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公開番号2024031213
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022134634
出願日2022-08-26
発明の名称転写シート
出願人昌栄印刷株式会社
代理人個人,個人
主分類B44C 1/17 20060101AFI20240229BHJP(装飾技術)
要約【課題】転写後の粘着層、界面層、図柄層および表面保護層とが順次積層されてなる転写層において、その柔軟性を損なうことなく、引っかき試験などにおける高い耐キズ性と強力な接着力を発揮し、さらに常温で転写させることが可能な高硬度高粘着性の転写シートを提供する。
【解決手段】本発明によれば、離型フィルムと、粘着層と界面層と図柄層と表面保護層とが順次積層されてなる転写層と、そしてアプリケーションフィルムとが順次積層された転写シートにおいて、ガラス製の基材の上に、前記粘着層と、そして標準フィルムとを順次積層した試料Aを用いて、ナノインデンテーション法により測定した該粘着層のナノインデンテーション硬度が25.0MPa以上であることを特徴とする高硬度・高粘着性の転写シートが提供される。
【選択図】 図1


特許請求の範囲【請求項1】
離型フィルムと、
前記離型フィルムの上に粘着層と界面層と図柄層と表面保護層とが順次積層されてなる転写層と、そして
前記転写層の上にアプリケーションフィルムとが積層された転写シートにおいて、
ガラス製の基材の上に前記粘着層と標準フィルムとを順次積層した試料Aを用いて測定した前記粘着層のナノインデンテーション硬度が25.0MPa以上であることを特徴とする高硬度・高粘着性の転写シート。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記粘着層のナノインデンテーション硬度と、そして
ガラス製の基材の上に、標準硬化粘着層と、前記標準硬化粘着層の上に前記界面層と前記図柄層と前記表面保護層とが順次積層されてなる粘着層以外の転写層とを積層した試料Bを用いて測定した前記粘着層以外の転写層のナノインデンテーション硬度との硬度比(粘着層のナノインデンテーション硬度/粘着層以外の転写層のナノインデンテーション硬度)が0.35以上であることを特徴とする請求項1に記載の高硬度・高粘着性の転写シート。
【請求項3】
ガラス製の基材の上に転写させて測定した前記転写層のナノインデンテーション硬度が33.0MPa以上であることを特徴とする請求項2に記載の高硬度・高粘着性の転写シート。
【請求項4】
感圧性の転写シートであることを特徴とする請求項3に記載の高硬度・高粘着性の転写シート。
【請求項5】
前記粘着層は、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂から形成されていることを特徴とする請求項4に記載の高硬度・高粘着性の転写シート。
【請求項6】
前記粘着層の厚みは、5~50μmであることを特徴とする請求項5に記載の高硬度・高粘着性の転写シート。
【請求項7】
前記表面保護層は、アクリル系紫外線硬化型樹脂またはアクリル系2液硬化型樹脂から形成されていることを特徴とする請求項4に記載の高硬度・高粘着性の転写シート。
【請求項8】
前記表面保護層の厚みは、5~50μmであることを特徴とする請求項7に記載の高硬度・高粘着性の転写シート。
【請求項9】
6Hの鉛筆を用いて引っかき速度1.0mm/秒の条件で測定した前記転写層の引っかき試験における耐荷重が1000g以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の高硬度・高粘着性の転写シート。
【請求項10】
ステンレス製の基材の上に前記転写層を転写させた後、前記転写層を前記基材から剥離させるための剥離強度が4.8N/10mm以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の高硬度・高粘着性の転写シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の試料を用いて、ナノインデンテーション法により測定した粘着層のナノインデンテーション硬度が25.0MPa以上であることを特徴とする高硬度・高粘着性の転写シートに関し、特に加熱することなく圧力を加えることで転写させることが可能な感圧性の高硬度・高粘着性の転写シートに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、被着体を装飾等する手段として、転写シートを用いて転写層を被着体の表面に転写(接着)する方法が知られている。転写シートは、通常離型フィルムと、該離型フィルムの上に順次積層された粘着層、界面層、図柄層および表面保護層とからなる転写層と、そして該転写層(表面保護層)の上に積層されたアプリケーションフィルムとから構成されており、離型フィルムを剥がして転写シートを被着体の表面に加圧および/または加熱して密着させ、最後にアプリケーションフィルムを剥離することにより、被着体の表面に転写層のみを転写(接着)させて装飾などを施すものである。
【0003】
ところで、近年では、転写シートはその用途の拡大に伴って、転写後の転写層においても様々な形状の被着体に対して馴染むことができる高度な柔軟性と、引っかき硬度試験(鉛筆法)などにおける高い耐キズ性や該耐キズ性を発揮する高い硬度、強力な接着力が求められるようになっている。
【0004】
このようなニーズに応えるため、例えば特開2007-253341号公報(特許文献1)では、転写後の最表層を薄膜の非常に滑りやすい成分で構成し、またその下層には高硬度の層を積層することにより、表面保護層の滑り性と高い硬度を付与したハードコート転写材が開発されている。また、特開2018-69525号公報(特許文献2)では、表面保護層を、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性樹脂を含み、硬化性樹脂の重量平均分子量が5000以上300000以下とすることにより、転写/硬化前の鉛筆硬度をB以下と柔らかくし、転写/硬化後の鉛筆硬度をHB以上の高い硬度となるようにすることで、転写/硬化前の一定の柔軟性を維持しながら、転写/硬化後の耐キズ性を高めた転写フィルムが開発されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のハードコート転写材や特許文献2に記載の転写フィルムは、基本的に粘着層を除いた転写/硬化後の表面保護層などの転写層に高い鉛筆硬度を付与するものであるため、転写/硬化後は柔軟性に乏しく、それらの転写材や転写フィルムを、例えば布などの凹凸がある柔らかな材料に転写すると高い粘着力を得られず、また皺やひび割れ等を生じて外観不良を起こし、鉛筆硬度などで表される耐キズ性も十分でないという問題があった。
【0006】
また、上述したような高い硬度が付与される転写フィルムは、転写時に熱を加える必要のある感熱性の転写フィルムであるため、被着体が熱に弱いなどの理由により加熱できない場合、被着体との強力な接着性を得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2007-253341号公報
特開2018-69525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、転写後の粘着層、界面層、図柄層および表面保護層とが順次積層されてなる転写層において、その柔軟性を損なうことなく、引っかき試験などにおける高い耐キズ性と強力な接着力を発揮し、さらに加熱することなく圧力を加えることで転写させることが可能な高硬度・高粘着性の転写シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、鉛筆引っかき試験などにおいて高い耐キズ性などを発揮する転写シートの層構成や各層の組成などについて鋭意研究を重ねた結果、驚くことに、転写層へ高い耐キズ性を付与するためには、粘着層を除いた転写層の硬度を高めるのではなく、その下層の粘着層の硬度を高めることの方が効果的であり、その柔軟性や接着性も損なわれないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明によれば、離型フィルムと、該離型フィルムの上に粘着層と界面層と図柄層と表面保護層とが順次積層されてなる転写層と、そして該転写層の上にアプリケーションフィルムとが積層された転写シートにおいて、ガラス製の基材の上に前記粘着層と標準フィルムとを順次積層した試料Aを用いて、ISO14577に準拠したナノインデンテーション法により測定した該粘着層のナノインデンテーション硬度が好ましくは25.0MPa以上、より好ましくは30.0MPa以上であることを特徴とする高硬度・高粘着性の転写シートが提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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