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公開番号2024074981
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-31
出願番号2024063710,2021508925
出願日2024-04-11,2020-03-05
発明の名称酸素センサ及びそれを具備する微小機械電気素子
出願人三井金属鉱業株式会社,国立大学法人九州大学
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類G01N 27/407 20060101AFI20240524BHJP(測定;試験)
要約【課題】被検ガス中の酸素濃度の測定が可能なセンサを提供すること。
【解決手段】酸素センサは、固体電解質膜と、該固体電解質膜の各面に配置された第1電極及び第2電極とを備えた膜電極接合体を具備する。第2電極と対向するように電極対向部材が配置される。固体電解質膜と前記部材との間に、第2電極を囲繞するように設けた壁部によって基準酸素濃度空間が画成される。前記部材又は前記壁部が酸素透過可能な材料で構成されている。測定対象雰囲気に第1電極が臨むように第1電極を配置するとともに、第2電極を電源の正極に接続し且つ第1電極を電源の負極に接続して、基準酸素濃度空間内の酸素濃度を高めた状態下におき、第1電極及び第2電極の電源への接続を解除するとともに、更に第1電極と第2電極との間に生じた起電力を測定することで、第1電極が臨む測定対象雰囲気中の酸素濃度を測定する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
酸化物イオン伝導性を有する固体電解質膜と、該固体電解質膜の各面に配置された第1電極及び第2電極とを備えた膜電極接合体を具備し、
第2電極と対向するように電極対向部材が配置されており、
前記固体電解質膜と前記部材との間に、第2電極を囲繞するように設けた壁部によって基準酸素濃度空間が画成されており、
前記部材と、前記壁部の少なくとも一方が酸素を透過可能な材料で構成されており、
測定対象雰囲気に第1電極が臨むように第1電極を配置するとともに、第2電極を電源の正極に接続し且つ第1電極を電源の負極に接続して、前記基準酸素濃度空間内の酸素濃度を高めた状態下におき、第1電極及び第2電極の電源への接続を解除するとともに、更に第1電極と第2電極との間に生じた起電力を測定することで、第1電極が臨む測定対象雰囲気中の酸素濃度を測定する酸素センサ。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記固体電解質膜が、A、M及びO(Aは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Lu、Be、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素である。Mは、Mg、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Y、Zr、Ta、Nb、B、Si、Ge、Zn、Sn、W及びMoからなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素である。)を含む化合物からなる請求項1に記載の酸素センサ。
【請求項3】
前記固体電解質膜が、一般式:A
9.33+x
[T
6.00-y


]O
26.0+z
(式中のAは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Lu、Be、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素である。式中のTは、Si若しくはGe又はその両方を含む元素である。式中のMは、Mg、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Y、Zr、Ta、Nb、B、Ge、Zn、Sn、W及びMoからなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素である。)で表され、式中のxは-1.33以上1.50以下の数であり、式中のyは0.00以上3.00以下の数であり、式中のzは-5.00以上5.20以下の数であり、Tのモル数に対するAのモル数の比率が1.33以上3.61以下である複合酸化物を含む化合物からなる請求項1又は2に記載の酸素センサ。
【請求項4】
第1電極及び第2電極のうちの少なくとも一つが酸化物からなる請求項1、2又は3に記載の酸素センサ。
【請求項5】
前記一般式:A
9.33+x
[T
6.00-y


]O
26.0+z
で表される化合物が配向性アパタイト型酸化物イオン伝導体であり、ロットゲーリング法で測定した配向度が0.6以上である、請求項3に記載の酸素センサ。
【請求項6】
前記酸化物がMNO

(Mは、Ca、Sr、Ba、La、Pr及びYからなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素である。Nは、Ni、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Cu、Co、Mo、Ta、Nb、Ru、Pd及びReからなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素である。)で表されるペロブスカイト型構造を有する請求項4に記載の酸素センサ。
【請求項7】
前記基準酸素濃度空間の圧力(Pa)を測定対象雰囲気中の気圧(Pa)に比して1.0以上3.0以下に設定した状態下におき、酸素濃度を測定する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の酸素センサ。
【請求項8】
前記基準酸素濃度空間の酸素濃度を60%以上100%以下に設定した状態下におき、酸素濃度を測定する請求項1ないし7のいずれか一項に記載の酸素センサ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の酸素センサを具備する微小機械電気素子。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の酸素センサを用いた酸素濃度の測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素センサ及びそれを具備する微小機械電気素子に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
酸化物イオン透過性の固体電解質を用いた酸素センサが種々知られている。この種の酸素センサは、起電力式のものと、限界電流式のものに大別される。例えば特許文献1には、電気化学式酸素ポンプ部、密封空間及び電気化学的センサ部から構成される起電力式の酸素センサが記載されている。この酸素センサにおいては、電気化学式酸素ポンプ部の両電極間に外部電圧を印加し、密封空間に存在する酸素ガスを強制的に電気化学式酸素ポンプの原理に従って外部に排出し、基準ガス室内を所定の低酸素分圧に制御している。
【0003】
特許文献2には、外側電極と内側電極との間に電流を印加して検出ガス中の酸素を内側電極の近傍に導入し、当該導入した酸素を参照ガスとして用いるようにした酸素センサが記載されている。この酸素センサでは、検出ガス中の酸素を内側電極の近傍に導入することを目的として、内側電極の外面に、ジルコニア及びアルミニウムを含む多孔質構造の緩和層を設け、該緩和層中に酸素が進入できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平05-240833号公報
特開2006-112918号公報
【発明の概要】
【0005】
特許文献1の酸素センサは、基準ガス室内の酸素分圧を低い基準に制御することで、被検ガス中の酸素濃度を精度よく測定しようとするものである。しかし、基準ガス室内の酸素分圧を低い値に制御していることに起因して、酸素分圧が僅かに変化するだけでも起電力が大きく影響を受けるので、検出精度を高めることが容易でない。
【0006】
特許文献2に記載の酸素センサは、内側電極の近傍に導入した酸素の分圧を大気中の酸素分圧よりも高くすることで、該酸素を参照ガスとして用いており、円柱状の素子を形成している。このことに起因して、緩和層を多孔質且つ高強度にする必要がある。しかし、緩和層を多孔質且つ高強度にすることは、酸素センサの小型化の点からは不利である。このような多孔質層の形成や円柱状の素子の製造を、例えばMEMS(MicroElectro Mechanical Systems)と呼ばれる微小機械電気素子に適用することは容易でない。
【0007】
本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る酸素センサを提供することにある。
【0008】
本発明は、酸化物イオン伝導性を有する第1固体電解質膜と、該固体電解質膜の一面に配置された第1電極を備えた第1膜電極接合体と、
酸化物イオン伝導性を有する第2固体電解質膜と、該固体電解質膜の一面に配置された第2電極を備えた第2膜電極接合体とを具備し、
第1膜電極接合体における第1固体電解質膜と、第2膜電極接合体における第2固体電解質膜とが間隔を空けて対向するように、第1膜電極接合体と第2膜電極接合体とが配置されており、
第1膜電極接合体における第1固体電解質膜と、第2膜電極接合体における第2固体電解質膜との間に、両固体電解質膜に接するように、中間電極が配置されているとともに、該中間電極を囲繞するように設けた酸素が透過可能な壁部によって基準酸素濃度空間が画成されており、
測定対象雰囲気に第1電極が臨むように第1電極を配置するとともに、前記中間電極を電源の正極に接続し且つ第2電極を電源の負極に接続して、前記基準酸素濃度空間内の酸素濃度を高めた状態下におき、更に第1電極と前記中間電極との間に生じた起電力を測定することで、第1電極が臨む測定対象雰囲気中の酸素濃度を測定するように構成された酸素センサを提供するものである。
【0009】
また本発明は、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質膜と、該固体電解質膜の各面に配置された第1電極及び第2電極とを備えた膜電極接合体を具備し、
第2電極と対向するように電極対向部材が配置されており、
前記固体電解質膜と前記部材との間に、第2電極を囲繞するように設けた壁部によって基準酸素濃度空間が画成されており、
前記部材と、前記壁部の少なくとも一方が酸素を透過可能な材料で構成されており、
測定対象雰囲気に第1電極が臨むように第1電極を配置するとともに、第2電極を電源の正極に接続し且つ第1電極を電源の負極に接続して、前記基準酸素濃度空間内の酸素濃度を高めた状態下におき、第1電極及び第2電極の電源への接続を解除するとともに、更に第1電極と第2電極との間に生じた起電力を測定することで、第1電極が臨む測定対象雰囲気中の酸素濃度を測定する酸素センサを提供するものである。
【0010】
更に本発明は、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質膜と、該固体電解質膜の一面に配置された第1電極及び第2電極、並びに該固体電解質膜の他面に配置された中間電極とを備えた膜電極接合体を具備し、
前記中間電極と対向するように電極対向部材が配置されており、
前記固体電解質膜と前記部材との間に、前記中間電極を囲繞するように設けた壁部によって基準酸素濃度空間が画成されており、
前記部材と、前記壁部の少なくとも一方が酸素を透過可能な材料で構成されており、
測定対象雰囲気に第1電極が臨むように且つ該測定対象雰囲気又は外気に第2電極が臨むように、第1電極及び第2電極を配置するとともに、前記中間電極を電源の正極に接続し、且つ第2電極を電源の負極に接続して、前記基準酸素濃度空間内の酸素濃度を高めた状態下におき、更に第1電極と前記中間電極との間に生じた起電力を測定することで、第1電極が臨む測定対象雰囲気中の酸素濃度を測定する酸素センサを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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