルスごとにパルス分割し、パルス分割されたそれぞれの前記光パルスを複素数の行列に変換し、複数の前記行列のそれぞれに対してSS(Sakurai-Sugiura)法を用いて複素数平面上で複数の閉曲線を既定し、既定した前記複数の閉曲線を、前記複素数平面における実部の大きい順でソートされた複数のグループに分類し、分類した複数の前記グループの並び順で、前記複数の閉曲線の内部に存在する固有値に基づく送信固有値を判定する演算部とを備える。
【0007】
また、本開示の一態様に係る光信号受信方法は、光パルスを含む光信号を受信する光信号受信方法であって、受信した光信号をアナログデジタル変換することと、変換されたデジタル信号を前記光パルスごとにパルス分割し、パルス分割されたそれぞれの前記光パルスを複素数の行列に変換し、複数の前記行列のそれぞれに対してSS(Sakurai-Sugiura)法を用いて複素数平面上で複数の閉曲線を既定し、既定した前記複数の閉曲線を、前記複素数平面における実部の大きい順でソートされた複数のグループに分類し、分類した複数の前記グループの並び順で、前記複数の閉曲線の内部に存在する固有値に基づく送信固有値を判定することとを含む。
【0008】
また、本開示の一態様に係るプログラムは、光信号受信方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の光信号受信システム等によれば、時間計算量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1Aは、実施の形態に係る光信号受信システムを示すブロック図である。
図1Bは、実施の形態に係る光信号受信システムの演算部の機能を示すブロック図である。
図2Aは、複素数平面上で既定した閉曲線の内部に存在する固有値を示す図である。
図2Bは、グループごとに並べられた閉曲線を示す図である。
図3は、実施の形態に係る光信号受信システムの動作を示すフローチャートである。
図4は、実施の形態の変形例1に係る光信号受信システムの演算部の機能を示すブロック図である。
図5は、実施の形態の変形例1に係る光信号受信システムの動作を示すフローチャートである。
図6は、実施の形態の変形例2に係る光信号受信システムの演算部の機能を示すブロック図である。
図7は、実施の形態の変形例2に係る光信号受信システムの動作を示すフローチャートである。
図8は、4ビットの割り当てに対応する4つの固有値の組み合わせを示す図である。
図9は、CMEの並列性能を示す図である。
図10は、QZ法による固有値復調方式(Coh. recv. :コヒーレント受信機、ADC:アナログ-デジタル変換器、IST:逆散乱変換、ANN:人工ニューラルネットワーク)を示す図である。
図11は、CME方式による固有値復調方式を示すブロック図である。
図12は、部分ソートを用いた固有値変調・復調方式を示すブロック図である。
図13は、求積点数Nが計算精度に与える影響を示す図である。
図14は、実験のセットアップを示す図である。
図15は、固有値抽出領域を示す図である。
図16は、32個の固有値全体のマッピングを示した図である。
図17は、(a)QZと(b)CMEをそれぞれ用いた固有値のコンスタレーションを示した図である。
図18は、back-to-backと2,000 km伝送のBERの結果を示した図である。
図19は、CMEの円形領域を拡大した図である。
図20は、更新された円形領域で抽出された固有値のコンスタレーションを示した図である。
図21は、back-to-backと2,000 km伝送のBERの結果を示した図である。
図22は、r
M
を変化させてHD-FECの制限値7%を満たすOSNRを示した図である。
図23は、直交点数Nを変化させた複素固有値平面上のコンスタレーションマップを示す図である。
図24は、直交点数NがBER特性に与える影響を示す図である。
図25は、部分ソートを用いた場合のBER結果を図21のBERと比較した図である。
図26は、複雑度の特性を示す図である。
図27は、その他変形例に係る光信号受信システムの演算部の機能を示すブロック図である。
図28は、その他変形例に係る光信号受信システムの演算部の機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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