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公開番号2025179509
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-10
出願番号2024086313
出願日2024-05-28
発明の名称抗菌剤、抗ウイルス剤
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A01N 59/20 20060101AFI20251203BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】色相の変化が比較的少なく、かつ、生産性が向上した有機系有彩色、あるいは、有機系無彩色であり、人体への健康有害性が比較的低い抗菌剤、抗ウイルス剤を提供することである。また、当該、抗菌剤、抗ウイルス剤を含有することを特徴とするインキ、印刷物、塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、および化粧品等を提供することにある。
【解決手段】有機顔料と銅化合物が担持した組成物が、抗菌剤、抗ウイルス剤として作用し、当該組成物を含有する成形物も同様に抗菌、抗ウイルス性を有することを見出し、上記の課題を解決できたものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機顔料または染料に、銅化合物が担持した顔料組成物を含有することを特徴とする抗菌剤、抗ウイルス剤。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記顔料組成物において、有機顔料または染料と銅化合物の質量比が、有機顔料:銅化合物=99.9:0.1~80:20である請求項1記載の抗菌剤、抗ウイルス剤。
【請求項3】
前記有機顔料が、フタロシアニン系化合物、キナクリドン系化合物、またはイソインドリン系化合物から選択される少なくとも一つ以上の化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌剤、抗ウイルス剤。
【請求項4】
前記銅化合物が、少なくともCu

Cl(OH)

またはCuOから選択される一つ以上の化合物を担持することを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌剤、抗ウイルス剤。
【請求項5】
請求項1または2に記載の抗菌剤、抗ウイルス剤を含有することを特徴とするインキ、印刷物、塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、および化粧品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は抗菌剤、抗ウイルス剤に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年居住空間の清浄性を維持したい要望が強く、多くの家庭や公共の室内において清潔環境維持のために空気清浄器や除菌スプレー等が設置されているが、空気中のゴミや塵を除去することによる単なる空気清浄の域を超え、抗菌機能、抗ウイルス機能、アレルゲン物質除去機能、脱臭機能の付与による高付加価値化も進められている。こうした高付加価値が要求される用途としては、例えば、繊維用途、プラスチック用途、塗料用途、インキ用途等が挙げられる。
繊維用途においては、抗菌性、あるいは、抗ウイルス性の付与方法として、抗菌剤、あるいは、抗ウイルス剤を繊維に練り込む方法や抗菌剤、あるいは、抗ウイルス剤を含有する溶液を繊維表面に固着させる方法がある。前記の繊維に練り込む方法の場合、一般的に洗濯耐久性が高いとされているが、紡糸時に高温となるため、有機系の抗菌剤、あるいは、抗ウイルス剤が熱分解する懸念があり、耐熱性の改善が望まれていた。一方、前記の繊維表面に固着させる方法の場合、一般に有機系の抗菌剤、あるいは、抗ウイルス剤、例えば第四級アンモニウム塩が用いられているが、洗濯することで抗菌性、あるいは、抗ウイルス性が低下するという課題があった。(特許文献1)。
塗料用途においては、繊維用途と同様に有機系の抗菌剤、あるいは、抗ウイルス剤が用いられる。しかしながら、アクリル/メラミン系塗料等では、加熱処理での硬化工程が必要であり、耐熱性が低いとされる有機系の抗菌剤、あるいは、抗ウイルス剤では処理対象面および処理対象物の熱劣化を引き起こす可能性があった(特許文献2)。そのような観点から、高温で処理する用途においては、耐熱性の改善が望まれていた。
抗菌剤、あるいは、抗ウイルス剤の含有量に関して、どの用途においても比較的少量で効果を発現する必要があり、繊維、プラスチック、塗膜等の表面に如何に効率よく抗菌剤、あるいは、抗ウイルス剤を露出させるかが、技術的に重要な課題となっている。(特許文献3、特許文献4)
一方、繊維用途、プラスチック用途、塗料用途、インキ用途等では、通常着色剤が含有されており、前記観点から、有機顔料に金属化合物をスパッタリングして有機顔料表面に金属化合物をコーティングすることにより抗菌性を付与した抗菌性組成物の例(特許文献5)がみられるが、有機顔料のような粉末へのスパッタリングは、一度に処理できる数量が少なく、かつ、スパッタリングに時間を要するため、生産性が非常に低いことが課題であった。また、前記抗菌性組成物は、顔料粒子全面に金属化合物が被覆されるため、有機顔料としての色目が大幅に損なわれるという課題もあった。
無機顔料においても、無機顔料の表面に酸化銀を担持することで抗菌性を付与した抗菌性組成物の例(特許文献6)がみられるが、酸化銀自体は通常黒色から褐色であり、色相の変化がみられない程度の酸化銀はナノ粒子化されている。しかしながら、銀系のナノ粒子は、人体の細胞内に入り込み、細胞を破壊する恐れがあるため、少しでも酸化銀ナノ粒子が脱落すると、皮膚を通して人体に入り込む可能性があり、健康有害性に懸念が存在する。
従って、本発明の課題は色相の変化が比較的少なく、かつ、生産性が向上した有機系有彩色、あるいは、有機系無彩色の抗菌性組成物、抗ウイルス性組成物を提供することである。また、人体への健康有害性が比較的低い抗菌性組成物、抗ウイルス性組成物である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-76188号公報
特開2017-014401号公報
特開2006-28453号公報
特開2022-93225号公報
特開平8-239302号公報
特表2006-523735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、色相の変化が比較的少なく、かつ、生産性が向上した有機系有彩色、あるいは、有機系無彩色であり、人体への健康有害性が比較的低い抗菌剤、抗ウイルス剤を提供することである。また、当該、抗菌剤、抗ウイルス剤を含有することを特徴とするインキ、印刷物、塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、および化粧品等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、有機顔料と銅化合物が担持した顔料組成物が、抗菌剤、抗ウイルス剤として作用し、当該組成物を含有する成形物も同様に抗菌、抗ウイルス性を有することを見出し、上記の課題を解決できたものである。
【0006】
すなわち本発明は、以下を含む。
【0007】
[1]有機顔料または染料に、銅化合物が担持した顔料組成物を含有することを特徴とする抗菌剤、抗ウイルス剤。
[2] 前記顔料組成物において、有機顔料または染料と銅化合物の質量比が、有機顔料:銅化合物=99.9:0.1~80:20である1記載の抗菌剤、抗ウイルス剤。
[3]前記有機顔料が、フタロシアニン系化合物、キナクリドン系化合物、またはイソインドリン系化合物 から選択される少なくとも一つ以上の化合物であることを特徴とする1または2に記載の抗菌剤、抗ウイルス剤。
[4]前記銅化合物が、少なくともCu

Cl(OH)

またはCuOから選択される一つ以上の化合物を担持することを特徴とする1または2に記載の抗菌剤、抗ウイルス剤。
[5]1~4いずれか一つに記載の抗菌剤、抗ウイルス剤を含有することを特徴とするインキ、印刷物、塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、および化粧品。
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の抗菌剤、抗ウイルス剤は、非水溶性であって抗菌、抗ウイルス作用を有し、耐熱性、耐光性が染料系の抗菌剤に比較して、顕著に高い性能を有する。また、インキ、印刷物、塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、および化粧品等のアプリケーションにおいても抗菌、抗ウイルス作用を有し、幅広い産業分野に使用することができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に示す本発明の実施形態は本発明の一部の実施形態を表すにすぎず、要旨を大幅に逸脱しない限りにおいて記載内容のみには限定されない。
【0010】
以下、本発明の抗菌剤、抗ウイルス剤について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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