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公開番号
2025173478
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-27
出願番号
2025073092
出願日
2025-04-25
発明の名称
リチウム前駆体を回収する方法、これを含む正極活物質製造方法、及びこれを含むリチウム二次電池
出願人
三星エスディアイ株式会社
,
SAMSUNG SDI Co., LTD.
代理人
弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類
H01M
10/54 20060101AFI20251119BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】正極活物質水洗工程で発生した廃液を使用してリチウム二次電池関連廃棄物からリチウム前駆体を回収する方法を提供する。
【解決手段】本発明はリチウム前駆体を回収する方法、これを含む正極活物質製造方法、及びこれを含むリチウム二次電池に関するものである。本発明によるリチウム前駆体を回収する方法は、リチウムイオン及び遷移金属イオンを含有する第1溶液を製造すること、前記第1溶液及び第1塩基性試薬を混合して第2溶液を製造すること、前記第2溶液から遷移金属を抽出して第3溶液を製造すること、前記第3溶液及び第2塩基性試薬を混合して第4溶液を製造すること、及び前記第4溶液からリチウム前駆体を抽出することを含む。前記第1塩基性試薬は正極活物質の水洗工程で発生した廃液を利用して製造されたものである。
【選択図】図11
特許請求の範囲
【請求項1】
リチウムイオン及び遷移金属イオンを含有する第1溶液を製造することと、
前記第1溶液及び第1塩基性試薬を混合して第2溶液を製造することと、
前記第2溶液から遷移金属を抽出して第3溶液を製造することと、
前記第3溶液及び第2塩基性試薬を混合して第4溶液を製造することと、
前記第4溶液からリチウム前駆体を抽出することと、
を含み、
前記第1塩基性試薬は、正極活物質の水洗工程で発生した廃液を利用して製造されたものである、
リチウム前駆体を回収する方法。
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【請求項2】
前記第2塩基性試薬は、正極活物質の水洗工程で発生した廃液を利用して製造されたものである、
請求項1に記載のリチウム前駆体を回収する方法。
【請求項3】
前記第1溶液を製造することは、
廃棄されたリチウム遷移金属複合酸化物を酸性溶液に溶解することを含み、
前記廃棄されたリチウム遷移金属複合酸化物は、廃棄されたリチウム二次電池を破砕した粉末又はリチウム二次電池製造工程で発生した廃棄物に由来するものであり、
前記廃棄されたリチウム遷移金属複合酸化物は、下記の化学式1の化合物を含む、
請求項1に記載のリチウム前駆体を回収する方法。
[化学式1]
LiM1
a
M2
b
M3
c
M4
d
O
2
(前記化学式1で、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、0≦d≦1、及びa+b+c+d=1であり得る。前記化学式1のM1、M2、M3、及びM4の各々は、Ni、Co、Al、Cu、Mn、Ti、Mo、Zn、Zr、Si、Ge、V、Cr、B、Mg、Na、Sr、Ag、Nb、Ga、Ca、又はBaの中から選択される元素であり得る。)
【請求項4】
前記第1塩基性試薬を製造することは、
焼成された正極活物質を水洗溶液で水洗することと、
前記水洗の後、発生した前記廃液を回収して固形物を除去することと、
前記廃液のpHが8乃至16になるように調節することと、を含む、
請求項1に記載のリチウム前駆体を回収する方法。
【請求項5】
前記正極活物質は、下記の化学式2の正極活物質である、
請求項4に記載のリチウム前駆体を回収する方法。
[化学式2]
LiM5
e
M6
f
M7
g
M8
h
O
2
(前記化学式2で、0≦e≦1、0≦f≦1、0≦g≦1、0≦h≦1、及びe+f+g+h=1であり、
前記化学式2のM5、M6、M7、及びM8の各々は、Ni、Co、Al、Cu、Mn、Ti、Mo、Zn、Zr、Si、Ge、V、Cr、B、Mg、Na、Sr、Ag、Nb、Ga、Ca、又はBaの中から選択される元素である。)
【請求項6】
前記廃液で固形物を除去することは、デカンタ(遠心分離機)、濾過器、又はフィルタープレスを使用することを含み、
前記濾過器又は前記フィルタープレスは、0.5μm乃至5μmの細孔を有する濾紙を含む、
請求項4に記載のリチウム前駆体を回収する方法。
【請求項7】
前記廃液のpHを調節することは、
前記廃液にアルカリ水酸化物を投入すること又は前記廃液を蒸発させることを含む、
請求項4に記載のリチウム前駆体を回収する方法。
【請求項8】
前記第1塩基性試薬のpHは12乃至16である、
請求項1に記載のリチウム前駆体を回収する方法。
【請求項9】
前記第1塩基性試薬は、
炭酸リチウム(Li
2
CO
3
)及び水酸化リチウム(LiOH)を含む、
請求項1に記載のリチウム前駆体を回収する方法。
【請求項10】
前記第1塩基性試薬の総質量に対する前記第1塩基性試薬に含まれたリチウムイオンの質量の値は、1,000ppm乃至10,000ppmである、
請求項1に記載のリチウム前駆体を回収する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム二次電池と関連する廃棄物からリチウム前駆体を回収する方法に関し、より詳細には正極活物質水洗工程で発生した廃液を利用して廃棄物からリチウム前駆体を回収する方法に関するものである。
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【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池は様々な分野でエネルギー貯蔵及び供給源として活用されている。携帯電話、タブレットPC、ウェアラブルディバイス、ラップトップ、デジタルカメラ、及び電動工具等のような携帯用機器だけでなく、ハイブリッド自動車、電気自動車、及び電動ボード等のような移動手段でも、エネルギー貯蔵及び供給源として広く使用されている。最近にはドローン、ロボット、及び都心航空モビリティ(UAM、Urban Air Mobility)等のような未来産業分野までその適用が拡大されている。
【0003】
特に、最近気候変化に対する警戒心と共に環境への優しさへの関心が深まるにつれて電気自動車市場が大きく成長し、それに伴いリチウム二次電池の使用量が急増している。しかし、リチウム二次電池製造の時、必要である主要原料は天然資源から得なければならないため、原料採取過程で環境破壊及び環境汚染が必然的に発生するようになる。したがって、原料のリサイクル技術開発が切実な状況である。
【0004】
それに伴い、廃棄されたリチウム二次電池、リチウム二次電池製造工程で発生した廃棄物及び正極活物質水洗工程で発生した廃液等リチウム二次電池関連廃棄物から遷移金属前駆体及びリチウム前駆体等有価金属を回収する方法が脚光を浴びている。このように回収された有価金属はリチウム二次電池の製造のためにリサイクルすることができ、より環境に優しくコストが低いと同時に高濃度の有価金属を回収できるリサイクル方法に対する研究及び開発が活発に行われている。
【0005】
廃棄されたリチウム二次電池又はリチウム二次電池製造工程で発生した廃棄物から有価金属を回収する方法は既に様々な態様で実施されている。しかし、従来の方法は回収過程中に塩基性溶液を多量に使用するしかないという問題点を有している。塩基性溶液から発生する副産物は環境汚染を引き起こすので、塩基性溶液を置き換えることができる代替の準備が必要である。
【0006】
正極活物質水洗工程で発生した廃液からリチウム前駆体を回収する方法もまた様々な態様で実施されている。正極活物質を水洗する時に発生する廃液には大量のリチウムが含まれている。しかし、従来の方法は前記廃液からリチウム前駆体を回収するために別の単独工程を必要とする問題点を有している。また、通常回収率が100%である工程はないため、別の単独工程を作ること自体でリチウムの損失が必然的に発生するという問題点も有している。したがって、改善されたリチウム前駆体回収方法が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
韓国登録特許第10-1839460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、正極活物質水洗工程で発生した廃液を使用してリチウム二次電池関連廃棄物からリチウム前駆体を回収する方法を提供することにある。さらに具体的には、前述した塩基性溶液の多量の使用による環境の問題、必須の単独工程による生産の経済性の問題、及びリチウム損失による効率性の問題を解決しようとすることにある。
【0009】
本発明が解決しようとする他の課題は、前記回収方法を通じて回収されたリチウム前駆体を含む正極活物質の製造方法及び前記正極活物質を含むリチウム二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の概念によるリチウム前駆体を回収する方法は、リチウムイオン及び遷移金属イオンを含有する第1溶液を製造すること、前記第1溶液及び第1塩基性試薬を混合して第2溶液を製造すること、前記第2溶液から遷移金属を抽出して第3溶液を製造すること、前記第3溶液及び第2塩基性試薬を混合して第4溶液を製造すること、及び前記第4溶液からリチウム前駆体を抽出することを含むことができる。前記第1塩基性試薬は正極活物質の水洗工程で発生した廃液を利用して製造されたものであり得る。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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