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公開番号2025179300
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-10
出願番号2024085947
出願日2024-05-28
発明の名称水電解システム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類C25B 15/00 20060101AFI20251203BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】水電解システムの停止時に、水素極側の圧力が酸素極側の圧力より低くなり、水電解セルのシール性が劣化する虞があった。
【解決手段】電解質膜を水素極と酸素極で挟んだ水電解セルの前記水素極および前記酸素極間に電圧を印加することで水電解を行なう水電解システムに、背圧弁とこれを制御する制御部とを設ける。背圧弁は、水素極に接続され、水素極と大気との連通を制御する。制御部は、水電解セルによる水電解の停止中に、背圧弁の開度を制御して、水素極側の圧力が、酸素極側の圧力を上回るように、背圧弁の開度を制御する背圧弁制御を行なう。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電解質膜を水素極と酸素極で挟んだ水電解セルの前記水素極および前記酸素極間に電圧を印加することで水電解を行なう水電解システムであって、
前記水素極に接続され、前記水素極と大気との連通を制御する背圧弁と、
前記水電解セルによる前記水電解の停止中に、前記背圧弁の開度を制御して、前記水素極側の圧力が、前記酸素極側の圧力を上回るように、前記背圧弁の開度を制御する背圧弁制御を行なう制御部と、
を備えた水電解システム。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記水素極側の圧力および前記酸素極側の圧力を検出する圧力検出部を、更に備える、請求項1に記載の水電解システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記水電解セルによる前記水電解が停止された後、前記背圧弁制御を行ない、前記酸素極側に存在する純水をパージし、前記水素極側の圧力と前記酸素極側の圧力との差圧が、予め定めた停止判断閾値を確保した状態で、当該水電解システムを停止する、請求項1または請求項2に記載の水電解システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記水電解セルによる前記水電解の停止中に前記水素極側の圧力と前記酸素極側の圧力との差圧が予め定めた起動判断閾値を下回った場合には、前記水電解セルを起動して前記水素極側の圧力を高める保護運転を実行する、請求項3に記載の水電解システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記水電解の停止から前記保護運転の実行までの経過時間を計測し、次の水電解の停止の際に、前記停止判断閾値の大きさを、前記経過時間に従って設定する、請求項4に記載の水電解システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水電解システムに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
水を電解して水素や酸素を生成する水電解システムが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。こうした水電解システムでは、システムを停止している間に、水素極(カソード)側の水素が、酸素極(アノード)側に移動して、非所望の反応が生じないように、停止時間により、水素ガス側の排気弁を開けて、水素極の水素ガスをシステム外に排気する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-111981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水素極の水素ガスをシステム外に排出するために水素極に繋がる排気弁を開放する処置を繰り返すと、電解質膜を水素極と酸素極とで挟んだセルのシール構造の耐久性が低下する虞があった。これは、セルのシール構造は、通常、水素極の圧力が酸素極の圧力より大きいことを前提に設計されているためである。水素側の排気弁を開いて水素ガスを排気すると、水素極の圧力が低下し、水素極の圧力が酸素極の圧力より小さくなってしまう。この状態が繰り返されると、セル内のシール構造の耐久性が低下する場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の水電解システムは、電解質膜を水素極と酸素極で挟んだ水電解セルの前記水素極および前記酸素極間に電圧を印加することで水電解を行なう水電解システムであって、前記水素極に接続され、前記水素極と大気との連通を制御する背圧弁と、前記水電解セルによる前記水電解の停止中に、前記背圧弁の開度を制御して、前記水素極側の圧力が、前記酸素極側の圧力を上回るように、前記背圧弁の開度を制御する背圧弁制御を行なう制御部とを備える。こうすれば、水電解の停止の際に、背圧弁の開度を制御して、水素極側の圧力が、酸素極側の圧力を上回るように維持するので、水電解セルのシール性の劣化を抑制ないし回避できる。
(2)上記の構成において、前記水素極側の圧力および前記酸素極側の圧力を検出する圧力検出部を、更に備えるものとしてよい。こうすれば、水素極側、酸素極側の圧力を直接検出でき、上記の背圧弁制御を確実に実現できる。なお、水電解セルで消費された電力量から生成した水素ガス量や酸素ガス量が推定できるので、圧力検出部を設ける代わりに、水電解セルで消費された電力量と背圧弁の開度とから、水素極側の圧力を推定する構成や、水電解セルで消費される電力量と水電解セルに供給された純水の水量とから酸素極側の圧力を推定するといった構成も採用可能である。
(3)上記の(1)または(2)の構成において、前記制御部は、前記水電解セルによる前記水電解が停止された後、前記背圧弁制御を行ない、前記酸素極側に存在する純水をパージし、前記水素極側の圧力と前記酸素極側の圧力との差圧が、予め定めた停止判断閾値を確保した状態で、当該水電解システムを停止するものとしてよい。こうすれば、水電解システムの停止の際に、水素極側、酸素極側のパージを確実に行なうことができる。
(4)上記の(1)から(3)の構成において、前記制御部は、前記水電解セルによる前記水電解の停止中に前記水素極側の圧力と前記酸素極側の圧力との差圧が予め定めた起動判断閾値を下回った場合には、前記水電解セルを起動して前記水素極側の圧力を高める保護運転を実行するものとしてよい。こうすれば、水電解システムが停止している間に、水素極側の圧力が低下して水電解セルのシール性が劣化すると言った事態が生じることを抑制または回避できる。
(5)上記の(1)から(4)の構成において、前記制御部は、前記水電解の停止から前記保護処理の実行までの経過時間を計測し、次の水電解の停止の際に、前記停止判断閾値の大きさを、前記経過時間に従って設定するものとしてよい。こうすれば、先回の水電解システムの停止時に保護運転がされるまでの経過時間に応じて、停止判断閾値を設定するので、保護運転がされるまでの時間が短い場合には、停止判断閾値を高くして保護運転が生じ難くなするよう学習できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態の水電解システムの概略構成図。
水電解スタックの外観を示す外観図。
一実施形態としての燃料電池の構成を示す概略図である。
第1実施形態における背圧弁制御を含む水電解制御の一例を示すフローチャート。
制御部により実施される制御の一例を示すタイミングチャート。
第2実施形態における制御の一例を示すフローチャート。
第2実施形態の制御の一例を示すタイミングチャート。
第3実施形態における背圧弁制御を含む水電解制御の一例を示すフローチャート。
第4実施形態の制御の一例を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
(A1)水分解システムのシステム構成:
図1は水電解システム100の概略構成図である。図示するように、水電解システム100は、水電解スタック30を中心に構成され、水電解に必要な電力を供給する電源81、水電解スタック30を構成する水電解セルの状態をモニタすると共に水電解システム100の運転を制御する制御部82を備える。水電解スタック30の水素極側には、配管により接続された水素気液分離器83、水素気液分離器83により水分を分離された水素ガスを取り出す配管87に設けられた背圧弁86、配管87の終端であり水素ガスを取り出す水素ガス排気口89等が備えられている。水電解スタック30の水素極側には、水電解スタック30の水素出口圧Phoを測定する水素出口圧力計84と、水素気液分離器83における水素ガスの圧力を計測する水素排気圧計85とが設けられている。水素排気圧計85は、本実施形態の制御のためには、特に設けなくてもよい。
【0009】
水電解スタック30の酸素極側には、水電解され純粋を取り込む純水供給口98、水電解スタック30の酸素極側と供給路93および循環路96により接続された酸素気液分離器91、酸素気液分離器91から水電解スタック30への純粋の供給路93に設けられた水循環ポンプ92およびイオン交換器94、酸素気液分離器91に接続され酸素ガスを取り出す酸素ガス排気口99等が備えられている。また、水電解スタック30の酸素極側には、水電解スタック30の水入口圧Pwiを測定する水入口圧力計95と、酸素気液分離器91における酸素ガスの圧力を計測する酸素排気圧計97とが設けられている。このうち、水素出口圧Phoを検出する水素出口圧力計84と水入口圧Pwiを検出する水入口圧力計95とが、圧力検出部に相当する。なお、酸素排気圧計97は、本実施形態の制御のためには、特に設けなくてもよい。
【0010】
水電解スタック30は、後述するように、水電解セル(以下、単に単セルという)60を複数積層したスタック構造を備え、酸素極側にイオン交換器94によりイオンが低減された純粋が供給され、電源81から所定の電力が供給されると、その電力により水を分解して、水素極側に水素と水分とを含有する水素含有ガスを、酸素極側に酸素と水分とを含有する酸素含有ガスと、を生成する。ここで、水分とは、水蒸気および水のミストとを含む。水素極側の水素含有ガスは、水素気液分離器83により、気相である水素ガス(H2)が水分から分離され、背圧弁86を介して水素ガス排気口89から取り出される。また、酸素極側の酸素含有ガスは、循環路96を介して酸素気液分離器91に送り込まれ、酸素気液分離器91より気相である酸素ガス(O2)が水分から分離され、ガス排気口99から取り出される。
(【0011】以降は省略されています)

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