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公開番号2024018072
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2022121147
出願日2022-07-29
発明の名称トリアジン誘導体を製造する方法
出願人国立大学法人九州大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07D 251/22 20060101AFI20240201BHJP(有機化学)
要約【課題】トリアジン環の2個以上の水素原子をシアノアリール基またはシアノヘテロアリール基で置換した構造を有するトリアジン誘導体を、簡便な方法により高収率で合成する方法を開発すること。
【解決手段】式(1)の化合物と式(2)の化合物を塩基の存在下で反応させて式(3)のトリアジン誘導体を製造する方法において、式(2)の化合物と塩基の合計量を式(1)の化合物の2.5当量未満とする。Arは芳香環、R1の少なくとも1個はシアノ基で残りはその他の置換基、nは1以上、R2は水素原子または置換基を表す。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024018072000016.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">33</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物を塩基の存在下で反応させることにより、下記式(3)で表されるトリアジン誘導体を製造する方法であって、
前記式(2)で表される化合物と前記塩基の合計量が、前記式(1)で表される化合物の2.5当量未満である、方法。
TIFF
2024018072000014.tif
35
170
[ここで、Arは縮環していてもよい芳香環を表す。R

の少なくとも1個はシアノ基であり、残りはシアノ基以外の置換基を表し、nは1以上でArに置換可能な最大数以下の整数を表す。R

は水素原子または置換基を表す。]
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記式(1)および(3)のArが芳香族炭化水素基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式(2)および(3)のR

がアミノ基または置換アリール基である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記置換アリール基が、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されたアリール基である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記式(2)で表される化合物と前記塩基の合計量が、前記式(1)で表される化合物の1.8当量以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基の量が、前記式(1)で表される化合物の1.7当量未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記式(2)で表される化合物の量が、前記式(1)で表される化合物の1.0当量未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記反応が、下記反応式で表される反応である、請求項1に記載の方法。
TIFF
2024018072000015.tif
45
170
[ここで、R

の少なくとも1個はシアノ基であり、残りはシアノ基以外の置換基を表し、mは1~5のいずれかの整数を表す。隣り合う環骨格構成原子に結合しているR

どうしは互いに結合して環状構造を形成していてもい。R

は水素原子または置換基を表す。]
【請求項9】
前記式(1’)において、シアノ基であるR

がCN基のパラ位に結合しており、前記式(3’)において、CN基がトリアジン環の結合位置に対するパラ位に結合している、請求項8に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2個以上のシアノアリール基を有するトリアジン誘導体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
トリアジン環の水素原子をシアノアリール基で置換したトリアジン誘導体は、電子輸送材料や医薬品として有用であり、また、これらの用途に用いられる化合物を合成するための、合成中間体としても有用である。特にトリアジン環の2個以上の水素原子をシアノアリール基で置換したトリアジン誘導体は、トリアジン環内の電子密度が極めて低くなることから、化合物の電子受容性を利用した様々な用途への応用が期待される。
【0003】
こうしたシアノアリール基を有するトリアジン誘導体の合成法としては、トリクロロトリアジンとシアノアリール基を有するホウ素化合物を原料に用い、鈴木・宮浦カップリング反応にて、トリクロロトリアジンのC-Cl結合が切断した位置に、ホウ素化合物のシアノアリール基を導入する方法が考えられる。しかし、トリクロロトリアジンとシアノアリール基を有するホウ素化合物を、鈴木・宮浦カップリング法で反応させようとしても、シアノアリール基が強い電子求引性を示すことから求核種として機能させることができず、目的のシアノアリール基を有するトリアジン誘導体は得られない(非特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献1には、塩基の存在下でシアノベンゼンにグアニジン塩酸塩を反応させてトリアジン誘導体を合成したことが記載されている。しかし、ここで合成されているトリアジン誘導体は、4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-アミンであり、反応過程でシアノベンゼンのC-CN結合が切断されてトリアジン環への結合部位になったものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Advanced Synthesis & Catalysis, 359, 2514-1519 (2017).
【特許文献】
【0006】
特開2020-158450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようにトリアジン誘導体の合成方法については、これまでに幾つか提案されているが、2個以上のシアノアリール基を有するトリアジン誘導体の合成に成功した例は示されていない。また、本発明者らが、引用文献1に記載の合成方法を応用して、シアノベンゼンの代わりにジシアノベンゼンを用い、引用文献1と同様の反応系で、2個以上のシアノフェニル基を有するトリアジン誘導体の合成を試みたが、その反応物の中に目的のトリアジン誘導体を確認することはできなかった(後掲の比較例1参照)。
【0008】
そこで本発明者らは、トリアジン環の2個以上の水素原子をシアノアリール基またはシアノヘテロアリール基で置換した構造を有するトリアジン誘導体を、簡便な方法により高収率で合成する方法を開発することを目的として鋭意検討を行った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、2個以上の水素原子をシアノ基で置換した芳香族化合物とアミジンを、塩基の存在下で反応させる際、アミジンと塩基の合計量を、上記の芳香族化合物に対する当量比で2.0当量未満とすることにより、トリアジン環の2個以上の水素原子がシアノアリール基またはシアノヘテロアリール基で置換された構造を有するトリアジン誘導体を、高収率で合成できることを見出した。具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
【0010】
[1] 下記式(1)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物を塩基の存在下で反応させることにより、下記式(3)で表されるトリアジン誘導体を製造する方法であって、
前記式(2)で表される化合物と前記塩基の合計量が、前記式(1)で表される化合物の2.5当量未満である、方法。
TIFF
2024018072000001.tif
33
170
[ここで、Arは縮環していてもよい芳香環を表す。R

の少なくとも1個はシアノ基であり、残りはシアノ基以外の置換基を表し、nは1以上でArに置換可能な最大数以下の整数を表す。R

は水素原子または置換基を表す。]
[2] 前記式(1)および(3)のArが芳香族炭化水素基である、[1]に記載の方法。
[3] 前記式(2)および(3)のR

がアミノ基または置換アリール基である、[1]に記載の方法。
[4] 前記置換アリール基が、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されたアリール基である、[3]に記載の方法。
[5] 前記式(2)で表される化合物と前記塩基の合計量が、前記式(1)で表される化合物の1.8当量以下である、[1]に記載の方法。
[6] 前記塩基の量が、前記式(1)で表される化合物の1.7当量未満である、[1]に記載の方法。
[7] 前記式(2)で表される化合物の量が、前記式(1)で表される化合物の1.0当量未満である、[1]に記載の方法。
[8] 前記反応が、下記反応式で表される反応である、[1]に記載の方法。
TIFF
2024018072000002.tif
45
170
[ここで、R

の少なくとも1個はシアノ基であり、残りはシアノ基以外の置換基を表し、mは1~5のいずれかの整数を表す。隣り合う環骨格構成原子に結合しているR

どうしは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。R

は水素原子または置換基を表す。]
[9] 前記式(1’)において、シアノ基であるR

がCN基のパラ位に結合しており、前記式(3’)において、CN基がトリアジン環の結合位置に対するパラ位に結合している、[8]に記載の方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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