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公開番号2025152969
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024055189
出願日2024-03-29
発明の名称3Dプリンター用フィラメント及びその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 64/314 20170101AFI20251002BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】高いプリント性と透明性とを兼ね備えた、3Dプリンター用のフィラメントを提供すること。
【解決手段】本発明は、ポリエステルコポリマーを含み、上記ポリエステルコポリマーとは異なる水溶性ポリマー又は生分解性ポリマーを含まず、融解エンタルピーが0.0J/gより大きく10.0J/g以下である、3Dプリンター用フィラメントを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステルコポリマーを含み、前記ポリエステルコポリマーとは異なる水溶性ポリマー又は生分解性ポリマーを含まず、
融解エンタルピーが0.0J/gより大きく10.0J/g以下である、3Dプリンター用フィラメント。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記ポリエステルコポリマーのみからなる、請求項1記載のフィラメント。
【請求項3】
前記ポリエステルコポリマーは、2種類のエステル結合形成性モノマー残基を主構成単位とするポリエステルコポリマーであって、前記2種類のエステル結合形成性モノマーをそれぞれ「モノマーA」、「モノマーB」とした場合に、下記(1)及び(2)を満たすポリエステルコポリマーである、請求項1又は2記載のフィラメント。
(1)下記式で表されるR値が0.45以上0.99以下である。
R値=[AB]/(2[A][B])×100
[A]:ポリエステルコポリマー中の、モノマーA残基のモル分率
[B]:ポリエステルコポリマー中の、モノマーB残基のモル分率
[AB]:ポリエステルコポリマー中の、モノマーA残基とモノマーB残基が隣り合った構造(A-B、及びB-A)のモル分率
(2)モノマーA残基又はモノマーB残基の少なくとも一方の結晶化率が14%未満である。
【請求項4】
前記2種類のエステル結合形成性モノマーは、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン及びラクチドからなる群より選択される2種である、請求項1又は2記載のフィラメント。
【請求項5】
ポリエステルコポリマーを含み、前記ポリエステルコポリマーとは異なる水溶性ポリマー又は生分解性ポリマーを含まない組成物のペレットを、90℃以上150℃以下の温度で押し出して成形する押出成形工程を有する、請求項1又は2記載のフィラメントの製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2記載のフィラメントを成形して得られる、成形体。
【請求項7】
温度制御可能なノズルにより、請求項1又は2記載のフィラメントを溶融する溶融工程と、
3Dプリンターのヘッドを水平移動しながら、溶融した前記フィラメントを吐出することで層を形成する層形成工程と、
前記層成形工程を繰り返すことで、溶融した前記フィラメントを積層し、成形体を形成する成形体形成工程と、を備える、3Dプリンターを用いた成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンター用フィラメント及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂からなるフィラメントをフィーダーで送り出し、ノズル部分から溶融吐出することで造形を行う、熱溶解積層方式3Dプリンターの普及が進んでおり、個人向け用途だけでなく、産業用途としても部品製作等に広く用いられている。
【0003】
近年、3Dプリンターは医療用途としても展開されており、患者毎に異なる骨や臓器の形状に合わせたオーダーメード型の医療機器を3Dプリンターで作製し、体内に移植する、個別化医療が注目されている。体内に移植する医療機器を3Dプリンターで作製する場合、その材料にはしばしば生分解性が求められ、役割を終えた後に分解し、体外に排出されることが求められる。さらには、軟組織等を対象とした医療機器の場合、柔軟性が求められる。
【0004】
そのような材料として、特許文献1には、2種類のエステル結合形成性モノマー残基を主構成単位とするポリエステルコポリマーが開示されており、特許文献2には、非晶性の生分解性ポリエステルと当該生分解性ポリエステルとは異なる水溶性ポリマー又は生分解性ポリマーとを含む3Dプリンター用フィラメントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/035357号
国際公開第2023/058572号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のポリマーを用いてフィラメントを作製した場合、しばしば粘着性を有し、フィラメント同士が接着したり、送り出しを支えるガイドチューブ内壁に接着したりするため、プリント性の低さが問題となっていた。また、得られるフィラメントの直径は不均一であり、直径の均一性の観点からもプリント性の低さが課題であった。
【0007】
一方、特許文献2では、ポリマーの粘着性を低減する方法として、非晶性の生分解性ポリエステル(すなわち、ポリエステルコポリマー)とは異なる水溶性ポリマー又は生分解性ポリマーを添加する方法が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載のフィラメントは、直径の均一性及びプリント性に優れるものの、透明性が不十分であるという課題があった。透明性が不十分なフィラメントを用いて作製した医療機器は、患部を視認することが困難となるため、医療機器として用いられるフィラメントの透明性は高いほうが望ましい。
【0008】
そこで本発明は、高いプリント性と透明性とを兼ね備えた、3Dプリンター用のフィラメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は以下である。
[1] ポリエステルコポリマーを含み、上記ポリエステルコポリマーとは異なる水溶性ポリマー又は生分解性ポリマーを含まず、融解エンタルピーが0.0J/gより大きく10.0J/g以下である、3Dプリンター用フィラメント。
[2] 上記ポリエステルコポリマーのみからなる、[1]記載のフィラメント。
[3] 上記ポリエステルコポリマーは、2種類のエステル結合形成性モノマー残基を主構成単位とするポリエステルコポリマーであって、上記2種類のエステル結合形成性モノマーをそれぞれ「モノマーA」、「モノマーB」とした場合に、下記(1)及び(2)を満たすポリエステルコポリマーである、[1]又は[2]記載のフィラメント。
(1)下記式で表されるR値が0.45以上0.99以下である。
R値=[AB]/(2[A][B])×100
[A]:ポリエステルコポリマー中の、モノマーA残基のモル分率
[B]:ポリエステルコポリマー中の、モノマーB残基のモル分率
[AB]:ポリエステルコポリマー中の、モノマーA残基とモノマーB残基が隣り合った構造(A-B、及びB-A)のモル分率
(2)モノマーA残基又はモノマーB残基の少なくとも一方の結晶化率が14%未満である。
[4] 上記2種類のエステル結合形成性モノマーは、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン及びラクチドからなる群より選択される2種である、[1]又は[2]記載のフィラメント。
[5] ポリエステルコポリマーを含み、上記ポリエステルコポリマーとは異なる水溶性ポリマー又は生分解性ポリマーを含まない組成物のペレットを、90℃以上150℃以下の温度で押し出して成形する押出成形工程を有する、[1]又は[2]記載のフィラメントの製造方法。
[6] [1]又は[2]記載のフィラメントを成形して得られる、成形体。
[7] 温度制御可能なノズルにより、[1]又は[2]記載のフィラメントを溶融する溶融工程と、3Dプリンターのヘッドを水平移動しながら、溶融した前記フィラメントを吐出することで層を形成する層形成工程と、上記層成形工程を繰り返すことで、溶融した前記フィラメントを積層し、成形体を形成する成形体形成工程と、を備える、3Dプリンターを用いた成形体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、高いプリント性と透明性とを兼ね備えた3Dプリンター用フィラメントを得ることができ、医療用途に適した成形体を作製することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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