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公開番号2025177870
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024085007
出願日2024-05-24
発明の名称全固体二次電池用弾性シート、全固体二次電池モジュール
出願人三星エスディアイ株式会社,SAMSUNG SDI Co., LTD.
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01M 50/293 20210101AFI20251128BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】十分な難燃性を発揮するとともに、全固体二次電池の膨張収縮による体積変化を繰り返し吸収することができる弾性シートを提供する。
【解決手段】全固体二次電池とともに用いられて全固体二次電池の膨張収縮による体積変化を緩衝する弾性シートであって、フッ素系エラストマーによって形成された独立気泡型の発泡体からなるものであり、前記発泡体の気孔率が40%以上70%以下である、全固体二次電池用弾性シート。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項１】
全固体二次電池とともに用いられて全固体二次電池の膨張収縮による体積変化を緩衝する弾性シートであって、
フッ素系エラストマーによって形成された独立気泡型の発泡体からなるものであり、
前記発泡体の気孔率が４０％以上７０％以下である、全固体二次電池用弾性シート。
続きを表示（約 620 文字）【請求項２】
前記フッ素系エラストマー全体を１００質量％とした場合のフッ素元素の含有量が６０質量％以上８０質量％以下である、請求項１に記載の全固体二次電池用弾性シート。
【請求項３】
０．１ＭＰａの外圧を印加した際のひずみが１０％以下である、請求項１に記載の全固体二次電池用弾性シート。
【請求項４】
応力維持率が８０％以上である、請求項１に記載の全固体二次電池用弾性シート。
【請求項５】
厚みが１０μｍ以上１０００μｍ以下である、請求項１に記載の全固体二次電池用弾性シート。
【請求項６】
難燃性ＵＬ９４規格における評価がＶ－０である、請求項１に記載の全固体二次電池用弾性シート。
【請求項７】
金属リチウムと４日間接触させた際に、接触前後における赤外吸収スペクトルにおける変化がない、請求項１に記載の全固体二次電池用弾性シート。
【請求項８】
硫化物系固体電解質と３０日間接触させた前後での質量変化率が１％未満である、請求項１に記載の全固体二次電池用弾性シート。
【請求項９】
電気絶縁性である、請求項１に記載の全固体二次電池用弾性シート。
【請求項１０】
全固体二次電池と、請求項１～９の何れかに記載の全固体二次電池用弾性シートと、これらを内部に収容する筐体とを備えた全固体二次電池モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、全固体二次電池用弾性シート及び該全固体二次電池用弾性シートを備えた全固体二次電池モジュールに関するものである。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
全固体二次電池は、有機電解液が存在しないため、比較的安全性が高い電池とされている。この全固体二次電池の安全性をさらに向上させるために、クラック発生等により外気から水分が侵入して全固体二次電池内のリチウムと発熱反応した場合等の外的要因に対するリスク対策が検討されている。このようなリスク対策の例として、難燃性を有する樹脂層を全固体二次電池の周囲に配置することが考えられる。
【０００３】
また、全固体電池においては、充放電や温度変化等により体積が膨張収縮する。そのため、かかる膨張収縮による拘束部材の破損等を防止する目的で、例えば、全固体二次電池間に樹脂層を介在させることが考えられる。
【０００４】
このように全固体二次電池間に樹脂層を配置した従来例としては、特許文献１～３のように全固体二次電池を複数備えた全固体二次電池モジュールの内部に樹脂層を配置して、この樹脂層にフィラー等を含有させることにより難燃性を付与したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特表２０２２－５２７８８５号公報
特許第６９０６６９８号公報
特許第６９６６０５８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、前述した特許文献１～３に記載された樹脂層は、フィラー等を添加して難燃性を付与しているために弾性が失われてしまい、この樹脂層によっては全固体二次電池の膨張収縮による体積変化を繰り返し吸収することができないという問題がある。
【０００７】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、例えば、全固体二次電池とともに全固体二次電池モジュール内に配置することによって、十分な難燃性を発揮するとともに、全固体二次電池の膨張収縮による体積変化を繰り返し吸収して十分に緩衝することができる弾性シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
すなわち、本発明に係る弾性シート及びこの弾性シートを備えた全固体二次電池モジュールは以下のようなものである。
［１］全固体二次電池とともに用いられて全固体二次電池の膨張収縮による体積変化を緩衝する弾性シートであって、
フッ素系エラストマーによって形成された独立気泡型の発泡体からなるものであり、
前記発泡体の気孔率が４０％以上７０％以下である、全固体二次電池用弾性シート。
［２］前記フッ素系エラストマーのフッ素含有量が６０質量％以上８０質量％以下である、［１］に記載の全固体二次電池用弾性シート。
［３］０．１ＭＰａの外圧を印加した際のひずみが１０％以下である、［１］又は［２］に記載の全固体二次電池用弾性シート。
［４］応力維持率が８０％以上である、
［１］～［３］のいずれかに記載の全固体二次電池用弾性シート。
［５］厚みが１０μｍ以上１０００μｍ以下である、［１］～［４］のいずれかに記載の全固体二次電池用弾性シート。
［６］難燃性ＵＬ９４規格における評価がＶ－０である、［１］～［５］のいずれかに記載の全固体二次電池用弾性シート。
［７］金属リチウムと４日間接触させた際に、接触前後における赤外吸収スペクトルにおける変化がない、［１］～［６］のいずれかに記載の全固体二次電池用弾性シート。
［８］硫化物系固体電解質と３０日間接触させた前後での質量変化率が１％未満である、［１］～［７］のいずれかに記載の全固体二次電池用弾性シート。
［９］電気絶縁性である、［１］～［８］のいずれかに記載の全固体二次電池用弾性シート。
［１０］全固体二次電池と、［１］～［９］の何れかに記載の全固体二次電池用弾性シートと、これらを内部に収容する筐体とを備えた全固体二次電池モジュール。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、十分な難燃性を有するとともに、全固体二次電池の膨張収縮による体積変化を繰り返し吸収することができる弾性シートを提供することができる。
このような弾性シートを、例えば、複数の全固体二次電池の間に配置した全固体二次電池モジュールとすることによって、全固体二次電池モジュールに内における火災の発生を抑制して安全性を向上させることができる。本発明に係る弾性シートによれば、さらに、各全固体二次電池の膨張収縮による体積変化を繰り返し吸収することができる。その結果全固体二次電池モジュール内における圧力の不均一化を十分に抑制して、全固体二次電池の一部に電流が集中してしまうことを抑え、全固体二次電池モジュールのサイクル特性を従来よりも長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
本発明の一実施形態に係る全固体二次電池モジュールの概略構成を示す模式図である。
本実施形態に係る全固体二次電池モジュールの概略構成を示す断面模式図である。
本実施形態に係る全固体二次電池モジュールが備える全固体二次電池と弾性シートとの構造を示す断面模式図である。
本発明の他の実施形態に係る全固体二次電池の構造を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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