TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025177287
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024083961
出願日2024-05-23
発明の名称エポキシ系接着剤組成物及びその硬化物並びに積層コア
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人東海特許事務所,弁理士法人Vesta国際特許事務所
主分類C09J 163/02 20060101AFI20251128BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】薄膜接着を可能とする低粘度であり、かつ、高温時でも接着強度を維持できる耐熱性を有すること。
【解決手段】エポキシ系接着剤組成物は、エポキシ樹脂とその硬化剤とを含有するエポキシ系接着剤組成物であって、エポキシ樹脂はビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂とを併用し、硬化後のガラス転移温度が120℃以上、300℃以下の範囲内であるものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エポキシ樹脂とその硬化剤とを含有するエポキシ系接着剤組成物であって、
前記エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂とを併用し、
硬化後のガラス転移温度が120℃以上、300℃以下の範囲内であることを特徴とするエポキシ系接着剤組成物。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
更に、反応性希釈剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のエポキシ系接着剤組成物。
【請求項3】
前記反応性希釈剤は、2官能または3官能反応型のものであることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ系接着剤組成物。
【請求項4】
前記硬化剤は、ジシアンジアミドであることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ系接着剤組成物。
【請求項5】
更に、イミダゾール類の硬化促進剤を含有することを特徴とする請求項4に記載のエポキシ系接着剤組成物。
【請求項6】
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂100質量部に対し、前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂は、30質量部~1000質量部の範囲内の配合であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ系接着剤組成物。
【請求項7】
前記エポキシ樹脂組成物は、25℃における粘度が1.0Pa・S以上、10.0Pa・S以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ系接着剤組成物。
【請求項8】
エポキシ樹脂とその硬化剤とを含有するエポキシ系接着剤組成物を加熱硬化してなる硬化物であって、
前記エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂との併用であり、
ガラス転移温度が120℃以上、300℃以下の範囲内であることを特徴とする硬化物。
【請求項9】
前記硬化物は、厚みが、0.8μm以上、2.5μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の接着剤硬化物。
【請求項10】
複数枚の軟磁性部材と、積層された前記軟磁性部材同士を接着した接着層とを有する積層コアであって、
前記接着層が、エポキシ樹脂とその硬化剤とを含有するエポキシ系接着剤組成物を加熱硬化してなる硬化物からなり、
前記エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂との併用であり、
前記接着層の硬化物のガラス転移温度が120℃以上、300℃以下の範囲内であることを特徴とする積層コア。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電動車(xEV)のモータの積層コアを構成する軟磁性部材同士の接着に使用されるエポキシ系接着剤組成物に関するもので、特に、薄膜接着を可能とする低粘度であり、かつ、高温時でも接着強度を維持できる耐熱性を有するエポキシ系接着剤組成物及びその硬化物並びに積層コアに関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素社会の実現が求められるなか、自動車業界においては、石油燃料依存からの脱却に向け、自動車の電動化が加速している。従来のガソリン車がエンジンにより駆動するのに対し、電動車(xEV)では、ロータ(回転子)とステータ(固定子)からなるモーターコアを有するモータにより電気エネルギ(電力)を磁気エネルギ(磁力)に変換し、更に、磁気エネルギを運動エネルギ(動力)に変換することで駆動するものであり、省エネ化や二酸化炭素排出量削減に寄与するためにもモータの高効率化、高性能化が必要とされている。
【0003】
ここで、モータを構成するロータやステータの鉄芯(コア)部分には、従来、表面を絶縁処理した鋼板からなる電磁鋼板を数百~数千枚積層して形成した積層コアが採用されており、電磁鋼板を積層する加工方法としては、カシメ(ダボ積層)やレーザー溶接(溶接積層)が一般的である。即ち、従来の積層型電磁鋼板は、絶縁被膜を備える電磁鋼板を複数枚積み重ねた後、カシメや溶接の加工方法により固着、一体化することで製造されていた。
【0004】
ところが、モータの高効率化のためには鉄損の低減が必要であるところ、カシメによって電磁鋼板を積層した場合には、カシメ部に磁束がはしることで渦電流が発生したり、カシメの凹凸付与により電磁鋼板に歪み(機械歪)が生じたりしやすいことで鉄損が大きくなり、また、溶接で積層した場合であっても、熱歪が生じたり、電磁鋼板の絶縁被膜が損傷して絶縁性の低下により電磁鋼板同士が導通してしまったりすることで、鉄損が大きくなるという問題があった。
【0005】
更に、モータの高効率化の要求に伴い、渦電流損を低減するために積層コアの電磁鋼板の板厚を薄くする傾向にあるが、電磁鋼板が薄くなると、カシメや溶接が難しくなり、また、積層コアの形状保持が難しくなるという問題が生じる。
特に、最近では、高磁束密度で低鉄損のナノ結晶材が軟磁性材料として期待されており、ナノ結晶材或いはその前駆体であるアモルファス合金といった軟磁性材料の箔材(薄帯)を積層して積層コアを製造する試みもなされているところ、こうしたナノ結晶材やアモルファス合金といった軟磁性材料の箔材は、厚みが薄く脆弱であることから取り扱いが難しく、カシメや溶接での積層固着が難しいものである。
【0006】
そこで、カシメや溶接での積層固着に替えて、電磁鋼板同士を接着する方法が注目されている。接着によれば、カシメ加工や溶接加工による加工歪(機械歪、熱歪)を与えないことから、鉄損の低減を期待できる。
例えば、特許文献1乃至特許文献4には、複数枚の電磁鋼板を接着して積層電磁鋼板を形成する技術が提案されている。
【0007】
特許文献1には、互いに積層された複数の電磁鋼板を備え、積層方向に隣り合う全ての組の電磁鋼板同士が固定された積層コアであって、全ての組の電磁鋼板同士のうちの少なくとも1組の電磁鋼板同士が、接着剤の硬化物からなる接着部により接着され、接着剤が、ガラス転移温度を有しないエポキシ樹脂(A)と、アクリル樹脂、フェノール樹脂およびウレタン樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂(B)とを含有し、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して樹脂(B)の割合が1~50質量部であり、接着部の200℃での引張弾性率が100~2500MPaである、積層コアが開示されている。
【0008】
特許文献2には、エポキシ樹脂と、潜在性エポキシ樹脂硬化剤と、熱可塑性エラストマーとを含有し、熱可塑性エラストマーの融点が100℃以上200℃以下であり、かつ曲げ弾性率が5MPa超100MPa以下であり、エポキシ樹脂と潜在性エポキシ樹脂硬化剤との合計100質量部に対して、熱可塑性エラストマーの含有量が10質量部以上40質量部未満である電磁鋼板用コーティング組成物が開示されている。
【0009】
特許文献3には、エポキシ樹脂と、アルキル基及びアルコキシ基のいずれか一方または両方を有するフェノール骨格を含むフェノール樹脂からなる第1硬化剤と、フェノールレゾール樹脂及びフェノールノボラック樹脂から選ばれる1種以上の第2硬化剤と、を含有し、第1硬化剤の含有量が、エポキシ樹脂100質量部に対して、5質量部以上150質量部以下であり、第1硬化剤と第2硬化剤の合計の含有量が、エポキシ樹脂の100質量部に対して、10質量部以上155質量部以下である、電磁鋼板用コーティング組成物が開示されている。
【0010】
特許文献4には、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、エラストマー変性フェノール樹脂と、を含有し、エラストマー変性フェノール樹脂の含有量が、エポキシ樹脂100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下である、電磁鋼板用コーティング組成が開示されている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社アイシン
車両
17日前
株式会社アイシン
車両
17日前
株式会社アイシン
潤滑油
2日前
株式会社アイシン
粉砕機
4日前
株式会社アイシン
熱交換器
17日前
株式会社アイシン
熱交換器
17日前
株式会社アイシン
操作検出装置
11日前
株式会社アイシン
キックセンサ
1か月前
株式会社アイシン
電力変換装置
1か月前
株式会社アイシン
ヒートシンク
1か月前
株式会社アイシン
焼き入れ方法
2日前
株式会社アイシン
動力変換装置
17日前
株式会社アイシン
焼き入れ方法
2日前
株式会社アイシン
冷却モジュール
1か月前
株式会社アイシン
車両用駆動装置
17日前
株式会社アイシン
車両用駆動装置
1か月前
株式会社アイシン
回転角検出装置
17日前
株式会社アイシン
車両用ドア装置
1か月前
株式会社アイシン
車両用駆動装置
1か月前
株式会社アイシン
位置姿勢取得装置
10日前
株式会社アイシン
車両用駆動伝達装置
1か月前
株式会社アイシン
車両用駆動伝達装置
1か月前
株式会社アイシン
車両用駆動伝達装置
17日前
株式会社アイシン
複合歯車の製造方法
9日前
株式会社アイシン
ペロブスカイト太陽電池
1か月前
株式会社アイシン
ペロブスカイト太陽電池
2日前
株式会社アイシン
二酸化炭素回収システム
10日前
株式会社アイシン
静電容量センサシステム
1か月前
株式会社アイシン
車両用のドアロック装置
1か月前
株式会社アイシン
バルブ装置の学習装置及び学習方法
1か月前
株式会社アイシン
ペロブスカイト太陽電池の製造方法
18日前
株式会社アイシン
バルブ制御装置及びバルブ制御方法
1か月前
株式会社アイシン
ペロブスカイト太陽電池及びカーボン液
9日前
株式会社アイシン
車両用制御装置及び車両用制御プログラム
10日前
株式会社アイシン
水性エマルジョン系制振塗料組成物及びその硬化塗膜
1か月前
株式会社アイシン
エポキシ系接着剤組成物及びその硬化物並びに積層コア
2日前
続きを見る