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公開番号2024081595
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2023185532
出願日2023-10-30
発明の名称ホウ素化合物、およびそれを用いた水素化物、重合体ならびに付加体の製造方法
出願人国立大学法人大阪大学
代理人個人,個人
主分類C07F 5/02 20060101AFI20240611BHJP(有機化学)
要約【課題】 高濃度の一酸化炭素および/又は二酸化炭素が共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、より温和な反応条件で、又はより厳しい反応条件で、より広範な組成を有する粗水素ガスを使用して、より高活性で、より高選択的に反応を進行させる触媒等として使用でき、より取り扱いに優れるホウ素化合物を提供する。
【解決手段】 式(1)で表されるホウ素化合物。式(1)において、X1及びX2は、各々独立して臭素及びヨウ素から選択される。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024081595000017.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">25</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">40</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表されるホウ素化合物。
JPEG
2024081595000016.jpg
25
40
[ここで、式(1)において、X

及びX

は、各々独立して臭素及びヨウ素から選択される。]
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載のホウ素化合物を、水素化触媒として用いることを含む、水素化物の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載のホウ素化合物を含む、粗水素ガスを水素源とする不飽和化合物を水素化するための水素化触媒。
【請求項4】
請求項1に記載のホウ素化合物を、開始剤として用いることを含む、重合体の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載のホウ素化合物を、ルイス酸触媒として用いることを含む、以下の群から選択される付加体の製造方法:
カルボニル化合物に、エノール誘導体、アリルケイ素化合物もしくはアリルホウ素化合物が付加した付加体;
アルケンもしくはα,β不飽和カルボニル化合物へ、エノール誘導体、アリルケイ素化合物、アリルホウ素化合物、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミド類、アミン類、チオール類、もしくはホスフィン類が付加した付加体;及び
Diels-Alder反応による付加体。
【請求項6】
請求項1に記載のホウ素化合物を含む、下記の化学品組成物:
不飽和化合物が有する少なくとも1つの不飽和結合に、水素原子を付加することを含む、化合物の製造における、反応前の少なくとも1つの不飽和結合を有する不飽和化学物を含む組成物、ならびに反応後の不飽和化合物が有する少なくとも1つの不飽和結合に水素原子が付加された化合物を含む組成物;
オキシラン基(オキシラン環)、オキセタン基(オキセタン環)、エチレンスルフィド基、ジオキソラン基、トリオキソラン基、ビニルエーテル基、及びスチリル基からなる群から選択されるカチオン重合性基を有する化合物を重合することを含む、重合体の製造における、反応前のカチオン重合性基を有する化合物の組成物、ならびに重合反応後の重合体を含む組成物;または、
以下の群から選択される付加体の製造における、反応前の化合物を含む組成物、ならびに反応後の付加体を含む組成物
カルボニル化合物に、エノール誘導体、アリルケイ素化合物もしくはアリルホウ素化合物が付加した付加体、
アルケンもしくはα,β不飽和カルボニル化合物に、エノール誘導体、アリルケイ素化合物、アリルホウ素化合物、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミド類、アミン類、チオール類、もしくはホスフィン類が付加した付加体、及び
Diels-Alder反応による付加体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なホウ素化合物、およびそれを用いた水素化物、重合体ならびに付加体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、水素化反応に使用されてきた遷移金属触媒は、一酸化炭素により被毒されるので、粗水素ガスを水素源として水素化反応に用いることは困難であった。近年、金属を用いずに有機物のみを用いて分子状水素をヘテロリティックに開裂させることが可能なFLP(フラストレイテッドルイスペア)と呼ばれる状態を生み出す触媒により、一酸化炭素の共存下でも水素化反応を進行させることが可能になった。非特許文献1、2は、イミン、アルデヒド及びケトンの水素化反応の触媒として、フッ素で一部置換されたフェニル基を有するホウ素化合物を記載する。しかし、高濃度の二酸化炭素の共存する条件下における触媒活性については何ら検討していない。
【0003】
特許文献1は、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒として用いる、不飽和化合物の水素化方法を開示する。しかし、二酸化炭素が高濃度で共存する条件下では、既存のFLP型触媒も活性が著しく低下し、反応を完結することはできなかった。このため、高濃度の二酸化炭素が共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、反応を完結できる触媒が求められている。
【0004】
特許文献2は、(2,6-ジクロロフェニル)ビス(3,5-ジクロロ-2,6-ジフルオロフェニル)ボラン(ASB)又はトリス(3,5-ジクロロ-2,6-ジフルオロフェニル)ボラン(MHB)を触媒として用いる、水素化反応を開示する。特許文献2のホウ素化合物を用いると、高濃度の一酸化炭素及び/又は二酸化炭素が共存する条件下でも、水素化反応における触媒被毒が抑制され、水素化反応を円滑に進行させる触媒等として使用できることが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-206474号公報
特許第7079696号
【非特許文献】
【0006】
Journal of Organometallic Chemistry,vol.847,2017,pp.258-262
ACS Catalysis,Vol.5,nb.9,2015,pp.5366-5372
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書では、高濃度の一酸化炭素(CO)及び/又は二酸化炭素(CO2)が共存する水素(H2)ガスを、「粗水素ガス」という。粗水素ガスは、その出所や製造手段に応じて、組成や組成比が異なる。例えば、褐炭、天然ガス、及び乾湿バイオマスを改質すると、一酸化炭素を水素に対して、等量から過剰量(例えば、H2/CO=1/2)含み、二酸化炭素を若干量含む粗水素が得られる。一方、水蒸気改質により製造される粗水素、または、高炉ガスにおける製鉄副生ガスは、二酸化炭素を水素に対して、過剰量(例えば、H2/CO2=1/5)含み、一酸化炭素を若干量含む。従って、粗水素ガスに含まれる一酸化炭素と二酸化炭素について、より広い濃度範囲で使用できるより高性能な触媒が求められる。
【0008】
また、反応圧力、反応時間などの反応条件について、より温和な反応条件で使用できる、又はより厳しい条件であっても使用できる、より高活性な触媒が求められる。より温和な反応条件には、より低い圧力、より低い反応温度、より少ない触媒量などがあり、より温和な反応条件には、反応のスケールアップを行い易い、更に、反応の制御を行い易い、従って、より安全に反応を行うことができるという利益がある。
更に、今後のスケールアップや触媒の再利用を考えると、より取扱易いことが求められ、例えば、反応液中では良好に溶解しつつ、反応後に、より結晶化し易く、より析出し易く、より回収し易いことなども求められる。
【0009】
本発明は、高濃度の一酸化炭素および/又は二酸化炭素が共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、より温和な反応条件で、又はより厳しい反応条件で、より広範な組成を有する粗水素ガスを使用して、より高活性で、より高選択的に反応を進行させる触媒等として使用できる新規なホウ素化合物を提供することを目的とする。
更に、今後のスケールアップや触媒の再利用を考えると、より取扱易い、例えば、反応液中では良好に溶解しつつ、反応後に、より結晶化し易く、より析出し易く、より回収し易い、新規なホウ素化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、鋭意検討を重ね、改良した構造を有する化合物を設計し、その化合物を合成し、反応を行った結果、特定の構造を有するホウ素化合物が、粗水素ガスを水素源とする水素化反応の触媒として極めて高い活性を示し、この触媒を使用することで、更により温和な反応条件で、又はより厳しい反応条件で、より広範な組成を有する粗水素ガスを使用して、より高収率で、より高選択的に目的物を取得でき、更に、取り扱い性により優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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