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公開番号
2025176841
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2024083192
出願日
2024-05-22
発明の名称
軟磁性合金および軟磁性合金の製造方法
出願人
大同特殊鋼株式会社
代理人
弁理士法人上野特許事務所
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20251128BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】Fe-Si-B-Cu-Nb系合金をベースとする軟磁性合金であって、高飽和磁束密度と高い打抜き性を両立することができる軟磁性合金、およびそのような軟磁性合金の製造方法を提供する。
【解決手段】原子%で、7.0%≦Si≦15.0%、7.0%≦B≦10.0%、0.5%≦Cu≦2.0%、0.03%≦C≦0.30%、0.005%≦S≦0.050%と、Ti,Nb,V,Zr,Hf,Ta,Wより選択される少なくとも1種の元素をXとして、3.0%<X≦5.0%と、を含有し、残部が、Fe、またはFeの一部をNiおよびCoの少なくとも一方で置換したもの、および不可避的不純物よりなる、軟磁性合金とする。また、合金溶湯を急冷することで、上記の成分組成を有するアモルファス状の合金薄帯を製造したうえで、合金薄帯の結晶化開始温度よりも30℃高い温度から±15℃の範囲を目標温度として、合金薄帯の熱処理を行う。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
原子%で、
7.0%≦Si≦15.0%、
7.0%≦B≦10.0%、
0.5%≦Cu≦2.0%、
0.03%≦C≦0.30%、
0.005%≦S≦0.050%と、
Ti,Nb,V,Zr,Hf,Ta,Wより選択される少なくとも1種の元素をXとして、
3.0%<X≦5.0%と、を含有し、
残部が、Fe、またはFeの一部をNiおよびCoの少なくとも一方で置換したもの、および不可避的不純物よりなる、軟磁性合金。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
さらに、原子%で、
0%<P≦2.0%、
0%<Cr≦3.0%、
0%<Mo≦3.0%
の少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の軟磁性合金。
【請求項3】
平均結晶粒径30nm以下のナノ結晶を含んだナノ結晶合金を構成している、請求項1または請求項2に記載の軟磁性合金。
【請求項4】
合金溶湯を急冷することで、請求項1または請求項2の成分組成を有するアモルファス状の合金薄帯を製造したうえで、
前記合金薄帯の結晶化開始温度よりも30℃高い温度から±15℃の範囲を目標温度として、前記合金薄帯の熱処理を行う、軟磁性合金の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟磁性合金および軟磁性合金の製造方法に関し、さらに詳しくは、Fe-Si-B-Cu-Nb系合金をベースとした軟磁性合金、およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
高周波トランスやチョークコイル、モータコア等に用いられる軟磁性合金の一種として、Fe-Si-B-Cu-Nb系合金をベースとする材料が公知である。その種の材料は、下記の特許文献1~3等に開示されている。Fe-Si-B-Cu-Nb系合金をベースとする合金をアモルファスとして得ておき、熱処理を経ることで、ナノ結晶を含む組織を得ることができる。ナノ結晶の生成により、良好な軟磁気特性が得られるようになる。
【0003】
Fe-Si-B-Cu-Nb系合金をベースとする軟磁性合金については、所望の特性が得られるように、成分組成の調整が行われている。例えば、熱処理を経てナノ結晶を得るために必要なアモルファス化を促進する観点から、B,C,Pなどの元素が添加される。また、Cu,Nb,V,Ti,W,Hf,Ta等の元素を添加することで、熱処理を経て得られるナノ結晶を微細化することができる。また、Siを添加することで、透磁率が高められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-195936号公報
特開2019-148004号公報
特開2019-131853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Fe-Si-B-Cu-Nb系合金をベースとする軟磁性合金は、保磁力と飽和磁束密度のバランスに優れた材料であるが、高周波トランス等に用いる場合に、小型化の観点から、特に高い飽和磁束密度を有することが求められる。また、モータコア等の用途において、軟磁性合金の板材を打抜き、得られた打抜き体を多数積層する場合があるが、Fe-Si-B-Cu-Nb系合金をベースとする軟磁性合金は、アモルファスの状態でも、ナノ結晶合金の状態でも、非常に強度が高いため、打抜き性が低い。打抜き性を高めることが、モータコア等、軟磁性合金の打抜き加工を要する製品の製造コストを抑えるために、重要である。しかし、一般に採用されているFe-Si-B-Cu-Nb系合金をベースとする軟磁性合金の成分組成では、高飽和磁束密度と高い打抜き性を両立することは難しい。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、Fe-Si-B-Cu-Nb系合金をベースとする軟磁性合金であって、高飽和磁束密度と高い打抜き性を両立することができる軟磁性合金、およびそのような軟磁性合金の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の軟磁性合金および軟磁性合金の製造方法は、以下の構成を有する。
【0008】
[1]本発明の軟磁性合金は、原子%で、7.0%≦Si≦15.0%、7.0%≦B≦10.0%、0.5%≦Cu≦2.0%、0.03%≦C≦0.30%、0.005%≦S≦0.050%と、Ti,Nb,V,Zr,Hf,Ta,Wより選択される少なくとも1種の元素をXとして、3.0%<X≦5.0%と、を含有し、残部が、Fe、またはFeの一部をNiおよびCoの少なくとも一方で置換したもの、および不可避的不純物よりなる。
【0009】
[2]上記[1]の態様において、前記軟磁性合金はさらに、原子%で、0%<P≦2.0%、0%<Cr≦3.0%、0%<Mo≦3.0%の少なくとも1種を含有してもよい。
【0010】
[3]上記[1]または[2]の態様において、前記軟磁性合金は、平均結晶粒径30nm以下のナノ結晶を含んだナノ結晶合金を構成しているとよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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