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公開番号2023077337
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-05
出願番号2021190617
出願日2021-11-24
発明の名称シンチレータプレート、放射線検出器、およびシンチレータプレートの製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類G21K 4/00 20060101AFI20230529BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】 高い分解能と防湿性を両立するシンチレータプレートを提供する。
【解決手段】 基板上に形成され照射された放射線に応じた光を発する所定の柱径を有する柱状結晶と、柱状結晶を覆うように設けられ柱状結晶を水蒸気から保護するための所定の厚さを有する保護膜と、を有するシンチレータプレートである。保護膜の算術平均粗さの値が柱径の値以下であり、かつ、保護膜の厚さの値が柱径の値の4倍以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板上に形成され照射された放射線に応じた光を発する所定の柱径を有する柱状結晶と、
前記柱状結晶を覆うように設けられ前記柱状結晶を水蒸気から保護するための保護膜と、を有するシンチレータプレートであって、
前記保護膜の算術平均粗さの値が前記所定の柱径の値以下であり、かつ、前記保護膜の厚さの値が前記所定の柱径の値の4倍以下であることを特徴とするシンチレータプレート。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記保護膜は算術平均粗さの値が前記所定の柱径の値の10%以下であり、かつ、前記保護膜の厚さの値が前記所定の柱径の値の0.5倍以上かつ4倍以下であることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータプレート。
【請求項3】
前記保護膜は、前記柱状結晶の側壁を、前記柱状結晶の先端から前記柱状結晶の高さの50%以下の領域で被覆していることを特徴とする請求項1または2に記載のシンチレータプレート。
【請求項4】
前記保護膜は、シリカからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシンチレータプレート。
【請求項5】
前記柱状結晶は、ハロゲン化アルカリ金属化合物からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシンチレータプレート。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシンチレータプレートと、
前記シンチレータプレートからの光を電荷へと変換する光センサと、を有すること
を特徴とする放射線検出器。
【請求項7】
基板上に形成される柱状結晶の集合体からなる蛍光体を準備する準備工程と、
保護膜の原料を塗布および乾燥して前記蛍光体を覆うように前記保護膜を形成する形成工程と、を行うシンチレータプレートの製造方法であって、
前記形成工程の前に、平坦化処理により前記柱状結晶の表面粗さを低減する平坦化工程を行うことを特徴とする製造方法。
【請求項8】
前記形成工程は、スピンコート法により前記保護膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記形成工程は、スプレーコート法により前記保護膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
前記形成工程は、前記保護膜の原料としてポリシラザンを含むことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シンチレータプレート、放射線検出器、およびシンチレータプレートの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
医療現場等でX線撮影に用いられているフラットパネルディテクタ(FPD)などでは、被写体を通過したX線を、基板上に形成した放射線検出材料である蛍光体(シンチレータプレート)で受け、その蛍光体が発した光を受光素子で検出している。その蛍光体の結晶部分には、発光した光を受光素子に効率よく伝達させるために、蒸着法にて作製された、例えばヨウ化セシウムなどのハロゲン化アルカリ金属の柱状結晶群、あるいは針状結晶群が用いられてきた。
【0003】
一般的にヨウ化セシウム柱状結晶の蒸着工程では、成膜初期に微細な結晶核が基板上に形成される。基板温度や圧力、成膜レートを選択することで、結晶核は<100>方位で優先的に成長して柱状結晶となり、成膜後期には径のサイズがより大きな柱状結晶となる。柱状結晶群は各々の柱状結晶間に空隙が形成されており、例えばヨウ化セシウムの屈折率(約1.8)と空気の屈折率(1.0)の比により、高屈折率なヨウ化セシウム柱状結晶中で光が全反射を繰り返し、効果的に受光素子に導波する。
【0004】
柱状結晶群はアスペクト比が高く、通常の平面膜と比べて比表面積が非常に大きい。特に潮解性を有するハロゲン化アルカリ金属の柱状結晶群の場合、大気に含まれる水蒸気に暴露されると容易に潮解し、柱状結晶同士が融着したり、側壁の平面性が損なわれたりする。潮解したハロゲン化アルカリ金属では、発光した光が受光素子に届く前に柱状結晶間を伝搬したり、界面で散乱したりする為、放射線検出器の空間分解能が低下する可能性がある。
【0005】
特許文献1には、柱状結晶群からなる蛍光体に対し、金属アルコキシドを原料とする第1保護層を柱状結晶の界面と化学結合させ、さらに第2保護層で封止する技術が開示されている。2つの保護層により、蛍光体と水蒸気の接触を防いで潮解を防ぎ、蛍光体の防湿性の低下防止と、空間分解能の低下抑制とを両立している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-041820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のように、金属アルコキシドを原料とする第1保護層は化学結合により形成される為、厚さは単分子層相当と薄く、さらに未反応の原料も存在することから、恒久的な防湿機能を有することは難しい。そのため、所望の防湿性を実現する為には、第1保護層よりも厚い、ポリパラキシリレンなどの第2保護層で凹凸のある柱状結晶の表面を確実に被覆することが必要となる。そのため、光学距離や光学界面が増加したり、第1保護層と第2保護層の密着性が不足したりして、結果として放射線画像の画質が低下する可能性がある。
【0008】
本発明は、高い分解能と防湿性を両立することが可能となるシンチレータプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、基板上に形成され照射された放射線に応じた光を発する所定の柱径を有する柱状結晶と、前記柱状結晶を覆うように設けられ前記柱状結晶を水蒸気から保護するための所定の厚さを有する保護膜と、を有するシンチレータプレートであって、前記保護膜の算術平均粗さの値が前記所定の柱径の値以下であり、かつ、前記所定の厚さの値が前記所定の柱径の値の4倍以下であることを特徴とするシンチレータプレートにより解決される。
【発明の効果】
【0010】
上記の特徴により、シンチレータプレートが高い分解能と防湿性を両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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