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公開番号2025163685
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-29
出願番号2025067364
出願日2025-04-16
発明の名称ポリアミド樹脂組成物および成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 77/00 20060101AFI20251022BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
ポリアミド樹脂が本来有する優れた機械的強度、すなわち引張強さおよび衝撃強さ、耐トラッキング性を大きく損なうことなく、熱伝導率、流動性、難燃性に優れるポリアミド樹脂組成物とその成形品を提供する。また、本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記性能を有しながら耐ヒートサイクル性に優れ、金属インサート成形品に好適に用いることができる。
【解決手段】
(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)水酸化マグネシウムを60~170重量部、(C)無機繊維状充填材を60~170重量部、および(D)ホスファゼン化合物を5~35重量部配合してなる、ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)水酸化マグネシウムを60~170重量部、(C)無機繊維状充填材を60~170重量部、および(D)ホスファゼン化合物を5~35重量部配合してなる、ポリアミド樹脂組成物。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記(D)ホスファゼン化合物の配合量が10~25重量部である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)水酸化マグネシウムの平均一次粒子径が0.1μmから10μmである、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
前記(B)水酸化マグネシウムのゆるめかさ密度が0.3g/mL以上である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
前記(A)ポリアミド樹脂が、ポリアミド66/6I/6共重合体および/または66/6I共重合体を含む、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項6】
前記(A)ポリアミド樹脂が、ポリアミド66/6I/6共重合体である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物からなる、成形品。
【請求項8】
前記成形品が、ISO22007-2に準拠したホットディスク法にて測定した熱伝導率が0.8W/(m・K)以上である、請求項7に記載の成形品。
【請求項9】
前記成形品が、UL94に準拠した方法にて測定した燃焼性が試験片厚み1.5mm以下においてV-0である、請求項7に記載の成形品。
【請求項10】
前記成形品が、IEC60112(2003)に準拠した方法にて測定した耐トラッキング性が600V以上である、請求項7に記載の成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物および成形品に関するものである。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車においては、バッテリーの高容量化、モーターの高出力化に伴い、バッテリーやモーターの発熱量が増えており、それに伴いインバーターやDirect Current-Direct Current(以下、DC-DCという)コンバーターなど、高圧電流が流れる電装部品の発熱量が増えている。また、モーターは、省スペースや効率向上を目的としてギヤ、インバーターとの複合化、さらにはDC-DCコンバーター、配電ユニット、Positive Temperature Coefficientヒーター、車載充電器などとの統合も検討されている。
【0003】
放熱性の樹脂組成物の一例として、特許文献1には、ポリアミド樹脂に水酸化マグネシウム、ガラス繊維を配合してなる樹脂組成物が記載されている。
【0004】
また、難燃性の樹脂組成物の一例として、特許文献2には、ポリアミド樹脂に架橋ホスファゼン、無機繊維状物質、水酸化マグネシウムを配合してなる樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6079490号公報
特開2001-131409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気自動車のモーターを含む製品、いわゆる電動アクスルにおいては、発熱量の増加と省スペース化により、システム全体の環境温度の上昇が問題となる。中でも自動車部品に樹脂組成物を適用するにあたっては、環境温度の上昇を抑制するため、樹脂組成物の高熱伝導率化が求められる。しかしながら、ポリアミド樹脂は、元来高い熱伝導率を保有していない。
【0007】
加えて、自動車部品は軽量化を目的に薄肉化の要求が高まっているが、一般的に樹脂成形品は、薄肉部ほど機械的強度および難燃性が低下しやすく、これらの特性が向上した樹脂組成物が求められる。しかしながら、ポリアミド樹脂はPPS樹脂等の他のエンジニアリングプラスチックに比べて難燃性に劣る。
【0008】
更に、電気電動車は高出力化に伴い、定格電圧が上昇する傾向にあるため、絶縁体表面へ高電圧を印加した際に生じるトラッキング破壊にも耐え得る樹脂成形品が求められる。
【0009】
また、自動車用途においては金属インサート部品としての使用が多いことから、前記特性に加えて耐ヒートサイクル性も求められる。一般的にはエラストマーを添加することにより靭性を向上させる手法が知られているが、エラストマーを添加すると燃焼しやすくなるため、耐ヒートサイクル性と難燃性との両立が困難である。
【0010】
上記のような課題に対して、特許文献1に開示された樹脂組成物は、熱伝導率は向上しているものの、難燃性が不十分である。また、当該樹脂組成物の耐ヒートサイクル性については言及されていない。
(【0011】以降は省略されています)

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