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公開番号2023074304
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-29
出願番号2021187184
出願日2021-11-17
発明の名称ナフサの検査方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 33/28 20060101AFI20230522BHJP(測定;試験)
要約【課題】管式加熱法又はスチーム・クラッキング法により、エーテルを含有するナフサを分解して低級オレフィンを製造するにあたり、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとしての合否を的確に判定するためのナフサの検査方法を提供する。
【解決手段】ガスクロマトグラフィー法によって測定した、ナフサ中の非対称構造を有するエーテルの含有量が、該エーテルに由来する酸素原子の含有量に換算して20,000質量ppm以下であるナフサを、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとして合格とするナフサの検査方法。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
管式加熱法又はスチーム・クラッキング法により、エーテルを含有するナフサを分解して低級オレフィンを製造するにあたり、該ナフサについて、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとしての合否を判定するためのナフサの検査方法であって、
ガスクロマトグラフィー法によって測定した、非対称構造を有する前記エーテルの含有量が、該エーテルに由来する酸素原子の含有量に換算して20,000質量ppm以下であるナフサを、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとして合格とする、ナフサの検査方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記エーテルに由来する酸素原子の含有量が0.1質量ppm以上であるナフサを、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとして合格とする、請求項1に記載の低級オレフィンのナフサの検査方法。
【請求項3】
前記エーテルが、エーテル結合を構成している酸素原子と結合する2つの炭素原子について、密度汎関数法によって求めた、一方の炭素原子の電荷E1と他方の炭素原子の電荷E2との差の絶対値ΔE(ΔE=|E1-E2|)が0.05[単位:e]以上である、請求項1又は2に記載のナフサの検査方法。
但し、eは電子素量を意味し、e=1.602176634×10
-19
[単位:C]である。
【請求項4】
さらに、比重が0.60g/ml以上0.80g/ml以下であるナフサを、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとして合格とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のナフサの検査方法。
【請求項5】
さらに、直鎖状パラフィンの含有量P1が20質量%以上70質量%以下で、分岐状パラフィンの含有量P2が20質量%以上70質量%以下であるナフサを、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとして合格とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のナフサの検査方法。
【請求項6】
さらに、前記P1の前記P2に対する比率(P1/P2)が0.3以上3.5以下であるナフサを、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとして合格とする、請求項5に記載のナフサの検査方法。
【請求項7】
前記ナフサが、在庫ナフサを有するタンク内に受入ナフサを受け入れて、混合した後の混合ナフサである、請求項1~6のいずれか1項に記載のナフサの検査方法。
【請求項8】
ガスクロマトグラフィー法によって測定した、前記エーテル由来のアルコールの含有量が10,000質量ppm以下である低級オレフィンを製造するための原料ナフサとしての合否を判定するナフサの検査方法である、請求項1~7のいずれか1項に記載のナフサの検査方法。
【請求項9】
前記エーテルがモノエーテルである、請求項1~8のいずれか1項に記載のナフサの検査方法。
【請求項10】
前記エーテルのエーテル結合を構成している酸素原子と結合する2つの炭素原子の一方がメチル基由来の炭素原子である、請求項1~9のいずれか1項に記載のナフサの検査方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、管式加熱法又はスチーム・クラッキング法により、ナフサを分解して低級オレフィンを製造するにあたり、低級オレフィンの製造に用いる原料ナフサとしての合否を判定する、ナフサの検査方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
Very Large Crude(Oil)Carrier(以下、「VLCC」と称する。)で運ばれてきたナフサは、エチレンやプロピレン等の石油化学製品を製造するエチレンプラントに供される前に、一旦ナフサタンクに揚げられる。原料ナフサは、その産出地により含有成分や性状に違いがあるため、上記の石油化学製品製造プロセスでは、運ばれてきたナフサをそのままエチレンプラントに供給することもあれば、或いは又、運ばれてきたナフサを予めタンク内に貯蔵されたナフサに適当な混合比率で混合したり、或いは、1つまたは2つ以上のタンク内に貯蔵されたナフサを適当な混合比率で混合したりしてエチレンプラントに供給して、各種石油化学製品の製造が行われる。
【0003】
エチレンやプロピレン等の低級オレフィンの代表的な製造方法としては、ナフサ(30~230℃程度の沸点範囲をもつ原油由来の炭化水素混合物)を水蒸気の存在下に熱分解(スチーム・クラッキング)する方法が知られている(例えば特許文献1)。
【0004】
ナフサには、含酸素化合物が含まれており、ナフサを熱分解して各種低級オレフィンを製造する際、含酸素化合物の熱分解物に由来するメタノールを生成する場合がある。なお、ナフサに含まれる含酸素化合物は種々存在するが、それら含酸素化合物からメタノールが生成する割合は一定ではなく、その詳細は明らかにされていない。
含酸素化合物の熱分解物に由来するメタノールは、プロピレン等の製品低級オレフィンに混入すると、プロピレン等の低級オレフィンを重合する際に用いる触媒の性能を低下させるという問題があった。
【0005】
このため、ナフサ中の含酸素化合物の含有濃度がナフサの品質の良否の判断基準とされており、通常、ナフサの購入者は、購入したナフサの含酸素化合物含有量を検査し、含酸素化合物含有量が所定値以下のナフサに、他のナフサをブレンドせずに低級オレフィンの製造に用いることもあれば、一方で、含酸素化合物含有量が多いナフサには、含酸素化合物含有濃度が低いナフサをブレンドし、ナフサ中の含酸素化合物の含有濃度を低減してから、低級オレフィンの製造に用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-40913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のとおり、従来、ナフサに含まれる含酸素化合物の種類と、該含酸素化合物の熱分解に由来するメタノールの生成量との関係についての詳細は明らかにされていなかった。そのため、ナフサ中の含酸素化合物の含有濃度からナフサの良否を判定しても、必ずしもその含有濃度に、実際に熱分解により低級オレフィンを製造した際のメタノール生成濃度が比例するとは限らなかった。即ち、メタノール生成濃度の低い良質なナフサを的確に判定する方法はこれまで知られていなかった。
【0008】
本発明はこれらの問題点を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、管式加熱法又はスチーム・クラッキング法により、エーテルを含有するナフサを分解して低級オレフィンを製造するにあたり、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとしての合否を的確に判定するためのナフサの検査方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、含酸素化合物の中でもエーテル結合の酸素原子に対して非対称構造を有する特定のエーテルが、ナフサの熱分解工程において分子中の特定の結合が選択的に分解し易く、特に、分解によりメタノールを生成し易いこと、該非対称構造を有する特定のエーテル、より好ましくは非対称構造を有する特定のエーテルの、エーテル結合の酸素原子に結合する2つの炭素原子の電荷の値の差の絶対値ΔE[単位:e]が所定値以上であるエーテルに由来する酸素原子の含有量でナフサの良否を判定できるとの知見を得、この知見に基づき本発明を完成させた。
【0010】
即ち、本発明は、
管式加熱法又はスチーム・クラッキング法により、エーテルを含有するナフサを分解して低級オレフィンを製造するにあたり、該ナフサについて、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとしての合否を判定するためのナフサの検査方法であって、
ガスクロマトグラフィー法によって測定した、非対称構造を有する前記エーテルの含有量が、該エーテルに由来する酸素原子の含有量に換算して20,000質量ppm以下であるナフサを、低級オレフィン製造に用いる原料ナフサとして合格とする、ナフサの検査方法、
を要旨とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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