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公開番号2025066191
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-23
出願番号2022006559
出願日2022-01-19
発明の名称抗真菌薬点眼剤
出願人日本農薬株式会社,国立大学法人群馬大学
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類A61K 31/4178 20060101AFI20250416BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】 ルリコナゾールを有効成分とする抗真菌薬の点眼剤、特に水性点眼剤を提供すること。
【解決手段】 1)ルリコナゾールと、2)ベンジルアルコールと、3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種とを含有する、点眼剤。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
1)ルリコナゾールと、2)ベンジルアルコールと、3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種とを含有する、点眼剤。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
ルリコナゾールの含有量が、点眼剤全体に対して0.03~0.8w/v%である、請求項1に記載の点眼剤。
【請求項3】
ベンジルアルコールの含有量が、点眼剤全体に対して1.5~7.0w/v%である、請求項1または2に記載の点眼剤。
【請求項4】
3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含み、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの含有量が、点眼剤全体に対して1.0~25w/v%である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項5】
3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含み、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量が、点眼剤全体に対して0.5~25w/v%である、請求項1乃至4いずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項6】
ルリコナゾールの含有量が点眼剤全体に対して0.05~0.5w/v%であり、ベンジルアルコールの含有量が点眼剤全体に対して2.0~5.2w/v%であり、かつポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの含有量が点眼剤全体に対して2.0~20w/v%であるか、またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量が、点眼剤全体に対して1.0~20w/v%である、請求項1に記載の点眼剤。
【請求項7】
3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含み、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(70)である、請求項1乃至6いずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項8】
3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含み、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である、請求項1乃至7いずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項9】
点眼剤が水性点眼剤である、請求項1乃至8いずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項10】
増粘剤、糖類、抗酸化剤、防腐剤、溶解補助剤、pH調節剤、等張化剤、清涼化剤、緩衝剤および安定化剤から選択される1種または2種以上の添加物をさらに含有する請求項1乃至9いずれか1項に記載の点眼剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ルリコナゾールを有効成分とする点眼剤に関する。
続きを表示(約 8,000 文字)【背景技術】
【0002】
ルリコナゾールは皮膚科分野において優れた抗真菌活性を有し、足白癬治療剤(商品名ルリコン)および爪白癬治療剤(商品名ルコナック)が販売されている。ルリコナゾールは、白癬菌(主にトリコフィトン属)以外にもアスペルギルス属、フサリウム属、カンジダ属、スキタリジウム属、マラセチア属などの幅広い真菌に対しても優れた抗真菌活性を示すことが知られている(例えば、特許文献1~5を参照)。しかしながら、皮膚科分野における製剤化の際には、ルリコナゾールの難水溶性や良好な結晶性などの物理化学的性質によって、溶媒、特に水を含む溶媒への可溶化や製剤中での結晶析出が製剤製造上の大きな課題となっており、これら課題を克服するため、各種界面活性剤などの添加剤が検討されている(例えば、特許文献6~12を参照)。
【0003】
上記のように、ルリコナゾールは幅広い真菌に対して優れた抗真菌活性を有することから、主にフサリウム属を原因菌とした真菌症が問題となっている眼科分野においても有用な治療剤になると考えられてきたが、ルリコナゾールの難水溶性が原因で水性点眼剤のような水を基剤とした製剤は検討されておらず、また知られてもいなかった。
なお、ルリコナゾールを有効成分として含む液剤であるルリコン液1%は、中鎖脂肪酸トリグリセリドおよびマクロゴール400(溶解剤)、メチルエチルケトン(溶解補助剤)、リン酸(pH調整剤)、ならびに無水エタノール(溶剤)からなり、水は含有されていない。また、ルリコナゾールを有効成分として含む他の液剤であるルコナック爪外用液5%は、N-メチル-2-ピロリドン、ベンジルアルコール、アジピン酸ジイソプロピル、乳酸、ポビドン及び無水エタノールからなる。
したがって、ルリコナゾールを有効成分として含む液剤として、水を含む医薬品は、これまで開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3278737号公報
国際公開第2009/028495号パンフレット
国際公開第2013/047530号パンフレット
国際公開第2014/115487号パンフレット
国際公開第2014/115488号パンフレット
国際公開第2007/102241号パンフレット
国際公開第2007/102242号パンフレット
国際公開第2007/102243号パンフレット
国際公開第2009/031642号パンフレット
国際公開第2009/031643号パンフレット
国際公開第2009/031644号パンフレット
国際公開第2010/117089号パンフレット
国際公開第2010/117091号パンフレット
国際公開第2011/024620号パンフレット
国際公開第2011/155640号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
眼科分野の真菌症は、様々な真菌が原因であり、適切な治療薬の選択にあたっては原因菌の特定が必要であるが、原因菌を特定せずに幅広い真菌に対して有効な薬剤を処方できれば迅速な治療が可能になり、その社会的意義は大きい。本発明は、幅広い真菌に対して優れた抗真菌活性を有するルリコナゾールを眼科分野の真菌症治療剤へと適用拡大するため、水溶解度の低いルリコナゾールを、水性点眼剤を包含する、水を基剤とした製剤として製剤化すべく、適切な界面活性剤の組み合わせを見出すことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を克服すべく鋭意検討を重ねた結果、ベンジルアルコールと特定の界面活性剤との組み合わせがルリコナゾールを溶解し、所望の点眼剤処方になりうることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、
[1]1)ルリコナゾールと、2)ベンジルアルコールと、3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種とを含有する、点眼剤、
[2]ルリコナゾールの含有量が、点眼剤全体に対して0.03~0.8w/v%である、[1]に記載の点眼剤、
[3]ベンジルアルコールの含有量が、点眼剤全体に対して1.5~7.0w/v%である、[1]または[2]に記載の点眼剤、
[4]3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含み、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの含有量が、点眼剤全体に対して1.0~25w/v%である、[1]乃至[3]いずれかに記載の点眼剤、
[5]3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含み、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量が、点眼剤全体に対して0.5~25w/v%である、[1]乃至[4]いずれかに記載の点眼剤、
[6]ルリコナゾールの含有量が点眼剤全体に対して0.05~0.5w/v%であり、ベンジルアルコールの含有量が点眼剤全体に対して2.0~5.2w/v%であり、かつポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの含有量が点眼剤全体に対して2.0~20w/v%であるか、またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量が、点眼剤全体に対して1.0~20w/v%である、[1]に記載の点眼剤、
[7]3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含み、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(70)である、[1]乃至[6]いずれかに記載の点眼剤、
[8]3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含み、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である、[1]乃至[7]いずれかに記載の点眼剤、
[9]点眼剤が水性点眼剤である、[1]乃至[8]いずれかに記載の点眼剤、
[10]増粘剤、糖類、抗酸化剤、防腐剤、溶解補助剤、pH調節剤、等張化剤、清涼化剤、緩衝剤および安定化剤から選択される1種または2種以上の添加物をさらに含有する[1]乃至[9]いずれかに記載の点眼剤、
[11]眼科分野の真菌症治療剤である[1]乃至[10]いずれかに記載の点眼剤、
[12]ルリコナゾールをベンジルアルコールに溶解して得られる溶液に、精製水で希釈した、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種を添加し、さらに精製水で希釈することを特徴とする、[1]乃至[11]いずれかに記載の点眼剤の製造方法、に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ルリコナゾールを有効成分とし、水を基剤とした抗真菌薬の点眼剤、特に水性点眼剤を提供することができる。 本発明の点眼剤は、水を基剤とした剤(例えば水性点眼剤)であるため、油性点眼剤のように有効成分が水をはじきやすく、他の点眼薬の吸収を阻害してしまうという欠点がないばかりでなく、懸濁性点眼剤のように水に溶けにくく吸収されにくいといった欠点がない。そのため本発明の点眼剤は、有効成分であるルリコナゾールの患部への送達を効率的に行うことを可能とするとともに、ルリコナゾールを他の点眼剤と併用することを可能にするといった効果を奏する。
本発明によれば、水溶解度が低いルリコナゾールを有効成分として含む、水を基剤とした点眼剤等の製剤が提供される。かかる製剤は、目視にて澄明な、水を基剤とした製剤である。
従来技術においては、ルリコナゾールを有効成分として含む眼科用製剤の調製は、ルリコナゾールの水難溶性を克服することが困難であるため、試みられることさえなかった。かかる背景に鑑みれば、本発明が奏する上記の効果は、従来技術からは当業者といえども予測しえない顕著な効果であるといえる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本発明の点眼剤において用いられる成分]
本発明の点眼剤は、ルリコナゾールを有効成分とする抗真菌薬であって、ベンジルアルコールと、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種とを、ルリコナゾールの水溶性を高める成分として含有することを特徴とする。
本発明の点眼剤において用いられる成分について、以下にさらに説明する。
●1.1)ルリコナゾール
本発明の点眼剤における有効成分であるルリコナゾールは、下記構造式で表される、化学名(R)-(-)-(E)-[4-(2,4-ジクロロフェニル)-1,3-ジチオラン-2-イリデン]-1-イミダゾリルアセトニトリルで表される水にほとんど溶解しない化合物であり、その製法と抗真菌特性は既に知られている。
JPEG
2025066191000001.jpg
45
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本発明の点眼剤におけるルリコナゾールの含有量は限定されないところ、該含有量としては、点眼剤全体に対して0.01~1質量対容量パーセント濃度(以下、w/v%と表記する。)であってよく、好ましくは0.03~0.8w/v%、更に好ましくは0.05~0.5w/v%の範囲の含有量であることができる。なお、本明細書において、記号「~」により特定される範囲には、記号「~」の両端に記載される2つの数値も包含される。
●2.1)ルリコナゾールの水溶性を高める成分
本発明は、ルリコナゾールの水溶性を高める成分として
2)ベンジルアルコール、及び
3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種
を含有することにより、ルリコナゾールを有効成分として含み、水を基剤とした抗真菌薬の点眼剤を提供する。上記3)の成分は、2)ベンジルアルコールと相乗的に作用して、ルリコナゾールの水溶性を高めると考えられる。
上記2)および3)の成分の含有量は、ルリコナゾールの水溶性を高める量であれば限定されず、また、ルリコナゾールの配合量に応じて調整してよい。より具体的には以下のとおりである。
2)ベンジルアルコール
本発明の点眼剤におけるベンジルアルコールの含有量は限定されないところ、該含有量は、点眼剤全体に対して1.0~10w/v%であり、好ましくは1.5~7.0w/v%、更に好ましくは2.0~5.2w/v%の範囲の含有量であることができる。
本発明の点眼剤において、ベンジルアルコールの含有量のルリコナゾールの含有量に対する割合は、ルリコナゾールが溶解する割合であれば限定されない。かかる割合は、例えば10倍~40倍であってよい。
3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種
本発明の点眼剤において、3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種として、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが用いられる場合、該ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの添加量(本発明の点眼剤が調製された際に含有される量)は限定されないところ、該含添加量は、点眼剤全体に対して0.1~30w/v%であってよく、好ましくは1.0~25w/v%、更に好ましくは2.0~20w/v%の範囲の添加量であることができる。また、本発明の点眼剤において、2種以上のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが用いられる場合、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの総添加量は、上記各範囲の添加量であることができる。
本発明の点眼剤において、3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が用いられる場合、該ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の添加量(本発明の点眼剤が調製された際に含有される量)は限定されないところ、該添加量は、点眼剤全体に対して0.1~30w/v%であってよく、好ましくは0.5~25w/v%、更に好ましくは1.0~20w/v%の範囲の添加量であることができる。また、本発明の点眼剤において、2種以上のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が用いられる場合、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の総添加量は、上記各範囲の添加量であることができる。
本発明の点眼剤においては、少なくとも1種のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよび少なくとも1種のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を併用してよい。この場合、少なくとも1種のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよび少なくとも1種のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の添加量は、それぞれ、上述したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの添加量の範囲の添加量、およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の添加量の範囲の添加量、であってよい。
本発明の点眼剤において、3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種の含有量のルリコナゾールの含有量に対する割合は、ルリコナゾールが溶解する割合であれば限定されない。かかる割合は、例えば10倍~60倍であってよい。
なお、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、その重合度によって様々な種類があるところ、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール(かっこ内は平均重合度を表す。以下において同様)、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール、およびポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン(70)グリコールが例示される。本発明の点眼剤において用いられるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、重合度により限定されず、上記いずれのポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを用いてもよい。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとして、例えば商品名ユニルーブ70DP-950Bとして販売されているポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(70)は、本発明の点眼剤において好ましい。
また、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、その重合度によって様々な種類があるところ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100が例示される。本発明の点眼剤において用いられるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、重合度により限定されず、上記いずれのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いてもよい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油として、商品名HCO-60として販売されているポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は、本発明の点眼剤において好ましい。ルリコナゾールの含有量が点眼剤全体に対して0.05~0.5w/v%であり、ベンジルアルコールの含有量が点眼剤全体に対して2.0~5.2w/v%であり、かつポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの含有量が点眼剤全体に対して2.0~20w/v%であるか、またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量が、点眼剤全体に対して1.0~20w/v%である本発明の点眼剤は、ルリコナゾールが一層安定して溶解するため好ましい。
本発明の点眼剤において、3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選択される1種または2種を、2)ベンジルアルコールの含有量に対して、約0.3倍~約4倍の含有量で用いることは、ルリコナゾールを一層確実に溶解させる観点から好ましい。
【0009】
[その他の成分]
点眼剤は、大きく水性点眼剤、油性点眼剤、懸濁性点眼剤に分類されるが、本発明の点眼剤は、水を基剤とした点眼剤、例えば水性点眼剤に分類される。
本発明の点眼剤は、水を含むものであり、点眼剤全体に対して、好ましくは水を40w/v%以上含み、より好ましくは水を60w/v%以上含み、一層より好ましくは水を70w/v%以上含む。点眼剤全体に対して、水を40w/v%以上含む点眼剤を、本発明においては水性点眼剤と称する。
本発明の点眼剤に配合される水の種類は限定されず、通常の点眼剤に用いられるものであってよい。本発明の点眼剤に配合される水として、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、および注射用蒸留水等が例示されるところ、これらの種類の水は、第十八改正日本薬局方に定義されるとおりのものである。
また、本発明の点眼剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、点眼剤に通常用いられる添加物を含有することができる。添加物は、1種または2種以上を任意の割合で併用してもよい。添加物としては、増粘剤、糖類、抗酸化剤、防腐剤、溶解補助剤、pH調節剤、等張化剤、清涼化剤、緩衝剤、安定化剤等が挙げられる。
また、本発明においては、界面活性剤として、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が用いられるところ、本発明の効果を損なわない範囲で、他の界面活性剤を併せて用いてよい。他の界面活性剤として、ポビドン K30、マクロゴール4000、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリソルベート80、およびモノステアリン酸ポリエチレングリコール(10E.0.)等が例示される。これらの界面活性剤は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と同様に、非イオン界面活性剤である。
【0010】
「増粘剤」としては、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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