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公開番号2023149284
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-13
出願番号2022057772
出願日2022-03-31
発明の名称水圧転写シート及び水圧転写方法
出願人株式会社タイカ
代理人
主分類B44C 1/175 20060101AFI20231005BHJP(装飾技術)
要約【課題】曲面を有する物品の表面に電気回路を形成するための水圧転写方法と、それに用いる水圧転写シートの提供。
【解決手段】本発明の水圧転写フィルムは、水溶性フィルムの表面に少なくとも導電性パターン層を備えた転写層を有し、導電性パターン層は透明な導電インクからなり、導電インクはポリチオフェン系化合物、ポリアニリン系化合物、グラフェンからなる群より選択される導電性成分を含んでなる。また、本発明の水圧転写方法は、上記水圧転写フィルムに活性剤を塗布して水圧転写槽の水面に配置し、当該水圧転写フィルムに被転写体を押し当て、被転写体の表面に導電性パターン層を水圧で転写して水圧転写品を得る。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水溶性フィルムの表面に少なくとも導電性パターン層を備えた転写層を有する水圧転写シートであって、
前記導電性パターン層は透明な導電インクからなり、前記導電インクはポリチオフェン系化合物、ポリアニリン系化合物、グラフェンからなる群より選択される導電性成分を含んでなることを特徴とする水圧転写シート。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記転写層がさらに印刷パターン層を備え、前記印刷パターン層は前記導電性パターン層の少なくとも一部に積層された構造を有することを特徴とする請求項1に記載の水圧転写シート。
【請求項3】
前記転写層がさらに印刷パターン層を備え、前記印刷パターン層は前記導電性パターン層に積層しないように配置された構造を有することを特徴とする請求項1に記載の水圧転写シート。
【請求項4】
前記印刷パターン層は炭素系導電成分を含むことを特徴とする請求項2又は請求項3の何れか1項に記載の水圧転写シート。
【請求項5】
前記導電性パターン層は、少なくとも一部が絶縁層を介した複数の導電性パターン要素が積層配置された構造を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の水圧転写シート。
【請求項6】
前記導電性パターン層が電気回路、コンデンサ、静電容量スイッチ、アンテナ、無線周波数識別素子またはコイルの何れかであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の水圧転写シート。
【請求項7】
水溶性フィルムの表面に少なくとも導電性パターン層を備えた転写層を有する水圧転写シートに活性剤を塗布して水圧転写槽の水面に配置し、前記水圧転写シートに被転写体を押し当て、前記被転写体の表面に前記転写層を水圧で転写して水圧転写品を得る水圧転写方法において、
前記導電性パターン層は透明な導電インクからなり、前記導電インクはポリチオフェン系化合物、ポリアニリン系化合物、グラフェンからなる群より選択される導電性成分を含んでなることを特徴とする水圧転写方法。
【請求項8】
前記活性剤が溶剤系活性剤組成物であることを特徴とする請求項7に記載の水圧転写方法。
【請求項9】
前記導電性成分がポリチオフェン系化合物であり、前記活性剤が水系活性剤組成物であることを特徴とする請求項7に記載の水圧転写方法。
【請求項10】
前記被転写体は被転写面に電気回路を備えており、前記導電性パターン層の少なくとも一部が前記電気回路と通電可能に接触するように転写されることを特徴とする請求項7~9のいずれか一項に記載の水圧転写方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、曲面を有する物品表面に柄模様などの装飾パターンに同調して電気回路パターンを転写形成するための水圧転写シートと、その水圧転写シートを用いた水圧転写方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
導電性インクを用いた回路パターンの形成方法として、スクリーン印刷法が一般的に採用されており、近年のエレクトロニクス製品の設計おいては、デザイン性を考慮した様々な形状設計の新たなニーズとして、筐体形状や実装基板形状に依存することなく、球体形状や曲面形状といった非平面の基板上に回路パターンを形成する技術の要求が高まってきている。しかし、このニーズに対して、従来から広く採用されているスクリーン印刷法の適用は困難であることが多い。
【0003】
このような非平面状の物品の表面に印刷パターンを転写する技術として、水溶性フィルム(キャリアフィルム)の上に非水溶性の印刷パターンを有する水圧転写シートを転写槽内の水面上に浮かばせ、この水圧転写シートの水溶性フィルムを水で膨潤させた上で、物品(被転写体)をこの水圧転写シートの印刷パターンに接触させながら転写槽内の水中に押し入れ、この際に物品の表面に対して発生する水圧を利用して水圧転写シートの印刷パターンを物品の表面に転写する水圧転写方法が用いられている。
【0004】
水圧転写方法は、主に曲面を有する物品への加飾に適用されているが、印刷パターンが導電性インクを適用した回路パターンとして転写することが提案されている。例えば特許文献1には、第1種の溶媒に可溶な材料からなる第1のベースフィルムと、第2のベースフィルム上に形成された、導電性接着剤からなる導電性パターンと、を有する回路パターン形成用転写フィルムを用いて、回路パターン形成用転写フィルムを第1種の溶媒に浮かべる工程と、回路パターン形成用転写フィルム上に基材を載置する工程と、基材と共に回路パターン形成用転写フィルムを第1種の溶媒中に沈めて第1のベースフィルムを溶解ないし剥離する工程と、基材と共に、第1のベースフィルムが除去された回路パターン形成用転写フィルムを第2種の溶媒中に沈めて第2のベースフィルムを溶解ないし剥離する工程と、基材上に残された導電性パターンに熱処理を行なって導電性接着剤の硬化ないし固化を行なう工程と、を有することを特徴とする回路パターンの形成方法が提案されており、大きな曲率の曲面に対しても断線を発生させることなく回路パターンを形成できるものである。
【0005】
また、特許文献2には、液体に対する可溶性または液体に起因する膨潤性を有する基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた下地層と、少なくとも部分的に下地層上に設けられた回路層と、を備え、回路層は、少なくとも部分的に下地層上に設けられた複数の導電パターンを有し、下地層は、電子線照射、紫外線照射、電磁波照射、荷電粒子線照射または加熱によって硬化する硬化性樹脂から構成された転写箔を用いて、水圧転写することによって、被転写物上に複数の導電パターンを形成する方法が提案されている。特許文献2の方法によって、高い位置精度で物品の表面に導電パターンを形成することができるようになった。
【0006】
さらに近年は、水圧転写方法の従来の適用目的である柄や模様などの加飾柄と、特許文献1や特許文献2の方法などを応用した電気回路パターンと、を複合した機能性装飾の開発が求められてきている。加飾層と電気回路パターンを複合する方法としては、特許文献1や特許文献2の方法で電気回路パターンを被転写物上に形成した後に公知の方法で電気回路パターン上に加飾層を積層する方法や、予め被転写物上に加飾層を形成しておき、加飾層上に電気回路パターンを転写する方法が適用できるが、電気回路パターンと加飾層の形成工程を個別に実施しなければならないため、生産性の観点から予め電気回路パターンと加飾層が積層形成された水圧転写シートを用いて水圧転写加工する方法が有利である。
【0007】
しかし、予め電気回路パターンと加飾層が積層形成された水圧転写シートを適用する場合には、加飾層の柄や模様が電気回路パターンとの積層によって、意匠が阻害されないようにする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第5472098号公報
特開2016-060089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明者は、電気回路パターンを透明にすることによって、有色の電気回路パターンの場合に生じる意匠性の制約が解消されて、電気回路パターンと複合しつつ加飾層を自由にデザインすることができるものと考えた。しかし、従来の透明導電インクで電気回路パターンを透明化はできるものの、水圧転写加工性と導通性(断線の回避)の確保するのは困難であることが判明した。
【0010】
従って、本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、透明な導電パターンと加飾層が複合された機能性装飾層を形成した水圧転写品を得るにあたり、その第1の目的は、水圧転写加工性と導通性に優れる導電パターン層を有する水圧転写シートを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、水圧転写加工性と導通性に優れる導電パターンと加飾層が複合された転写層を備えた水圧転写シートを提供することにある。
(【0011】以降は省略されています)

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