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公開番号2023078976
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192337
出願日2021-11-26
発明の名称薬剤用容器
出願人エステー株式会社
代理人個人
主分類B65D 51/24 20060101AFI20230531BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】外観性を向上させるとともに持ち運び時の負担を軽減できる。
【解決手段】蓋体30の頂壁部34上に、互いに対向する筒状壁32の内周面3202の箇所にそれぞれ揺動可能に支持された一対の支軸部52と、一対の支軸部52から半円弧状に延在する取っ手本体54とを備える取っ手50を設け、取っ手本体54は、均一の半径で半円弧状に延在し倒伏位置で内周面3202に対向する外周部5402(外周板56)と、外周部5402に接続され外周部5402の半径方向内側に位置する内周部5404(内周板58)とを有し、取っ手本体54の内周部5404が、内周部5404の延在方向の中央から離れるにつれて外周部5402と内周部5404との距離を次第に小さくする半円弧状に延在している。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項１】
開口部を有し揮散性薬剤が収容される容器本体と、前記開口部に取り付けられる蓋体とを備え、前記蓋体は、前記開口部に着脱可能に結合する筒状壁と、前記筒状壁の内周面を接続し揮散孔が設けられた平面視円形の頂壁部とを有する薬剤用容器であって、
前記頂壁部上に、互いに対向する前記内周面の箇所にそれぞれ揺動可能に支持された一対の支軸部と、前記一対の支軸部から半円弧状に延在する取っ手本体とを備える取っ手が設けられ、
前記取っ手本体は、均一の半径で半円弧状に延在し前記取っ手本体が前記頂壁部上に寝かされた倒伏位置で前記内周面に対向する外周部と、前記外周部に接続され前記外周部の半径方向内側に位置する内周部とを有し、
前記内周部は、前記内周部の延在方向の中央から離れるにつれて前記外周部と前記内周部との距離を次第に小さくする半円弧状に延在している、
ことを特徴とする薬剤用容器。
続きを表示（約 720 文字）【請求項２】
前記内周部を構成する半円弧は、前記外周部を構成する半円弧の半径よりも小さい寸法で、前記外周部の半円弧の中心から離れた箇所を中心とした半径で形成されている、
ことを特徴とする請求項１記載の薬剤用容器。
【請求項３】
前記外周部と前記内周部は、前記倒伏位置で前記頂壁部と直交する方向に延在する幅を有し、
前記内周部の延在方向の中央部で幅方向の両端に位置する箇所に、前記内周部の幅を小さくし前記倒伏位置で前記頂壁部と前記内周部との間に指先を挿入し易くし指先の前記内周部への係止を可能とする係止凹部が設けられている、
ことを特徴とする請求項２記載の薬剤用容器。
【請求項４】
前記蓋体は、前記頂壁部と前記筒状壁の内周面とにより上方に開放状の凹部が形成され、
前記外周部の幅は、前記倒伏位置で前記凹部外に突出しない内に収容される寸法で形成され、
前記内周部の延在方向の前記中央部を除いた前記内周部の幅と、前記外周部の幅とは、等しい寸法で形成されている、
ことを特徴とする請求項３記載の薬剤用容器。
【請求項５】
前記取っ手本体をその延在方向と直交する平面で切断した断面形状は、前記幅方向に細長状で前記外周部を構成する外周板と、前記外周板に対向し前記幅方向に細長状で前記内周部を構成する内周板と、前記幅方向と直交する方向に延在し前記外周板と前記内周板の前記幅方向の中間部を接続する中間板とを含んで構成され、
前記係止凹部は前記内周板の前記幅方向の両端に設けられている、
ことを特徴とする請求項３または４記載の薬剤用容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、薬剤用容器に関する。
続きを表示（約 4,500 文字）【背景技術】
【０００２】
薬剤揮散器は、薬剤用容器と、この薬剤用容器に収容される揮散性を有する薬剤とで構成され、薬剤として、例えば、消臭剤や芳香剤、殺虫剤、防かび剤、殺菌剤、防虫剤、忌避剤などが用いられている。
薬剤用容器は、開口部を有し薬剤を収容する容器本体と、容器本体の開口部に着脱可能に取り付けられ複数の揮散孔を有する蓋体とを備え、開口部は、使用時に剥がされるシールで閉塞されている（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１７－１０９７５１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
このような薬剤揮散器として、一般家庭用のものと、病院や介護施設、オフィス、公共施設など使用される業務用のものとが提供されている。
業務用の薬剤揮散器の場合、使用期間の長い商品が望まれ、そのため容積を大きくした薬剤用容器が用いられ、収容する薬剤の量を増やしており、１つの薬剤揮散器の重量が１ｋｇや１.５ｋｇを超えるものもある。
【０００５】
このような業務用の薬剤揮散器には、持ち運びの利便性を考慮して蓋体に取っ手を取り付けた形態のものが知られている。
例えば、薬剤用容器の円形状の蓋体に半円弧状の取っ手を取り付ける形態として、蓋体の外周に沿って取っ手を取り付ける形態と、蓋体の上面に形成された凹部の内周に沿って取っ手を取り付ける形態とが知られている。
前者の蓋体の外周に沿って取っ手を取り付ける形態は、商品全体を正面から見た際に、形状的に蓋体と取っ手とが不連続となり、デザイン性が棄損され外観性に劣る。また、取っ手を取り付けた箇所の外径が一回り大きくなるため、蓋体の外周に凹凸ができてしまい、蓋体を回して容器本体から着脱する際、蓋体が掴みにくく操作性が悪い。
一方、後者の蓋体に形成された凹部の内周に沿って取っ手を取り付ける形態は、外観性を向上できるものの、取っ手の直径が小さくなるため、薬剤揮散器を持ち運ぶ際に取っ手の内側に親指以外の４本の指を挿入しようとすると指が入れにくく、さらに、薬剤揮散器を持ち上げると中指と薬指に荷重が集中し、離れた場所に薬剤揮散器を持ち運ぶ場合、持ち運ぶ人にとって大きな負担が掛かる作業となっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、外観性を向上させるとともに持ち運び時の負担を軽減できる薬剤用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上述した目的を達成するため本発明の一実施形態は、開口部を有し揮散性薬剤が収容される容器本体と、前記開口部に取り付けられる蓋体とを備え、前記蓋体は、前記開口部に着脱可能に結合する筒状壁と、前記筒状壁の内周面を接続し揮散孔が設けられた平面視円形の頂壁部とを有する薬剤用容器であって、前記頂壁部上に、互いに対向する前記内周面の箇所にそれぞれ揺動可能に支持された一対の支軸部と、前記一対の支軸部から半円弧状に延在する取っ手本体とを備える取っ手が設けられ、前記取っ手本体は、均一の半径で半円弧状に延在し前記取っ手本体が前記頂壁部上に寝かされた倒伏位置で前記内周面に対向する外周部と、前記外周部に接続され前記外周部の半径方向内側に位置する内周部とを有し、前記内周部は、前記内周部の延在方向の中央から離れるにつれて前記外周部と前記内周部との距離を次第に小さくする半円弧状に延在していることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記内周部を構成する半円弧は、前記外周部を構成する半円弧の半径よりも小さい寸法で、前記外周部の半円弧の中心から離れた箇所を中心とした半径で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記外周部と前記内周部は、前記倒伏位置で前記頂壁部と直交する方向に延在する幅を有し、前記内周部の延在方向の中央部で幅方向の両端に位置する箇所に、前記内周部の幅を小さくし前記倒伏位置で前記頂壁部と前記内周部との間に指先を挿入し易くし指先の前記内周部への係止を可能とする係止凹部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記蓋体は、前記頂壁部と前記筒状壁の内周面とにより上方に開放状の凹部が形成され、前記外周部の幅は、前記倒伏位置で前記凹部外に突出しない内に収容される寸法で形成され、前記内周部の延在方向の前記中央部を除いた前記内周部の幅と、前記外周部の幅とは、等しい寸法で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記取っ手本体をその延在方向と直交する平面で切断した断面形状は、前記幅方向に細長状で前記外周部を構成する外周板と、前記外周板に対向し前記幅方向に細長状で前記内周部を構成する内周板と、前記幅方向と直交する方向に延在し前記外周板と前記内周板の前記幅方向の中間部を接続する中間板とを含んで構成され、前記係止凹部は前記内周板の前記幅方向の両端に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の一実施形態によれば、蓋体の頂壁部上に、互いに対向する筒状壁の内周面の箇所にそれぞれ揺動可能に支持された一対の支軸部と、一対の支軸部から半円弧状に延在する取っ手本体とを備える取っ手を設け、当該取っ手本体は、均一の半径で半円弧状に延在し取っ手本体が頂壁部上に寝かされた倒伏位置で内周面に対向する外周部と、外周部に接続され外周部の半径方向内側に位置する内周部とを有し、取っ手本体の内周部が、内周部の延在方向の中央から離れるにつれて外周部と内周部との距離を次第に小さくする半円弧状に延在している。したがって、薬剤揮散器の荷重を人差し指と中指と薬指と小指との４本の指に分散でき、外観性を向上させるとともに持ち運び時の負担を軽減する上で有利となり、薬剤揮散器の実用的価値、商品価値を高め、薬剤揮散器の購買量を増大する上で有利となる。また、一対の支軸部を近づける方向に片手で簡単に撓ませることができるため、取っ手の蓋体への取り付け作業の効率を高め、薬剤揮散器のコストダウンを図る上で有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、取っ手本体の内周部を構成する半円弧は、外周部を構成する半円弧の半径よりも小さい寸法で、外周部の半円弧の中心から離れた箇所を中心とした半径で形成する構成とすると、内周部を簡単に形成できるため、取っ手本体を容易に形成する上で有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、取っ手本体の内周部の延在方向の中央部で幅方向の両端に位置する箇所に、内周部の幅を小さくし倒伏位置で頂壁部と内周部との間に指先を挿入し易くし指先の内周部への係止を可能とする係止凹部を設けた構成とすると、指先が係止凹部に係止するため、取っ手を倒伏位置から起立位置に揺動させる操作を簡単に行なう上で有利となり、薬剤揮散器の実用的価値、商品価値を高め、薬剤揮散器の購買量を増大する上で有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、蓋体に頂壁部と筒状壁の内周面とにより上方に開放状の凹部を形成し、外周部の幅を、倒伏位置で凹部外に突出しない内に収容される寸法で形成し、内周部の延在方向の中央部を除いた内周部の幅と外周部の幅とを等しい寸法で形成すると、取っ手が突出することなく凹部内に収容され、薬剤用容器の外観性や運搬時の取り扱い性を高める上で有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、取っ手本体をその延在方向と直交する平面で切断した断面形状が、幅方向に細長状で外周部を構成する外周板と、外周板に対向し幅方向に細長状で内周部を構成する内周板と、幅方向と直交する方向に延在し外周板と内周板の幅方向の中間部を接続する中間板とを含んで構成し、係止凹部を内周板の幅方向の両端に設けた構成とすると、取っ手本体の軽量化を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
取っ手が倒伏位置にある場合の本実施の形態の薬剤揮散器の斜視図である。
取っ手が起立位置にある場合の本実施の形態の薬剤揮散器の斜視図である。
容器本体の斜視図である。
（Ａ）は取っ手を取り付けていない蓋体を上方から見た斜視図であって、（Ｂ）は取っ手が起立位置に位置した状態の蓋体を下方から見た斜視図である。
（Ａ）は蓋体の平面図、（Ｂ）は（Ａ）のＧ－Ｇ断面図、（Ｃ）は蓋体の下面図である。
取っ手の斜視図である。
（Ａ）は取っ手の正面図、（Ｂ）は（Ａ）のＦ－Ｆ断面図、（Ｃ）は取っ手の背面図、（Ｄ）は取っ手の側面図である。
（Ａ）～（Ｅ）は図７（Ａ）のＡ－Ａ断面図、Ｂ－Ｂ断面図、Ｃ－Ｃ断面図、Ｄ－Ｄ断面図、Ｅ－Ｅ断面図である。
（Ａ）は本実施の形態の取っ手に指を挿入した場合の説明図、（Ｂ）は従来の取っ手に指を挿入した場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図１、図２に示すように、薬剤揮散器１０は、揮散性薬剤（不図示）と、揮散性薬剤を収容する薬剤用容器１２とを含んで構成されている。
薬剤揮散器１０は、病院や介護施設、オフィス、公共施設などで使用される業務用であり、薬剤用容器１２の内部の容積は大きく、薬剤用容器１２に収容される揮散性薬剤の量も多く、薬剤揮散器１０は、例えば、１ｋｇ、１．５ｋｇの重量を有している。
揮散性薬剤は、例えば、消臭剤や芳香剤、殺虫剤、防かび剤、殺菌剤、防虫剤、忌避剤などが挙げられる。
揮散性薬剤は、例えば、揮散成分と揮散成分を揮散可能に保持する収縮性を有するゲル基剤とで構成された固形またはゲル状の薬剤であって、時間の経過に伴って揮散成分が揮散し体積が減少して収縮する。
【００１０】
薬剤用容器１２は、容器本体２０と、蓋体３０とを備えて構成されており、蓋体３０には取っ手５０が設けられている。
容器本体２０は、例えばポリエチレンテフタレート（ＰＥＴ）樹脂により形成されており、蓋体３０および取っ手５０は、例えばポリプロピレン（ＰＰ）樹脂により形成されている。
容器本体２０、蓋体３０および取っ手５０を形成する素材は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、収容する揮散性薬剤の成分に合わせて、ポリエチレン（ＰＥ）樹脂やポリスチレン（ＰＳ）樹脂、ポリカーボネート（ＰＣ）樹脂やポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）樹脂など従来公知の様々な材料が使用可能である。
（【００１１】以降は省略されています）

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