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公開番号2023176229
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-13
出願番号2022088398
出願日2022-05-31
発明の名称消火システム
出願人ニッタン株式会社
代理人個人,個人
主分類A62C 37/00 20060101AFI20231206BHJP(人命救助;消防)
要約【課題】消火区域内の人の有無を精度よく自動判断して事故の発生を回避しつつ消火ガスの放出を実行できる消火システムを提供する。
【解決手段】消火剤放出装置と、消火剤の放出動作を開始させる起動装置と、人検知手段と、集音手段と、起動装置へ開始信号を送信する制御装置と、を備える消火システムにおいて、制御装置は、集音手段が集音した音を処理して少なくとも当該音が人の声か否かを判定する機能を有する音声認識手段と、消火区域において火災発生と判断してからの経過時間を計時する計時手段と、火災発生の判断時から開始信号の送信開始までの放出開始時間を設定する放出開始時間設定手段と、経過時間が放出開始時間に達した判断すると開始信号の送信を決定する放出決定手段とを有し、放出開始時間設定手段は人検知手段が人を検知かつ/または音声認識手段が人の声であると判定すると放出開始時間を既定の長さより長い時間に変更するようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
消火区域に設置され消火剤の放出を行う消火剤放出装置と、
消火剤の放出動作の開始を指示する開始信号を受けて前記消火剤放出装置を作動させて消火剤の放出動作を開始させる起動装置と、
前記消火区域に設置され人の存在を検知する人検知手段と、
前記消火区域に設置され当該消火区域内の音を集音する集音手段と、
所定の条件の成立に基づいて前記起動装置へ前記開始信号を送信する制御装置と、
を備える消火システムであって、
前記制御装置は、
前記集音手段が集音した音を処理して少なくとも当該音が人の声か否かを判定する機能を有する音声認識手段と、
前記消火区域において火災発生と判断してからの経過時間を計時する計時手段と、
前記火災発生の判断時から前記開始信号の送信開始までの放出開始時間を設定する放出開始時間設定手段と、
前記経過時間が前記放出開始時間に達した判断すると前記開始信号の送信を決定する放出決定手段と
を有し、
前記放出開始時間設定手段は、前記人検知手段が人を検知かつ/または前記音声認識手段が前記音は人の声であると判定すると前記放出開始時間を既定の長さより長い時間に変更する
ことを特徴とした消火システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記消火システムは、前記消火区域に設置された音声出力手段をさらに備え、
前記音声出力手段および前記集音手段は、前記人検知手段の近傍にそれぞれ設置されており、
前記制御装置は、火災発生と判断しかつ前記人検知手段が人の存在を検知すると、当該人を検知した人検知手段の近傍に設置されている掲示物の内容に関連した発声を要請する案内音声を当該音声出力手段から出力させ、
前記放出開始時間設定手段は、前記集音手段が集音した音を前記音声認識手段が処理した結果が前記掲示物の内容に相当している場合に、前記放出開始時間を、当該集音手段から前記消火区域の出口までの距離に比例した長さの時間に変更する
ことを特徴とした請求項1に記載の消火システム。
【請求項3】
前記消火システムは、前記消火区域に設置された音声出力手段をさらに備え、
前記音声出力手段および前記集音手段は、前記人検知手段の近傍にそれぞれ設置されており、
前記制御装置は、火災発生と判断したにもかかわらず前記人検知手段が人の存在を検知しない場合には、特定の言葉の発声を要請する案内音声を前記音声出力手段から出力させ、
前記放出開始時間設定手段は、前記集音手段が集音した音を前記音声認識手段が処理した結果が前記特定の言葉に相当している場合に、前記放出開始時間を、当該集音手段から前記消火区域の出口までの距離に比例した長さの時間に変更する
ことを特徴とした請求項1に記載の消火システム。
【請求項4】
前記制御装置は、一定時間にわたり前記集音手段が集音した音が前記特定の言葉を表した人の声であると前記音声認識手段が認識しない場合に、
所定動作を要請する案内音声を前記音声出力手段から出力させ、
前記放出開始時間設定手段は、前記音を前記音声認識手段が処理した結果が前記所定動作から生じる所作音である場合に、前記放出開始時間を、当該音を集音した集音手段から前記消火区域の出口までの距離に比例した長さの時間に変更する
ことを特徴とした請求項3に記載の消火システム。
【請求項5】
前記放出決定手段は、前記経過時間が前記放出開始時間に達したときに、前記人検知手段が前記消火区域内に人の存在を検知していない場合には、前記開始信号の送信を決定することを特徴とした請求項2~4のいずれかに記載の消火システム。
【請求項6】
前記人検知手段から出力され人の存在検知に関わる信号、前記集音手段から出力された前記消火区域内の音に関わる信号、前記音声出力手段から出力する音声案内に関わる信号を伝送する信号線群と、
火災の発生の検知信号を伝送する信号線と、は互いに離間して敷設されていることを特徴とした請求項5に記載の消火システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、消火剤(消火ガスを含む)を用いた消火システムに関し、消火区域内に人が居る状態で消火剤が放出される事故が発生するのを防止するために利用して有効な技術に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
機械式駐車場など、閉鎖された空間(防護区画)において発生した火災を、窒素や二酸化炭素のような不燃性ガス(以下、消火ガス)の一斉放出により消火するシステムが普及している。消火ガスには、配管の工事性や放出時間を考慮して、窒素ガスやハロンガスなどが用いられているが、一部に二酸化炭素ガスを用いた消火システムもある。
従来、消火ガスを用いた消火システムにおいては、人為的な判断ミスの他、防護区画(消火区域)内にて作業員が点検作業中に、火災検知信号を伝送する信号線を誤って切断することで意図しない信号が起動装置(制御装置)へ送信され、火災の発生と判断されてしまった結果、消火ガスが放出されるという事故の発生が報告されている。
【0003】
上記のような事故の発生を防止する観点から、消火ガスを放出するガス系消火設備において、火災感知器からの検知信号つまり火災発生信号と、人を検知する人体センサー(人感センサー)から出力される防護区画が無人であることを示す信号とのAND条件(論理積)により、消火設備を起動させるようにした発明が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-255117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている技術によれば、火災発生の信号を起動装置が受けても、人感センサーの出力が有人であることを示していればAND条件が成立しないため、消火ガスの放出を防ぐことができる。しかし、人感センサーは検知範囲がある程度限られるため、物陰も含めて検知可能範囲外に人がいる場合には判断を誤り、消火ガスが放出されてしまう可能性を否定できないという課題がある。
【0006】
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、消火剤を用いた消火システムにおいて、消火区域内の人の有無を精度よく自動判断して、事故の発生を回避して安全に消火剤の放出を実行できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、
消火区域に設置され消火剤の放出を行う消火剤放出装置と、
消火剤の放出動作の開始を指示する開始信号を受けて前記消火剤放出装置を作動させて消火剤の放出動作を開始させる起動装置と、
前記消火区域に設置され人の存在を検知する人検知手段と、
前記消火区域に設置され当該消火区域内の音を集音する集音手段と、
所定の条件の成立に基づいて前記起動装置へ前記開始信号を送信する制御装置と、
を備える消火システムにおいて、
前記制御装置は、
前記集音手段が集音した音を処理して少なくとも当該音が人の声か否かを判定する機能を有する音声認識手段と、
前記消火区域において火災発生と判断してからの経過時間を計時する計時手段と、
前記火災発生の判断時から前記開始信号の送信開始までの放出開始時間を設定する放出開始時間設定手段と、
前記経過時間が前記放出開始時間に達した判断すると前記開始信号の送信を決定する放出決定手段と
を有し、
前記放出開始時間設定手段は、前記人検知手段が人を検知かつ/または前記音声認識手段が前記音は人の声であると判定すると前記放出開始時間を規定の長さより長い時間に変更するように構成したものである。
【0008】
上記のような構成を有する消火システムによれば、人検知手段が消火区域内の人の存在を検知した場合や集音手段が集音した音が人の声であると音声認識手段が判定した場合に、放出開始時間を既定の長さより長い時間に変更するため、火災発生と判断した際に消火剤の放出開始を遅らせることができ、それによって消火区域内に居る人が退出する時間を確保し、事故の発生を回避して安全に消火剤の放出を開始することができる。
【0009】
ここで、望ましくは、前記消火システムは、前記消火区域に設置された音声出力手段をさらに備え、
前記音声出力手段および前記集音手段は、前記人検知手段の近傍にそれぞれ設置されており、
前記制御装置は、火災発生と判断しかつ前記人検知手段が人の存在を検知すると、当該人を検知した人検知手段の近傍に設置されている掲示物の内容に関連した発声を要請する案内音声を当該音声出力手段から出力させ、
前記放出開始時間設定手段は、前記集音手段が集音した音を前記音声認識手段が処理した結果が前記掲示物の内容に相当している場合に、前記放出開始時間を、当該集音手段から前記消火区域の出口までの距離に比例した長さの時間に変更するように構成する。
【0010】
あるいは、前記消火システムは、前記消火区域に設置された音声出力手段をさらに備え、
前記音声出力手段および前記集音手段は、前記人検知手段の近傍にそれぞれ設置されており、
前記制御装置は、火災発生と判断したにもかかわらず前記人検知手段が人の存在を検知しない場合には、特定の言葉の発声を要請する案内音声を前記音声出力手段から出力させ、
前記放出開始時間設定手段は、前記集音手段が集音した音を前記音声認識手段が処理した結果が前記特定の言葉に相当している場合に、前記放出開始時間を、当該集音手段から前記消火区域の出口までの距離に比例した長さの時間に変更するように構成する。
(【0011】以降は省略されています)

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