TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025179134
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-09
出願番号
2025145067,2024039659
出願日
2025-09-02,2019-04-25
発明の名称
膀胱がんの検出のためのキット、デバイス及び方法
出願人
東レ株式会社
,
国立研究開発法人国立がん研究センター
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12Q
1/6886 20180101AFI20251202BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】膀胱がんの検出用キット又はデバイス、並びに、検出方法を提供する。
【解決手段】被験体の検体中のmiRNA、又はその相補鎖と特異的に結合可能な核酸を含む、膀胱がん検出用キット又はデバイス、並びに、該miRNAをin vitroで測定することを含む、膀胱がんを検出する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
核酸を含む、膀胱がんの検出用キットであって、
前記核酸が、膀胱がんマーカーである、miR-6088のポリヌクレオチドと特異的に結合可能な核酸プローブ及び/又は該ポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するためのプライマーを含む、キット。
続きを表示(約 8,100 文字)
【請求項2】
前記核酸が、下記の(a)~(e)のいずれかに示すポリヌクレオチド:
(a)配列番号150で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、その塩基配列と90%以上の%同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(b)配列番号150で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(c)配列番号150で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、その塩基配列と90%以上の%同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(d)配列番号150で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、及び
(e)前記(a)~(d)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
からなる群から選択されるポリヌクレオチドである、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記キットが、別の膀胱がんマーカーである、miR-6087、miR-1185-1-3p、miR-1185-2-3p、miR-1193、miR-1199-5p、miR-1225-5p、miR-1227-5p、miR-1228-3p、miR-1228-5p、miR-1237-5p、miR-1238-5p、miR-1247-3p、miR-1268a、miR-1268b、miR-1273g-3p、miR-128-2-5p、miR-1343-3p、miR-1343-5p、miR-1470、miR-17-3p、miR-187-5p、miR-1908-3p、miR-1908-5p、miR-1909-3p、miR-1915-3p、miR-210-5p、miR-24-3p、miR-2467-3p、miR-2861、miR-296-3p、miR-29b-3p、miR-3131、miR-3154、miR-3158-5p、miR-3160-5p、miR-3162-5p、miR-3178、miR-3180-3p、miR-3184-5p、miR-3185、miR-3194-3p、miR-3195、miR-3197、miR-320a、miR-320b、miR-328-5p、miR-342-5p、miR-345-3p、miR-3616-3p、miR-3619-3p、miR-3620-5p、miR-3621、miR-3622a-5p、miR-3648、miR-3652、miR-3656、miR-3663-3p、miR-3679-5p、miR-371b-5p、miR-373-5p、miR-3917、miR-3940-5p、miR-3960、miR-4258、miR-4259、miR-4270、miR-4286、miR-4298、miR-4322、miR-4327、miR-4417、miR-4419b、miR-4429、miR-4430、miR-4433a-3p、miR-4436b-5p、miR-4443、miR-4446-3p、miR-4447、miR-4448、miR-4449、miR-4454、miR-4455、miR-4459、miR-4462、miR-4466、miR-4467、miR-4480、miR-4483、miR-4484、miR-4485-5p、miR-4488、miR-4492、miR-4505、miR-4515、miR-4525、miR-4534、miR-4535、miR-4633-3p、miR-4634、miR-4640-5p、miR-4649-5p、miR-4651、miR-4655-5p、miR-4656、miR-4658、miR-4663、miR-4673、miR-4675、miR-4687-3p、miR-4687-5p、miR-4690-5p、miR-4695-5p、miR-4697-5p、miR-4706、miR-4707-3p、miR-4707-5p、miR-4708-3p、miR-4710、miR-4718、miR-4722-5p、miR-4725-3p、miR-4726-5p、miR-4727-3p、miR-4728-5p、miR-4731-5p、miR-4736、miR-4739、miR-4740-5p、miR-4741、miR-4750-5p、miR-4755-3p、miR-4763-3p、miR-4771、miR-4783-3p、miR-4783-5p、miR-4787-3p、miR-4792、miR-498、miR-5008-5p、miR-5010-5p、miR-504-3p、miR-5195-3p、miR-550a-5p、miR-5572、miR-5739、miR-6075、miR-6076、miR-6124、miR-6131、miR-6132、miR-614、miR-615-5p、miR-619-5p、miR-642b-3p、miR-6510-5p、miR-6511a-5p、miR-6515-3p、miR-6515-5p、miR-663b、miR-6716-5p、miR-6717-5p、miR-6722-3p、miR-6724-5p、miR-6726-5p、miR-6737-5p、miR-6741-5p、miR-6742-5p、miR-6743-5p、miR-6746-5p、miR-6749-5p、miR-6760-5p、miR-6762-5p、miR-6765-3p、miR-6765-5p、miR-6766-3p、miR-6766-5p、miR-6771-5p、miR-6774-5p、miR-6777-5p、miR-6778-5p、miR-6780b-5p、miR-6781-5p、miR-6782-5p、miR-6784-5p、miR-6785-5p、miR-6787-5p、miR-6789-5p、miR-6791-5p、miR-6794-5p、miR-6800-5p、miR-6802-5p、miR-6803-5p、miR-6812-5p、miR-6816-5p、miR-6819-5p、miR-6821-5p、miR-6826-5p、miR-6831-5p、miR-6836-3p、miR-6840-3p、miR-6842-5p、miR-6850-5p、miR-6861-5p、miR-6869-5p、miR-6870-5p、miR-6877-5p、miR-6879-5p、miR-6880-3p、miR-6880-5p、miR-6885-5p、miR-6887-5p、miR-7107-5p、miR-7108-3p、miR-7109-5p、miR-711、miR-7113-3p、miR-7150、miR-744-5p、miR-7975、miR-7977、miR-8052、miR-8069、miR-8073、miR-887-3p、miR-937-5p、miR-1202、miR-1207-5p、miR-1246、miR-1254、miR-135a-3p、miR-1469、miR-149-3p、miR-150-3p、miR-1914-3p、miR-191-5p、miR-423-5p、miR-663a、miR-92a-2-5p、miR-92a-3p、miR-940から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド(ただし、miR-6087及びmiR-1185-1-3pを含むポリヌクレオチドの組み合わせを除く)と特異的に結合可能な核酸プローブ及び/又は該ポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するためのプライマーを含む追加の核酸をさらに含む、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
前記追加の核酸が、下記の(f)~(j)のいずれかに示すポリヌクレオチド:
(f)配列番号1~103、105~149及び151~243のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、その塩基配列と90%以上の%同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(g)配列番号1~103、105~149及び151~243のいずれかで表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(h)配列番号1~103、105~149及び151~243のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、その塩基配列と90%以上の%同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(i)配列番号1~103、105~149及び151~243のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、及び
(j)前記(f)~(i)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
からなる群から選択されるポリヌクレオチドである、請求項3に記載のキット。
【請求項5】
核酸を含む、膀胱がんの検出用デバイスであって、
前記核酸が、膀胱がんマーカーである、miR-6088のポリヌクレオチドと特異的に結合可能な核酸プローブ及び/又は該ポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するためのプライマーを含む、デバイス。
【請求項6】
前記核酸が、下記の(a)~(e)のいずれかに示すポリヌクレオチド:
(a)配列番号150で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、その塩基配列と90%以上の%同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(b)配列番号150で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(c)配列番号150で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、その塩基配列と90%以上の%同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(d)配列番号150で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、及び
(e)前記(a)~(d)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
からなる群から選択されるポリヌクレオチドである、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスが、別の膀胱がんマーカーである、miR-6087、miR-1185-1-3p、miR-1185-2-3p、miR-1193、miR-1199-5p、miR-1225-5p、miR-1227-5p、miR-1228-3p、miR-1228-5p、miR-1237-5p、miR-1238-5p、miR-1247-3p、miR-1268a、miR-1268b、miR-1273g-3p、miR-128-2-5p、miR-1343-3p、miR-1343-5p、miR-1470、miR-17-3p、miR-187-5p、miR-1908-3p、miR-1908-5p、miR-1909-3p、miR-1915-3p、miR-210-5p、miR-24-3p、miR-2467-3p、miR-2861、miR-296-3p、miR-29b-3p、miR-3131、miR-3154、miR-3158-5p、miR-3160-5p、miR-3162-5p、miR-3178、miR-3180-3p、miR-3184-5p、miR-3185、miR-3194-3p、miR-3195、miR-3197、miR-320a、miR-320b、miR-328-5p、miR-342-5p、miR-345-3p、miR-3616-3p、miR-3619-3p、miR-3620-5p、miR-3621、miR-3622a-5p、miR-3648、miR-3652、miR-3656、miR-3663-3p、miR-3679-5p、miR-371b-5p、miR-373-5p、miR-3917、miR-3940-5p、miR-3960、miR-4258、miR-4259、miR-4270、miR-4286、miR-4298、miR-4322、miR-4327、miR-4417、miR-4419b、miR-4429、miR-4430、miR-4433a-3p、miR-4436b-5p、miR-4443、miR-4446-3p、miR-4447、miR-4448、miR-4449、miR-4454、miR-4455、miR-4459、miR-4462、miR-4466、miR-4467、miR-4480、miR-4483、miR-4484、miR-4485-5p、miR-4488、miR-4492、miR-4505、miR-4515、miR-4525、miR-4534、miR-4535、miR-4633-3p、miR-4634、miR-4640-5p、miR-4649-5p、miR-4651、miR-4655-5p、miR-4656、miR-4658、miR-4663、miR-4673、miR-4675、miR-4687-3p、miR-4687-5p、miR-4690-5p、miR-4695-5p、miR-4697-5p、miR-4706、miR-4707-3p、miR-4707-5p、miR-4708-3p、miR-4710、miR-4718、miR-4722-5p、miR-4725-3p、miR-4726-5p、miR-4727-3p、miR-4728-5p、miR-4731-5p、miR-4736、miR-4739、miR-4740-5p、miR-4741、miR-4750-5p、miR-4755-3p、miR-4763-3p、miR-4771、miR-4783-3p、miR-4783-5p、miR-4787-3p、miR-4792、miR-498、miR-5008-5p、miR-5010-5p、miR-504-3p、miR-5195-3p、miR-550a-5p、miR-5572、miR-5739、miR-6075、miR-6076、miR-6124、miR-6131、miR-6132、miR-614、miR-615-5p、miR-619-5p、miR-642b-3p、miR-6510-5p、miR-6511a-5p、miR-6515-3p、miR-6515-5p、miR-663b、miR-6716-5p、miR-6717-5p、miR-6722-3p、miR-6724-5p、miR-6726-5p、miR-6737-5p、miR-6741-5p、miR-6742-5p、miR-6743-5p、miR-6746-5p、miR-6749-5p、miR-6760-5p、miR-6762-5p、miR-6765-3p、miR-6765-5p、miR-6766-3p、miR-6766-5p、miR-6771-5p、miR-6774-5p、miR-6777-5p、miR-6778-5p、miR-6780b-5p、miR-6781-5p、miR-6782-5p、miR-6784-5p、miR-6785-5p、miR-6787-5p、miR-6789-5p、miR-6791-5p、miR-6794-5p、miR-6800-5p、miR-6802-5p、miR-6803-5p、miR-6812-5p、miR-6816-5p、miR-6819-5p、miR-6821-5p、miR-6826-5p、miR-6831-5p、miR-6836-3p、miR-6840-3p、miR-6842-5p、miR-6850-5p、miR-6861-5p、miR-6869-5p、miR-6870-5p、miR-6877-5p、miR-6879-5p、miR-6880-3p、miR-6880-5p、miR-6885-5p、miR-6887-5p、miR-7107-5p、miR-7108-3p、miR-7109-5p、miR-711、miR-7113-3p、miR-7150、miR-744-5p、miR-7975、miR-7977、miR-8052、miR-8069、miR-8073、miR-887-3p、miR-937-5p、miR-1202、miR-1207-5p、miR-1246、miR-1254、miR-135a-3p、miR-1469、miR-149-3p、miR-150-3p、miR-1914-3p、miR-191-5p、miR-423-5p、miR-663a、miR-92a-2-5p、miR-92a-3p、miR-940から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド(ただし、miR-6087及びmiR-1185-1-3pを含むポリヌクレオチドの組み合わせを除く)と特異的に結合可能な核酸プローブ及び/又は該ポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するためのプライマーを含む追加の核酸を含む、請求項5又は6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記追加の核酸が、下記の(f)~(j)のいずれかに示すポリヌクレオチド:
(f)配列番号1~103、105~149及び151~243のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、その塩基配列と90%以上の%同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(g)配列番号1~103、105~149及び151~243のいずれかで表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(h)配列番号1~103、105~149及び151~243のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、その塩基配列と90%以上の%同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(i)配列番号1~103、105~149及び151~243のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、及び
(j)前記(f)~(i)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
からなる群から選択されるポリヌクレオチドである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスが、ハイブリダイゼーション技術による測定のためのデバイスである、請求項5~8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ハイブリダイゼーション技術が、核酸アレイ技術である、請求項9に記載のデバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験体において膀胱がんへの罹患の有無の検査のために使用される、特定のmiRNA又はその相補鎖と特異的に結合可能な核酸を含む膀胱がんの検出用キット又はデバイス、及び当該miRNAの発現量を測定することを含む膀胱がんの検出方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
膀胱は骨盤内にある臓器で、腎臓でつくられた尿が腎盂、尿管を経由して運ばれた後に一時的に貯留する一種の袋の役割を持つ。膀胱がたまった尿で伸展されると、それを尿意として感じ、筋肉が収縮することによって排尿を行う働きがある。膀胱の内面は移行上皮細胞でおおわれ伸縮性に富むが、膀胱がんは、この移行上皮細胞ががん化することによって引きおこされ、組織学的には移行上皮がんが膀胱がん全体の90%を占めることが知られている。
【0003】
日本人の2008年のがんによる死亡率は10万人中547.7人であり、死亡原因の中で膀胱がんが占める割合は高齢化、欧米文化の流入により年々増加している。膀胱がんをはじめとする尿路上皮がんは、前立腺がんについで頻度の高い泌尿器科腫瘍であり、日本における患者数は高齢者を中心に2002年に約16,000人であり、その罹患率は男性が女性の約4倍を示す。膀胱がんの発症には、喫煙が大きく関与していることが知られており、他にも芳香族アミンによる職業性曝露(ばくろ)も確立したリスク要因とされている。膀胱がんを浸潤度、即ち病期の評価に用いられるTNM分類のうちT因子別に分けると、浸潤が小さい順に上皮内がん(Tis)、表在性膀胱がん(Ta、T1)、浸潤性膀胱がん(T2以上)の3種類のタイプに分類される。上皮内がんは表在性がん、浸潤性がんに合併することや、上皮内がん単独で発生することが知られ、膀胱粘膜内に点々と存在したり、這う様に進展するため確定検査である内視鏡検査を実施した場合においても見落としがあることが知られている。表在性膀胱がんは、膀胱内の表面すなわち表層粘膜やその下の粘膜下層までにがんの浸潤が留まっている状態のがんであり、他臓器への転移を起こすことは少ないが、膀胱内で何度も再発する傾向がある事が知られており、フォローアップ検査の重要性が高い。浸潤性膀胱がんは、膀胱の筋肉や膀胱外にまで根を張るように発育し、転移も生じやすいことで知られている。またHigh/Lowグレードで示される膀胱がんの組織学的異型度で、Highグレードの膀胱がんは悪性度が高く、早期に浸潤転移しやすいとされていることから早期発見の重要性が特に高い。
【0004】
膀胱がんの治療は進行度(日本泌尿器科学会、日本病理学会、日本医学放射線学会編 腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約、金原出版、2011)や転移、全身状態を考慮して決定され、膀胱がんの標準的な治療法は(日本泌尿器科学会/編 膀胱癌診療ガイドライン、2015年版、医学図書出版)に示されている。現在最も一般的な治療は、外科的切除(経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)、膀胱全摘除術)、放射線療法、抗がん剤による化学療法、及びBCGの膀胱内注入療法とされている。TNM分類でT2以上である浸潤性膀胱がんは膀胱全摘が標準治療であり、早期発見が非常に重要である。
【0005】
また、現在膀胱がんを検出する最も信頼できる一般的な方法は膀胱鏡検査、尿細胞診検査であるが、膀胱鏡検査は侵襲性が高く、剥離したがん細胞を顕微鏡的に検出する尿細胞診検査の方が侵襲面では好ましい方法であるが特異度は約94%、感度は35%と報告されている(非特許文献1)。
【0006】
膀胱がんは再発率が高く、2年以内に再発することが多い。治療後の再発率は50~80%と高くそのうち10~25%は進行性の筋層への浸潤がんとして発見されることから再発を早期に発見し、早期に治療して患者の生存期間を延長させることが重要になってくる。
【0007】
現在では、非侵襲的な膀胱がんの臨床検査用マーカーとして、いくつかの尿タンパク質マーカーが利用可能である。これらのマーカー検査は尿細胞診よりも高い感度を有する。例えば、特異的な核マトリックスタンパク質NuMAを検出するNMP22検査では、感度は47-100%、特異度は55-98%である(非特許文献1)。また、特異的な基底膜断片複合体を検出するBTAtrak検査は、感度は60-83%、特異度は60-79%である(非特許文献1)。
【0008】
さらに遺伝子発現を指標としたマーカーとしては特許文献1に示されるmiR-92a-2-5p、miR-150-3p、miR-1207-5p、miR-1202、miR-135a-3p、miR-1914-3p、miR-1469、miR-149-3p、miR-663a、特許文献2に示されるmiR-1254、miR-1246、miR-92a-3p、非特許文献2に示されるmiR-191-5p、miR-940、非特許文献3に示されるmiR-423-5pなどが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2013-000067号公報
米国特許出願第US2013/0084241号明細書
【非特許文献】
【0010】
Bas W.G.van Rhijinら、2005年、European Urology 47、p736-748
Long JDら、2015年、Am J Transl Res 7(11)p2500-p2509
Du Lら、2017年、Oncotarget 8(25)p40832-p40842
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
東レ株式会社
電池
29日前
東レ株式会社
化粧料
1か月前
東レ株式会社
無配向フィルム
1か月前
東レ株式会社
貼合体の製造方法
1か月前
東レ株式会社
飛翔体用ブレード
1か月前
東レ株式会社
赤外線遮蔽構成体
1か月前
東レ株式会社
血液浄化用カラム
今日
東レ株式会社
フィルムの製造装置
1か月前
東レ株式会社
車両用衝撃吸収部材
1か月前
東レ株式会社
多層構造体及び防弾板
1日前
東レ株式会社
遠心ポッティング方法
1か月前
東レ株式会社
複合成形体の製造方法
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
東レ株式会社
シート、硬化物、硬化接着物
6日前
東レ株式会社
ポリオレフィン系樹脂発泡シート
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリオレフィンフィルム
1か月前
東レ株式会社
異物検査装置および異物検査方法
6日前
東レ株式会社
ポリアミド樹脂組成物および成形品
1か月前
東レ株式会社
電子部品の製造方法および樹脂組成物
1か月前
東レ株式会社
顆粒状ポリエステルアミドの製造方法
1か月前
東レ株式会社
フィルムの製造装置、及び、吸引装置
1か月前
東レ株式会社
液体電解用多孔質輸送層およびその製造方法
1か月前
東レ株式会社
湿式不織布、および固体電解質用補強シート
1か月前
東レ株式会社
3Dプリンター用フィラメント及びその製造方法
2か月前
東レ株式会社
人工皮革およびその製造方法、衣料、ならびに鞄
2か月前
東レ株式会社
樹脂シートの製造装置および樹脂シートの製造方法
15日前
東レ株式会社
不織布およびその製造方法、ならびに調湿材、積層体
6日前
東レ株式会社
ガス拡散電極と触媒層付き電解質膜の接着力測定方法
1か月前
東レ株式会社
ウイルス除去用の中空糸膜モジュール及びその製造方法
今日
東レ株式会社
芳香族化合物の製造方法、およびテレフタル酸の製造方法
1か月前
東レ株式会社
プリプレグ、繊維強化樹脂成形体、及びそれらの製造方法
2か月前
東レ株式会社
コネクタ、カテーテル、カテーテルシステム、及び医療装置
2か月前
東レ株式会社
繊維構造体およびその製造方法ならびに医療・介護従事者用のウェア
2か月前
東レ株式会社
芳香族ポリアミドフィルムおよび芳香族ポリアミドフィルムの製造方法
1か月前
東レ株式会社
ナノ粒子分散消毒液、その製造方法および抗ウイルス表面の形成方法。
21日前
東レ株式会社
樹脂組成物、硬化物およびその製造方法、半導体装置ならびに表示装置
今日
続きを見る
他の特許を見る