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公開番号2025172022
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2025077693
出願日2025-05-08
発明の名称ナノ粒子分散消毒液、その製造方法および抗ウイルス表面の形成方法。
出願人東レ株式会社
代理人
主分類A01N 59/08 20060101AFI20251113BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】本発明は、消毒成分である酸化剤濃度が低下せず、塗布したときに固体表面に抗ウイルス剤のナノ粒子が効率よく定着して抗ウイルス表面を形成するナノ粒子分散消毒液、その製造方法および抗ウイルス性表面の形成方法を提供する。
【解決手段】第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子であって無機酸が当該粒子の表面に吸着したナノ粒子と、酸化剤系の消毒液とを含み、さらにアルカリ土類金属イオンを含む、ナノ粒子分散消毒液、その製造方法および抗ウイルス表面の形成方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子であって無機酸が当該粒子の表面に吸着したナノ粒子と、酸化剤系の消毒液とを含み、さらにアルカリ土類金属イオンを含む、ナノ粒子分散消毒液。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記酸化剤系の消毒液中の消毒成分が、次亜塩素酸イオン、過酸化水素または/および過酢酸である、請求項1に記載のナノ粒子分散消毒液。
【請求項3】
前記第4族元素または/およびセリウムの酸化物が、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは/および酸化セリウムである、請求項1に記載のナノ粒子分散消毒液。
【請求項4】
前記無機酸が、硝酸、縮合リン酸または/およびホウ酸である、請求項1に記載のナノ粒子分散消毒液。
【請求項5】
以下の工程:
第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子と、酸化剤系の消毒液とを含むナノ粒子分散消毒液の製造方法であって、
第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子またはその分散液を、アルカリ土類金属塩を添加した前記消毒液に添加する工程、または
第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子の分散液にアルカリ土類金属塩を添加し、当該添加した分散液を前記消毒液に添加する工程、
を含む、製造方法。
【請求項6】
前記工程におけるナノ粒子が、無機酸が当該粒子の表面に吸着したナノ粒子である、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記無機酸が、硝酸、縮合リン酸または/およびホウ酸である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項5に記載の製造方法によって製造されたナノ粒子分散消毒液。
【請求項9】
請求項1~4または8のいずれかに記載のナノ粒子分散消毒液を固体表面に塗布することによる、抗ウイルス性表面の形成方法。
【請求項10】
形成される表面の、ISO 21702法における抗ウイルス活性値が2.0以上である、請求項9に記載の抗ウイルス性表面の形成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子分散消毒液、その製造方法および抗ウイルス表面の形成方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
安全や衛生管理の観点から、ウイルスや細菌といった病原体に対する様々な消毒技術が注目されている。エタノールや、4級アンモニウム塩などの界面活性剤系の消毒液はウイルスや細菌の脂質膜を溶解して、病原体を不活性化させる。次亜塩素酸や過酸化水素などの酸化剤系の消毒液はタンパク質を分解して、病原体を不活性化させる。特に酸化剤系の消毒液の消毒作用は強力であり、エタノールや4級アンモニウム塩が効果を発揮しにくいノンエンベロープタイプウイルスなどにも効果がある。
【0003】
ここで、特許文献1には複素環式アミンを安定化剤とし、アルカリ土類金属の塩が合成時に添加された酸化セリウムのナノ粒子が開示されている。該ナノ粒子を消毒液として使用できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/246507号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、酸化剤系の消毒液と、不揮発性の抗菌・抗ウイルス剤である銀、銅又は4級アンモニウム塩とを同時に使用した場合、その抗菌・抗ウイルス剤と酸化剤系の消毒液とが直接反応し、消毒成分である酸化剤濃度が低下し、消毒性能が低下してしまうという課題があることを見出した。また、複素環式アミンを安定化剤とし、アルカリ土類金属の塩がナノセリア合成時に添加された酸化セリウムのナノ粒子も、安定化剤として有機物を含んでいるため、酸化剤系の消毒成分と共存させると、当該安定化剤と当該消毒成分とが反応し、当該消毒成分の含有量を低下させてしまうという課題を有していることを見出した。
【0006】
また、酸化剤系の消毒液を塗布した箇所に抗菌・抗ウイルス剤の塗膜を形成させることができれば、酸化剤系の消毒液が揮発した後も新たに付着した病原体を不活化することができるため、清掃や衛生管理はより簡便になると考えられる。しかし、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等のナノ粒子は、塗布した場合、溶媒が揮発すると析出物が観察された。このことから、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等のナノ粒子塗布した固体表面に凝集体が析出して容易に剥離してしまい、効果的に成分を残留させることができないという課題があると考えられた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、ナノ粒子の安定化剤と、消毒液に対する添加物に着目し、検討した。その結果、第4族元素または/およびセリウムの酸化物の無機酸が表面に吸着したナノ粒子と、酸化剤系の消毒液とを含む分散液に対して、さらにアルカリ土類金属イオンを含有させることによって得られるナノ粒子の分散液は、塗布前においては消毒液の酸化剤濃度が低下せず、固体表面に塗布したときにナノ粒子が効率よく残留することを見出した。また、当該ナノ粒子分散消毒液を固体表面に塗布することで形成される表面に高い抗ウイルス活性があることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は以下のとおりである。
(1)第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子であって無機酸が当該粒子の表面に吸着したナノ粒子と、酸化剤系の消毒液とを含み、さらにアルカリ土類金属イオンを含む、ナノ粒子分散消毒液。
(2)前記酸化剤系の消毒液中の消毒成分が、次亜塩素酸イオン、過酸化水素または/および過酢酸である、(1)に記載のナノ粒子分散消毒液。
(3)前記第4族元素または/およびセリウムの酸化物が、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは/および酸化セリウムである、(1)または(2)に記載のナノ粒子分散消毒液。
(4)前記無機酸が、硝酸、縮合リン酸または/およびホウ酸である、(1)~(3)のいずれか一つに記載のナノ粒子分散消毒液。
(5)以下の工程:
第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子と、酸化剤系の消毒液とを含むナノ粒子分散消毒液の製造方法であって、
第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子またはその分散液を、アルカリ土類金属塩を添加した前記消毒液に添加する工程、または
第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子の分散液にアルカリ土類金属塩を添加し、当該添加した分散液を前記消毒液に添加する工程、
を含む、製造方法。
(6)前記工程におけるナノ粒子が、無機酸が当該粒子の表面に吸着したナノ粒子である、(5)に記載の製造方法。
(7)前記無機酸が、硝酸、縮合リン酸または/およびホウ酸である、(6)に記載の製造方法。
(8)(5)~(7)のいずれか一つに記載の製造方法によって製造されたナノ粒子分散消毒液。
(9)(1)~(4)または(8)のいずれかに記載のナノ粒子分散消毒液を固体表面に塗布することによる、抗ウイルス性表面の形成方法。
(10)形成される表面の、ISO 21702法における抗ウイルス活性値が2.0以上である、(9)に記載の抗ウイルス性表面の形成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のナノ粒子分散消毒液は、調製後も消毒成分である酸化剤濃度が低下しないという特徴を有する。本発明の消毒液を固体表面に塗布後には、当該消毒液に含まれるナノ粒子が当該表面に定着して残留する。本発明の消毒液の塗布によって形成される固体表面は高い抗ウイルス活性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第4族元素または/およびセリウムの酸化物のナノ粒子は、本明細書中で、単にナノ粒子と、また、ナノ粒子を含む分散消毒液は、本明細書中で、単に本発明の消毒液と、それぞれ記載する場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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