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公開番号2025176445
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-04
出願番号2024082616
出願日2024-05-21
発明の名称海洋生分解性樹脂組成物および分解速度促進剤
出願人国立大学法人群馬大学
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C08L 101/00 20060101AFI20251127BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、生分解性樹脂の海洋生分解速度を促進する技術を開発することを課題とする。
【解決手段】本発明は、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸またはその類縁体からなるモノマー、該モノマーを含むオリゴマー、ならびに該モノマーを含むポリマーから選ばれる1種以上を含む、生分解性樹脂の海洋生分解速度促進剤等を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸またはその類縁体からなるモノマー、該モノマーを含むオリゴマー、ならびに該モノマーを含むポリマーから選ばれる1種以上を含む、生分解性樹脂の海洋生分解速度促進剤。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記モノマーが、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸、7,16-ジヒドロキシヘキサ
デカン酸、8,16-ジヒドロキシヘキサデカン酸、9,16-ジヒドロキシヘキサデカン酸、10,16-ジヒドロキシヘキサデカン酸、(Z)-16-ヒドロキシヘキサデカ-9-エン酸、9,10-エポキ
シ-16-ヒドロキシヘキサデカン酸、9,18-ジヒドロキシオクタデカン酸、10,18-ジヒドロ
キシオクタデカン酸、(Z)-18-ヒドロキシオクタデカ-9-エン酸、9,10-エポキシ-18-ヒド
ロキシオクタデカン酸、9,10,18-トリヒドロキシオクタデカン酸、(Z)-オクタデカ-9-エ
ン二酸、(9Z,12Z)-18-ヒドロキシオクタデカ-9,12-ジエン酸、(Z)-9,10-エポキシ-18-ヒ
ドロキシオクタデカ-12-エン酸、(Z)-9,10,18-トリヒドロキシオクタデカ-12-エン酸、および(6Z,9Z)-オクタデカ-6,9-ジエン二酸から選ばれる、請求項1に記載の海洋生分解速
度促進剤。
【請求項3】
前記生分解性樹脂が、ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の海洋生分解速度促進剤。
【請求項4】
前記生分解性樹脂が、ポリブチレンサクシネートアジペートおよびポリブチレンサクシネートから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の海洋生分解速度促進剤。
【請求項5】
生分解性樹脂、および
請求項1~4のいずれか1項に記載の海洋生分解速度促進剤、
を含む、海洋生分解速度が促進された海洋生分解性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の海洋生分解性樹脂組成物で形成された成形品。
【請求項7】
生分解性樹脂と、請求項1~4のいずれか1項に記載の海洋生分解速度促進剤とを接触させ、海洋環境における生分解性樹脂の生分解速度を促進する方法。
【請求項8】
生分解性樹脂と、請求項1~4のいずれか1項に記載の海洋生分解速度促進剤とを接触させ、海洋環境において生分解性樹脂を生分解する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸(別名:アロイリット酸)等を利用した生分解性樹脂の海洋生分解速度促進剤、およびそれを含む海洋生分解性樹脂組成物等に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリブチレンサクシネート-co-アジペート(PBSA)やポリブチレンサクシネート(PBS)
など、多くの脂肪族ポリエステルは、優れた物性と加工性を有する生分解性材料である。ただし、海中における生分解速度が低く、海洋環境汚染の一因となっている。これまでにも分解速度促進剤添加等による分解速度向上の試みがなされているが、生分解速度とその他の物性の両立(促進剤添加による引張強度の低下)、材料コストといった点において十分ではなく、多様な樹脂製品需要を満たすためにも更なる海洋生分解性技術が求められている。
【0003】
特許文献1~3には、海洋生分解性が低いPBSAやPBS等の材料に、海洋生分解性が高いポ
リヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリカプロラクトン(PCL)、アガロース等を添加する方法が挙げられている。特許文献4及び5には、当該樹脂に加水分解酵素を添加することで、分解速度を上昇させる手法が挙げられている。特許文献6には窒素化合物及びリン化合物を
添加し、海洋環境中での分解速度を上昇させる手法が挙げられている。
しかしながら、海洋環境中での生分解性樹脂の分解を加速させる、さらなる手法の開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-145600号公報
特開2022-037049号公報
特開2022-172526号公報
特表2020-531671号公報
特表2022-526344号公報
特開2022-142016号公報(特許第6976540号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記状況を鑑み、本発明は、生分解性樹脂の海洋生分解速度を促進する技術を開発することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸等の化合物が、生分解性樹脂の海洋生分解速度を促進できることを知見した。このような知見に基づき、本発明は完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨は以下に関する。
【0007】
[1]
9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸またはその類縁体からなるモノマー、該モノマーを含むオリゴマー、ならびに該モノマーを含むポリマーから選ばれる1種以上を含む、生分解性樹脂の海洋生分解速度促進剤。
[2]
前記モノマーが、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸、7,16-ジヒドロキシヘキサ
デカン酸、8,16-ジヒドロキシヘキサデカン酸、9,16-ジヒドロキシヘキサデカン酸、10,16-ジヒドロキシヘキサデカン酸、(Z)-16-ヒドロキシヘキサデカ-9-エン酸、9,10-エポキ
シ-16-ヒドロキシヘキサデカン酸、9,18-ジヒドロキシオクタデカン酸、10,18-ジヒドロ
キシオクタデカン酸、(Z)-18-ヒドロキシオクタデカ-9-エン酸、9,10-エポキシ-18-ヒド
ロキシオクタデカン酸、9,10,18-トリヒドロキシオクタデカン酸、(Z)-オクタデカ-9-エ
ン二酸、(9Z,12Z)-18-ヒドロキシオクタデカ-9,12-ジエン酸、(Z)-9,10-エポキシ-18-ヒ
ドロキシオクタデカ-12-エン酸、(Z)-9,10,18-トリヒドロキシオクタデカ-12-エン酸、および(6Z,9Z)-オクタデカ-6,9-ジエン二酸から選ばれる、前記海洋生分解速度促進剤。
[3]
前記生分解性樹脂が、ポリエステル樹脂である、前記海洋生分解速度促進剤。
[4]
前記生分解性樹脂が、ポリブチレンサクシネートアジペートおよびポリブチレンサクシネートから選ばれる1種以上である、前記海洋生分解速度促進剤。
[5]
生分解性樹脂、および
前記海洋生分解速度促進剤、
を含む、海洋生分解速度が促進された海洋生分解性樹脂組成物。
[6]
前記海洋生分解性樹脂組成物で形成された成形品。
[7]
生分解性樹脂と、前記海洋生分解速度促進剤とを接触させ、海洋環境における生分解性樹脂の生分解速度を促進する方法。
[8]
生分解性樹脂と、前記海洋生分解速度促進剤とを接触させ、海洋環境において生分解性樹脂を生分解する方法。
【0008】
なお、本発明は、以下の構成を採用することも可能である。
[10]
生分解性樹脂の海洋生分解速度促進のための、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸またはその類縁体からなるモノマー、該モノマーを含むオリゴマー、ならびに該モノマーを含むポリマーから選ばれる1種以上の使用。
[11]
生分解性樹脂の海洋生分解速度促進における使用のための、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸またはその類縁体からなるモノマー、該モノマーを含むオリゴマー、ならびに該モノマーを含むポリマーから選ばれる1種以上。
[12]
生分解性樹脂の海洋生分解速度促進剤の製造のための、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸またはその類縁体からなるモノマー、該モノマーを含むオリゴマー、ならびに該モノマーを含むポリマーから選ばれる1種以上の使用。
[13]
9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸またはその類縁体からなるモノマー、該モノマーを含むオリゴマー、ならびに該モノマーを含むポリマーから選ばれる1種以上を製剤化することを含む、生分解性樹脂の海洋生分解速度促進剤の製造方法。
[14]
生分解性樹脂組成物と、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸またはその類縁体からなるモノマー、該モノマーを含むオリゴマー、ならびに該モノマーを含むポリマーから選ばれる1種以上とを混合することを含む、海洋生分解速度が促進された海洋生分解性樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、生分解性樹脂の海洋生分解速度を促進できる。すなわち、本発明により、生分解性樹脂の海洋生分解速度の促進剤、海洋生分解速度が促進された海洋生分解性樹脂組成物、該海洋生分解性樹脂組成物で形成された成形品、海洋環境における生分解性樹脂の生分解速度の促進方法、海洋環境において生分解性樹脂を生分解する方法等が提供される。
【0010】
すなわち、本発明によれば、海洋生分解速度が低い生分解性樹脂と、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸等の化合物とを共存させることで、生分解性樹脂の海洋生分解速度を促進することができる。したがって、通常使用条件では機械的特性を保つが、使用後に環境流出し、海洋中等の微生物の少ない状況下におかれた際に生分解性が促進される複合材料を安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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