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公開番号2023180631
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-21
出願番号2022094089
出願日2022-06-10
発明の名称ガス充填システム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類F17C 5/06 20060101AFI20231214BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】ガス充填経路における圧力損失を低減させ、充填率の低下を抑制するガス充填システムを提供する。
【解決手段】ガス充填システムは、温度センサより計測された高圧容器内の温度を通信により受信する受信部と、充填されるガスの流量を調整する流量調整装置と、充填されるガスの圧力を計測する圧力センサと、受信部で受信した温度および圧力センサで計測された圧力を用いて高圧容器中のガスの充填率を算出することと、流量調整装置を制御することにより充填されるガスの昇圧率を制御することと、を実行する制御部と、を備え、制御部は、予め設定されている第1目標充填率まで、予め設定されている第1昇圧率でガスを充填し、第1目標充填率から第1目標充填率よりも高い予め設定されている第2目標充填率まで、第1昇圧率よりも低い予め設定されている第2昇圧率でガスを充填するように流量調整装置を制御する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
高圧容器に接続され、前記高圧容器にガスを充填するガス充填システムであって、
温度センサにより計測された前記高圧容器内の温度を通信により受信する受信部と、
充填される前記ガスの流量を調整する流量調整装置と、
充填される前記ガスの圧力を計測する圧力センサと、
前記受信部で受信した温度および前記圧力センサで計測された圧力を用いて前記高圧容器中の前記ガスの充填率を算出することと、前記流量調整装置を制御することにより前記高圧容器に充填される前記ガスの昇圧率を制御することと、を実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記高圧容器の充填率が、予め設定されている第1目標充填率に達するまで、予め設定されている第1昇圧率で前記高圧容器に前記ガスを充填し、
前記高圧容器の充填率が、前記第1目標充填率から、前記第1目標充填率よりも高い予め設定されている第2目標充填率に達するまで、前記第1目標充填率よりも低い予め設定されている第2昇圧率で前記高圧容器に前記ガスを充填するように前記流量調整装置を制御する、
ガス充填システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス充填システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
燃料電池車両に搭載される水素タンク等の高圧容器に、水素ガスを充填するための技術が種々開示されている。例えば特許文献1では、水素タンク内の初期圧力を正確に計測する技術が開示されている。かかる初期圧力と、外気温と、タンク容量と、から充填される水素ガスの昇圧率が設定され、例えば燃料電池を搭載した乗用車では、3分程度の時間で充填が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-053459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池を搭載した大型バスやトラック等の大型車の場合、燃料電池を搭載した乗用車と比較して、搭載される水素タンクの容量が非常に大きい。そのため、例えば10分程度の比較的短時間で燃料を充填しようとすると、乗用車に充填する場合よりも、水素ガスの昇圧率を大きくする必要がある。しかし、昇圧率を大きくすると、水素ステーションから水素タンク間の経路における圧力損失も大きくなる。水素ガスの充填は、水素ステーションと水素タンクとの間の圧力差を利用して行われるため、かかる圧力損失の増大により水素ガスの充填率が低下するおそれがある。具体的には、水素ステーション側で測定した水素ガス圧力と水素タンク内の温度とに基づいて水素タンクの充填率を算出する構成においては、上記圧力損失により圧力が低下する前の圧力を用いて、充填率が算出されてしまう。このため、水素ステーション側は目標充填率に到達したと判定し水素ガスの充填を停止するが、実際の水素タンク内には水素ガスが目標充填率まで充填されておらず、充填率が低下する。このように、容量の比較的大きいタンクに比較的短時間で水素ガスを充填しようとすると充填率が低下するという問題は、水素タンクに水素ガスを充填する構成に限らず、任意の種類の高圧容器に任意の種類のガスを充填する構成において共通する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、高圧容器に接続され、前記高圧容器にガスを充填するガス充填システムが提供される。このガス充填システムは、温度センサにより計測された前記高圧容器内の温度を通信により受信する受信部と、充填される前記ガスの流量を調整する流量調整装置と、充填される前記ガスの圧力を計測する圧力センサと、前記受信部で受信した温度および前記圧力センサで計測された圧力を用いて前記高圧容器中の前記ガスの充填率を算出することと、前記流量調整装置を制御することにより前記高圧容器に充填される前記ガスの昇圧率を制御することと、を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記高圧容器の充填率が、予め設定されている第1目標充填率に達するまで、予め設定されている第1昇圧率で前記高圧容器に前記ガスを充填し、前記高圧容器の充填率が、前記第1目標充填率から、前記第1目標充填率よりも高い予め設定されている第2目標充填率に達するまで、前記第1目標充填率よりも低い予め設定されている第2昇圧率で前記高圧容器に前記ガスを充填するように前記流量調整装置を制御する。
この形態のガス充填システムによれば、予め設定されている第1目標充填率まで予め設定されている第1昇圧率でガスを充填し、第1目標充填率から第1目標充填率よりも高い予め設定されている第2目標充填率まで第1目標充填率よりも低い予め設定されている第2昇圧率でガスを充填する。第2昇圧率は、第1昇圧率よりも低い昇圧率であるため、ガス充填経路における圧力損失が小さい。第1昇圧率で充填を行った後に圧力損失が小さい第2昇圧率で充填を行うため、圧力損失による充填率の低下を抑制することができる。また、第1目標充填率までは第1昇圧率で充填を行うため、第2昇圧率のみで充填を行った場合と比較して、短時間でガス充填を完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の一実施形態としてのガス充填システムの概略構成を示すブロック図である。
ガス充填システムにおいて実行される昇圧率制御の手順を示すフローチャート図である。
比較例により水素タンクにガス充填を行った際の時間および圧力の関係の一例を示すグラフである。
実施形態に係るガス充填システムにより水素タンクに水素ガス充填を行った際の時間および圧力の関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
A1.装置構成:
図1は、本開示の一実施形態としてのガス充填システム100の概略構成を示すブロック図である。ガス充填システム100は、ガスを高圧容器へ充填するためのシステムである。ガス充填システム100は、例えば水素ステーションに用いられる。ガスの充填は、ガスを貯蔵する蓄圧器102と高圧容器との差圧を利用して行われる。本実施形態において、ガスは、水素ガスであり、高圧容器は、燃料電池車両Vに搭載される水素タンク1である。
【0009】
最初に燃料電池車両Vの構成について説明する。燃料電池車両Vは、水素ガスおよび空気を燃料ガスとして発電する燃料電池システムを備え、かかる燃料電池システムで発電した電力を用いてモータを駆動することで走行する車両である。本実施形態において燃料電池車両Vは、例えば大型バスやトラック等の大型車両である。燃料電池車両Vは、水素タンク1と、車両側配管2と、車両側温度センサ3と、車両側圧力センサ4と、車両側制御部5と、送信部6と、レセプタクル9と、を備える。
【0010】
水素タンク1は、ガス充填システム100から供給される水素を貯蔵するタンクである。本実施形態において、水素タンク1は、乗用車に搭載される水素タンクの容量と比較して、大きい容量(例えば80kg)を有するタンクである。
(【0011】以降は省略されています)

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