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公開番号2023177464
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-14
出願番号2022090152
出願日2022-06-02
発明の名称圧縮機ユニット
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類F17C 13/00 20060101AFI20231207BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】圧縮部に吸入されるボイルオフガスである水素ガスの温度を適切に管理する。
【解決手段】圧縮機ユニット10は、水素ガスを圧縮するレシプロ式の圧縮機構によって構成された圧縮部12と、クーラ14と、プレヒータ16と、スピルバック部33と、調整手段31と、制御部39aと、を備える。吸込流路21は、プレヒータ16を経由する第1経路部29a及びプレヒータ16を経由しない第2経路部29cを有する。調整手段31は、第1経路部29aを流通する水素ガスの流量を調整するとともに第2経路部29cを流通する水素ガスの流量を調整する。制御部39aは、圧縮部12の吸込温度が予め定められた温度範囲内になるように調整手段31を制御する。前記予め定められた温度範囲は、空気の液化温度に基づく基準温度よりも高い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液体水素貯槽からボイルオフガスである水素ガスを回収し、その少なくとも一部をエンジン、発電設備又はボイラの少なくとも一つを含む需要先に供給する圧縮機ユニットであって、
吸込流路を流れた前記水素ガスを圧縮するとともに圧縮されたガスを吐出流路に吐出するレシプロ式の圧縮機構によって構成された圧縮部と、
前記吐出流路に吐出された水素ガスを冷却する水冷式又は空冷式のクーラと、
前記圧縮部に吸入される前の水素ガスと、前記圧縮部から吐出された後の水素ガスであって前記クーラに向かって流れる水素ガスとを熱交換可能なプレヒータと、
前記圧縮部から吐出された後の水素ガスを前記吸込流路における前記プレヒータよりも下流側又は上流側の部分に戻すスピルバック流路を含むスピルバック部と、
前記吸込流路において、前記スピルバック流路の接続部と前記圧縮部との間に配置される温度センサと、を備え、
前記吐出流路または前記吸込流路が、水素ガスの流れ方向に沿って二股に分かれた後互いに合流する第1経路部及び第2経路部を有し、前記第1経路部が前記プレヒータを経由する一方で、前記第2経路部が前記プレヒータを経由しておらず、
前記圧縮機ユニットはさらに、
前記第1経路部を流通する水素ガスの流量を調整するとともに前記第2経路部を流通する水素ガスの流量を調整する調整手段と、
前記温度センサによって取得された吸込温度を参照し、前記吸込温度が予め定められた温度範囲内になるように、前記調整手段を制御する制御部と、
を備え、
前記予め定められた温度範囲は空気の液化温度に基づく基準温度よりも高い、圧縮機ユニット。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
液体水素貯槽から0℃未満の可燃性のボイルオフガスである水素ガスを回収し、その少なくとも一部をエンジン、発電設備又はボイラの少なくとも一つを含む需要先に供給する圧縮機ユニットであって、
吸込流路を流れた前記水素ガスを圧縮するとともに圧縮されたガスを吐出流路に吐出するレシプロ式の圧縮機構によって構成された圧縮部と、
前記吐出流路に吐出された水素ガスを冷却する水冷式又は空冷式のクーラと、
前記圧縮部に吸入される前の水素ガスと、前記圧縮部から吐出された後の水素ガスであって前記クーラに向かって流れる水素ガスとを熱交換可能なプレヒータと、
前記吐出流路において、前記プレヒータと前記圧縮部との間に配置される温度センサと、
前記圧縮部から吐出された後の水素ガスを前記吸込流路における前記プレヒータよりも下流側又は上流側の部分に戻すスピルバック部と、を備え、
前記吐出流路または前記吸込流路が、水素ガスの流れ方向に沿って二股に分かれ後互いに合流する第1経路部及び第2経路部を有し、前記第1経路部が前記プレヒータを経由する一方で、前記第2経路部が前記プレヒータを経由しておらず、
前記圧縮機ユニットはさらに、
前記第1経路部を流通する水素ガスの流量を調整するとともに、前記第2経路部を流通する水素ガスの流量を調整する調整手段と、
前記温度センサによって取得された吐出温度に基づき、前記圧縮部の吸込温度を推定する計算部と、
前記推定された吸込温度が予め定められた温度範囲内になるように前記調整手段を制御する制御部と、
を備え、
前記予め定められた温度範囲は空気の液化温度に基づく基準温度よりも高い、圧縮機ユニット。
【請求項3】
前記調整手段が、前記第1経路部と前記第2経路部との分岐点上に設けられた三方弁によって構成されている、請求項1または2に記載の圧縮機ユニット。
【請求項4】
前記調整手段が、前記第1経路部に設けられた開度調整が可能な弁と、前記第2経路部に設けられた開度調整が可能な弁と、によって構成されている、請求項1または2に記載の圧縮機ユニット。
【請求項5】
前記調整手段が、前記第1経路部に設けられた開度調整可能な弁と、前記第2経路部に設けられ、水素ガスの流量を抑制するための絞り部と、によって構成される、請求項1または2に記載の圧縮機ユニット。
【請求項6】
前記制御部は、前記吸込温度を参照し、前記吸込温度が予め定められた上限温度以上のときに前記第1経路部での水素ガスの流通を停止するように前記調整手段を制御するとともに、前記吸込温度が前記上限温度未満のときに前記吸込温度が予め定められた前記温度範囲内になるように、前記調整手段を制御する、請求項1または2に記載の圧縮機ユニット。
【請求項7】
前記吸込流路が、外気からの入熱を抑制するための断熱材を備える、請求項1または2に記載の圧縮機ユニット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機ユニットに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、液化天然ガス(LNG)、液体水素(LH2)などの低温のボイルオフガス(BOG)を圧縮機によって回収してエンジン等の需要先に供給することが行われている。特にLH2から発生したボイルオフガスは非常に低温である。このため、圧縮機がそのままボイルオフガスを吸入する構成を採用すると、極低温に適した材料を選択する必要があったり、熱変形量を考慮した設計条件を採用したり、厳重な断熱処理を実施したりする必要がある等の制約がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-172870号公報
特開2001-65795号公報
特開平3-92700号公報
特開2019-27590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では次のような問題が指摘されている。「近年、新たなエネルギ源として、水素が注目されている。エネルギ源として水素を利用する場合にも、天然ガスのように、貯蔵及び輸送時には、液化した状態とすることが想定されている。しかし、水素は、液化温度が空気の液化温度よりも低いという特性を有する。そのため、天然ガス等を対象とした往復動圧縮機といった設備をそのまま水素に適用すると、極低温の液体水素に起因する不具合が生じる可能性がある。例えば、液体水素が供給される装置の周辺に液化空気を生じさせてしまう。」
【0005】
すなわち特許文献1では、極低温の液体水素に起因する不具合を防止するという課題が検討されている。また、極低温の流体が供給される装置には、配管など高性能な断熱が施工しやすいもの(例えば真空領域を設けたもの)もあるが、運転中の振動を伴う動機械や、点検開口部を通して定期的なメンテナンスを必要とする設備(例えば往復動圧縮機など)等のように、高性能な断熱が非常に難しいものもあるという課題もある。
【0006】
下記特許文献2~4に開示されているように、圧縮機に吸入される前のボイルオフガスを加熱可能な熱交換器を設けることが知られている。一方、過度に吸込ガスを加熱すると、ガス体積の膨張により、圧縮動力が大きくなるとともに動力(エネルギー)のロスとなるため、適切な範囲で吸込み温度をコントロールすることが求められている。
【0007】
特許文献2に開示された圧縮機ユニットでは、図12に示すように、圧縮部102から吐出されたボイルオフガスによって圧縮部102に吸入される前のボイルオフガスを加熱する熱交換器104が設けられている。この圧縮機ユニットでは、ガス処理量に応じて熱交換器104を流れる流量を変えることは可能である。しかしながら、タンク100から導出されたボイルオフガスの全量が熱交換器104に流入する構成となっているので、ガス処理量に応じて流量を変えることができるだけであり、圧縮部102に吸入されるガス温度が所定温度になるように、熱交換器104を流れる流量を調整することはできない。
【0008】
これに対し、特許文献3に開示された圧縮機ユニットでは、図13に示すように、熱交換器112をバイパスするバイパス管114が設けられている。このバイパス管114に弁114aが設けられ、バイパス管114の弁114aの開閉制御を行うことにより、熱交換器112を通過するガス量を調整することが可能となっている。このため、弁114aの開閉制御により、圧縮部116に吸入されるボイルオフガスの温度を調整できるかもしれない。しかしながら、特許文献3の圧縮機ユニットでは、たとえ弁114aが全開にある状態でも、弁114a自体の圧損によって熱交換器112にもボイルオフガスが流入してしまうことがある。このため、圧縮部116に吸入されるガス温度を適正範囲に収まるように制御することは困難である。
【0009】
なお特許文献4にも、図14に示すように、圧縮部121に吸入される前のボイルオフガスと圧縮部121から吐出された後のボイルオフガスとを熱交換させる熱交換器123が示されている。しかし、この熱交換器123は圧縮部121で圧縮された後のボイルオフガスを再液化するためのものであるため、圧縮部121の下流に配置されたクーラ125によって冷却されたボイルオフガスが熱交換器123に導入される。したがって、引用文献3では、圧縮部121に吸入される蒸発ガスを十分に加温するという観点では不利である。しかも、特許文献4では、特許文献3のように、圧縮部121に吸入されるガスの温度が高くなり過ぎることが起こり難いため、圧縮部121に吸入されるボイルオフガスの温度を調整することを考慮していない。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮機ユニットにおいてレシプロ式の圧縮部に吸入されるボイルオフガスである水素ガスの温度を適切に管理することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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