TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2024040871
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-03-26
出願番号
2022145506
出願日
2022-09-13
発明の名称
貝殻の表面処理剤及び貝殻の表面処理方法
出願人
個人
代理人
個人
主分類
B44C
5/06 20060101AFI20240318BHJP(装飾技術)
要約
【課題】 貝殻の外側層をムラなく溶解できるようにして、処理工数を低減し、処理効率の向上を図る。
【解決手段】 貝殻Sの表面を処理する貝殻の表面処理方法において、貝殻Sを洗浄して乾燥する前処理工程(1)と、前処理工程後に貝殻Sの内表面を剥離可能なコーティング材Cで被覆するコーティング工程(2)と、コーティング工程後に、貝殻Sを、銀杏1の外皮2の液状成分を70重量%以上含む表面処理剤Fに所要時間浸漬する浸漬工程(3)と、浸漬工程後に、貝殻Sを洗浄するとともにコーティング材Cを除去する後処理工程(4)とを備えた。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
貝殻の表面を処理する貝殻の表面処理剤において、
銀杏の外皮の液状成分を70重量%以上含むことを特徴とする貝殻の表面処理剤。
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
銀杏の外皮を90重量%以上含むことを特徴とする請求項1記載の貝殻の表面処理剤。
【請求項3】
貝殻の表面を処理する貝殻の表面処理方法において、
貝殻を洗浄して乾燥する前処理工程と、
該前処理工程後に、貝殻を、銀杏の外皮の液状成分を70重量%以上含む表面処理剤に所要時間浸漬する浸漬工程と、
該浸漬工程後に、貝殻を洗浄する後処理工程とを備えたことを特徴とする貝殻の表面処理方法。
【請求項4】
上記浸漬工程で用いる表面処理剤は、銀杏の外皮を90重量%以上含むことを特徴とする請求項3記載の貝殻の表面処理方法。
【請求項5】
貝殻は、真珠層を有している貝殻であり、上記浸漬工程において、貝殻を、2~3週間浸漬することを特徴とする請求項4記載の貝殻の表面処理方法。
【請求項6】
上記前処理工程後であって上記浸漬工程前に、貝殻の内表面を剥離可能なコーティング材で被覆するコーティング工程を備え、
上記後処理工程において、貝殻からコーティング材を除去することを特徴とする請求項3乃至5何れかに記載の貝殻の表面処理方法。
【請求項7】
貝殻は、アワビ貝の貝殻であることを特徴とする請求項6記載の貝殻の表面処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アワビ等の貝殻を装飾品として加工する技術に係り、特に、貝殻の表面を処理するための貝殻の表面処理剤及びこれを用いて貝殻の表面を処理する貝殻の表面処理方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
一般に、アワビ等の貝殻において、その表面から不要部分を除去する表面処理を行ない、光沢のある表面を露出させて装飾品として加工することを行っている。従来、この種の表面処理方法としては、例えば、特開2010-120357号公報に掲載された技術が知られている。これは、真珠層を有したアワビの貝殻を処理する技術であり、貝殻を、表面処理剤としての酢酸に浸漬し、外側層を溶解して真珠層を露出させる。この場合、未だ真珠層が露出しない部位と、真珠層が露出する部位とが生じ、そのまま、酢酸中で処理すると、真珠層の溶解が進行するので、一度、サラダ油を塗布し、再度酢酸中に浸漬して処理し、サラダ油により、一度露出した真珠層を保護して外側層を除去するようにしている。
【0003】
このように、酢酸の処理の過程で、未だ真珠層が露出しない部位と、真珠層が露出する部位とが生じるのは、アワビ等の貝殻の表面には、石灰質の付着物、あるいは、フジツボ等の甲殻類,ゴカイ等の多毛類,ヒドロ虫類等の生物の付着物が付着しており、これらが邪魔をして貝殻の溶解にムラができ易くなることに起因すると考えられる。また、酢酸は、一度露出した真珠層に対しても、外側層と同様に作用することにも起因していると考えられる。真珠層の溶解が進行すると、貝殻に孔が空いたり、孔が空かないとしても真珠層の内部の光沢は外面側に比較して劣り、その分、品質を低下させる。そのため、従来においては、サラダ油を用いて、一度露出した真珠層を保護するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-120357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の貝殻の表面処理方法においては、酢酸の処理の過程で、未だ真珠層が露出しない部位と、真珠層が露出する部位とが生じやすいことから、一度、サラダ油を塗布し、再度酢酸中に浸漬して処理し、サラダ油により、一度露出した真珠層を保護して外側層を除去するようにしているが、サラダ油を塗布する工程がある分、工数が多くなり、処理効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為されたもので、貝殻の外側層をムラなく溶解できるようにして、処理工数を低減し、処理効率の向上を図った貝殻の表面処理剤及び貝殻の表面処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者は、長年の研究により、イチョウの種子である銀杏の外皮が、貝殻の表面処理に極めて有効であることを見出して本発明を完成させた。イチョウの種子である銀杏は、悪臭のある肉質黄褐色の外皮と、これに覆われ硬い殻を形成する内皮と、これに覆われ可食の胚乳(さね、核あるいは仁とも言う)とからなる。外皮には、酪酸(ブタン酸),へプタン酸(エナント酸,ヘプチル酸),カプロン酸(ヘキサン酸),有毒成分のギンコール酸,ヒドロギンコール酸,ヒドロギンコリン酸,ギンノール,ビロボールやイチョウ酸が含まれている。また、中毒性の4’-メトキシピリドキシンの存在も知られている。
【0008】
即ち、本発明の貝殻の表面処理剤は、貝殻の表面を処理する貝殻の表面処理剤において、銀杏の外皮の液状成分を70重量%以上含む構成としている。外皮は、果肉様であり、熟成したものを用いる。外皮の液分量は、75重量%以上であり、これを果肉様部分とともにそのまま用い、あるいは、搾汁して液状にしたものを用いることができる。また、これらに、水を添加してある程度希釈しても良い。その酸性度pHは、pH=4~6である。
【0009】
貝殻はどのような種類の貝殻であっても良い。装飾品の目的で利用する代表的な資源を挙げると、真珠層を有した貝殻が挙げられる。例えば、ウグイスガイ科の真珠貝類、イシガイ科,カワシンジュガイ科といった淡水産二枚貝類、アワビ,アコヤガイやヤコウガイ等を挙げることができる。真珠層を持たない例えばアサリやホタテガイも挙げることができる。ここでは、貝殻の種類は限定されない。
【0010】
これにより、貝殻を表面処理剤に浸漬すると、銀杏の外皮の液状成分により、貝殻の表面が溶解していく。この場合、その溶解の度合いは比較的緩慢であり、しかも、貝殻の表面には、石灰質の付着物、あるいは、フジツボ等の甲殻類,ゴカイ等の多毛類,ヒドロ虫類等の生物の付着物が付着していることが多いが、この付着物があっても、この付着物に浸透して溶解して脆くするとともに、付着物と貝殻の外側層との間に浸入して外側層を溶解していく。そのため、貝殻の外側層が、比較的均等に溶解していき、例えば、真珠層のある貝殻の場合では、ほとんどムラなく外側層を溶解して真珠層を露出させるようになる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
個人
キャンバス張り器
2か月前
個人
立体絵画の制作方法
7か月前
株式会社文創
壁紙糊付装置
1か月前
中国電力株式会社
物品仮固定具
7か月前
個人
昇華転写接着シート
3か月前
フジコピアン株式会社
中間転写フィルム
3か月前
昌栄印刷株式会社
転写シート
9か月前
株式会社電気印刷研究所
箔転写物の製造方法
9日前
個人
貝殻の表面処理剤及び貝殻の表面処理方法
9か月前
東レ株式会社
加飾フィルムおよび加飾フィルムの製造方法
16日前
日本クロージャー株式会社
接続具
2か月前
日本クロージャー株式会社
接続具
6か月前
セイコーエプソン株式会社
畳表の転写方法、畳表
10か月前
積水化学工業株式会社
転写式硬化性樹脂シート、車両及び車両部品
2か月前
合同会社egmoth
汎用性・量産性の高いコインを用いた芸術作品の表現方法
11か月前
株式会社コシバアンドアソシエイツ
水転写式ジグソーパズル作成セット
7か月前
有限会社芳美商事
インテリア、インテリアの製造方法及びインテリアの設置方法
8か月前
株式会社名栄社
加飾部品、加飾部品の製造方法
4か月前
大日本印刷株式会社
化粧材
6か月前
株式会社 カワダ
装飾品の作製キット及び装飾品の作製キットの製造方法、並びに装飾品の製造方法
12か月前
理想科学工業株式会社
転写シートの製造方法、及び転写シートの製造方法に用いる水性接着液
10か月前
理想科学工業株式会社
転写シートの製造方法、転写シートの製造方法に用いる水性接着液、及び転写物の製造方法
10か月前
キム、キボム
アルミニウム製キャンバスフレームにおけるキャンパス生地の固定装置
4か月前
アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
プラズマ処理チャンバ内のウエハキャリアのための高度な温度制御
8か月前
コニカミノルタ株式会社
データ解析支援方法、当該方法をコンピューターに実行させるプログラム、および情報処理装置
6か月前
日本放送協会
送信装置及び受信装置
1か月前
パナソニックIPマネジメント株式会社
送信装置及び送信方法
8か月前
日本放送協会
衛星放送受信システム
1か月前
ソニーグループ株式会社
送信装置、及び送信方法
3か月前
スリーティー バイオサイエンシズ,インコーポレイテッド
ヒト白血球抗原によって提示されるランダム化ペプチドライブラリー
3か月前
日本放送協会
送信装置、受信装置、及びプログラム
1か月前
キヤノン株式会社
画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、およびプログラム
7か月前
パナソニックIPマネジメント株式会社
送信方法、受信方法、送信装置及び受信装置
11か月前
株式会社東芝
ハンドリングシステム、情報処理装置、方法、プログラム、情報処理システム、およびデータ構造
2か月前
パナソニックIPマネジメント株式会社
送信方法、受信方法、送信装置及び受信装置
7か月前
クリスパー セラピューティクス アクチェンゲゼルシャフト
ユニバーサルドナー細胞
4か月前
続きを見る
他の特許を見る